活性化とは活性化事業に取り組むこと?

 巷間、「活性化事業」と銘打って取り組まれている事業の多くは、商店街・中心市街地の「通行量の増加」を目指すものです。
“商店街活性化とは商店街の通行量を増やすことである”という恐るべき謬説(びゅうせつ・間違った考え)が、未だにはびこっています。ご承知のとおり、当サイトはかかる妄説(もうせつ・根拠のないでたらめな話)の剪除(せんじょ・雑草などを刈りとること)を任務の一環としておりますが、ウ~ム、なかなか難しくスイスイとはいきません。
あらためてWeb経由のPRの困難を思い知ったりしています。

 それにしても。
“商店街活性化とは通行量を増やす事業に取り組むことである”という、一部、ごくごく一部の関係者を除いてあまねく行き渡っている「認識の共有」はどのようにして始まったのか?
 さらに、取り組みを重ねても通行量は増えず、その間、空洞化は着実に進行している現状においても今なお通行量の増加を目指す取り組みが続けられているのは何故か?

 ホント、どうしてでしょうね。

 取り組みの当初、“通行量の増加”が目指された理由は分かります。商店街の全盛時代、思い出してみると通りにはショッピング客があふれていました。ちなみにショッピング客=買い物客ではありません。ショッピング=買い物、下見、冷やかし、暇つぶし。
全盛時代の店前を思い出してみると人があふれていたことを思いだしたお父さん、“人通りさえあれば繁盛するのだが・・・”と当時のあれこれを懐かしむうち、“人通りさえ増えれば必ず繁盛して見せる”と思いこむようになりました。
ある日、「商店街活性化アンケート」が廻ってきまして、“活性化には何が必要と思いますか”という設問にためらうことなく“通行量を増やすこと”と回答したのです。

 もちろん、この回答はお父さんの率直な気持でありまして、それ以上でも以下でもありません。ところが調査に当たった専門家さんが良くなかった、お父さんの「気持」を「客観的事実」と思いこみ、“商店街を活性化するには通行量を増やすこと”という結論を出してしまった。
この専門家の至らなさ、愚かさが活性化を台無しにしたのです。

 確かに。
商店街が繁盛していた当時、通りには人があふれんばかりに歩いていました。しかし、このことをもって“通行量を増やせば繁盛する”という主張の根拠にすることは出来ません。
当時、多かった通行量とは商店街へのショッピング客が多かった、ということであり、何故ショッピング客が多かったかといえば、
①ショッピングしたい店・商品が揃っていた、という積極要因と
②行動圏内に他にショッピング行き先が少なかった、という消極要因が考えられます。
この二つは、全国ほとんどの都市の商店街に共通しているはずです。ここで注意しなければならないのは、「繁盛」と「通行量」の関係。確かに「繁盛している個店が軒を連ねる商店街」は通行るようが多いのですが、そのほとんどはショッピング客であり、繁盛店が揃っているからショッピングを目的に来街した人たちです。
逆に言うと、ショッピング客は、
①街や個店にショッピングの楽しさが感じられなくなり
②他にショッピング行き先があれば
まちには来なくなってしまいます。その結果、もちろん、街の通行量は激減します。

 新業態ビジネスの発生と隆盛、街区内へのスーパーマーケット、コンビニエンスストアの出現、郊外への各種カテゴリキラーの相次ぐ出店、とどめは大型ショッピングセンターの登場と数十年にあたってこれでもかと出店ラッシュが続くなかで、商店街立地の個店にはお客に“新規に出た店に比べて陳腐”と評価されるものが多くなり、やがて目に見える形で来街ショッピング客が減っていきます。
これが「通行量の減少」であり、並行して「売り上げの激減」も起きています。

 つまり、「商店街の通行量の減少」は、“商店街のショッピング行き先としての魅力の減少”が原因となって起きている「結果」だということになります。けして“通行量が減ったからショッピング行き先としての魅力が無くなった”訳ではありません。
確かに通行量と商店街の繁盛とは相伴って起きるという関係にあることが多いのですが、
①通行量の多寡が商店街の盛衰の原因とは限らない
②通行量が多いからといって商店街が繁盛するとは限らない
ということはきちんと確認しておきましょう。
①についてはうえで見たとおり、②についても(あえて実名は出しませんが)実例は少なくありません。

 成果が上がらないのに何故何時までも「通行量増加」が追求されるのか?
皮肉なことですが、答えは、いくら事業に取り組んでも通行量が増えないから、かも知れません。
すなわち、もし、通行量の増加に成功していれば、同時にそれが商売繁盛をもたらすものではないことが明らかになり、「通行量」以外の活性化策へと取り組みの方向転換が出来たはず、だが。

 いくら通行量増加策に取り組んでも通行量が増えないため、「通行量増大」=「商店街活性化策」ではない、デタラメだ、ということが暴露されないまま、相も変わらず、「通行量の増加」ヲ目指す取り組みが性懲りもなく続けられている。
余談ですが「通行量の増加」が実現しないために、首がつながっているのが「通行量は街を救う」とキャンペーンを貼っている藻谷浩介氏以下、そっち方面の「専門家」の皆さんですね。

 通行量の増加が商店街活性化の戦略課題なら、さっさと目の覚めるような通行量増加策を提案し、その実効性を実証していただきたい。10年以上も取り組んで成果が上がらない、というのは見方・考え方に欠陥があるのではないか、と自問自答してみるべきではないか。

 「専門家」さんたちはともかくとして。
問題は、
①儲かってナンボの商業者と
②法律を現場に応用するのが役目の都市経営の担当者
ですね。成功しないことには自分たちの街、自分たちのお金が無為のうちに消えてしまうことになりますが、その実態はといえば:

 前者は、自店の売り上げの推移はカッコに入れて、「通行量の増加」を目指し、イベントやらマンション建設やら集客施設の誘致やらに邁進、それぞれの案件は成功するものの通行量は増えず、空店舗は増加の一途という状況にも関わらず“通行量さえ増えれば”なんとかなるはず・・・。他都市で成果の挙がらなかった事例をうちでも納得のいくまで取り組んでみる・・・。

 後者は、「法律使い」が得意な専門集団で、実際、市街地の整備改善、農業、教育、保健衛生等々都市経営の各部門について専門家・スキルを配置していますが、こと「中心市街地・商店街」に関する限り専門家のせの字も配置しておりません。
何が起こるか?
中心市街地活性化法を読み解き、自分たちの街の活性化のスキームとして活用していく、すなわち実効的な計画を作り、実行を統制し、結果を評価する、という仕事が出来ません。第一段階の「計画作成」でものの見事に外れている。

 すなわち、専門家集団としての役割を果たすことが出来ません。公募で採用した専門家・タウンマネージャーさんも大同小異。

 という状況の中で昨日も今日も、たぶん明日もあさっても、出来もしない・実現したからといって所期の目的達成には関係のない「通行量の増大」が目指されている訳で、平成余年の商店街・中心市街地も昭和余年のそれと同様、否、その傾向を拡大再生産しつつ「断念せざるを得ないポイント」に向かっていることは自覚していただきたいような気もしますが、まあ、自覚できるうようなら今日のこのていたらくは無かったろうと思えば、♪バーンといかずにメソメソと、最終局面を迎えるところが何時出てきてもおかしくない気配となりました。

 それでは困る、という人は「通行量の増加」という出来もしない・「お気楽路線」にさっさと訣別、「繁盛可能性の実証」へと一日も早く方向転換すべき。
その第一歩はセミナーへの参加です

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