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ひと入れ・もの出し

 都市経営には、環境与件等の差違を越えて、生活環境の充実と所得機会の確保という二つの課題があることは(といってもtakeolがいっているだけですが)ご承知のとおりです。
「戦略的都市経営」とは、
“①予測される環境変化の趨勢において
 ②手持ち及び調達可能な経営資源をもって、
 ③予測される環境変化において 
 ④目的を達成し続けるために必要なシナリオを描き、計画的にその実  現を図っていくこと。

 ちょっと長いですが、まあこういうことですね。
専門用語、つまりあなたが専門とする領域で問題解決に駆使する言葉については、どう「定義」するか、ということはとても大事です。流布している定義が?の時は、自分で考え新しく定義しなければならない。それが“自分のチカラで考える”ことへの一歩というか、いやもう既に先へ進んでいることになる。

□ここでちょっとプランナーの常識、そのイロハをば。

 「定義」というのは大事であり、専門用語については一々吟味して「道具箱」に加えていくわけですが、その時、大切なことは、「定義」については、“しっかり決めたら忘れてしまえ”ということ。道具を使うときに、一々、「え~と、この道具の用途は”とか“使い方は”とかは考えないでしょ?
それと一緒です。忘れているが必要に応じて道具箱からさっと取り出して使える。大工さんの仕事ってそうですよね。
一々、エート、今度使うのは鋸かな、金槌かな、などと考えることはない。それと一緒。
自分が使う言葉の定義は、きちんと吟味して、採用したら定義部分は忘れてしまう。忘れないといざというときに使える仕組みに入っていない、というのがコトバです。

 
□本論に帰って、都市経営における「所得機会の確保」について。

 当サイトでは、「ひと入れ・もの出し」を提唱しています。
「ひと入れ」には、定住する人と回遊する人を増やすことが考えられますが、定住人口の増大については別途考えるべき課題があるような気がしますので、ここでは「回遊人口」の増大について。
都市経営の目的を達成する手段としての都市来訪者をどう増やすか? ま、「交流人口の増大」と似たイメージですが、大違い。
向こうには「背景知識」がありませんから、「知名度アップ」などというお手軽路線に走りがちですね。

「もの出し」は、地場産品を加工し移出すること。
「地元にしか無いもの」などという安直は考えないこと。

 経営戦略として、“地元資源を活かす”のは当然ですが、活かすには活かし方を考えなければならない。そうすると、先立つものがありまして、「①予測される環境変化の趨勢において」ということですね。

 おバカな経営学方面では21世紀において今なお、“差別化”などというコトバが平気で使われていますが、“当地にしかないもの”発想は「差別化路線」でありまして、“よそにないものを見せればお客は飛びつく”という、商店街全盛時代=家電普及時代だけに限定・発現していた消費購買行動です。
いくら「地元にしかないもの」でも、お客が「かわいい!」と思わなければ、「ひと入れ・もの出し」とは無縁です。商店街関係ではこのところ流行っているらしい「一店逸品」とか、さすがかって「差別化」路線に連なっていただけのことはありますね。

□「予測される環境変化の趨勢」。

 「所得機会の確保」という課題に取り組んでいく戦略を構築するにあたって、環境変化の趨勢をどう考えるか?
ということ。「少子高齢化」のことじゃありませんからね。少子高齢化といえば、当サイトでは一度も真っ正面から取りあげたことがありませんが、その理由も考えてみてください。

 「所得機会の確保」は、“ひとにお金を払ってもらう条件を作る”ということですね。ひとがお金を払う気になるのは、第一に「払った方が自分にとって得だ」と納得できるとき。
払う気になれるとき。都市経営のすべての努力は最終的にこの状態を作ることを目指さなければならない。
“マーケティングとは相手をその気にさせることである”

 相手をその気にさせるには、“相手が何を欲しがっているか、何を課題としているか、どういう問題を解決しようとしているか”を察知し、“欲しかったのはこれでしょ”と提案・提供しなければならない。

□マーケティング究極のテーマ

 さて、人間に限らず、生きとし生けるものは、環境の中で「快を増やし・不快を減らす」行動を行います。
人間の場合は、「価値(と考えるものごと・状態)を増やし、反価値(価値を阻害するものごと・状態)を減らす」ということでしょうが、これが「生きる」ということですね。

 で、自分にとって何が価値か、ということは多く「環境与件」との関連で決まります。腹が減っていれば「何かを食べる」ことが「価値」ですね。ところが「食べる」ということは、当人が存在する環境・条件によって「何を食べるか」ということになり、もちろん“それはどこに行ったら食べられるか”ということになり、かつ、“食べる時間をどう過ごせるか”ということになっていく。
この段階になりますと、“食う”という生存を維持するための必須の行動が、“食べる”という「ラグジュアリィ」レベルに達しているわけです。
 ということから分かるラグジュアリィの条件は、満足するために“どれくらいの広さ・深さの配慮が必要か”ということで、ここに新しい「中小小売商業者」がターゲットにすべき、広大・未開のマーケットがある。もっと広い環境で考えれば、生活のなかで必要とされているのは、「時間をどう使うか」ということ。
 情報理論の先達・マクドノウは、ひとの24時間を“生理的必要のための8時間、条件整備(つまり所得の確保)のための8時間、その他のための8時間”に区分することを提案しましたが、それぞれの時間をどう色づけし納得できる時間を過ごすか、つまり時間をどう編集するかということは、現代ニッポンに暮らすわれわれにとって、まさに生きている・ということそのものです。

□「時間の編集」

 マーケティングのキーワードです。
時間をどう区分し、それぞれの時間をどう過ごすことが自分にとって「生活全体」の価値が高くなるのか?
意識しているかどうかはともかく、人間はこれを基準に行動を組み立てているのではないか?
と、考えますと、「時間消費」というコトバの至らなさに気がついてしまいます。「時間消費」というコトバには、“価値を増やし・反価値を減らす”という「生き方」、生きる=問題を解決し続ける、という切実さが反映していません。
好きでも嫌いでも時間は過ぎてゆく、すなわち時間は消費されていく・・。

 快⇔不快、価値⇔反価値という概念を使えば、時間は、“このとき・この情景がずうっと続けばいい”と感じられる時間と“早く終われ、出来れば過ごしたくないが仕方がない”と感じられる時間がある。たいていの時間はこの二つを両極とする線上に位置づけされると思います。

 一日24時間は確かに確実に過ぎていき、その間、ひとは何らかの行動をしています。その意味で時間は「消費」されて行きますが、さまざまな切り口で区分される「時間」についてのひとの思いはけして一様ではありません。
当たり前ですね。
で、“ひとをその気にさせる”都市経営、都市マーケティングの担当者としては、「時間」の特性・人々の時間に対する問題意識を無視することは出来ません。

□ 時間に対する問題意識。

 われわれの生活は「時間に対する期待」で三つに区分することが出来ます。
①自分の価値観にとって出来るだけ増やし・堪能したい時間
②価値観とは別に生きていくために必要な条件を作るための時間
 (必需に費やす時間)
③自分の価値観にとってマイナスであり、出来るだけ減らしたい時間

 生活のうち、どの局面が①~③に該当するかは個人及びその状況によりさまざまです。 現代ニッポンにおいては、「+を増やし-を減らす、必需時間は合理的に」といのが一般的でしょう。
つまり、人々の「時間=くらし」に対する課題は、「堪能する時間を増やし・必需時間を出来るだけ減らす」というところに集約される、とまとめて良いのではないでしょうか。

 そうすると、マーケティング・“相手をその気にさせる提案”は、なによりもまず、「時間堪能」ニーズへの提案なのか、それとも「時間節約」ニーズへの提案なのか、どちらの時間に貢献するのか、という帰路を選択しなければならない。
 もちろん、都市経営、“所得機会の確保”という課題への挑戦として取り組むマーケティングの主戦場は、「時間堪能」局面であるというのが、クオールエイドの提唱でありまして、「ひと入れ・もの出し」への取組を貫くのは、「時間堪能」ということ。
「差別化」とか「知名度アップ」とかではなく、「時間堪能」というニーズへの対応・提案を事業機会・所得機会として選択することがまず先決、明確に選択すれば、都市の経営資源を有効活用して人々の「時間堪能ニース」向けの「もの」を作って出していく「もの出し「、「ことや場所」を作って人々を招く「ひと入れ」の手だてが開けてくると思います。

都市の経営資源を活用して「堪能」を提供する。
「差別化」とか「知名度アップ」の前にやることがある。というか、やるべきひと・都市は既に取り組んでいるわけで、「一店逸品」とかに取り組んでいれば、それでホントに何なとかなっていくものでしょうか。

 ブログの記事としてはちょっと長過ぎ、かつ、まだまだ書きたいことを尽くしていない、アップになりましたが、クオールエイド社のキーワード、ラグジュアリィ・時間堪能に加えて「ひと入れもの出し」などの意味するところについて、概観しました。

 というよりも、なんだかとりとめもない話になりましたが、ま、時代と課題はこうなっていませんか、こうなっていると考えても間違いではないし、こう考えた方がきっと楽しいですよね、ということで、成熟社会とかいわれる時代環境におけるマーケティングってそう言うことだよな、と理解してもらえばそれでアップの目的は達成です。
  

そうかもね、で。
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