「通行量」という目標からの脱却

 通行量が一番多い商店街が日本一元気のいい商店街、という「説」がありまして、言い出しっぺさんは国内トップの専門家ということらしいですが、「通行量」というのは何も専門家が言い出したことではなく、商店街の一世代、二世代前の人たちは日々の商いの移り変わりから繁盛・賑わいと店前通行量の相関を実感していました。何のことはない、専門家さんたちの「理論」は、この「実感」を知ってか知らずか無批判に受容した・とても理論などとは口が裂けても主張できない(笑 レベル、店頭での立ち話のレベルヲ一歩も出ていません。

 商店街の通行量:

ごらんの通りでありまして、一口に商店街の通行量といっても
1.居住者
2.就労者
3.用務来街者
4.遊歩ショッピング者
と4つに大別することが出来ます。もちろん、それぞれ通行目的は異なります。これをですね、月もスッポンも一緒くたにして「通行量」としてその増大を図る=“住む人来る人を増やす”というわけですが、
1.の増加が賑わいに無関係なのは、居住地区・マンション林立地区を見れば分かる
2.の増加が賑わいに無関係なのは、工業地区を見れば一目瞭然
3.については、オフィス街の様子を思い出してみましょう
ということで、1~3による通行量の増加は、商店街の活性化には無関係です。

「4」の増加だけが唯一、商店街のショッピングゾーンとしての活性化と相関があるのだということをあらためて確認していただきたい。したがって、商店街を活性化したかったら、「4」的通行量・来街者が増える算段をしなければならない。
そうすることで始めて、1~3的通行者も「4」に変身する可能性が出てきます。

 というように考えて、あらためて通行量とまちの賑わいについて考えて見ますと、
①その昔、商店街の店前通行量が多く、店が繁盛していたのは
②人通りが多かったからではなく、
③繁盛している店が軒を連ねていたから、ショッピング目的で行き交う人たち=通行量が多かったのだ
ということがあらためて理解されます。
このことが理解されると、
①商店街が繁盛しなくなったのは単に通行量が減ったからではなく
②商店街にショッピング目的でくる人たちが減ったから、
であることが理解されます。
③このことは施策の結果、ショッピング客以外の通行量が増えても商店の売り上げアップには貢献しない、という事例で実証されています。→佐世保市四ヶ町他
④ショッピング客は何故街に来なくなったか?
⑤商店街以外に多様なショッピング行き先が出現し、それらとの「綱引き」に商店街が敗北したから
ですね。(もちろん、敗北した理由はひとつではなくさまざまなことが複合的に作用しています。)

 一度ショッピング目的の来街者が激減した商店街があらためて活性化を目指す=ショッピング行き先としての地位を再確立することこそが本当の意味での商店街活性化ですね。
(まだ分からないか!

 したがって、商店街を活性化したかったら、消費購買行動の変化や郊外型商業の趨勢などにしっかり目を配りつつ、地域におけるショッピング行き先としてのポジションを発見し、その地位を確立するために必要な諸機能の充実を実現しなければならない。
以上について理解し、所要の事業を構想し、計画し、段階的に実現していくという仕事のために作るのが、
○中心市街地活性化基本計画 であり、なかでも商業の活性化に関するであり、
○商店街活性化計画 ですね。

 したがって、その目的は「通行量の増大」などではゼッタイにありません。

 中活法において、中心市街地活性化とは
①中心市街地における
②都市機能の増進及び
③経済活力の向上
と定義されています(「法」第一条)
法定中心市街地=商業街区(「法」第二条一、二号要件)ですからこれは
①都市中心部、商業街区における
②都市機能の増進及び
③経済活力の向上
を意味します。

 商業街区に立地しているの都市機能とは:
○小売商業・サービス機能
○その他の機能 であり、もちろん
○アクセス機能、安全・安心、景観など(街区の特性上、要求レベルは高い)

 商業街区における経済活力とは:
立地する小売商業・サービス業を活性化する「能力」のことですから、立地する商業者、サービス業者の繁盛再生に必要な能力の確保、域外から導入する経済活力を意味します。
中でも情況的に急がれるのは、既存小売・サービス業者の能力の向上です。

 さて、このように考えてきますと、全国津々浦々でまことしやかに主張され、取り組まれてきた「通行量の増加」というスローガンとそれを実現すると称して取り組まれている事業の至らなさがあらためて、イヤというほど突きつけられるのではないでしょうか。

 通行量を増やすための取り組み、活性化に無縁どころか、そのために貴重な時間と費用を費やし、後に残るのは徒労感だけ、これはもう商店街活性化の遂行を妨げるものと断ぜざるを得ないと思われますが、あなたはどう思いますか。

 今日、日本中で「通行量の増大による他力本願か」かそれとも「ショッピングの場としての再構築による自力再生か」、活性化の方法と方向については大きく二つの選択肢があります。
後者についてはこれまでなかなか目に見えにくかったのですが、相次ぐ前者の失敗の認識から大きく流れが変わろうとしています。

 もちろん、ここの都市における「流れの転換」は、その必要性を自覚する個々の具体的な人が、それぞれの情況において「流れを変える」努力を払って始めて実現できることです。
今や、毎日毎日、全国どこかの商店街で両者の「綱引き」が行われているといってけして過言ではありません。

 果たしてあなたのまちでは情況はどうなっているでしょうか。
この期に及んでもまだ「通行量の増加」を目的に、なんの疑問も感じることなく日々を送っていうる人たちも確かにたくさんいるわけですが。

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