売買接点・POPに端を発する経済学

 経済学は財貨の需給関係を究明することを使命とする学問です。需給が出会い、売買価格が決定するのは市場においてであるとされ、われわれが生きる社会の経済体制は市場経済とも呼ばれます。

 市場とは何か?
需要と供給が出会う「場所」ですね。
ではその場所とは具体的にはどこのことか?
売り手と買い手が出会い、交渉し、価格が決定され、売買が成立する場所です。

 今日、個人消費はわが国のGDPの60%以上を占めています。
経済行為としての消費すなわち、生活材の売買はどこで行われているか?
いうまでもなく小売業の店頭・売場ですね。当サイトではPOPと呼んでいます。

 現実の売場を観察すると、売買の成否はお店側が提供しているPOPの条件とそれに対するお客の批評的態度によって大きく影響を受けることが見て取れます。
「もの余り・店あまり」と言われる段階に至っている需給関係においては当然のことです。

 ところが、業界経済学(経済学を生業とする人たちがひたすら業としての繁盛を目標に取り組んでいる)ではご承知のとおり、POPについてはほとんど研究解明の対象となっておりません。
どうしてでしょうか?

 POPが機能しなければ、どんなに優れた消費財が供給され、それに対する潜在需要がどんなに大きくてもそれが消費されることはありません。にもかかわらず・・。

 ところで。
中活法では“中心市街地活性化”を
①そこに立地する「都市機能の増進」および
②「経済活力の向上」
と定義していますが、
“中心市街地の要件”から中心市街地とは衰退している・及び衰退の怖れがある中心市街地とりわけその「商業街区」であることは言うまでもありません。

 商業街区に立地する主要な都市機能とは「小売・サービス機能」ですから、中活法が「増進」を目指す都市機能の中核は「小売・サービス業」だと言うことになります。
当サイトの用語でいえば「POP機能の増進」ですね。

 さらに。
POP機能とは、経済そのものである需給の結合を実現する売買接点の機能ですから、この機能を増進させることは、とりもなおさず、「経済活力の向上」を実現することになります。

 といったことは、経済について業界的色メガネを掛けずに見れば当たり前のことですが、眼鏡越しに見るととんでもない錯視が起こります。
挙げ句の果ては“活性化は通行量の増大から”といったおよそPOP機能の増進とはなんの関係もない話に転落してしまう。

 「中心市街地活性化」という優れて経済的な問題への対処について、業界経済学からはほとんど発現がありませんが、「市場」とは教科書のなかにだけしかない抽象だ、としか理解していない学者は、“中心市街地活性化?人通りを増やしなさい”という程度の「助言」しか思い浮かばないかも知れません。
 
 市場経済は、POPに依存しているのだ、ということをしっかり理解しないと「成長戦略」は道を誤ることになります。
揺籃期の経済と成熟期の経済についてそれぞれの処方を一つのパラダイムから導こうというのは間違い、わが国の経済と中国の経済を同じ尺度で評価するのは「トンデモ」です。
「トンデモ」が栄えるためしはありませんから、中国(BRICS)との比較にばかり目が行っていると、やがて「その程度」の消費水準までどんどん下がっていき、さらに奈落に落ち込んで行くことになりかねません。

 最後にもう一つ。
デリバティヴは必ずバブる、という命題について。
書こうと思いましたが、おっと、仕事、仕事。

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