世論調査の実態は国家機密W

 今朝の西日本新聞には共同通信が実施した民主党代表選挙をめぐる「全国電話世論調査」の結果が掲載されています。
以前にも書きましたが、この手の調査は噴飯ものでありまして、例えばマーケティング関係者なら、通常、調査の方法として採用することはおろか、脳裏に浮かぶことすら絶対にない、と断言できる代物です。

 全国電話世論調査とは:
①コンピューターを使って10桁の数字をアトランダムに打ち出す
②これを全国の固定電話の番号と見なす
③ダイヤルする
④応答が有ったものについて質問を行う
⑤集計・公表する
という「調査」です。

 問題はいろいろありますが、
1.10桁の数字の全部集合を「電話世論調査」の母集団である電話番号と見なすことは出来ない。(電話番号になっていない数字があるはず)
2.実際にコールした電話番号が調査対象として的確とは限らない。(団体、企業の電話など)
3.電話に出た相手が調査対象としての適格者とは限らない。
(電話に出るのはたまたま電話を掛けた時間に在宅していた人)
4.電話に出た人が調査に協力的かどうか。
というような状況が想定する中で、必要なサンプル(調査対象となる個々人)数を集めるわけですが、これは不可能です。
その理由:
1.世論調査は確率論を基礎に組み立てられるが、上記の手法は確率論を逸脱している。
(1)母集団が確定されていない。(母集団は「有権者」であるべき、電話番号=有権者ではない。)
(2)サンプルが確定されていない。(通常の調査ではサンプルは氏名が特定される。したがって性別・年齢・住所等が明白な特定の個人がサンプルとして抽出される)
(3)調査結果の信頼度が分からない。(何回電話をして何回応答があったか、そのうち調査に応じたもののの比率など。)

2.今どきのライフスタイルから予想される「全国・固定電話・世論調査」の回答者とは、
(1)調査日時に在宅している
(2)見知らぬ相手からの電話に即応する
(3)調査に協力する
という条件を持っている人に限られます。
つまり、「全国電話世論調査」とは以上のような「仕組み」での「調査」でありまして、これを「世論調査」と呼ぶのは恥を知らない所業というべき。

 以上、簡単に見たように、「全国電話世論調査」は、一般の調査概念を逸脱しており、その結果をまじめに受け取ることは出来ません。

 調査について上で述べたことは、社会調査のイロハですから、調査を行った共同通信がその調査が「欠陥商品」であることを知らないとは考えにくいですね。
この手の調査を本気でやろうとすれば:参照
我がマスコミ各社には諸般の事情で取り組めない問題かも知れません。

 さて、今日の本論。
以上を踏まえますと、「全国・固定電話・世論調査」は、調査に応じてくれた人たちの属性(住所・年齢・性別・支持政党など)の分布を公開することが出来ません。
もちろん、公開しようと思えば簡単ですが、公開したとたん、回答者の属性分布が調査対象であるはずの有権者の属性分布とまったく関係がないことが暴露されてしまいます。
(両者に対応関係があったとしても、もちろん、そのことをもって調査の正当性を主張することは出来ないのですが。)

 マスコミは、この手の調査を報道するにあたっては、調査に協力してくれた人たちの社会的属性の分布構造を明らかにすべきですが、もちろん、これをやると「全国・固定電話・世論調査」の中味が世界中に明らかとなり、さらに、この調査をもとにした「論調」の正体も明らかになり、調査結果を奇貨としてその言動を組み立てている関係各方面の「破廉恥」ぶりも、ぜ~んぶ白日の下に晒されることになります。

 日本国の名誉にかけてゼッタイ秘匿しなければならない国家秘密かも知れません。
というか、社会調査を囓った人で、自力思考を旨としている人なら国の内外を問わず、みんな知っていることですけど。

 一般にはバレバレのことですが、「全国・電話・世論調査に応じてくれる皆さんやその結果の報道を楽しみにしている人たちにだけは、絶対に知られたくない「秘密」です。
そうでないという調査機関があったら(今回の共同通信社とか)、調査に応じた人たちの社会的属性の分布を公表してご覧、ということですね。

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