商業理論は、ホントに、不要ですか?

 典型的な市町の行政組織には、周知のように、土木建設、教育文化、保健衛生、農林漁業といった分業があります。それぞれ、関係の法律と専門的な理論・知識・技術を駆使して業務を遂行しています。法律~スキーム自体が理論・知識・技術に基づいて創られていることも多い。
法と知識・技術は業務を遂行するうえでの「車の両輪」です。

 そうした中で、「商業振興・商店街活性化」だけが“理論抜き・関係法律のみ”というにわかには考えられない「片肺飛行」になっています。

 これまでこのことは指摘されたことが無いと思いますが、商業振興あるいは商店街活性化を推進していくにあたって、商業理論(=小売業を客観的に理解するための知識体系)は必要ですよね? 不要ですか?
必要だとした場合、御市における関係各方面は活性化の実現を導く機能を備えた適切な商業理論を装備していますか?

 いや装備していない、だから外部の専門家を招聘している、ということですが、ちょっと待ったW、支援にあたるシンクタンク、商業コンサルタントなどは、業務遂行に必要な商業理論を装備していますか?
「学識経験者」はどうでしょうか?
 
 確認したことがありますか?
アタマで考えるべきところ、商店街の現状やアンケート調査、事例紹介で済ませていませんか?

 総じて「商業」に関して流通している知識・理論は、商業振興や商店街活性化の取り組みを導くという機能を持っておりません。
本来なら当然、「活性化への道」を案出するにあたっては、商業理論の力を借り、その上で当該商店街、中心市街地の条件などを加味してシナリオを創るという段取りになるわけですが、肝心の「理論」が存在しない、巷間、「理論」として提供されているものも、具体的な活性化の取り組みを導く機能を持っていない、というのが現状です。

 このような取り組み体制に活性化を実現していく計画・実践などを期待するのは期待する方が間違っています。

 さて、先月末、内閣府中心市街地活性化推進室は、
『中心市街地活性化基本計画の平成21年度フォローアップに関する報告』
を公開しました。

 これまでに報告のあった55の認定基本計画のフォローアップ(自己評価)を集約したものです。

 重大な内容が含まれておりまして、詳細は【都市経営入門編】で検討するつもりですが、なんと、「活性化実現の切り札」であったはずの「通行量の増大」が、

*********
③小売業販売額、空き店舗に関係する目標指標については、近年の経済低迷の影響を受けて我が国全体で小売商業面では厳しい状況にあるため、取組自体の進捗に遅れが見られる、取組の効果が地域全体には十分に行き渡らない等、取組の効果がなかなか有効に現れていない状況にある。
**********
つまり、「小売業の販売額・空店舗に関する目標数値」は、
○取り組みの進捗に遅れが見られる
○取り組みの効果が地域全体に行き渡らない
すなわち、効果がなかなか有効に現れていない。
という状況において、

*****************
④通行量に関係する目標指標については、他の目標指標に関する取組の効果全般の影響を受けるところ、特に③の目標指標に関する取組の効果の影響を受けることもあり、比較的厳しい状況にある。
******************
と総括されています。(4頁中ほど)

 何と、“商業はまちの花”であり、“通行量が増えれば街は活性化する”はずだったのに、今回の総括では:
○通行量は、他の目標指標、特に③(小売販売額・空店舗率等の指標)に関する取り組みの効果の影響を受ける
と逆転しているのです。そしてその結果、
○(小売業の販売額・空店舗)が③的状況にあるため、通行量に関する目標指標の達成は“比較的厳しい状況にある”とされています。

 これは一大事です。これまで藻谷流などの“通行量がすべてを癒す”を信奉してきた皆さん、ここに来て「通行量は他の取り組みの効果を受ける」と大逆転ですからね。
このことは何を意味するのか?

 いうまでもなく。
これまで“通行量が回復・向上すればそれによって回復する”と信じていた販売額や空店舗率=商店街の活性化でしたが、実は“それらが回復しないことが通行量が増えない原因である”となったわけですから、ことは大変です。
“通行量の増加”に代わって「商店街活性化」を実現していく方法を考えなければならなくなったのです。
さあ、どうする?


 そう悲観することはありません。これまでの通行量を万能視していたのが間違いですから、間違いと分かった以上、さっさと軌道修正すればよろしい。
 
 さて通行量に代わる「販売額アップ&空店舗ダウン」を実現する方策とは何か?
これはもう、個店~商店街をズバリ、「商品が売れる店・通り」にしていく以外ありません。販売額を上げるには、「売れる店、繁盛店」をたくさん作ることが必要です。
これ以外の取り組みで販売額を増やすことは絶対に出来ません。どうすれば達成できるか?
 もちろん、これまでのシャッター内外の取り組みでは実現できません。

 実効的な繁盛店づくりを導く「商業理論」はどこにあるのか?
もちろん、これまで「通行量はすべてを癒す」路線を採用してきた「商業理論」は全部失格です。その正体は、スキームの法的側面の片肺的説明、商店街の実態調査、アンケート結果の紹介、先進事例の紹介を羅列したものに過ぎませんでしたから。

 それにしても。
通行量を増やすには販売額の向上や空店舗の減少を実現しなければならないとは本末転倒した話ですね。そんなことならはじめからまっすぐに、「販売額の増加」や「空店舗の減少」に取り組めばよかった・・・・。
でも、それを導く商業理論がなかった、みんな「通行量」に拝跪してしまっていた・・・。
恐るべし、“日本一元気な商店街”。

 商店街を活性化したかったら、陳腐化している「物販機能」を革新しなければならない、もちろん、当サイトは最初の最初からそう主張してきたのですが・・・。
残念なことに「通行量」というお手軽路線はなかなかの強敵でした。

 しかし、今回のフォローアップの公開によって、販売額や空店舗についての目標指数が達成できず、今後達成できる見込みも立っていないことを確認した中心市街地・商店街は、早急に取り組みを再構築しなければならない。
まず、最優先で取り組まなければならないことは、適切な商業理論を装備すること。
適切な商業理論を装備していさえすれば、“通行量がすべてを解決する”といった世迷い言を信じ、その結果取り組みをとんでもない間違いへと導くことは無かったはずです。
理論装備は、喫緊の課題です。
どうすれば“適切な商業理論”を装備できるのか?

 その第一歩が当社の公開セミナーです。
http://www.quolaid.com/100715seminar.pdf
いろいろと理由を考え出して出席を渋っている人は、あらためて上記・中心市街地活性化推進室発表の「フォローアップについて」を熟読玩味、“商業理論抜きの商業活性化”が可能かどうか、しっかり考えてみられることを衷心からお奨めします。
セミナーの残席、たくさんありますからW、今からでも遅くはありません。お申し込みはメールでどうぞ。

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