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活性化の蹉跌、原因は計画の不備

 当サイトでは多くの中心市街地活性基本計画について、認定制度スタート直後から見直しが必要であると申し上げてきました。

 その理由は、
①計画の柱として確立されていなければならない「活性化
 実現のシナリオ」が基本計画内に示されていないこと

②全体としての目標が「歴史・文化・環境』など、実際の
 取組の具体的なスローガンにとどまっており、関係者の
 行動を導く機能を備えていないこと

③計画されている事業群を推進することで中心市街地に
 『何』を実現しようとするのか、イメージ出来ないこと

④活性化を実現していくための「人の能力」は整っている
 か、向上のための施策が講じられていないこと

など、ないないづくしの計画です。

 端的に申し上げて、こういうレベルの計画で活性化出来る程度の環境変化・空洞化なら、計画なんか無くても済んだはずです。

 中でも致命的な欠陥は、取組が実現を目指す中心市街地・商店街についてビジョンが示されていないこと。

 先進的な商店街活性化の取組では、“ラグジュアリィモールへの転換”というビジョンを共有して実際に「キラリ(輝く繁盛)店が続出し、「キラキラ(キラリ店が軒を連ねる)通り」の実現をめざし取組が動き始めています。
活性化という目標実現に向けて、適切なビジョンを持てば、計画は無くても相当のことが出来るのです。

 一方、基本計画に基づいて活性化に取り組んでいる中心市街地・商店街では実現を目指す中心市街地・商店街のビジョンも無いまま、どこからともなく導入された“数値目標”の達成を巡って様々な事業が続けられています。
しかし、端的に申し上げて、元々の計画が計画としての要件を備えていないのですから、数値目標をどう改善しようが、活性化が進展することはありません。

 先日アップされた内閣府の『中心市街地活性化基本計画の22年度フォローアップの総括』によれば、フォローアップに取り組んだ都市からは、「数値目標」を基準に総括が行われ、目標を達成できる見込みについて、

①取組(事業等)の進捗状況が順調であり、目標達成可能
 であると見込まれる。
②取組の進捗状況は概ね予定通りだが、このままでは目標
 達成可能とは見込まれず、今後対策を講じる必要がある。
③取組の進捗状況は予定通りではないものの目標達成可能
 と見込まれ、引き続き最大限努力していく。
④取組の進捗に支障が生じているなど、このままでは目標
 達成可能とは見込まれず、今後対策を講じる必要がある。
⑤取組が実施されていないため、今回は評価対象外。

 という5段階の評価が行われています。

 先に書いたようにこれらの基本計画が本来備えておかなければならない条件をほとんど無視、計画としての機能を備えていないため、「数値目標」の達成状況如何に関わらず、中心市街地・商店街活性化を実現することは出来ないだろう、失敗する可能性が高い、と予測されることです。
掲げられている数値目標が「達成可能」であろうが、「今後対策を講じる必要」があろうが、いずれにせよ、活性化を実現することが出来ない、ことでは同じです。

 これは失敗するかどうかやってみなければ分からない、というレベルの話ではありません。成功しているところが無い、ということを証拠に主張しているわけでもありません。
計画が当然備えておかなければならない要件を備えていない、計画とは呼べない計画に基づいて、しかもどこから導き出されたのか、根拠も分からない数値目標を掲げ、その達成状況に一喜一憂する、というレベルの取組で中心市街地・商店街活性化が実現するはずはq無い、ということです。

参考:『ケーススタディ 青森市中心市街地活性化基本計画を読む』
認定間もない時期の記事です。

 公開された今年度のフォローアップ作業から我々は何を知ることが出来るでしょうか?

 多くの都市が現状に至ってもなお、「数値目標」の達成に取組を集中させており、また、数値目標が達成されても中心市街地の活性化は実現できないことを、内心では確信しつつ、にもかかわらず依然として「数値目標」云々というレベルでの見直しから離れることが出来ません。
現在の基本計画のスキームから離れない限り、活性化実現に向けた有効な総括は不可能です。

 ここは、いったん、これまでの取組の経緯は括弧に入れておき、素直に
①中心市街地活性化、商店街活性化とは街にどのような
 情景が生まれることか、
②情景が現れるにはどのような条件を作らなければなら
 ないか
ということを考えてみるべきではないでしょうか。
情景=賑わい=通行量=イベント という短絡は、無し、ですからね。

 作業の結果、基本計画の作り方そのものに問題があった、という結論が出たら、新しい「活性化への道」を構築する一歩を踏み出したことになります。

 当社、これから従来の業務に加えて「基本計画の見直し」という課題に直面している皆さんとの協働を追求したいと思っています。
機会がありましたらどうぞ声をかけてください。

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  • Author:進化する売場研究会
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