セブン&ワイの苦境

 毎度のことながら、今時、商店街活性化すなわち商店街の商業集積としての再生を目指すからには、

1.活性化が可能であり、それは商店街固有および短・中期間(5年とか)に調達可能な能力・資源をもって実現できることを論証すること。

2.したがって、商店街の太宗を占める独立自営中小小売り・サービス業の「繁盛再生」の方法と方向を指し示し、実践を指導すること。

が必要です。当たり前のことですね。
さらに、1および2を論証・提案するに当たっては、

3。我が国の小売り業界の現状および将来について透徹した理解を持っていなければならない。
これまた当然のことです。

 しかるに、上記1~3についての知識・理論を備えた活性化に取り組んでいる事例はきわめて限られており、多くの取り組みはあたかも商店街の周辺にはこれと競合する商業施設は皆無であるかのように、一言も触れることができない=所要の理論を装備していないレベルにあることは、当サイトがかねて強調し、警鐘を打ち鳴らしているところですが、残念ながら皆さんの耳には聞こえないらしい。

 ショッピングセンターも百貨店も、軒並み業績低迷、先行き真っ暗な時代に、ひとり商店街だけが通行量の増加やら一店逸品、百円商店街などで活性化できるはずがない。
自分の頭で考えることができる人間なら、十人が十人、わかることですね。
ちなみに、商店街活性化の指導に任ずる人たち、様々な学識経験の持ち主ですが、共通しているのは上記1~3に関する知識・理論を装備していらっしゃらないことですね。

 さて、標題について。
セブン&ワイといえば、いうまでもなくセブンイレブンの創業者が指揮する一大流通企業ですが、今日の日経新聞によればその傘下にあるそごう・西武(有楽町店を含む)4店が閉鎖されるそうです。

 商店街活性化関係各方面の皆さん、皆さんはこの状況をどう理解していますか? 小売業界において久しく「勝ち組」と目されてきたセブン&ワイですが、その一角を占める百貨店が挫滅しようとしています。4店閉鎖は、百貨店が直面している問題状況を突破していく手段にはほど遠い・トカゲのしっぽ切りでありまして、もちろん病因はしっぽにではなくアタマに潜んでいますから、しっぽから足へ足から胴体へ、次々に切除していくことになりますが、回復することはありません。

 なぜそういえるか?

 という話は後にして、商店街活性化関係の皆さん。
皆さんは、セブン&ワイが苦境に陥る現状においても、“こうすれば商店街は活性化できる”と胸を張ることができますか?

 できなければ言ってること、やってることは、何の根拠もない時間とお金の無駄遣い、といわれても言い返すことができませんよね。

引用スタート********************

セブン&アイ、そごう・西武4店閉鎖へ 西武有楽町、年内に
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100127ATGF2604Y26012010.html
 セブン&アイ・ホールディングスは傘下のそごう・西武の4店舗を閉鎖する方針を固めた。まず西武有楽町店(東京・千代田)を年内に閉鎖するほか、そごう呉店(広島県呉市)など地方店3店も閉鎖する方向で検討する。収益性が悪い百貨店事業の縮小でグループの経営効率を高める。再編・統合が進んできた百貨店業界だが、市場はさらに縮小する見通しで今後も閉鎖が全国に広がりそうだ。

 西武有楽町店の閉鎖は27日に発表する。同店は1984年の開業で、店舗面積は約1万5000平方メートル。2009年2月期の売上高は前の期比9%減の約160億円。高額品の不振からピーク時の約6割まで低下し、赤字が続いている。このほか、そごう呉店、同西神店(神戸市)、西武沼津店(静岡県沼津市)の3店舗は、早ければ11年2月期中にも閉鎖する。

引用終わり**********************

 すでに他の百貨店についてもアップしているところ、今回はセブン&ワイよ、おまえもか、というか、セブンにしても他と同じレベル、苦悩のうちにのたうち回っているのか・・・。
ということですね。

 百貨店各社、共通しているのは、その業態・業容はいったいお客の生活のどこに照準しているのか、ということがまったくわからない、ということで社外からみてわからないだけではなく、多分、社内的にもわかっていない、さらに言えば、そもそもそういう問題意識すら持ち合わせていない、ということです。

 端的に言って、いったい百貨店とはどういう商売なのか、という経営の根幹が理解されていない、ということです。

 自社はお客の生活のどこに何を提供しているのか、ということが理解されていなければ、今日、その生活がどう変化しているか、そこで求められている消費財の商品特性はどう考えるべきか、ということはわかりません。
これがわからないと言うことは、顧客のニーズに対応した業容を構想・実現することなどできるはずがない、ということを意味します。
従来、百貨店を支持していたお客は、今、生活に何を求めているか、百貨店が存続・成長を目指すなら当然、このお客のニーズを理解し、これに対応できる業容を作らなければ支持をつなぎ止めることはできません。
相次ぐ各社の閉店が意味していることは、まさにこのこと、百貨店各社は、その顧客の生活の現在を理解しておらず、対応が絶望的に遅れており、したがって多くの顧客から“陳腐化”というレッテルを押されてしまっているのです。
これが百貨店の業績低迷の根本原因です。

 この状況をお客の方から見れば“陳腐化している”と言うことですね。
百貨店という業態が陳腐化しているのですが、このことが理解されていない、というところに状況の深刻さがあります。
これはもう克服できないのではないか、と考えられる今日この頃、残るのは大都市だけになりますが、もちろん、そこでショッピングすることに特段の意味はありません。
言ってみれば惰性ですね。

 ただし、今から百貨店を起業する、という場合は事業機会はちゃんとあります。既存企業の三肢構造(士気・基礎体力・方法と方向)ではそれをものにすることはできません。
さらに、この三肢構造の欠陥がグループ全体に共有されているとすれば・・・。

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