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推奨図書

 2冊紹介します。

1.エドワード・リード『経験のための戦い』
  ㈱新洋社(2010.3)

前にも一度紹介したと思います.
著者は“経験”の側に立って誰と戦っているのかと言いますと、
「大衆」及び「エリート」、両者の複合体と戦っています。
著者が擁護する「経験」とは何か?

 これは“日常生活そのもの”ですね。生活が大衆とエリートの
連合軍によってめちゃくちゃにされている、というのが著者の
立場です。

参考①:ホセ・オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』
  ②:クリストファー・ラッシュ『エリートの反逆』

 著者が拠って立つのはプラグマティズム、即ち、日常生活

価値を置く、という思想的立場、全ての行動を生活に引きつけ、
生活にどのような結果をもたらすか、という視点で判断すると
いうまあ、当たり前の視点ですが、実際はなかなかそうはなって
いません。商店街活性化だって、アナタ、「コミュニティの担い手
などという、商業者個々の店舗経営・生活から逸脱した抽象的な
スローガンに乗っかってますし。

 著者については、あらためて詳しく紹介したいと思いますが、商店街活性化もこれからはどういう思想的立場に立つのか、
ということが極めて大切になります。
当サイトはもちろん、ものが売れなければ商店街では無い、
儲から
なければ商売人では無い、という“生活密着”の立場です。


2.藤井総『プラグマティズムのための作法』
  ㈱技術評論社(2012.5)

 ご両人とも「社会的実践」のあり方について、“具体的な生活を
重視した取り組み”、“生活に立脚した実践”を強調しています。

 従来の取り組みが、漠然として抽象的な「目標」を掲げ、したがって、
実践も抽象的なレベルに終始しているのに対して、取り組み全体の
目的を
明確に確立し、目的から目標に、目標から手段へとブレイクダウン
が出来る、そういう性格の・生活や日常の営業活動にしっかり
基礎を据えた計画を作り、効果的な事業を企画することが可能に
なる、「方法論」レベルの立場です。

 特に藤井さんの本は、京都大学大学院工学科の先生で、土木
計画から「まちづくり」まで、研究者、学識経験者として関わら
れた実際の経験の総括に立って書かれていますので、非常に教わる
ことが多いと思います。
ぜひ、ご一読ください。

 「目的・目標」を持つこと。
 中心市街地・商店街活性化の取り組みがいくら取り組んでも成果
が挙がらない根本の原因は、取り組みが自分の仕事、自店の繁盛
実現のための仕事という位置づけが出来ていないこと、位置づけ
が出来るところまで事業の目的・目標が明確になっていないことに
あります。

 自分の仕事、自分のこととしての活性化の取り組み、となる
ように取り組み全体を見直すことが必要です。
これはひとり商業者に限ったことではなく、立場や所属を問わず、
関係者全てに共通する課題です。

注・藤井先生は、『列島強靱化論』などが評価されたのでしょうか、
現在、内閣官房参与の重職にあられます。

 先生の持論「列島強靱化」は、果たして我が国の全体としての
「持続可能性」を再構築できる質をもっているかと言えば、それは
疑問です。これだけでは地域経済の循環性再構築という問題意識が
欠落しているのではないか。

 国が借金して土木工事中心に地域にばらまく、が、元請けが
ピンハネ、地元に残ったなけなしの所得もチェーンストア経由で
回収する、ということなら、国土強靱化は高度成長路線と軌を一
にするものでは無いか? というあたりについては、あらためて
考えるとして、
今日は、「日々の生活に根ざした実践」、日々その成果が生活上に
実感出来る実践を不可欠とする中心市街地・商店街活性化関係の
各方面の皆さんにぜひ、「プラグマティズム」の導入を期待して
ご紹介するものです。

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