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用語の定義

■ 「にぎわい」などの定義

「商業の活性化」のための施策が二極化、
①「賑わい創出」と
②「魅力ある個店づくり」
の二つの方向で事業が計画される傾向が強まっているようです。

①商店街方面への人出が増える「間接的な施策」を講じる。
 即ち、住む人、来る人を増やし、歩く人を増やす。

②歩く人を入店客に転じる「魅力ある個店」を作る
 即ち、入りたくなる店・買いたくなる店を作っていく。

 なかなか結構なことであり、一読、誰も反対する人はありません。しかし、これが本当に実現できるのか、実現するためにはどんなことをしなければならないか、よく考えてみると、なかなか手放しで賛成、何でも良いから手当たり次第に「らしい」事業に取り組めばよい、ということではありません。

 中心市街地の商業機能が空洞化してしまった背景には、「もの余り・店あまり」という環境変化が進んでおり、この変化に適切に対応しないと、活性化を実現することは出来ません。上記の二方面で取り組まれようとしている活性化施策では、果たして「環境変化への適切な対応」という課題が自覚されているでしょうか?

 「もの余り・店あまり」という中で中心市街地に求められている商業機能とはいったいどのような性格のショッピングの場なのか? という問いに明確に答えを出さない限り、「人が歩く・歩く人がお客になる」という〈情⇔景〉を実現することはできません。

 「商店街活性化」という課題への取り組みが始まって以来三十年以上が経過していますが、小売業の場合、
「繁昌したいなら環境の変化、特に消費購買行動の変化に対応しなければならない」
という鉄則がありますから、
①環境の変化を理解する
②対応の方向を確定する
③対応するための技術を確保する
という三段階の仕事は必須です。
これらの仕事を前提に「活性化施策」が計画されなければならない。活性化施策とは、この「三段階の仕事」が踊るための舞台のようなものです。

 これまでの商店街活性化の取り組みでは、このような基本的なことに眼が向けられないまま、即ち、踊る技術を磨かないまま、舞台だけが準備され・改善されていきました。
踊り手である「売り場」の改善はおざなりですから、「もの余り・店あまり」という消費購買行動の受け皿にはほど遠い状況です。

 あらためて、商店街活性化を考えていく上で使われている言葉の意味を考えてみることが大切です。

 第一、「商業の活性化」とは、商業がどうなることを意味しているのか?
このもっとも基本的な言葉が定義されていないのが、現在までの中心市街地・商店街活性化の取り組みの水準、あらためて考えると鳥肌が立ちますね。。
「商業の活性化」が定義されないまま、活性化施策が展開されているわけですが、これではまるで“「商業の活性化」とは、商業活性化と冠の付いている事業に取り組むことである”とでもいうような状況です。

 「商業の活性化」が定義されていないわけですから、活性化施策である「賑わい創出」や「魅力ある個店」の定義も行われていません。ご承知のとおり。
 したがって、「賑わい」や「魅力ある個店」の中身についても全く不問のままで、「賑わい創出事業」や「魅力ある個店づくり事業」が取り組まれることは、火を見るよりも明らか、実際に既存の基本計画には、定義抜き・目標抜きのまま、賑わい創出・魅力ある個店づくりのための事業が盛り込まれています。

 これからも、「人出が増えれば活性化のきっかけが出来る」という発想と、「コンパクトなまちづくり」や「都市機能の増進」などの文言から導かれて、「賑わい創出」は、ほとんどの基本計画に共通する目標になっていくことでしょう。

 そこで問題は、「賑わい」とは何か?ということ、「賑わい創出」とは中心市街地にどのような〈情⇔景〉が生まれることを目指すのか? 明確に定義しておくことが必要ではないか、定義しなくても良いのか?
ということです。

「賑わい創出」とは中心市街地に何が生まれることか?
それは「商業の活性化」とどう結びつくのか?
「賑わい」を「商業の活性化」に結びつけるためには、何が必要か?
といった問題は、中心市街地活性化の取り組みの「裏方」を担う立場の人は必ず回答を持っておかなければならない。これがないと、商業の活性化と賑わい創出を結びつけることが出来ません。
「賑わい」は創出したのだが、商業の活性化は成功するどころか、空洞化はいっそう進展した、ということにならないとも限りません。

「活性化に取り組んだら空洞化が加速した」というこれまでの取り組みからは一日も早く脱却しなければならない。

 あらためて、活性化の取り組みにおいて飛び交う「文言」の中身を検証してみることが必要です。
まずは常套用語の定義を確認してください。
“定義がない専門用語”は、必ず取り組み全体をスポイルします。スキームで使われているから、とか、先行事例が使っているから、ということで「見よう見まね」的に“定義されていない専門用語”を使うのは大変危険です。

 「中心市街地活性化」は、先行事例の「見よう見まね」では実現できません。実務を担当されている各位がご自分のアタマを駆使して「活性化への道」を探り、確定していかなければならない。

さしあたり、
「商業の活性化」とはどういうことか
「賑わい創出」とはどういうことか
「魅力ある個店」とはどういう個店のことか
といった基本中の基本については、明解に定義しておくことが不可欠です。

 「賑わい創出」、あらためて考えてみると、内容はあいまい、何でもありという「蒙昧語」になる可能性があります。
極端な話、「人さえ増えればそれが賑わいだ」と、まちなか居住に奨励金を出す、などということさえ思いつきかねません。
もちろん、「賑わい」がキチンと定義され、「商業の活性化」に不可欠であり、実現するためにはまちなか居住が不可欠である、と論証された取り組みならそれはそれで良いのかも知れませんが、現状は定義抜きの取り組みになっています。

 “自力思考は省略して、先行事例の見よう見まね”というパターンは断固排除しなければならない。先行事例に盲従したあげく、失敗しても“失敗したのは先行事例が悪かったせい”とはいえませんからね。

 キチンと作られた『商業活性化のための計画』には、当然、「用語の定義」が載せられているはずです。関係者のみんながみんな、専門用語に通暁しているとは限りませんからね。専門用語の解説ページの有無で基本計画のホンキ度が分かります。
もちろん、「商業の活性化」、「賑わい」、「魅力ある個店」など、活性化の根本に位置する用語については、ブレ・ズレが起こらないように、細心の注意をもって定義しておくことが必要です。


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    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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