迷走する商店街活性化

 商店街活性化といえば、商業街区の整備改善・増進と経済活力の向上を一体的に推進することですが、理解が普及していません。
その原因は、二つありまして、
第一に「法」のスキームの読み込み不足と
第二に、商店街活性化の推進に不可欠の商業理論が装備されていないこと。

 この二つが相乗的に作用した結果として、眼前する取り組みの陳腐化と街区の惨状があるわけですが、加えて最近、“もはや商店街は商業者や商業施策だけでは活性化できない”という何の根拠もない思いつきから、非・商店街的取り組みがいろいろと計画されているようです。

 “もともと、商店街は経済機能だけではなく、コミュニティ機能も果たしていた、コミュニティ機能を整備強化することで商業活性化につなげよう”といった話。
上記①、②の不備があるために出てきたもので、特に気にも留めておりませんでしたが、都市によってはだんだん「成長」しているようです。
まあ、余力があるなら何でもどうぞということですが、もちろん、実際に取り組んでいるところは余力どころか“これこそ本命の商店街活性化事業”と信じて疑いません。いきおい、ショッピング機能の整備はおろそかになる。

 コミュニティ施設をはじめ、非・物販集客施設の整備などはその典型です。空店舗を利用して「子育て支援施設」を整備、育児に関する公共施設を整備すれば、お母さんたちが助かる、お母さんたちが施設に来れば来街者が増え、「通行量」が増える、商業者の事業機会も増える、といいことずくめです。

 が、ちょっと待った。
ショッピング以外の来街目的で通りを“通過している人”に“ショッピング客(~入店客)”になってもらうのは大変なことですからね。
もともと入店するつもりのない通行者をショッピング目的で入店させる、この「者から客への転換」を実現するには何が必要か、考えたことがあるでしょうか?

 他の用事で通りを歩いている人が、ふと、目に留まった店舗のファサードの魅力に誘われて思わず店内に足を踏み入れる・・・、という行動が頻繁に起こるためにはどういう条件が必要か?
さらに。
“お試し”で来店いただいた人には是非とも商品を買い上げていただき、さらにさらに、なるべく愛顧客になっていただきたいのですが・・・。

 まず第一に、外観・ファサードにお店の魅力(品揃え・サービス宇・環境雰囲気)が十分に反映し・アピールされていること。これがないとそもそも入ってみようという気になりません。

※非・物販集客施設目的の来街者を入店客にしようと目論む商店街、軒を連ねるお店のファサードは、“入ってみたくなる”情景を醸し出しているでしょうか。
残念ながらあまり期待は出来ません。もし、そういうファサードを演出する能力を持ったお店なら、日ごろから買い物目的のお客が多いはずですが、そういう様子は感じられません。

 さらに。
入店したお客は、当然、ショッピングを楽しむことが目的です。
ファサードの情景に惹かれて入店した店内、果たしてお客にショッピングを楽しんでもらう条件が整っているでしょうか?

 残念ながらあまり期待は出来ません。
もし、品揃え・サービス・環境雰囲気が整えられていれば、そのお店は日ごろから繁盛しているはず、繁盛しているお店は「通行者」などを期待しておりません。お店の方は期待してはいませんが、通行者のほうが思わず入ってみたくなる・・・。
これが繁盛店と通行量との関係です。

 陳腐化したため客足が遠のき、客数を増やさなければ、と考えているお店が、“店前の通行量が増えればなんとかなる”と考えてしまうのは、ある意味、仕方のないことですが、たとえ通行量が増えても、店前を歩く人がそういうお店に入ってくるはずがないのです。

 コミュニティ施設づくり、結構なことかも知れませんが、商店街が商店街活性化策として取り組む筋合いのことではありません。
この時期、取り組むべきことは「商業機能の増進」という分野でたくさんあるのですから。

 中でも大切なことは、個店の商売のあり方を改革し、「売れる店」、「繁盛する店」に転換していくという仕事。
本来、商店街は何のためにあるかといえば、もちろん「ショッピングの場」、生活に必要な財貨・サービスを調達するところです。
この機能が果たせない商店街はもはや商店街とは言えません。
陳腐化し、劣化し、空洞化している商店街は、「非・商店街化への道」を辿りつつあるのでありまして、これを阻みたかったら、「物販・サービス機能の充実」を実現する以外に方法はありません。

 物販機能の充実、すなわち個店の売場を改革する、という仕事を抜きにして取り組まれる商店街における「非・商店街的」機能の充実強化は、「非・商店街への道」から商店街を転轍させることはできません。

 一部の都市ではいよいよ混迷深まる商店街活性化ですが、その原因は、冒頭に書いた二つの理由にあります。
本日の記事内容に思い当たるところがある人もない人も、あらためてもう一度、①及び②について考えてみていただきたいと思います。

 副産物として、“「商業活性化」は中心市街地特有の問題ではない”ことに気がつき、全市的な課題、買い物の場の適性設置という都市経営上の課題に応える『都市商業振興プラン』策定の必要に直面されることになるかも知れません。

コメントの投稿

非公開コメント

有限会社クオールエイド
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ