情報劣化への対応

 今日において「情報化」とは、その気さえあれば“誰もが情報発信者”だ、ということですね。当社的零細企業も「その気」をだしてサイトを開けば、形としてはまごうかたなき情報発信者。

 先にも書いたことですが、情報の取り扱いで大事なことは、それをどう評価するのか、評価の手続き、基準を持っておくということです。収集した情報の信頼性と有効性の評価。
この点、情報関連の本などをみてもあまり強調されていませんね。
Webもしかり。「情報評価」「情報評価」、「情報審査」といった用語を検索しても問題意識に対応する記事のヒット数は少ない。

 情報評価という問題は、もちろん、「情報化社会」特有のことではありません。生活に「情報」が登場して以来、人間はずうっと情報評価を行っているわけですが、特定の情報に対する態度を決めるにあたっては、それぞれ何らかの手順を経るというのが一般的です。

 この手順をあらかじめ、反省的に決めておこう、というのが「情報評価」という問題です。

 中心市街地活性化を任務とする人が“中心市街地の活性化とは通行量が増えることであり、そのためには住む人・来る人を増やせばよい”という情報を得たとします。
彼はこの情報をどう扱うべきか?
その扱いを決めるための手続きが「情報評価」であり、手続きについて考えるのが「情報評価方法論」とでも名付けられる作業です。

 近年、この作業を軽視する傾向が強くなっていると思われてなりませんが如何でしょうか。「依らしむべし」の時代ならともかく、「言論の自由」がもてはやされる時代環境においては、“情報をどう評価するか”ということは個々人の責任ですね。

 情況によっては情報評価の間違いが「取り返しがつかない」結果を生むこともあるわけで(古今東西、その例証はいくらでも)、これはホント、「学」あるいは「ハウツウ」として確立を目指すべきものですが、どうでしょうか、あまり話題になりません。

 情報評価、わが中心市街地活性化関連業界においては、他のジャンル同様、あるいはそれ以上にいとも手軽に行われています。

中心市街地活性化策として提唱される、“方向=通行量の増大、方法=居住・来訪人口の増大”は、本来なら
“この提案は信じるに足りるか”という吟味を経て採用されるべきですよね。
 “通行量が増えれば、中心市街地は活性化する”というのは本当か?
 “住む人来る人が増えれば通行量は増える”というのは本当か?
ということを吟味することなく、情報発信者の属性だけをみて信頼してしまう、というお手軽さ。
世間ではそれを信じて突っ走った結果、失敗してしまった、という事例が日々報告されていますが、どういうわけかこっちの情報は素通りしてしまうらしい。

 自分が見たことより、人から「聞いた話」の方が信頼性が高い。
“情報はだれが言ったかで価値が決まる”ということで、
“日本中の都市を自費で回った”
“まちづくり関連の講演を年に数百回こなしている”
という前置詞がつくと、内容の吟味はそっちのけで、下駄の雪。
下駄の雪は放っておけばどんどんふくれあがるばかり、最後にすってんころりんと転ぶまで積み上がっていきます。

 こういう過ちは、「情報評価」を修得していればいとも簡単に避けられることですね。

 情報評価のアプローチは、常識的には“正しい情報か否か”というところが基準になりそうですが、そうとばかりもいえません。
「正しい情報=事実である」ということは“正しい情報を用いると正しい結果が得られる」という意味ではありません。

 われわれが心掛けるべき“情報評価の心得”を簡単に言いますと。
情報を吟味するにあたってもっとも重要なことは“自分が取り組んでいる問題の解決にとってよい情報か否か”であって、“客観的に事実に合致しているかどうか”ということではない、ということです。

 この情報は問題解決に役立つかどうか、という視点で情報を吟味する習慣を持つことが大切。
それと同時に自分が解決しなければならない問題を「解決可能な問題」として定義することも大切。

 ということで。
“解決可能な問題”という条件を付けて「中心市街地活性化」を考えると、それはいったいどういう問題なのでしょうか?

 これがはっきりしていないと、時々刻々もたらされる情報を適時適切に評価することができない、ということです。


 “中心市街地活性化は「通行量増」「人口増」で実現できる”と考えている人は、もう一度、
“中心市街地活性化とは中心市街地の何が・どうなることか”
考えてみることが必要です。

ちなみに、「法」のスキームでは中心市街地活性化の目的として「都市機能の増進」「経済活力の向上」があげられていることはご承知のとおりです。

コメントの投稿

非公開コメント

有限会社クオールエイド
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ