商店街活性化 理論なき迷走

 当社が現在支援している商人塾、個店経営研修事業は、合わせてて6カ所、それぞれ着々と事業が進んでいます。
この場合、“事業が進んでいる”とは参加者が希望を持ってそれぞれの店づくりの転換に取り組んでいる、その取り組みには商店街ぐるみの活性化が展望されている、ということを意味します。

 まあ、商店街活性化といえばいわば「あたりまえ」のことであり、実際に参加している皆さんは、至極当然のこととして日々の経営活動そのものとして取り組んでいます。
6カ所の取り組み、例外はありません。

 取り組みの特徴は、実践の背後に“理論”があるということ。
個店の繁盛再生から商店街のショッピングモールとしての再構築まで、一つの理論体系に基づいて構想されたシナリオvが提案されており、その理論とシナリオを採用した仮説~試行"として取り組まれています。
"理論に基づく取り組み"であること、その理論が"実践に必要な体系性を備えていること"も特徴として挙げておきましょう。

 当社が支援する"商店街活性化への道"順調に進展していますが、ほかのところではどうでしょうか?
仄聞するところによれば、「中心市街地活性化法」のスキームが変更されるとか。この前改正されたと思ったらまたもや変更ということで、君子豹変、誤りを正すにはばかる事なかれ、必要な改革改善に躊躇は無用ですが、問題はどういうレベルで改正されるのか、ということです。
近く発表されるそうですから、注目して待ちましょう。

問題は、取り組みの現場に取り組みを導く「理論」が装備されていないこと。これは致命傷であり、ここを直視できないとスキームがいくら改革改善されても「活性化」に接近することはできません。

 早い話。
都市住民のほとんどは「商店街の空洞化」にもかかわらず、毎日の生活・買い物行き先にまったく困っておりません。困っていない、ということは商店街(という商業集積)は、都市の生活にとってあってもなくてもたいして問題ではない、ということを意味します。

 まずこのことを直視しなければならない。
通行量が増えてもその通行量の中身・個々の人は、それぞれ「買い物行き先」を持っていますから、たまたま商店街にきたからといってそこに立地している“活性化施策が必要な=買い物の場としては陳腐化している”かもしれない個店に入り込んで買い物をするわけがない。
ということくらいは、机の前で考えてもわかることですね。

 そうすると、商店街を活性化するためには何が必要か、そもそも都市およびその住民にとって商店街活性化はなぜ必要か、ということをきちんと理解しておくことが不可欠だということがいやでもわかりますね。
商店街活性化の必要性を理解するためには、
①都市住民の生活・その現状といっそう充実させるための課題
②我が国小売商業の現状、消費財産業全般の現状と課題
③我が国経済の成長を確保する方法と方向
について透徹した理解が必要です。
この三者についてきちんと理解しておかないと、“商店街”が都市生活・流通業界・経済戦略それぞれのレベルで独占的に占める役割、ポジションを設定することができません。

 目指すべきポジションがわからないと、“活性化への道”を構想することができず、施策を組み立てることもできません。
一過性のソフト・ハードがむなしく取り組まれるばかり、その間もお客の商店街離れは加速するばかり・・・。
小耳にはさんだところによれば、国道をはさんで立地している商店街が、両方をつなぐアーケードを国道の上に架けて“ショッピングモール化した”といっているところがあるそうですが、本気ですか?

 この都市ではショッピングモールとは“雨が降っても傘を挿さずに往来できる商店街”のことらしい。
「道路をまたぐアーケード」などの事例はいくらでもありますが、架けた結果街が繁盛するようになった、という事例はただの一カ所もありません。いうまでもないことですが。
こういうことを見聞するたびに痛感するのは“理論なき実践”の不毛なこと。
 指導する理論がない実践は何をもたらすか。
単に個々の事業の成果が得られないだけではなく、取り組んだ結果が“経験”として蓄積されないことがさらに問題です。
いつまでたっても外見は異なるが中身はまったく同じレベル=街の活性化にも個店の繁盛とも無関係の事業が延々と続けられることになるわけです。
実際、自分の街の取り組みを考えてみれば、そのとおりになっているはずです。

 新しいスキームが提供されても、現場=都市レベルに理論が装備されていなかったら、これまでの取り組みが続くばかりです。
『整備改善・活性化法』から『中心市街地活性化法』へとスキームは変わったものの、実践段階の理論・スキルはまったく不変、当然のことながら取り組む事業もその顛末もまったく同じ・・・。
ということで今日に至っているわけですが、このことの意味するところ・理論不在の取り組みがもたらす結果についての省察、一日も早く取り組まないと新スキームでもこれまでの二の舞、三の舞を繰り返すことになります。
悪いことに? これからはどんどん「成功事例」が出てきますから、言い逃れができません(笑

理論なき実践は、商店街消滅への道。
そろそろ肝に銘じないと、ほんとに消滅しますよ。

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