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“地場商業”の再生は都市経営喫緊の課題

□ 小売業という「地場産業」

 地場産業とは、
①地域の住民が、
②地域のニーズを対象に
③地域の経営資源を活用して
営む企業。
要するに地域内で発生するさまざまな事業機会に対応する・地域内に住所を有する私企業の総称です。
通常、外部から商品の大半を仕入れて販売する小売業はその範疇に入れられないようですが、「域内経済循環」という重要な都市課題を考えて行く上で,「地場」小売商業が果たしている役割に注目すれば、これを非・地場小売業(もっぱら地域の消費購買力を域外に移出する事を目的に出店している)と明確に分別される都市経営上の機能に鑑み、経済政策としてその活性化を目指すことは都市にとって極めて重要な課題です。

□ 商業活性化の枠組み

 これまでの域内小売商業の活性化は,主に商店街を対象に(事業主体の属性はあまり考慮せず)、①個別企業の業容の近代化 ②立地環境の整備 を中心に取り組まれてきました。現在、その枠組みは『中心市街地活性化法』を中心に設計されていることはご承知のとおりです。

 改正中活法ではじめて、中心市街地(都市中心部の商業街区)の活性化が当該市町村の責務であることが明記されました。画期的なことです。
しかし、これを踏まえて作成されている『中心市街地活性化基本計画』では、なぜ商業・商店街の活性化を当該地方公共団体の責任に於いて推進するのか、その理由が確立されておりません。
ややもするとその取組は従来通り、商店街主体の取り組みを資金的に支援するというレベルにとどまっているようにも見えます。

 中活法の商業活性化のスキームは、「①地方公共団体主導
②商業者主役」ですが、上述のように各地の実際の取組はなかなかそうはなっていません。
さらに、「地場商業」という視点が不十分なため、中心市街地内の商店街には手厚く施策を計画するもののその他の地区の商店街、小売商業に対する施策は不十分な都市が多いように見受けられます。

 「地場産業としての小売商業」としてみた場合、当該小売商業がどこに位置していようが、それが、
①域内の私企業によって
②域内の経営資源を活用して営まれる
③域内生活者のニーズに対応した事業
であることに変わりはありません。
また、その営業活動が域内経済循環において果たす機能も同じです。
この意味では、小売商業振興施策を商店街・中心市街地立地に限定することは、「施策の効率」という点では意味があるかもしれませんが、非・中心市街地に立地する地場小売商業者の事業機会の確保、その近隣に居住する住民のショッピング利便の確保、消費購買力の域外流出の阻止ということではほとんど効果がきたいできません。
 
 域内に立地する地場小売商業全体の活性化をどう実現していくか、都市経営上の大きな課題です。

□論理と戦略

 言うまでも無く、商店街が空洞化している現状をながめただけで、「商店街活性化への道」が分かるわけではありませんし、まして、なぜ商店街活性化・地場小売商業の活性化に地方自治体が都市経営上の優先課題として取り組まなければならないのかは理解出来ません。
このことが理解出来なければ、支援制度を利用した活性化事業への取組は出来ても、本当に地場商業の機能を活性化していくために必要な注力が出来ず、結果として活性化を実現できないことになります。
現在、商店街に立地しているか否かを問わず、ほとんどの地場商業がその危機に直面しています。これは都市の大小や立地環境に関係なく全国一斉に起きていること、早急に地場商業の繁盛、商店街など地場商業の集積を再構築することが都市の経済・経営課題としてクローズアップされなければならない。まずはそのための論理と戦略が必要になっています。


□ 新しい取組
 近年、当社流「商人塾」や(株)全国商店街支援センターの「個店経営研修事業」などのように、ショッピングゾーンとしての商店街の活性化を目指す取組に於いて,個店の活性化=繁盛実現をその基礎に位置づけた取組が増えています。
「キラリ輝く繁盛店づくり」です。

 新しい取組は、この「キラリ」を商店街活性化の「中核」に位置づけるばかりではなく、広く,都市全域に立地する地場小売業活性化を実現する手法として展開しょうとする試みです。政令都市からいわゆる商工会地区と言われる小規模都市まで、中心部以外に立地する地場小売商業の現状はおしなべて極めて厳しく、その空洞化は中心市街地・商業街区よりも遙かに深刻になっています。
特に「商店街」を形成していない立地にある地場小売商業は施策の網から取り残され、孤立しながら商圏内の消費購買ニーズの受け皿として機能しているのですが、年々劣化が進む趨勢にあります。

 これを活性化・再生することは地場小売商業の事業機会の確保であると同時に、当該地域に居住する住民の消費購買機会の確保、“歩いて暮らせるまちづくり”に不可欠の条件整備です。
 ご承知のとおり、「キラリ輝く繁盛店づくり」の手法は、この非・商店街地域に立地する地場小売商業の活性化という課題への取組に極めてよく適合するものであり、先行して採用されている都市ではこれを地場小売商業活性化の切り札として採用しようという試みが始まっています。

 スタートにあたる今年度は、市内各地に立地する地場小売商業者の中から“リーダーとなる条件を備えた候補者を選出、“繁盛店づくり”のカリキュラムで「小売商業活性化リーダー」を育成しようとするチャレンジです。
この課題に目が向けられない都市には、たぶん、中心市街地・商業街区の活性化も実現出来ないと思います。
ご承知のとおり、“中心市街地の三要件”のラストは、
“(中心市街地の活性化を)総合的かつ一体的に推進することが,当該市街地の存在する市町村及びその周辺の地域の発展に取って有効かつ適切であると認められること。”ですね。基本計画に於いてこの要件に着目し、中心市街地商業活性化の成果を都市内広域に展開するという視点を持って施策に取り組まれている都市があるでしょうか?

 域内経済循環における中心市街地が果たすべき機能、地場小売商業が果たすべき機能を踏まえれば、中心市街地活性化の取組の成果を当該市街地以外へ伝播することの重要性及び可能性はすぐに理解出来ることですが・・・。
もっとも中心市街地・商業街区の活性化さえ実現出来ないレベルでは思いも寄らないことかも知れません。
ならばいっそ“地場商業の再生”というテーマを掲げて,取組を抜本的に見直す、ということも“あり”かも知れません。

 当社、新しいスタンスとして商店街の活性化を中心に置きつつ,広く“地場商業の再生”に取り組む皆さんの支援に全力投入いたします。
既に中心市街地以外に立地するいわゆる“最寄り型商店街”はかって商店街であった仕舞た屋地区でがんばっている商店の業容再構築へのチャレンジが始まっている都市があり、支援もスタートしています。
諸般の準備のため連休返上しての作業を予定しています。
連休明けにはあっと驚く企画が目白押し、乞うご期待。

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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