商店街活性化 見よう見まねからの脱却

 中活法第五条は、中心市街地の活性化について地方自治体の責務を定めています。“効果的に中心市街地の活性化を推進するよう所要の施策を策定し実施する責務を有する”

 中心市街地とはどこのことか?
「語感」からイメージされる「都市の主要な機能が集積する街区」ではなく、第二条「中心市街地」
①集積要件:相当数の小売商業者が集積し、都市機能が相当程度集積している
②趨勢要件:都市利用および商業活動の状況からみて都市活動の確保または経済活力の維持に支障が生じ、または生じるおそれがある
③波及効果要因:当該市街地が活性化することが市町村の発展に有効かつ適切であること
に明らかなように、中活法における中心市街地とは都市の旧中心部の商業街区とその周辺街区のことです。

 したがって、中心市街地活性化の定義=「都市機能の増進および経済活力の向上」の中心課題は、商業街区における都市機能の増進・経済活力の向上であり、さらに「増進と向上」を一体的に推進すべき対象として当該市街地に存在する「商店街群の活性化」がメインの課題になります。
中活法において、地方公共団体がその責務として推進しなければならないのは、「商店街群の活性化」である、ということはあまり自覚されていないのでは無いか?
商店街の活性化はもっぱら商業者の仕事であり、自治体はそれをバックアップするのが任務だ、」と認識されているところが多いように思われます。これは大きな間違い、中活法では中心市街地所在の商店街群の活性化は,地方自治体の責務とされているのです。

 「商業者に任せていたのでは商店街は活性化出来ない」
これが中活法制定の大前提ですね。(『基本方針』第7章)

 伝統的な商店街活性化策としては、共同施設の整備、共同経済事業の実施に大別されますが、その目的は、類似・競合商店街との差別化であり、施策はほとんどが「先行事例踏襲」です。
(任意の商店街の活性化策を思い浮かべてみてください。)
踏襲される「先行事例」はといえば、本来「類似商店街との差別化」を目指す施策であり、「差別化に成功した施策」に追随することが商店街レベルの活性化策として「通用」しています。
目下流行中の「三種の神器=一店逸品、百縁商店街、まちなかゼミナール」はその典型ですね。いずれも、他の条件で同等程度の商店街間、同業店間の競合には役に立つ販促かも知れません。

 しかし、目下進行している空洞化は商店街間競争、同業店間競争によって生じたものではありませんから、これらのアイデアが活性化施策として効果が得られるわけが無い。「成功事例」と喧伝されている先行事例の紹介もよく読んでみると、「事業として実現した」という話、その結果街が活性化したとか、着実に活性化に向かっている、という報告ではありませんね。
商店街活性化には、模倣追随の対象になる「成功事例」が無いのです。

 もはや、商業者得意の「先行事例追随」では商店街を活性化することは出来ない。
これが中活法のスキームで取り組む商店街活性化の基本認識でなければならない。
従来の手法では活性化は出来ない、ということで中活法が制定され、活性化が「地方自治体の責務」とされたのですから。

 したがって、地方自治体が取り組む中心市街地・商店街活性化は、これまで商業者,商店街が取り組んで来た「先行事例の見よう見まね」のレベルは全く期待されていません。
期待されているのは、
①広域に多種多様な商業施設が数多く存在する中で
②維持が困難になっている商店街群を活性化する=維持が危ぶまれる状態から脱出させること、
中心市街地所在の商店街等の商業機能を持続可能にする、という前例の無い課題への取り組みです。

 前例の無い課題に取り組むにあたっては、踏襲できる前例は無く、われわれは「仮説―試行」に赴かなければならない。
試行する「仮説」は、広く小売商業全体を理解し、説明する能力を持った「商業理論」に基づいて導出しなければならない。商店街得意の見よう見まね・販売促進策は、衰退趨勢に陥っている商店街を起死回生、広域所見に於いて商業集積としての持続可能性を取り戻す、という課題への取り組みとしてはあまりにもチャチ過ぎます。

 商店街を活性化する、という都市の課題は、従来商店街組織が十年一日繰り返して来た「成功事例の見よう見まね」方式からきっぱり脱却、「持続可能な商業集積」としての再構築を目指すこと。
過去に例を見ない取り組みであり、「仮説」を立て、試行錯誤によって実現していかなければならない。

 ますは、地方自治体が「中心市街地・商店街活性化」を実現していく取り組みに必要な理論的・実践的知識を確保すること。
言うまでも無く「先行事例」に所要の知識を持っている例はほとんどありませんから、自力で獲得しなければならない。

 中心市街地・商店街活性化に取り組む地方自治体が最優先で取り組むべき課題は、商店街活性化を可能にする理論の確保あり、それに基づく活性化を実現するシナリオの作成です。
現在、この課題に取り組む地方自治体(県・市)が着実に増えています。まず地方自治体の担当者が「活性化実現の道」を確信し、これを都市関係各方面が共有する機会を作ること。
迂遠なようですが、活性化を実現するに足元を確認しながら一歩一歩進んで行く以外に道はありません。

 当社が提供するセミナー(昨日の記事参照)はそのための機会、国内で類似の機会を提供するものはありません

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