「専門性」への疑惑

 中心市街地・商店街活性化が上手くいかないのは、ハッキリした
理由があり、事業に関わる人たち ―「学識経験者」から諸団体の
担当者、個店の経営者に至るまで―が、専門家として当然持って
いるべき知識・技術をもっていない、ということです。

 特に学識経験者層の知識・技術の不足は重大で、本来ならばこの
人達は当該中心市街地活性化に取り組む人たちが活性化を実現する
ため必要な知識や経験が不足していることを理解し、自らがもって
いる専門的な知識技術を持ってそれを補う・支援するという役割
ですが、現実は役割を果たすために必要な「学識経験」を持たない
まま、かつ、そのことを自覚しないまま、現場に来ており、しかも
それで良いのだと思っているように見受けられます。

 このことを指摘しているのは私だけでは無く、たとえば:

藤井総『プラグマティズムの作法』㈱技術評論社2012年5月

 経済学・経営・まちづくりなど関連部門の専門家の目的―手段の
関連についての知識や経験、態度にまで厳しく批判されています。

 とはいえ、藤井さんも述べている、目的―目標の連鎖を知識・
技術を駆使して論理的に組み立てることの重要性を自覚し、実践
する人はまだ極めて限られています。
この重要性を自覚し、計画として練り上げる力を持っているのが
専門家のはずですが・・・。

 中心市街地・商店街活性化の支援に登場する専門家の場合、
不足しているのは、まずは専門分野における学識・経験です。
経済学、経営学等の専門分野の知識だけでは、現在の問題状況を
理解するための枠組みとしてあまりに不十分、これまで積み重ねて
きた学識経験では、直面している問題を的確に理解し、解決策を
講じることは難しい、ということが理解出来るかどうか、という
問題以前の問題、メタの問題があります。

 学識経験を期待されて現場に入っている「学識経験者」に共通
する第一の欠陥は、自分を専門家たらしめている・駆使する専門
用語を定義してない、ということです。
現場で始終飛び交う「活性化」、「賑わい」、「コミュニティ」、
「コンパクトシティ」、「コンセプト」等々は「専門用語」のはず
ですがそれぞれの言葉が指し示しているのは何か、定義している
専門家は殆どいません。
専門用語は定義せずに使って良いのだ、というのがこれらの専門家
のレベルだということです。

 したがって、彼らの指導のもとで作られた『基本計画』やその
下位の『事業計画』にちりばめられている専門用語は全て定義
されていない・専門用語とは名ばかりの疑似・専門用語であり、
こういう言葉を使って物事を考えても、具体的な目的・目標実現に
つながる取り組みは導き出すことが出来ません。
 具体的な取り組みは、専門用語とは関係の無い、昔ながらの販促
事業になってしまうのはそのためです。

 そこで・
専門家としての肩書きを持って中心市街地・商店街に現れる学識
経験者の真偽の見分け方:

 名刺交換が終わったらさっそく質問して見ること。

“全国全都市で取り組まれている中心市街地・商店街活性化はなぜ
成功しないのか?、先生は何が原因だと思われますか?”

 どういう返事が返ってくるかによってその人の専門性のレベルが
分かります。

 成功しない理由について、“専門家の至らなさ”を挙げる人なら
見所があります。自分はそういうレベルでは無い、という自覚が
無いと言えないことですし、きちんと“活性化への道”を描いて
いないと出来ない返事です。

 皆さんの街に出没する専門家、果たしてどんな回答をするのか、
機会があったらぜひ質問してみてください。

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