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空洞化加速のシナリオ

昨日に引き続き。
活性化事業に取り組むとなぜ空洞化の進展が加速するのか?
考えてみましょう。

○事業スタートまで。

①「基本計画」作成話が持ち上がる。
②作らないと補助金がもらえない、計画に載せておかないと補助金が
 つかない。(らしい)
③各商店街、何でも良いから計画を出せ(出す)
ということで、いろいろ作って載せました。

○実施段階

①合意形成が出来たので事業に取り組むことになりました。
 (何でも良いんですが、そうですね、アーケード整備事業にしておき ましょう。)
②商店街の期待を集めて事業がスタートします。
③つつがなく事業完了
④盛大にお披露目イベントを開催、市長以下の来賓でテープカット

○事業終了後

①待ちに待ったアーケードが完成、これでお客が帰ってくると思いきゃ
②数日は物珍しさで人出があったものの、日を追うごとに来街者は減る ばかり、
③どうも、事業をやる前よりも来店客数が減ったようだ、
④と思い当たる頃からだんだん転廃業が増えてくる・・・。

 というパターンですね。
立地条件によっては店前通行量が増えることもありますが、入店客数には反映しません。むしろ減っていきます。

たいていの街が画に描いたようにこのパターンに陥るわけですが、何でこうなるのか? もしかあなたの商店街も事業種目はともかく、取り組んだ結果はこう言うことになっていませんか?

□加速する理由とは?

 では、当社が解明した「事業に取り組むと空洞化が加速する」理由を説明します。ちなみにこれは某市某商店街のファサード整備事業において、竣工イベントに先立て、参加各店についてオープン後の景況を予測し、見事合致させた仮説に基づいています。

○事業は 次のようなプロセスで進みます。

①事業スタート
②工事スタート
③商店街内部の通行規制
④個店の順次休業
⑤工事竣工
⑥竣工イベント

 第一に③、④が曲者でありまして、このプロセスでまず「客離れ」が起こります。通い慣れた通り、お店ですが、何かと騒がしく歩行規制などが行われているとイヤですからね。
で、離れたお客はどうするかと言いますと、日常行動圏内にある他のお店にさっさと行ってしまうわけです。ご本人は、なじみのお店が閉まっていたり途中の通行がうまく行かなかったりで、「緊急避難」のつもりですが、行ってみると意外に良い店だったりする。
「食わず嫌い」が直ったりすると竣工してももとに戻る気はありません。
「工事のため休業します」というのは恐ろしいんですからね。

 さらに。
 客数・売り上げ激減の中、やっとオープンにこぎ着けました。
記念イベントの人出もまあまあ、“さあ、いよいよこれからだ”と張切ります。
が、客数はいっこうに伸びません。それどころか、これまで不便を押して来てくれていたおなじみさんまでぷっつり顔を見せなくなりました。

なんで? どうして?
あわてますが、訳が分かりません。それとなく隣の店を観察すると同じような状況のようです・・・・。
なんで? どうして?
自問自答しますが、さっぱり訳が分かりません。

□人出、来街客が減る

 アーケード竣工、にぎにぎしくお披露目イベントが開催されると、新しい「買い物の場」の出来映えを吟味するため、善男善女が来街します。
ショッピング客です。
*ショッピング客:買い物、下見、冷やかし、暇つぶし目的で来街・来店する人。

 ひと渡り、商店街をウオッチングします。
アーケード施行と併せてファサード改装に取り組んだ店など、見栄えがよい店には思わず入店してしまいます。
ところが、お店の中身は旧態依然、これまでとほとんど変わっていませんから“私向きの店じゃないな”という評価でお終い。以後は見向きもされません。客数は増えません。

 他方、業種・業容によっては、工事中も相変わらず通ってきてくれたお得意さんが、“きれいになって敷居が高くなった”と、足が遠のくかも知れません。お客の気持ちは微妙。

 ということで、新しいお客が増えるどころか、せっかく維持していたこれまでのお客が減ってしまう、というのが商店街の特にハード事業の結末です。
活性化法の施行以降、空洞化の進展が加速したとすれば、上のような事情もその理由の一部を占めていると思います。

 takeoが、商店街活性化のための事業を効果あらしめるためには、必ず、「買い物の場⇔売り場」の改革に先行ないし同時並行で取り組まなければならないと飽きもせず、強調している理由はまさにここにあったわけですね。

 せっかく取り組んだ大型ハード事業、、核の設置などが完成して
も回遊は発生しない、工事中から竣工後までひっきりなしに転廃業・
空洞化が進展するのも同じ理由です。


○どう取り組むべきか

 ということで、活性化事業に取り組むと空洞化が加速する、その理由を考えてみました。というか、こう言うことあろうかと、当社が支援するハード事業の場合は、
①参加各店の業容転換の取り組みを先行させる
②工事は「細切れ」で実施、各店の休業期間はそれぞれ1~2日とする
③オープニングイベントは、業容改革に取り組んだ各店の「お披露目イベント」である
という取り組みにしています。

ハード事業への取り組みを「街ぐるみ・個店の業容転換」の推進ツールにするわけです。
取り組みの一例:
http://www.quolaid.com/take-one/matsubara-mall/index.htm

 もちろん、ことはハード事業に限ったことではありません。
ポイントカード、大がかりな販売促進システムの導入などの場合も同様です。
総じて「活性化事業」に取り組むにあたっては、「売り場」レベルの改革に取り組まないと「活性化」という効果は享受できません。

□ もの余り・店あまり

 共同事業に取り組むにあたってややもすると視野から外れてしまうのが、「もの余り・店あまり」という現実。
①家にはものが有り余っており
②買い物行き先は有り余っている
という全国どこでもありふれている条件は、商店街全盛時代には絶対に見られなかった状景です。
 もちろん、この状景を〈情⇔景〉として見ると
①ものは有り余っているが、堪能できるものは少ない
②店は有り余っているが、納得・堪能できる買い物行き先は少ない
ということがあり、うまく立ち回れば繁盛を実現するのはそんなに難しいことではありません。

 にもかかわらず。
一消費購買客としての皆さんは、「もの余り・店あまり時代」の行動パターンに移行しているのに、商業者、店主としての皆さんは依然として「もの不足・店不足」時代の思考パターンを温存しています。
参加個店の「業容革新」を伴わない共同事業に効果があったのは、競争相手が、同じようなレベルの「商店街」しかなかったころの話。
当時、「高度化事業で活性化した」と評判になった商店街の傍らには必ずと言っていいほど事業に取り組まなかった・空洞化する商店街があったものです。
 余談ですが、この状況を見た粗忽な人が「立地は移動する」などと言ったりしたんですね。

 ということで、シャッターの内側の改革という課題にはノータッチでの「成功体験」は、「もの余り・店あまり」時代という、一過性の時代においてのみ味わうことが出来た、もはやその条件は根こそぎ消滅しています。
こういう時期に「昔取った杵柄」、アーケード、街路整備、ファサード整備等々に取り組んでも、「店あまり」という状況への切り込みには全然・全く役に立たないわけで、そういう取り組みにうつつを抜かしていれば、他にお店はいくらでもあるわけですから、さっさとそっちに行ってしまう。
 例しに行ったつもりがそっちの方でいい経験が出来たりすると、二度とそのお客の顔を見ることはなかったりする。
“あの人最近顔見なくなったな、やっぱ不景気だよね”と納得したりして・・・。

 「活性化に取り組むと空洞化が加速する」という現象の背後で起きていることの一端を説明してみました。
ちなみに「もの余り・店あまり」という状況は、商店街活性化を考える際の基本条件、こういう状況にも関わらず、というか、。こういう状況だからこそ、「こうすれば商店街は活性化できる!」という方向と方法を見いださないとどんな事業に取り組んでも加速、加速。

□その背景

 「もの余り・店あまり」ということは、法制定以前から進行していたわけで、当時既に「高度化事業では活性化は出来ない、借金が残るだけ」という話も公然とでておりまして、事業に取り組む商店街は激減していました。これでは商店街の存続は難しい、と考えた國は、『商店街活性化ビジョン策定事業』を発足、組合単位で「高度化事業構想」を作ることを奨励しました。
それでもなかなか食指が動かなかったことから、自治体が責任を持って高度化事業を中核とする活性化に取り組めば支援する、という内容で新設されたスキームが『整備改善・活性化法』です。
 
 このスキームはどうして挫折したか?
國は、高度化事業=競争力の根幹であるテナントミックス整備との連動を指導したのですが、現場では支援に招聘された専門家以下、ハード事業単発の推進しか眼中になかった、というミスマッチがありました。
もちろん、このミスマッチは「これまでの取り組みの総括」が適切に行われないと、今後もずうっと続くことになります。
  単発ハード事業とは、「もの不足・店不足時代」の成功ノウハウ、もの余り・店あまりの現代には通用しない話でありまして、こう言うことを続けていたのでは、お客にそっぽを向かれ空洞化が加速するのも無理のない話。

 ということで、活性化を目指すには「もの余り・店あまり」という消費購買者としてのあなたが住んでいる世の中とあなたのお店の業容をマッチさせなければならない。

 ただし、「言われてみればそのとおり、さっそく意識改革だ」というのは間違いの上塗りです。
「意識を改革」すれば、なんか新しい儲かる方法でも」見えてくるんですか?
講演会で「意識改革だ!」といわれ、その場では感激してもそんなものは会場をでて三歩歩けば忘れます。
 
 必要なことは「儲けぐせ」をつけること。
儲かるようになってふと振り返って「あのころはバカだったな」と思えるようになったら、いつの間にか意識は変わってた、ということじゃないでしょうか。
「まず、意識改革だ」土佐犬で、じゃななかった、と叫んでいる人は、
是非、意識改革から繁昌実現に至るシナリオも合わせてご呈示いただ
きたい。出来ないでしょ。

 と、話はいろいろ膨れたりそれたりしましたが。
①空洞化の加速には理由がある
②その主たる理由は商業者の取り組み方にある
ということで、空洞化の加速から空洞化の抑止・反転を実現するには、
③もの余り・店あまり時代のビヘイビアを業容に反映させよ
④「設け癖」が店を引っ張っていく、まずは「儲け」を実現せよ
ということを提唱して、この記事はお終い。

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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