FC2ブログ

相対的陳腐化・絶対的劣化からの脱却は

 各方面で実施されるアンケートの回答をみますと、商店街の悩み、最近は“魅力的な個店が少ない”ことを挙げる人が多いようです。余談ですが、商店街活性化に関するアンケート調査には若干違和感がありまして、何を目的にして調査するのか、今ひとつハッキリしません。調査結果に基づいて施策を講じるというのは、調査にあたってよく言われるところですが、調査の結果から施策を企画する、というのは間違いですね。
商店街の課題は調査し無くても分かる、したがって取り組むべき施策も企画済み、という段階で取り組むのが商店街調査の正しい方法、したがって、調査の目的も実態を客観的に把握する、などというおざなりでは何十年来の繰り返しと同類です。

 興味があるのは、アンケートに“魅力ある個店が少ない”と書いた人たちのこと。
問1 この問題にどう対処しているか、対処しようとしているか?
問2 回答者自身の店舗の「魅力」はどうなっているか?
ということを聞いてみたいものです。
たぶん、何にもしていないし、考えてもいない、ということが分かり、こういう態度こそがいつまで経っても商店街が活性化出来ない原因の一つだということが理解されると思いますが・・・。

 さて、憎まれ口はこれくらいにして、標題について。
1.相対的陳腐化
 我が世の春を謳歌していた商店街に暗雲が垂れ込めるのは、これまで影も形も無かった新しい小売業が登場したことから。
新規登場の業種・業態は、言わば商圏内に“殴り込み”をかけてくるのですから、既存の商店街、個店群の業容を偵察、これなら勝算あり、と判断して出店してきます。当然、既存店の「弱み」を熟知し、この部分で優位を作って出て来るわけです。

 新規出店、地元のお客の多くが「お試し」に出かけます。
行ってみるとどうでしょう、これまでの商店街のお店とはひと味もふた味も違う・眼もまばゆい店づくり(品揃え・サービス・店舗環境)があなたを待っています。新店舗を経験したとたん、これまでは何の不自由も不便も感じなかった商店街、行きつけのお店の業容が、にわかに“陳腐”に感じられるようになってしまいます。
よくまあ、あんな店で買い物してたなあ。・・・。

 常連さんのうち、新規出店をお試しに行ったきり帰ってこない人が出てきます。2割も奪われると大変です。商品の回転が鈍くなり、資金繰りも難しくなる。もちろん新規の客さんは来てくれない。

 手を拱いているわけにはいきませんから、“対応策”を講じなければならない。

1.冗費の節約・・・無駄なお金は極力使わない。
2.販売促進策・・・何とかお客に帰ってきてもらいたい。

1が高じると。
①閑散時間には消灯する ②開店日を減らし、開店時間を短縮する などに至ります。今日、日曜日はお客が来ないから店を閉める、というのはありふれた光景ですね。

2について。
商店街全体が一挙に“陳腐化”していると見なされるわけですから、自店の来店客のみならず、街に買い物に来る人=通行量が激減します。店前通行量が激減しているなかでどうすれば来店客を確保できるか?思案のしどころです。

 施策その1 視認性を高めること。
来街者が減っているからには、なるべく全員に自店の存在を認知してもらい、入店に結びつけなければならない。
そのためには何が必要か?

 ということで、①店頭にのぼりを立てる ②ウインドにポスターを貼る ③看板を大きく作り替える などなどを実行します。
④さらに、店頭に“見切り品”の大きな売台を設置、売れ残り、特売品を陳列してお客の足を止めようとする・・・。
全て、いつかどこかの店がやっているのを見たことがあることばかり・・・。

その結果、何が得られるか?
1.来店客は増えません。
“来店目的”はまったく変化していませんから、わざわざ出かけてくる理由が無い。

2.お店の業容は劣化します。
 もはや誰が何のために来る店か、という肝心のアピールすべき要点がノボリ、ポスター、見切り売台などのせいでお客に伝わらない。
 多種多様な新規出店はあいつぎ、その都度、着実にぉきゃくを奪われ、いよいよ業績は悪化の一途、商品構成もままならず、季節外れの商品が売場を選挙していることさえある・・・。

 こうなるともう、誰がどう見てもお店は“ショッピング行き先”として劣化していることになる。
他ならぬ商店街全盛時代の自店と比べても明らかに見劣りする、というのが商店街の現状です。

 商店街に“魅力的な店が少ない”のは、自分たちが「販売促進」と信じて重ねて来た「努力」がかえって店の業容を劣化させているのです。

 ※※業績が低迷する店は販売促進をしてはならない。まず、業績が悪化した原因を究明してこれに対処し、“店づくり”を万全にしてからあらためて販促を打つ※※
小売業の鉄則ですが、商店街では理解している人が少ない。数十年間にわたって「業績悪化?それ販促だ」というパターンに取り組んで来た結果として街の現状が起きているのだ、ということに気がつかない。

 商店街の現状は、環境の変化に皆さんが手を拱いていた結果として生じているのではありません。環境が様変わりする中で、何とか繁盛を維持したい、何とか右肩下がりの趨勢から脱却したい、という一心で取り組んだ「対応策」の間違いが、商店街の現状を引き起こしているのだ、ということに早く、一日も早く気づくべき。
気づいたら“何をなすべきか”広く情報を集めて「真性・商店街化への道」を探り当て、心機一転、陳腐な販売促進の繰り返しから脱却し、「キラリ輝く繁盛店が軒を連ねる商店街」の再構築を目指すことが、皆さん共通の願いである「商店街活性化」を実現する唯一の道です。

ということで、毎度のことながら。

コメントの投稿

非公開コメント

-
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ