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新・基本計画の新しさ

 旧基本計画と新基本計画を分かつ特徴はどこにあるか?
福祉施設の整備やまちなか居住促進の計画ではありません。ご承知のとおり、それらは旧スキーム時代にも多くの都市で計画・実現されています。

 さて、例外はもちろんあると思いますが、法制定以来のほとんどの都市における取り組みは、「活性化事業を展開してきたにも関わらず、空洞化は加速した」と総括されるような状況にあるわけです。
論より証拠、次のところにデータ付きでまとめられていますのでもう一度紹介しておきます。『 '98~2004 旧中心市街地活性化法の実績
都市によっては、新しい取り組みのための討議資料に最適だと思います。

 この記事では加速の原因は明らかにされていないようですし、新スキームでも直接言及はされていません。しかし、新スキームがこれまでの取り組みの批判的総括を踏まえていることは、『基本的な方針』の文脈にも明らかだと思います。
原因は単一、単純ではなく、各地に共通する要因と、当該中心市街地固有の条件が相乗的に作用したものと推測されますが、研究機関などでの早急な調査解明が期待されます。
(ちなみに、原因については、、【都市経営】にアップした『新・基本計画の諸問題』で考察しています)
 加速という状況を直視した「総括」を踏まえて新しい取り組みをスタートさせることは、活性化の実現に不可欠の条件です。

 さて、ネット上でアクセスできる新スキームによる『基本計画』を読んでおりますが、共通する問題点として「商業理論を装備する」という重要な課題への取り組みが計画されているものはほとんどありません。恐るべし、です。
 この間取り組んできたケーススタディでも明らかになっているように、新しい基本計画による「商業の活性化」の現実性については、さまざまの課題が指摘されますが、もっとも基本的な問題点は、「理論を獲得するか」ということになると思います。

 この課題に取り組むのか、取り組まないのか、活性化への道を切開出来るか否かの第一の岐路はここにあります。
 新しい基本計画は、もちろん、“今度こそ成功する”という意気込みで作られているわけですが、その意気込みが「空念仏」に終わらないためには、“何故ならば”という事業が新しい視点で計画されていなければならない。新しい事業のイの一番が「理論の獲得」、体系的に装備する機会を計画しなければならない。
計画のスタート時点での取り組みは、「勉強のための事業」です。

“もの不足・店不足”時代に全盛した中心市街地の商業が、“もの余り・店あまり”時代に繁栄を再現するためには、多様化している消費購買ニーズのどこに焦点を置いて店づくり・集積の再構築に取り組むべきか?
取り組みが進むべき方向と方法を確保しない限り、空洞化の加速という趨勢を反転させることは出来ないのではないでしょうか。

 目下作成中及びこれから着手される都市は、是非この問題の重要性・戦略性についての認識を共有した上で、「理論の獲得」のための事業が基本計画の真っ先に掲げられるよう、特段の取り組みを心掛けてください。

 「理論の獲得」事業を計画しないまま、基本計画を作ったところ及び、既存計画を継続する都市は、『基本計画』を実効的に推進するための「行動計画(仮称)」を作成し、その中で「理論の獲得」を新たに計画する、という方法があると思います。

 理論の獲得は、静態的な・新しい知識・理論を学び・覚える、という作業ではなく、店づくり、集積づくりの実践に即活用・即効果をもたらすという特性を持った作業であることが必要です。理論を獲得する取り組みが、即・個店、商店街の活性化に直結しなければならない。
逼迫した状況を考えれば当たりまえですね。

 いずれにしろ、理論の獲得を最優先で計画することは、冒頭紹介した「空洞化の加速」から反転、「活性化への道」を切り開いていくために不可欠の取り組みです。
新しい取り組みの「新しさ」は、「理論の獲得」という当たり前の仕事に取り組む計画を有しているかどうか、というところで見分けられる、といって過言ではないことはここまで読んでこられた皆さんにはご了解いただいたことでしょう。
 これから認定される基本計画、この課題にはどう取り組んで行こうとしているのか、新スキームの帰趨を占う試金石として注目していたいと思います。


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