中心市街地活性化とは

21年度のフォローアップもままならないまま、計画期間も折り返しを過ぎてもまったく「道筋」が見えません。
ことここに至れば、そもそも中心市街地活性化とは、どこの・何が・どうなることなのか?
という疑問が湧き出なければならない。

 あらためてもう一度確認してみましょう。

「中活法」第一条(目的)には
“この法律は・・・中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上(以下「中心市街地の活性化」という)を総合的・かつ一体的に推進するため、・・・・・”
とあります。

 いやしくも中活法のスキームで中心市街地活性化に取り組むというなら、その目的は、
①中心市街地に所在する都市機能の増進 及び
②中心市街地に立地する経済活力の向上
でなければならない。
その他の目的を立てるのも結構かも知れませんが、その場合「法」のスキームの内側だけで達成できるかどうか。

 次に、
そこに所在する都市機能を増進し、そこに立地する経済活力を向上する、という目的を達成するためには、
なにはさておき、まず、
①中心市街地とはどこのことか?
②「経済活力」とは何のことか?
ということを理解しておかなければならない。

 ちなみに、“中心市街地活性化とは「住む人・来る人を増やす」ことである”などと言いふらしている人の言説には、こういう検討を行った形跡はまったくありませんからね。
確認してみてください。
(皆さんの基本計画の作成プロセスでは検討されたかな?)

①中心市街地とはどこのことか?
「中活法」第二条に示されている要件に合致するところ。

第二条(中心市街地)
この法律による措置は、都市の中心の市街地であって、次の要件に該当するもの(以下「中心市街地」という。)について講じられるものとする。

 つまり、中心市街地とは;
①都市の中心の市街地であって、その上さらに
②要件に該当するところ
のことですね。
したがって、“都市の中心の市街地であって”も、「三要件」に該当しない街区は、少なくとも「中活法」のスキームにおいては、“中心市街地ではない”ことになります。
 このあたり、「中心市街地の範囲」を決定する基準になるべき事項ですからそのつもりで自分で核にしてください。

 では中心の市街地のうち、法によって「中心市街地」・「措置の対象」となる街区とはどこのことか?

 “都市の中心の市街地のうち、「中心市街地」に指定される街区が具備しておかなければならない三要件;

その一:集積要件
 当該市街地に相当数の小売商業者が集積し,及び都市機能が相当程度集積し・・・・ている市街地。

その二:趨勢要件
 当該市街地の土地利用及び商業活動の状況等からみて、機能的な都市活動の確保又は経済活力の維持に支障を生じ、又は生じるおそれがあると認められる市街地。

その三:効果要件
 当該市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進することが、当該市街地の存在する市町村及びその周辺の地域の発展にとって有効かつ適切であると認められること。

 如何ですか。
この要件をきちんと・適切に理解しておかないと、法の定義する「中心市街地」の「活性化」のシナリオ~基本計画は作れませんからね。

 理解するためには、まず、「用語・概念」の意味を確認しなければならない。例えば:
○小売業者の集積とは何か ○都市機能とは何か ○都市活動とは何か ○経済活力とは何か ○総合的かつ一体的推進とはどういうことか
などなど。

 こういう「ひとつひとつの言葉・概念」について、的確に理解しておかないと「活性化のシナリオ」は描くことが出来ません。ものごとは、占有感を持たず・「白紙」で当たればなんとかなる、ということはありません。ちゃんとものがそれとして見える「眼鏡」を掛けておかなければ。

 もちろん、当サイトではこれらの概念について、一々、きちんと説明していますので、必要な人は適宜サイト内検索で確認してください。

 さて、今日の本題は「経済活力の向上」です。
「都市機能の増進」と並んで中心市街地活性化そのものですが、その意味するところは読んだだけでは分かりません。
自力思考が必要です。

経済活力とは何か?

「経済」とは?
市場経済において経済とは「財貨の生産と需要」、営利企業が行う場合は、「売買差益を求めて行われる経済活動」ですね。すなわち、「売買接点」において「売買差益」を実現するために行われる活動の総称が営利企業の経済活動です。

「経済活力」とは何か?
 営利企業の「経済活力」とは「売買活動を遂行する能力」のこと。
中心市街地において主要に「経済活動」を行っているのは、第一要件から、「相当数の小売商業者」です。
中心市街地立地の小売商業者の「経済活動」とは、“消費財の売買接点を作り、機能させること=マネジメント”ですから、その「向上」とは「売買接点マネジメント能力の向上」です。
マネジメント能力が向上すれば、経済的効果の向上が期待されます。

 ということで。
「中心市街地の活性化」そのメインテーマは、“中心市街地に立地する小売商業の機能の向上であり、それはとりもなおさず、「売買接点マネジメント力」の強化・向上である”。
これが、正真正銘の「中心市街地活性化」です。

 ちなみに、経済活力の向上と並列されている「都市機能の増進」とは、
①市街地の整備改善
②小売商業以外の(商業街区に立地する)諸施設の機能の増進
であり、もちろん、当該都市住民に消費財・サービスを提供する機能としての小売商業も②と並んで立派に都市機能です。

結 論:

 中心市街地とは、都市市街地の中心に位置する商業街区の活性化、すなわち、小売商業機能の活性化及びその他の都市機能の増進である。

 何か異論がありますか?

 中心市街地活性化基本計画の作成に当たっては、如上の論理~結論はしっかり認識しておかなければならない。
そもそも、中活法が制定された理由は何であったか?
ということを考えてみればすぐ分かることですね。

※商店街を活性化するためには、
①従来の点・線の取り組みだけでは不十分、面的取り組みが不可欠である・・・整備改善・活性化法の趣旨
②もはや商店街の活性化は、商業施策だけでは難しい・・・中活法快晴の根拠
というのが「法」制定・改訂の動機だったことを思い出しましょう。

 中心市街地活性化とは都市の中心部に立地する小売商業の「経済活力の向上」であり、それは小売商業者の「売買接点マネジメント能力」の革新・強化によって実現される。

 これが今日のお勉強の結論です。
 
 ちなみに、このことを注釈無し・自力のみで理解するには「商業理論」を装備しておくことが不可欠です。
takeoがこのような理解に達したのは、商業理論を念頭に「中活法」を読み解いたから、ですね。
しかるべき商業理論を装備していないと、活性化の定義及び実現の方法と方向は分かりません。
このことは、一般の人ばかりでなく、法律を作った人にも、活性化を支援する人にも、みんな該当します。

 ということが納得できたら、中心市街地活性化の推進に当たるからには、「商店街活性化」に集中しなければならない。そのメインテーマはもちろん「売買接点=店舗」の活性化=繁盛店づくりです。
ちなみに、当社の「商人塾」、㈱全国商店街支援センターの「個店経営研修事業」などは、ただ単に“商店街に繁盛店を作ろう”という話ではありませんからね。
「中心市街地における経済活力の向上」そのものとしての「売買接点マネジメント力の強化」を目指します。
これこそが「キラリ輝く繁盛店づくり」、その・点から線、線から面への展開こそが「中心市街地活性化」そのものです。

 理解したら、さっそく、関係各方面、一致して「商業理論」の装備に向かいましょう。

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