商店街の空洞化は国産消費財流通経路の崩壊

 全国に散在する伝統的な産地、つまり、国産消費財の製造拠点の不振は、とどまるところを知りません。あまり報じられませんが、既に産地の体を成していないところもけして少なくありません。

 産地という産地で「ものづくり」の見直しが提唱され、新しいデザインや機能の開発が取り組まれているはずですが、もちろん、この動きは最近になって始まったわけではありません。バブル崩壊前後から国内製の消費財の販売は長期低落傾向を続けています。

 デザイン、機能の革新も必要ですが、さらに重要なことは、“商品を販売する相手がいない”ということ、産地の商品を取り扱う消費地問屋、小売店の激減、「流通チャネルの崩壊」です。

 いくら優れたデザインや機能の新商品を開発しても、消費者のAIDCAプロセスに参入出来なければ、消費者にとってその商品は無いのと一緒です。

 ことは伝統的な産地に限ったことではありません。今や、国内消費財産業、特にその大半を中小規模の企業が担っている業界は、極めて厳しい状況に陥っています。
あまり指摘されませんが。

 その一因は、従来流通チャネルの端末、消費購買客との接点を担ってきた商店街立地の専門店の廃業にあるわけですが、大型SC、ディスカウント業態などの進出によって、商店街が空洞化していく経緯は、同時に国産消費財の流通経路が崩壊していくプロセスでもあったのです。郊外型小売業をはじめ、現在“我が世の春”を謳歌するファストショッピング業態が企業戦略として国産消費財をメインに取り扱っている、という例は皆無ですからね。

 国内産業の空洞化とは、輸出産業のことではありませんよ。
製造~流通~消費の全サイクルを国内に限定している産業、わが国雇用の圧倒的多数を占めている国内経済の担い手たちの機能が空洞化しているのです。
商店街の空洞化は国内消費財産業の空洞化を必然的にもたらします。

 これまで、中心市街地・商店街活性化という課題は、もっぱら都市問題、地域問題として取り上げられてきましたが、実はわが国経済の骨幹に関わるさらに重大な課題と密接に関連しているわけで、もちろん、当サイトでは必要の都度、このことを説明していますが、残念ながら各地の取り組みに反映されるには至っておりません。

 商人塾、個店経営研修事業の合い言葉の一つは、
“品揃えは国産品主体で”
ということです。国産品は価格が高いから、といった風評に惑わされることなく、地道に探すと適正価格の国産品を(今ならまだ)集荷することが出来ます。域内所得で賄う域内消費を域内商店街で、という環流消費経済を、国まで拡大すると“国産品愛顧”になります。商店街・中心市街地は、“国産品愛顧”という国内経済自衛策の構築の主役の一環として参加していかないとその存在価値を発揮することができません。

 もちろん、消費購買の方は“国産だから”という理由だけで購買行動を変化することはありません。商店街立地の小売店、そこで提案されている国産消費財は、お店の業容三点セットがきちんとしつらえられていてはじめて“私のショッピング行き先”、“私の生活を作る材料”としての認知され、買い上げてもらうことが出来ます。

 多くの国内消費財産地・メーカーが新しい機能やデザインを持った商品を次々に作り出していますが、その流通経路は狭まる一方、商店街・中心市街地の本格的な活性化と「車の両輪」体制を構築することが、「製造~流通~販売」活性化のカギとなっています。

 当社は、商店街・中心市街地活性化を軸に製流販三位一体の活性化を目指す取り組みを支援すべく、有志との連携を構築中です。

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