商店街活性化・周辺事業とは

 出所:平成18年9月8日閣議決定『中心市街地の活性化を図るための基本的な方針(基本方針)』p11 従来の取り組みの総括として(要旨)、
a)これまでの活性化の取組が、商店街単位の活性化努力にとどまり、広域的な発展に結びついていない。
b)専ら基盤整備などの周辺事業にとどまり、中小小売商業としての競争力の根幹である業種揃え・店揃えの最適化に関する取組が不十分であったこと(以下c),d) と続くが省略。)とある。 

 ここにこれまでの商店街活性化の取組が何故成果を挙げることが出来なかったのか、その理由がハッキリ書いてある。閣議決定ということはその前に事務次官会議で了承されているということ。文字どおり行政トップの総括であり、関係者は、賛否を問わず理解しておかなければならないところだが、ほとんど理解されていないと思う。
 これを踏まえて作られている中心市街地活性化基本計画は一都市も無いと断定して間違いない。

 基本方針では"周辺事業=基盤整備など" となっているが、文脈をたどってさらに「周辺事業」を定義してみたい。

 まず、周辺事業に対置されている(周辺に対する中心ないし中核)事業は、"中小商業の競争力の根幹=業種揃え・店揃えの最適化" であることに異論はないと思う。商店街の空洞化は、商圏内に新たに登場した商業施設・集積との競合、すなわち、“業種揃え・店揃え”競争の結果として起こっていることであることに着目すれば、論を俟たないところ、取組は、 "業種揃え・店揃えの最適化" を中核に、その周辺に基盤整備事業など多様な"周辺事業"を配置し、全体を総合的一体的に推進することで達成することが出来る、というのが『基本方針』の立場である。

 このとき、"業種揃え・店揃えの最適化"とは、集積としての充実度合いに関わるテーマであり、現実の取組で見られる"空き店舗を利用して欠業種を誘致する"といった話ではないので要注意。

 周知のとおり、平成13年に配付された中小企業庁『TMOマニュアルQ&A』では、“中心市街地活性化の要となる商業の活性化”について、“中心市街地の商業地全体を一つのショッピングモールと見立てて、総合的かつ独自の優れた計画によって推進される事業”を支援の対象とすることが明記されている。商店街活性化=商店街群を一個のショッピングモールに見立てて事業を推進する、とは"業種揃え・店揃えの最適化"の推進を中核とした取組である。

 つまり、自然発生的商業集積である商店街の活性化の方向としては、これを一個のショッピングモールに見立てて、計画的に転換していくことで形成する。すなわち、ショッピングモールにふさわしい業種構成・サービスミックス・空間構成の商業集積へと転換していくことが商店街活性化である。当然、既存各個店は、新しく再構築を目指すショッピングモールを構成するテナントに見立ててその"品ぞろえ・接客サービス・売場空間という「店づくり三点セット」の最適化に取り組まなければならない。
これが当面、"中核事業」のさらに"核心的事業"=キラリ輝く繁盛店づくりである。
 言うまでもなく。集積~個店の"最適化の取組"とは"集客力の最適化"そのものであることを確認していただきたい。

 若干話がそれたが、その他事業はすべて "周辺事業"ですからね。一部地域では「商店街活性化の三種の神器」などが設定されているらしいが、これは、中活法のスキームから見れば、周辺事業の中のソフト事業の中の集客イベントの中の「三種の神器」ということになる。
 
 さて、何故商店街は活性化出来ないか。
中活法~基本方針では “専ら周辺事業にとどまっていたから"とされている。中核―核心事業の取組が不十分だったということ。肝心の取組をおろそかにしたまま、努力を周辺事業に集中したから、貴重な時間とお金が成果を挙げられなかった、ということですね。
 「活性化三種の神器」は、果たしてこのあたりの“反省”をどう踏まえているのか。全然踏まえていませんよね。

  周辺vs中核について理解することは、既にスタートしている基本計画の見直しにとって、その成否を左右する重要なところ。もちろん個別商店街にとっても。地域委商店街活性化法(以下『新法』)で商店街活性化事業計画を作り・見直し時期を迎えているところなど。

 新法のスキームで作成する事業計画の目標は今年度から“集客力向上及び売上増加”となった。これまでは“通行量増大”でよかったのだが。両者の違いは、そのまま“周辺事業”と“中核事業”の違いだということは理解していますか? これが分からないとせっかく
目標が変更されたのに従来の事業の目先を変えただけ、ということになりかねません。あらためて少し詳しく検討してみましょう。

 ズバリ言って、通行量増大のための事業は"周辺事業"ですからね。事業の成果は事業の外に現れなければならない。この事業の成果は各個店~商店街全体の売上増加として結実しなければならない。そうしてはじめて事業が商店街活性化に結びつく。単に通行量が増えたからといって売上がアップすることはありません。これまで通行量を第一の目標に掲げていた活性化事業計画がハッキリ目標は集客力向上と売上増大と明記しなければならなくなったのは、通行量が目標として不適切だということがハッキリしたからです。
何故不適切なのか。言い換えれば、中核事業をほったらかして取り組んだ周辺事業は何故商店街を活性化出来なかったのか、ということですね。

 ここでちょっと後戻り、中核事業について少しおさらいをしてから先に行くことにします。中核事業=中小商業の競争力の根幹である業種揃え・品ぞろえの最適化、つまり中核事業=競争力の根幹の最適化の取組です。競争力とは何か。消費購買行動を他の商業集積と奪い合うこと。競争とは、消費購買行動から見てどの商業集積がもっともショッピング行き先として魅力があるか、を競うことですが、今一度確認しておきエーエムスが、『基本方針』は、中小小売商業の競争力の根幹は業種揃え・店揃えの最適化といっています。

 言うまでもなく。この競争力の根幹はひとり中小小売商業のみならずほとんどの商業にとって同じ意味を持っています。小売商業の競争は究極"業種揃え・店揃え"の消費購買行動から見た"魅力"を巡って展開されます。このことをちゃんと理解していれば、中核事業を放置したまま周辺事業に専念することはなかったはず。周辺事業をもって"三種の神器"などとありがたがっているのは、いかがなものか。小売業の競争についてまったく勉強したことがないと宣伝している? 

 もちろん、周辺事業の取組がそれなりに成果を挙げている商店街も皆無というわけではありません。消費購買行動の受け皿にふさわしい"業種揃え・店揃え"が実現しており、かつ、各個店の自助努力でそれぞれの"店づくりの最適化"が取り組まれている場合は、周辺事業の効果が期待できます。周辺事業の成功事例とはこの前提条件が存在する商店街です。
このことを見落とすと、同じことをやってるのにうちはどうしてうまくいかないのか?と首をかしげることになります。かしげてもどうにもなりません。
 ただし、成功事例と言われる商店街もなぜ成功しているのか、という骨幹の条件をちゃんと見抜かず、周辺事業で繁盛していると勘違いしていると、競争環境が変化したとたん閑古鳥が鳴く通りに一変するかも知れません。周辺事業で競争環境の変化に対応することは出来ませんから。

 まとめ
 ということで、周辺事業にかまけている商店街がどうしても活性化出来ない根本理由が理解されたことと思います。
ちなみに閣議決定による総括は、その後の政府の施策に反映されていませんね。
基本方針が出された後も、専ら周辺事業の取組が後押しされていましたからね。

 これがハッキリ変わったのは今年度地域商店街活性化法のスキームで取り組む商店街活性化事業計画の目標が「集客力向上及び売上増加」に変更されたから。
この二つの目標は周辺事業への取組ではどんなにがんばっても達成できません。

いよいよ「業種揃え・品ぞろえの最適化」を全面的に展開すべき時が来たわけですが、果たしてこれらについて関係各方面ではどのように理解され、どのような施策が講じられるのか。
特に“集客力向上と売上増加”の言い出しっぺである中企庁の新年度の企画が注目されるところです。
「通行量」のように+アルファを附加するための支援ではない、“競争力の根幹としての”「集客力向上」を目指す取組をどう誘導支援していく施策がどう打ち出されるのか、注目ですね。

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