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魅力のない店

 小売商業の振興策としては、高度化事業をはじめいろいろと講じられてきたわけですが、このところ、“個店に魅力が無いと事業の効果が出ない”“個店の活性化が先決だ”、“原点に帰って、個店レベルの取組を強化すべきだ”といったことがよく聞かれるようになりました。
「魅力ある個店づくり」などと言われます。

 大事なことがすっぽり忘れられておりまして、高度化事業は、業種揃え・店揃えの充実を目指す取り組み、参加する各店はそれぞれ自助努力によって「経営革新」に取り組むはずでした。ところが実際に取り組まれた事業では、「自助努力」部分がすっぽり抜け落ちていたのです。
高度化事業は共同事業であると同時に、並行して各個店の経営革新に取り組む、個店及び商店街の「買い物の場」としての魅力を革新する事業なのですが、個店の取り組み=「個店の経営革新」がサボられていたのです。

 そもそも高度化事業は、「中小小売商業の競争力の根幹」である街ぐるみでの「業種揃え・店揃え」の再構築、すなわち、買い物の場としての各個店の売り場間に有機的な連携を作り出すことで商業集積間競争にうち勝っていこうとする商店街を支援するものです。
 したがって、共同事業への取り組みと並行して各個店の経営革新・業容革新に取り組む、共同事業の完成時点で参加各個店の業容革新も一定のレベルまで到達しており、顧客から見た魅力ある商業集積としての再スタートを切る、というのが高度化事業のあるべき姿です。
 高度化事業をはじめ、商店街の共同事業の目的については、十分理解しておかないと、せっかく新基本計画に基づいて取り組む共同事業・高度化事業の効果が、これまで同様、得られにくいことになります。

 商店街を活性化するためには、共同事業と個店の革新を「魅力ある商業集積」の実現に向けて、一体として推進していくことが必要なのですが、「魅力ある個店」づくりがものすごく遅れているため、いくら補助事業に取り組んでも街が活性化出来ない、いってみれば、二輪車の一方の車輪がさび付いているため、前へ進めない、という状況なのですが、ここにきて主張される“魅力ある個店づくり”とは、このさび付いた方の車輪を何とかしよう、ということですね。

 いかにも結構なことのようですが、またしても大事なことが抜け落ちています。

 「魅力ある個店」と言うとき、その「魅力」とはいったい何か、ということがどれくらい考えられているだろうか?
 魅力がある、とはもちろん、お客・潜在顧客の立場から「魅力がある」ということですが、本当に「お客の立場に立って」魅力ある個店づくりを考え・計画し・実践されているだろうか? ということですね。

 小売店が不振に陥る原因は、
①お客がいない ②お客が知らない ③他にもっと良い店がある
という、3つに大別されます。商店街立地のお店の不振の原因は、ほとんどの場合、「①お客がいない」ですね。
「お客がいない」というのは、「住んでいる人が少ない」という意味ではなく、商店街立地の個店を“自分の買い物行き先として愛顧している」というお客がいない・少ない、ということです。

 つまり、お客が考える「買い物に行きたい店」と、商店街の個店が作っている業容(品揃え・サービス・店舗の内外環境の総体)がミスマッチに陥っている。お店側が、これでよい、と考えているお店の業容が、お客にとって「私が買い物に行くとこじゃない」と評価されているわけです。

 「魅力ある個店づくり」を目指すなら、まずこのことをしっかり確認することが必要です。商店街に立地する個々の店舗の業容とお客の消費購買ニーズとの間に、大きなギャップが生まれているわけですから、いきなり「魅力ある個店づくり」に取り組むのではなく、まず、「お客にとって魅力あるお店」とはどういう店舗なのか、ということを十分考えて見ることからスタートしなければならない。

 しっかり考えておかなければならないこと。
それはまず第一に“自分たちの店舗は、お客から見て、「魅力がない」のだ”と自覚することです。
魅力がない=自分の買い物行き先ではない、ということですから、なぜ、自店はお客にとって「魅力がない」のか、まずこの実態としてのミスマッチの原因を解明しなければならない。

 お客はお店に買い物に行く目的は、“自分の生活を作るために必要な材料”を手に入れるため、ですね。
この来店目的を十二分に達成できるお店が「魅力あるお店」であり、お客に「買い物行き先」として支持され・愛顧され、その結果として「繁昌」することができます。
「魅力ある個店」とは、お店の現状に何かを足したり引いたりすることで、生まれるものではありません。
繁盛店を目指すからには、お客のニーズとのミスマッチをトータルに解消していくことが必要であり、「魅力ある個店づくり」とはまっすぐ「繁盛店づくり」を意味していないと、せっかくの取り組みが無題に終わってしまいます。

 魅力ある個店づくり、取り組むに当たっては、自分たちのお店には「買い物行き先」としてのあり方(品揃え・サービス・環境)に魅力がないこと、お客に「私の買い物行き先じゃない」と評価されていることをしっかり自覚し、業容革新こそが唯一のお客から見た「魅力ある個店」づくりへの取り組みだということを肝に銘じてください。

 まず、自分たちのお店が「どう魅力がないのか」を的確に理解することからスタートです。出来ることから取り組む、というのは正しい方法ですが、着手する前に「どこへ向かって進むのか」、「魅力ある個店」の全体像を理解しておかないと、進むべき方向が分からないし、効果の積み重ねも出来ません。

掲示板:「目指せ!繁盛店」のテーマです。

 さて、新法に即して作られた認定計画、個店レベルの課題への取り組みがほとんど企画されていないものが見受けられます。
相変わらず、全体の取り組みは全体のことだけ、個店の取り組みは個店で、ということでしょうか。
そういう路線では活性化できないことは、法制定以前から分かり切っていることなんですが・・・。

業容革新を取りあげていない計画を作った都市は、あらためて、高度化事業の目的、取り組み方などを確認する必要があると思いますが、如何でしょうか。

※クオールエイドサイトの記事紹介
 商業の活性化「三点セットのシナリオ」=競争力の根幹・高度化事業・テナントミックスは、「個店の業容革新」に直結です。
「商店街のテナントミックス」については、まず・しっかり理解し、その後で・忘れ、必要に応じ・さっと出てくる、ようにしておきましょう。参照

サイトでは高度化~テナントミックス論、目下再度挑戦中です。
決定版にします。

結局、個店がふんどしを締めないと・・・で。
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