目標の間違いを施策段階でカバーすることはできない

 戦略レベルの誤りを戦術でカバーすることはできない、という有名な言葉があります。タイトルはそのもじり。

 例えば、「商店街活性化」を実現する手段として「通行量の増大」を目指すとします。
「通行量の増大」を目指す事業が何故取り組まれるかといえば、“商店街の活性化は通行量をぞうかすることによって実現できる”という「理論」がアタマの中にあるからです。
このアタマがある以上、「通行量の増大」というレベルでの取り組みの結果が何をもたらそうとも、それに代替される取り組みは「通行量の増大」と同じレベルの施策になってしまいます。

 “マンション立ててもダメなら百縁商店街がある”ということですね。
思えば、これまでの施策メニューの変遷は、「通行量」レベルにおいてのみ行われてきておりまして、景観整備もイベントも一点逸品・百縁商店街もことごとく、「来街者・通行量を増やす」ための施策です。
その結果、何がどうなったか?

 タイトルのとおりでありまして、施策に取り組んだ結果、
①住む人が増えた
②来る人が増えた
③通行量が増えた
という目標を達成した事例も報告されていますが、その結果:
さらに上位目標としての「商店街の活性化=売り上げが増える店が多くなった」ということを達成した事例は皆無ではないか。
 ということですね。

 個店売場の充実が先か、通行量を増やすのが先か?
鶏と卵の関係だ、という人がいます。いいたいことは“なかなか正解が出しにくい”ということのようですが、何をおっしゃるやら、正解は見ようとさえ思えば、とっくに眼前にあるのでありまして。

ショッピングセンターを見よ、であります。

 どこのデベロッパーがショッピングセンターを出店するに先立って、“まず人通りを増やすのが先”などという発想で動いているでしょうか?

バカも休み休み言え、であります。

 そもそも、ショッピングセンターがまちはずれに登場した当時、「通行量」が他を圧倒していたのは商店街ですからね。
商店街の空洞化は、もちろん、現象的にはその通行量が次第に他の立地へと移動することによって起こったものですが、その意味するところは「買い物行き先の移動」です。
通行量の変化は、人々の買い物行き先の変化によって起こったこと。
この事実を忘れた人、及びこの事実に考えが及ばない人が「卵か鶏か」という愚問に陥っている。

 したがって、通行量さえ増やせば商店街は活性化する、などというのは本末転倒ですね。かっての店前通行量と自店のレジの鳴りひびき具合の相関を体感しているお父さんたちがいうのならまだしも、仮にも指導者とか専門家と自称他称の人たちがその尻馬に乗って「通行量の増大」以外のことを提案できないていたらくは、ったく、笑止千万です。

 ということで、商店街の活性化、ホントにホンキで実現したかったら。
「通行量の増大」というレベルでのメニューをあれこれ試してみるのではなく、メニューが出てくる大前提そのものを疑わなくてはならない。

 第一、あなたの家族はわざわざ来街しなくても街なかに住んでいるわけですが、いつも商店街で買い物していますか?
あなたの家族が買い物しない商店街・売場・品揃えならいくら住む人が増え・来る人が増えても、(あなたの家族とたいして変わらない消費購買行動をする以上)商店街の売り上げには大した影響は期待できないのではないか、ということも考え合わせててみなくてはならない。

 それとも商店街に来て欲しい人というのは、商店街に呼び込みさえすれば自動的にそこで買い物をしてくれる、そういう消費購買行動を習慣としている人、ですか?
そうとしか思えませんが、今どき、そんな人たちがたくさんいて、商店街の仕掛けにのって来街し、あの店この店に入り込み、あれこれ買ってくれるに違いない、とホンキで思っているんですか? ・・・・・・・・。

 目標の間違いは、遡ると、それを目標として選択してしまうものの見方・考え方、あるいは「アタマの使い方」の問題であることが多いのです。
間違ったアタマの使い方からの脱却、これこそが「通行量」論者さんたちが今すぐ取り組むべき課題かも知れません。

 もちろんそのためのお手伝いはあなた自身の課題です。

 中心市街地活性化基本計画
 商店街活性化事業計画

 それぞれ数値目標として「通行量の増加」を掲げている人は、目標の至らなさと併せてこれまでの「ものの見方考え方」・「アタマの使い方」について猛省しなければならない。
現状の延長線上に「地方分権」とか「都市経営」などは成立しませんからね。

コメントの投稿

非公開コメント

有限会社クオールエイド
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ