商店街活性化 都道府県の役割



 まず、過去記事の紹介から:
今を去ること丁度10年、2003年5月の記事です。

引用スタート(長文)

『都道府県の役割』

 「中心市街地活性化法」のスキームでは、都道府県の役割が
はっきりしません。「基本計画」の提出は経産局経由で本省、
都道府県は確か計画者が送付されるだけだったような・・・。

「中心市街地活性法」が制定されるまで、商店街活性化といえば
都道府県~都道府県レベルの指導団体~組合という流れで取り
組まれていました。商店街活性化事業関係の蓄積がもっとも多い
のは都道府県ですね。それらの経験がきちんと整理され総括されて
いるか否かはともかくとして。

 現在、「中心市街地活性化法」のスキームが期待している、
TMO、行政、商店街が一致協力して商店街活性化に取り組む、
という体制を作っている都市はきわめて少ないと思います。元はといえば「ショッピングモールへの転換」という基盤整備&
商業活性化の両事業を一体的に推進して実現する目標が明確に
打ち出されていない、というところに原因があります。
つまり、行政.会議所・TMO・商店街組織・個店が役割分担
しながら活性化に取り組む、としながら①その理由が分からない、
②したがってTMO組織はそんなに気合いが入っていない、
③事業も基本的に補助事業だけということになってしまう、④そうすると個別補助事業の窓口&実施主体だけが活動し、
⑤他は開店休業という現状が出現するわけですね。

 もともと限られた経験しかない都市毎に単独で取り組む、という
スキームが不十分なのかも知れません。もちろん実際に活性化に
取り組むのは行政以下、地元勢でなければ出来ないことですが、
だからといって自力だけで取り組むにはなんと言っても経験が
不足しています。

 取り組みについての指導助言は当然あってしかるべきではない
でしょうか。

 都市内部だけの努力で「ショッピングモールへの転換」という
「中心市街地活性化法」のスキームに基づく取り組みが成功する
のは難しそうです。TMO=街を一個のショッピングモールに
見立てて整備し運営する組織、と定義すれば各都市ごとにそういう
スキルを持った職能集団が忽然と姿を現す、というわけにも行き
ますまい。

国では中小企業総合事業団に「タウンマネージャー」という都市
計画や商店街活性化の専門家を組織しており、要請に応じて派遣、
指導助言を行うことになっています。
しかし、ほとんどのタウンマネージャーは「中心市街活性化法」
制定以前の「点と線」の指導実績で選択されていると思われます。
それぞれ限られた領域の専門家であり、個別プロジェクトの支援
には卓越したスキルを持っておられても「タウンマネジメント」
全体について経験・ノウハウががあるかといえばこれは十分では
ないと思います。
何しろタウンマネジメント自体、TMOと同時に導入された概念
ですから。

 したがって、現在、タウンマネジメントといえるような経験が
蓄積されているのは、これまで管内各市町村の商店街活性化事業を
所管していた都道府県だけと言うことになります。
管内の各市町村・商店街で取り組まれてきた活性化事業の全体を
把握し、分析評価すれば、中心市街地活性化に活用できるノウハウ
がたくさん有ると思います。特に失敗事例については是非活用
したいものです。成功事例よりも失敗事例のほうが事例としては
役に立ちますからね。「前車の轍」を踏まなければそれだけ成功の
確率が高くなる(W

いずれにしても、全国津々浦々であまり効果の期待できない
事業を十年一日くり返すだけ、というのは感心できません。
年々歳々花は咲き、年々歳々人同じからず、です。時の流れは
一方通行、失敗したからといってやり直しが出来る条件は中心
市街地にはありません。 

 都道府県は「TMO支援センター」とでもいうような各市町村が
取り組む中心市街地活性化、とりわけ中心商店街のモールへの転換
を強力に支援する組織を作るべきだと思われます。
これまでの自分たちの経験、あるいは他地区の経験を収集・加工・
分析して、とりあえず「TMOがやってはいけないこと」集を
作れば大変役に立つのではないでしょうか。

この話題はあらためて「批評と提言」欄で展開します。
また、当社は立場を弁えることなく(W、都道府県への提案を
行ってみたいと思っています。

****引用終わり****

 ちなみに引用に出て来る
中心市街地活性化法=整備改善活性化法、旧中活法です。
中小企業総合事業団=中小企業基盤整備機構。

 さて、標題について。
都市の中心市街地・商店街活性化推進を主導するのは当該市町村
であり、主役としての実働は商業者、中を取り持つ中間団体、
というのがあるべき推進体制(三者体制)ですが、遺憾なことに
10年が計画した今日においてもほとんど機能していません。

 推進体制が機能しないのに事業が着々と進展する、ということは
ありませんから、あれから10年、事業はほとんど前進していない
ということですね。

 活性化が「都市の持続可能性の再構築」というきわめて戦略的な
課題への取り組みに占める位置を理解出来るならば、これは大変
由々しいことでありまして、早急に体制を立て直さなければならない。

 しかし。
市町村の実状は、なかなかそういう条件が整っておりません。
そもそも課題事態が都市の持続可能性の再構築という上位課題に
おいてどのようなポジションにあるのか、ということさえ理解
されていないところが多い。この状況かを突破して行くことは
きわめて喫緊の課題ですが、市町村の自発的な取り組みに任せて
いたのでは、体制作りへの着手はいつになるか分かりません。

 そこで都道府県の出番です。
『商店街活性化を牽引するリーダーの育成』という課題に取り組み
そのプロセスで各市町村内関係各方面の「理論・問題意識の共有」
を図る。本来ならずっと前に各都市ごとに取り組んでおかなければ
ならなかった仕事ですが、出来ていませんし、これからも自発的に
取り組みが生まれて来るとは考えにくい。言い出しっぺになれる
人がおらず、生まれて来る条件がありません。

 という状況から、都道府県がその機会を設定する。
個別に取り組めば、それぞれの力量で企画を立てることになり、
たぶん、従来の取り組み+アルファ低度の企画になることは予測
されるところ。

 実効的なレベルで知識・技術を修得、早速の実践に役立てて行く
には相応のレベルの事業カリキュラムを用意することが肝要ですが
これを個々の都市ごとに実施するというのはできない相談です。

 ということで。
都道府県(政令都市も)が自立持続可能性の再構築という上位
課題から今すぐ取り組まなければならない商店街・中心市街地
活性化を推進していく上での課題は、「人材の確保・育成」だと
思われます。

 既に事業を設定、着々と実績を積み重ねている県・政令都市が
出現しています。

 今年度中の事業計画の運用で実現可能なところはぜひ取り組みを
検討されることをお奨めします。

 従来の取り組みの漫然とした継続で商店街・地場商業が活性化
出来ることはありません。皆さん既にご承知のとおり。
新しい、希望の持てる取り組みは、関係各方面の皆さんが問題
状況を確認し直し、取り組みの目標を「商業集積としての持続
可能性の再構築」と定義して所要の事業に取り組んで行く、本来
あるべき取り組みを可能にするため不可欠の「理路と技術の共有」
に基礎を置く実践を組織すること、取り組みを牽引していく人材を
関係各方面が一斉に確保すること。
こういう取り組みではないでしょうか。

 この取り組みを企画実行できるのは当道府県だけ、一日も早い
着手が望まれます。
とりあえず、先行事例を調査したい方は、大分県、山梨県、福岡市
などにどうぞ。

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