商店街活性化事業、転換のとき

(昨日に引き続き)

 商店街活性化、いくら街区単位で取り組んでもその成果が各個店のシャッターの内側に「客数・売り上げの増加」として現れなければ、取り組んだ甲斐がありません。成果の挙がらぬ取組は必ずマンネリ化、やがて“好きな人たちがやっていること”と見なされて先細り、せっかくの執行部の努力も日の目を見ることが少なくなっていきます。どうせ取り組むならみんなに評価され、自店の業績アップにもつながっていくものにしたいのは誰もが願うところです。

 実効ある活性化事業にするためには何をなすべきか。
実はこれまでの取組の前提には大きな錯覚がありました。これに気づき、取組を変えれば成果を挙げることが出来る、もしこれをそのまま放置しておけば、これから先、どんな画期的な事業を思いついても成果にはつながらないだろう、と思われる恐るべき錯覚です。

 その錯覚とは何か?
“商店街立地の各個店は、店前通行量を入店客・買上客に転換する技術を持っている”という活性化事業の大前提が実は大きな錯覚だった、ということです。というか、本当は(特に商店街執行部の皆さん)、よく分かっているが口には出せない、ということかも知れません。
①聞きようによっては悪口になる
②指摘は出来るが改善策は提示できない
という事情がありますからね。

 100億の助成金をもとに取り組まれようとしている“商店街活性化事業”についても、事情はまったく同じです。

 活性化事業(=来街者の増加を目的とする事業)に取り組み、所期の目標(通行量など)を実現しても、それが肝心の各個店の事業機会の拡大(客数・売り上げアップ)につながらないことは、これまでの経験から容易に推測できるところです。
“事業の成果は事業が終わってから、事業の外に現れる”
活性化事業の本当の成果は、事業が終わってから、各個店の客数・売り上げ増として実現されなければならない。
事業の趣旨からして当然のことです。

 商店街活性化では一貫して
①活性化事業の目的は来街者の増大
②事業の成果として増えた店前通行量を顧客にするのは個店の仕事
という考え方で取り組まれて来ました。今日でもそう考えている関係者は少なくありません。

 しかし。
そのような前提のもと、長年にわたって取り組んで来た活性事業の成果は如何でしょうか。
来訪者の増加を目的に“住む人・来る人を増やす”各般の取組が全国津々浦々で取り組まれましたが、事業終了後も増加した通行量が維持されている例は少なく、ましてや各個店の繁盛実現につながった、という例はほとんど無いと言って過言ではありません。

 なぜそう言えるか?
答は簡単でありまして、各個店が“店前通行量を入店客・買上客に変える「買い物の場としての魅力を持った店づくり」が出来ていない”ということですね。
もちろん、この場合の“魅力”とは、広域に多種多様な買い物行き先がしのぎを削っている現状において、“わざわざ入店し、商品を吟味し、買い上げてしまう”ほど優れた店づくり(品揃え・接客・売場)が出来ている、ということです。

 ところが、実際の商店街の各個店には、客数減・売り上げ減を何とかカバーしようと見よう見まねの販売促進に取り組んだ結果、全盛期とは比べものにならない劣化が生じています。
店頭にはノボリやのれん、ポスター、ポップなどを所狭しと設置し、一見のお客には“誰が何のために使う店か”肝心の所がアピール出来なくなっている店が少なくありません。
これではいくら店前通行量が増えても、それを入店客に変えることは出来ません。

 活性化事業を活用して商店街活性化を実現したいなら(否定する人はいないと思いますが)、まず、このことを直視しなければならない。
そして、通行量を増やすための事業と並行して、各個店の「店づくりの転換」を推進しなければならない。
個店の店づくりの転換という課題を放置したままでは、商店街活性化事業にいくら時間とお金を掛けても、事業終了後に街にその成果が根付くことはありません。これまでの経験でよく分かっているとおり。

 商店街活性化。
誰もが成功を願う取組ですが、これまでの事業にはその前提として大きな錯誤がありました。
これを直視し、取り除いて、あるべき取組をスタートさせなければならない時です。
こうすれば商店街を活性化出来る、というシナリオはありますが、それが使える時機はだんだん少なくなっています。
今スタートすれば、おそらくラストチャンスとしてものにすることが出来るでしょう。

 商店街活性化事業、これまでの事業の仕組みを転換、個店に任せていた「売場の大転換」を商店街の総力を挙げて取り組まなければなりません。
長期にわたる取り組みになると思いますが、取り組めば取り組むだけ、取り組んだ個店内部に成果が蓄積され、店外~商店街に浸透していく取組が求められています。

 この問題、立場を問わず、商店街活性化に係わる全ての方にあらためて考えていただきたい、そして、出来れば都市の関係各方面で共有していただき、早急に方針を出していただきたいものです。

 

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