あれから10年経ちました。

当サイト2001年の記事をご紹介。
************************************
F041■ 商店街の活気と活性化  Date: 2001-12-02 (Sun)

   いま、私どもが商店街がこれから取り組みそうな事業で気になっているのは、「魅力ある個店づくり」と並行して取り組むべきとされている、「街の活気づくり」ということである。個店づくりは個店の仕事、組合は活気づくりだ、ということらしい。何だ、いままでと一緒じゃん。
 「魅力ある個店づくり」という新しいかけ声のもとで、またもや買い物の場としての魅力に乏しい商店街が、人寄せイベントに走りそうな風潮がおおっぴらに後押しされるということである。この路線は、私どもが再三、口が酸っぱくなるほど申しあげているとおり、はっきり間違い、イベントでの街づくりなど金輪際出来ないのだと言うことをもう一度確認しておきたい。

   「活気づくり」ということで主張されているのは、昔のように通りに人があふれている状態を再現する、ということらしい。イベントで一時的に人通りが増えると、なぜか店主たちが元気になり、個店づくりの取り組みに意欲が出るようになるらしい。
「個店の店づくりももちろん大事だが、通りに人通りの無い現状では力が出ない、まず買い物はしてもらわなくても良いからイベントの時だけでも街に来てもらいたい」というもっともらしい口実のもと、補助金を当てにイベントが企画される。
 そういう街のみなさんにはお気の毒だが、イベント主導によるまちづくり、商店街活性化は絶対に実現できない。良い企画のイベントで人が大勢集まったとしよう。この人たちの来街目的はもちろん、イベント見物・参加である。街なかにいる間はイベントに集中、イベントが終わればさっさと帰る。でしょ? 違うと言い切れる人がいるかな? だって他になんかすることある?
 問題はみなさんがイベントに熱中してマスコミの取材に喜々として応じている間も街の衰退化は着々と進んでいく、ということである。

    第一に、個店の店づくりの転換というのは生やさしいことではない。商人塾その他、当サイトの資料を検討した人はお分かりと思うが、これまでのノウハウをいっさいかなぐり捨てる、一から出直すという気概がないと店づくりの転換など夢のまた夢である。10年20年前同様、イベントによる人通りを当てに何とかしようというようなレベルの魂胆で成し遂げられることではない。イベントに人手をとられ、時間をとられながら、その合間に繁盛店への生まれ変わりが出来ると思っているとしたら、その人はこれまで店づくりの転換に必要な勉強をしたことが無い、というよりそもそも小売業経営に必要なことについて全く理解していない、と告白しているようなものである。
 そういう人がイベントを利用して繁盛を再現できるというくらいの状況なら商店街の落ち込みなんか行政課題に鳴るようなことはなかったろう。

    第二に、そもそもイベントなるもの、売れている店がやるとますます売れるが、売れない店がやっても何の効果も無い、というのが常識である。売れない店(つまり、商店街のほとんどの店)や商店街のイベントは時間とコストをかけて集めたイベント客に「当店(街)はご覧の通り、あなたが買い物に来るところではありません」と宣伝しているようなものである。
 だいたい、「売り上げが落ちたら人集めをする前に売れない原因を発見し改善せよ」、人集め・宣伝広告はその後だ、というのが昔からの小売業のノウハウ。だってそうではないか、売れない店=買い物の場として魅力の無い店がイベントをやったとたん、あーらふしぎ、買い物の場として魅力が増してお客が戻ってきたなどと言うことがあるはずがない。イベントにつられていらないものを買うようなお客はいない、お客が物を買うのは、自分の生活を作りあげるための材料としてである。材料にふさわしくない商品など見向きもしない。そもそも商店街のイベントに来るときお客が財布をふくらまして来ているだろう、と考えるのが間違い、子供ジュース代くらいしか持ってきていないんじゃないの。

    第三に、明日はともかく今日はとりあえずイベントで集めたお客で売上げを、と衝動購買などを当てにするようではますます救いがたい。衝動購買というのは、お店に来るまでは買う予定が無かったのに、商品を見たとたん、気に入って買わずにはおれなくなった、という購買パターンである。日頃お客に強く支持され、繁盛しているお店だけがフリーの来街客を引きつけ、購買行動に結びつけることが出来る。売れない店がイベント客の衝動買いを期待するなど言語道断、あまりにも虫の良い話である。

    第四に、組合執行部の問題。組合として他にやることが無い、ということもあるだろうが、個々の店舗の経営実態は自店に置き換えて見れば自明である、とてもイベントなどでどうにかなるというレベルの状況ではないことは百も承知のはずである。
 この期に及んで、話は分かるがとりあえずは人通りを・・・、などというのが一番悪い。人通りが多くても売れない商店街というのは、福岡天神をはじめ幾らでもある。「今の立地は人通りが少なくてダメだが、このまま新宿駅東口に移転すれば即日大繁盛間違いない」という自信のあるお店の店主だけがイベント主導のまちづくりを主張することが出来る。

    街に活気が欲しいというのは誰しもが願うことである。人通りさえあれば昔とった杵柄、創意工夫を凝らして必ずかっての繁盛を取り戻してみせる、と意気込んでいる人もたまに見かけるが、これは出来ません。理由?昔、あなたの街に人通りが多かったのは、街が繁盛店で埋め尽くされており、通りを買いまわるお客が多かったからでしょ。あのころ街に来ていたお客は一体何を目的に来ていたか、胸に手を当てて、考えてみるべきではないか。
イベントが盛んな街の役員諸氏は、イベントを否定されると自分を否定されたように気色ばんで「そういうけどうちの街はイベントをやってきたからこそ、この程度の落ち込みで済んでいる、イベントをやっていなかったらどうなっていたか分からん」などと反論したりする。フフンだ。そんなものはただの言い訳にすぎん、あなたがそうおっしゃっている間も現に通りには空き店舗が増え続けてるでしょ?つまり本当の意味での活性化には全く近づいていないでしょ、ということである。

    以上簡単に見たとおり、商店街のイベント、当日のお客は店頭を素通り、明日からはまた昨日と全く同じ閑古鳥の鳴く通りとなる。10年、20年と有名イベントを続けてきた街と個店はいまどうなっているか? 賢者は他人の失敗に学び、愚者はおのれの失敗を繰り返す、という。商店街に残された時間は本当に少なく、よその街の失敗を身をもって確かめてみる、というような悠長な時間は無いはずである。
そろそろ自分の頭を使って物事の一部始終を考え抜いてみる、という創業当時の習慣を取り戻すべきである。もちろん環境は激変している、とても当創業期のノウハウでは役に立たないことはいうまでも無いが、大切なことは自分の頭を使って考える、ということである。「商店街活性化の事例」などを鵜呑みにして真似しないこと。事業はイベントに限らず、それに取り組んだら本当に街が活性化するか、本気で考え抜いてみるから取り組むことにしないと、一度しかない人生の大切な時間を無駄にすることになる。

    私どもは、日本中の商店街で用いられている「活性化」という言葉について、「商店街にどのような状態が生まれることを意味しているのか」ということを明らかにしていない無責任な決まり文句である、と批判している。たぶん、クオールエイド社が全国で唯一、「商店街活性化」という言葉をきちんと定義して用いている、といって過言ではない。
 私どもの定義を簡単に説明しておけば、活性化とは「計画的に事業に取り組むことによって、以前はとても想像できなかったような繁盛が実現され(実現の希望が生まれ)、再投資や後継者確保の意欲や条件が生まれてくること」である。個店、商店街とも活性化を目指すならば、「活性化」の定義、目標をきちんと決め・全員で共有しておく、各種事業の実施にあたっては、その事業が、本当に・街の・自店の・「活性化」の・実現に役立つものであるということをしっかりと確認してから取り組むべきでしょ、というのが私どもの主張である。

    商店街の活性化、まずイベントで活気を呼び戻してから本番の活性化に取りかかる、などと訳の分からない悠長な手前勝手をきっぱりとうち捨て、「活性化とは街が・自店がどうなることか」ということをあらためて確認し、客寄せならぬ人寄せなどの安易な地獄への道に惑わされることなく、正しい方向=売れる店づくりに向かって進まなければならない。
 売れる店の存在がお客を商店街へ誘い、そういう店が軒を連ねることでお客の買い回りがはじまり、通りを買い物客が行き交う、人とお店が作り出す賑わいがさらに客を呼ぶ、というあるべき商店街が再現される。

引用終わり*****************

正確には9年6カ月前の記事です。
自分のアタマでものごとを考え、こういう取り組みを構築していたならば、内閣府の総括などは出てくることは無かったのですが。

 その分、街の劣化が進んでいますが、一方では先行事例の挑戦でノウハウがたくさん作られており、取り組みやすく、成果を挙げやすくなっています。「3年で軌道に乗せる」はけして夢物語ではありません。

 ちなみに、一店逸品とか百縁商店街などは“悪質な人寄せイベント”だということはお分かりですよね? (*)
取り組んでいる皆さん、皆さんは来街者の頭数が増えて嬉しいかもですが、あにはからんや、お店の店頭ではスタッフさんたちが“なんかお店や街の品位が下がったみたい”といっていることなどまったく気付いていませんよね。

百縁商店街は街の恥:
元祖・百縁商店街をレビューする:

*“悪質”というのは、人寄せイベントのくせに人寄せではない振りをしているから。

コメントの投稿

非公開コメント

有限会社クオールエイド
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ