通行量から繁盛店への〈見方・考え方の大転換〉

 多くの中心市街地活性化基本計画では、商業活性化の取り組みの目標として「通行量の増加」が掲げられています。(新法(「地域商店街活性化法」)に基づく商店街活性化基本計画でもおおむね踏襲されているようです。)

 基本計画は毎年その進展状況について“フォローアップ”を行い、結果を国に報告することになっています。昨年3月にはそれが集約されて発表されました(21年度分はまだ発表されていないようです)。
ファろーアップの報告をみますと、多くの都市が“計画は順調に進捗している”“やや遅れているが期間中に目標を達成する見込みである”と自己評価しています。目標=通行量の増加ですから、報告は“通行量増加を達成できる”と考えているわけです。

 一方、商店街をみますと、百貨店の撤退をはじめ中小店舗の撤退、空地空店舗の増加や営業店舗の業績の悪化など、「活性化の進展」とはほど遠い状況となっています。
このことは何を意味しているか?
結論だけ申しあげれば、「通行量の増大」を目指して取り組まれてきた〈周辺事業(簡単にいえばシャッターの外側の事業)〉だけでは商店街の活性化は実現できない、それどころか如何にまじめに周辺事業に取り組み、着々と目標達成に接近してたとしても、劣化・空洞化の進展をとどめることは出来ない。
これがこれまでの取り組みで明らかになった冷厳な事実です。

 考えてみればこれは当然のことでありまして、小売・サービス業の集積という商店街が担っている社会的機能は、消費材・サービスの提供ですから、提供している商品・サービスの内容が現在の消費生活のニーズにマッチしていなければ、どんなに周辺機能が整備されていても、人々は出掛けてきて買い物をする気にはなれません。買って・持ち帰り・生活を豊かにするために用いる材料が提供されていてはじめて個店・商店街が買い物行き先として選択されるのです。
繁盛店とはお客から見てそういう店づくりを実現し、提供していると評価される店舗のことです。

 “もはや周辺事業だけでは商店街は活性化できない、基本に帰って個店の繁盛を目指すべきだ”という声が次第に高く大きくなっています。
長きにわたって孤軍奮闘、一貫して“商店街は物販機能、ものが売れてなんぼ”まずは“売れる個店を揃えるべき”と主張してきた当社にとって主張が陽の目を見る一歩前に来ている、という感じもします。中には“やっとあんたたちの時代が来たね”とねぎらっていただくこともあります。
日ごろ気に掛けていただいてるのはまことに有り難いことですが、もちろん、手放しで喜べる状況ではありません。
「通行量から繁盛店づくりへの転換〉は簡単なことでは無いのです。

 これまで“商店街は通行量があってなんぼの街、通行量がすべてを解決する”と考えていた人たちが、“これからは繁盛店づくりだ”と主張を変えたからと言って、おいそれと繁盛店を作れるものではありません。
あらためて考えてみるまでもなく、みんなで周辺事業に取り組んでいる最中も、個々のシャッターの内側ではなんとか売り上げを確保したいと一生懸命の努力が払われていたはずです。これまでの周辺事業の取り組みは「個店の自助努力+周辺事業」の二人三脚で取り組まれて来ました。一店逸品、百円商店街、その他集客イベントなどはその典型です。

 しかし、この二人三脚は効果を発揮しないまま、今後、事態が好転するという展望もないまま、続けられています。期待に反して周辺事業の成果を個店のシャッターの内側に波及させることはできません。何故か?
個店シャッターの内側には、「周辺事業」の成果を活用する基礎体力が備わっていなかったのです。(したがって、多くの基本計画の自己評価通りに計画修了時に「目標通行量」が実現したとしても、それが「繁盛する個店が立ち並ぶ商店街」を保証するかといえばそんなことはありません)

 これは極めて重大なことでありまして、ここに至って取り組みの優先順位を「繁盛店づくり」へ転換しようとするならば、まず第一に「ものごとの見方・考え方」を根本的に転換しなければならない。“商店街は通行量次第”という考えを了解し、信じていたアタマの中をそのままで「繁盛店」をつくることは出来ません。
 実際にこれまで各個店がトライしてきた結果を視て・考えれば誰にでも分かることではないでしょうか。

 この時期、“商店街という立地において、既存個店を繁盛させる”という目標を設定し、これを実現しようと考えるなら、まず、新しい「ものごとの見方・考え方」に立つことが不可欠です。“他には無い商品、サービスを提供する”“それぞれのお店の特長を生かす”等と言った「きれいごと」を掲げれば実現出来るというものではありません。
いくら「自店だけにしかない商品」「お店の特長」をアピールしてもそれがお客がショッピングに求めていることをマッチしていなければ、商売の足しにはなりません。
 つまり、こういう提案が出てくること自体、商売繁盛とはほど遠い「ものごとの見方・考え方」に支配されている、と考えなければならない。

 「通行量から繁盛店へ」という方向転換にホンキで取り組もうとするなら、まずはこれまで「通行量」を信じて疑わなかった小売商業・商店街についての「見方・考え方」を変えなければならない。
単に知識として“もう通行量ではない”と思うだけではなく、事業主体の「立場」を変えなければ繁盛店づくりに必要な「知恵」をだすことはできません。
必要な知恵が出てくるようになるレベルで「ものごとの見方・考え方」を変えるにはそれなりの工夫が必要であり、「通行量」一辺倒からの転換には相当の努力が必要であることは容易に想像できることと思います。

 ということで。
4月24日開催する「商店街活性化セミナー」では、このあたりについて突っ込んだ提案を行います。

 「通行量理論」の市場性喪失は今や秒読み段階に入っています。 
大勢が“これからは通行量ではなく繁盛店づくりだ”となったとき、それを指導するポジションにある・あるいはあろうとするあなたは、適切な“繁盛店づくりの方法と方向”を提示し、取り組みの先頭に立たなければならないのだ、ということを考えればこの機会を見逃すわけにはいきません。

 まだ席はあるか、というおたずねがありますが、大丈夫です。
ご承知のとおり、まだ「繁盛店づくり」についての理解が切迫していない状況での開催ですから、十分間に合います。
十分間に合うのはセミナーへの出席、これを逃すと「繁盛店づくり」というニーズねの対応には間に合わないかも知れません。

『商店街活性化公開セミナー』ご案内
まだ間に合います。

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