中小小売業経営革新塾@韮

 於・韮崎市。
新事業活動促進法による経営革新、ご承知のとおり、経営革新計画を作成して都道府県知事の認定を得れば各種の支援措置場受けられます。この間、事業の普及を図るため、商工会、商工会議所を事業主体に、計画作成を支援する「経営革新塾」が開催されて来ました。経営革新、取り組みの状況を見ますと、現場ではかなり矮小化されており、中には“自店で初めての試み”なら何でもOKということで、“一店一新”を提唱する人もあったようです。
ここまでくると“革新・イノベーション”の元々の意義とは縁のない、独りよがりになってしまいかねません。聞くところによるとこの事業、今年度で打ち切りだそうですが、そう言う話を仄聞するとそれも一理あるのかも、と。

 では、経営革新という課題はどうなったのか、といいますとこれはもう依然として、というか以前にも増してその必要性、緊急性は高くなっています。
特に、商店街立地の中小小売店は、「革新」に取り組まない限り、明日は無い、というのが客観的な状況です。

 当サイトではこれまでも小売業の革新について、折に触れて取り上げていますが、韮崎市商工会の事業が佳境を迎えつつある折から、あらためて講義内容を踏まえつつ、考えてみたいと思います。

 ご承知のとおり、小売業における革新は、主なものだけでも百貨店の発明から、通信販売、スーパーマーケット、GMS、コンビニエンスストアときびすを接して現れており、その都度、供給と需要の双方に大きな影響を及ぼし、両者の革新をもたらしてきました。言うまでもなく、上記の革新はそれぞれ売り場すなわちPOP編制の革新を伴っており、消費購買行動の新業態への支持は、革新的POPへの支持そのものでありました。
小売業の場合、革新は消費購買行動の革新をもたらします。消費購買行動の革新を喚起してこそ「革新」の名に値します。

 さて、消費の低迷・デフレの低迷が指摘されて久しいわけですが、その原因は“需要の不足”とされています。さらに需要の不足は自由裁量所得の不足が原因というのが教科書的説明です。
しかし、消費購買の現場は長きにわたって“ものあまり・店あまり”という状況であり、当社的に言えば“POP飽和”が続いています。すなわち、POPの陳腐化・・・POPミックスとしての店舗の陳腐化という状態に陥っています。
陳腐化しているPOPに新たな消費購買を喚起する力はもちろんありません。既存店舗の前年業績われ、縮小再生産。

 消費の低迷には購買接点・小売店頭の陳腐化という現状も影響しているのではないか。

 小売り商業経営革新の目的は「繁盛店づくり」です。POPの改革からスタートしてPOPミックス=店舗の業容を革新することで顧客の支持の増大、商売繁盛を実現しようとするもの。
これまでの小売業の革新が、新コンセプトの発明~業態展開というトップダウンであったのに対して、POPの改善~POPミックスとしての店舗業容の革新というボトルアップの取り組みになります。一見、売り場改善に見える取り組みがなぜ革新につながるのか、といえば実践の背後に「生活の二極分化(当用と堪能)」という仮説があるから。

 先述したように、消費購買行動の革新をもたらす店舗業容の変容を革新と定義すれば、当社が提唱する「繁盛店づくり」は、紛れもなく“革新“でありまして、韮崎市商工会が取り組まれている“小売り商業経営革新塾”は、低迷する消費購買行動の革新を促す小売り商業のチャレンジの先頭に立つものと言って過言ではありません。

 従来、経営革新は突出した才能を持つ経営者によって担われてきました。百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター等々一世を画した業態革新にはすべて、“いつ、どこで、誰が起こしたか”記録が残っています。
一方、現在、韮崎市商工会を始め各地でチャレンジされているPOP改革の連鎖による業容革新は、「無名」の商業者がそれぞれ自分の商売の存続・成長をかけて取り組む繁盛店づくり、一見しただけではシュンペーターやドラッカ-が解明唱道した革新とは何の関係もないようですが、既述のとおり、小売り段階の革新とは「消費購買行動の革新」を惹起するものと考えれば、立派に「革新」ですね。

 POPに発端するこの革新は、それが基本的に志向する「国産品愛顧」と相まって、我が国現下最大の課題である「経済成長戦略」へと連なります。
持続的成長は、消費購買行動の革新無くしてあり得ません。
成長戦略に於いては、「誰が・いかに・消費購買活動の革新を実現するか」ということが重点になるべき、その意味で、小売り商業の経営革新、POP起点の業容革新は、我が国経済立て直しの文字通り「起死回生」の方向と方法かも知れません。

 韮崎商工会の中小商業経営革新塾、画期的な取り組みであり、今後は全国的に注目されることと思いますが、残念なことに事業そのものは今年をもって打ち切りとのこと、残念なことです。
もちろん韮崎市商工会では次年度以降も「業容革新」のチャレンジを継続・拡大すべく別途事業を構想中とのこと、これも含めて韮崎市の経営革新塾、視察研究の対象に如何でしょうか。

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