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郊外型ショッピングセンターの正体

 郊外型ショッピングセンターのテナントミックスはどのような原理に基づいて構成されているのでしょうか?
最近、仕事で出かけた夢タウン光の森(熊本市郊外)、ダイヤモンドシティ東浦店(愛知県)をネタに当社創発の「業容理論」を使って考えてみました。

その結果見えてきたショッピングセンターの正体とは?

 上記2店はもとより、ほとんどの郊外型SC、その「テナントミックス」たるや、
①SM+GMSというキーテナント
②モールのギャル、ファミリー向け「専門店」
③書店、AV、雑貨などのカテゴリーキラー
ということで、客層、購買動機、プロモーションなどなど、従来のマーケティングの常識に基づく「テナントミックス」理論では考えられない混合ぶりです。
 デベロッパーもテナントも戦略としては「競合SCとの差別化」を追求しているにも関わらず、結果的にどうして現状のような混合かつ金太郎飴になってしまうのか? ナゾですね。このナゾ、「業容理論」が解き明かします(笑。

◆テナントミックス
もう少し詳しく見ますと。
①「キーテナント」:
 その集積における買い物の「相」テナントミックスを方向付ける力を 持つ店舗。
  我が国のSCのほとんどがキーに量販百貨店を配置しています。
 ということは、SCは、量販百貨店を核とすることでその業容を方向 付けられている、ということになります。
②モールのギャル、ファミリー向け「専門店」
 これは二つに分類することができます。
 1.デスティネーション・ショップ(と名付けてみました):
  特定の客相にとってSCに出かけてくる・来店目的になる業容のテ  ナント(SPAを含む)
 2.もっぱら店前通行量依存のその他のショップ
  その多くは、いち早く流行を取り入れたギャル~ヤング向けファッ  ションであることはご承知のとおり。

③書店、AV、雑貨などのカテゴリーキラー
 これも業容によりデスティネーション性を持つ/持たない に区分で きますね。

 さて「業容理論」的には、お店は、
①品揃え
②サービス
③演出(こないだまでは「環境」としていました)
のバランスで販売促進・誘客し、購買促進で売り上げを作っていくわけですが、上記のようなさまざまなショップで構成されるSの場合、量販百貨店をキーとしてうまく「ミックス」されているのでしょうか?

◎デベロッパーさん
 SC開発を生業とするデベロッパーさんのテナントミックス構築にあたっての最初の意気込みはいうまでもなく、
①元気のいい店を集める
②客数が増える
③買い回り期待
④売り上げアップ
⑤競合に勝利する
ということを目指しています。

 したがってテナントミックスは、デスティネーションショップをはじめSC常連の専門店群、おなじく御用達のカテゴリーキラーなどが軒を連ねることになる。
加えて可能な場合は地元有力ショップ。これは競合との「差別化」ねらい。もっとも最近ではあまり期待されていないかも知れません。その理由は後ほど。
 さて、だれもが「差別化」を願い、工夫して開設されるSCですが、どうして「金太郎飴」になってしまうのでしょうか?

◎SCの現状
 理由が三つありまして。
①差別化を目指すと、類型化する。
 どういうことかといいますと、我がSC業界において同業他店と差別 化を目指すということは、
 ・同業他店にあるものはすべてそろえ、その上で
 ・同業他店にないものを付け加える。 ということです。
 そうしますと、とりあえず、基本的なテナントミックスは「相似  形」になります。
ここで他店に差をつけたい、という+アルファ、オープン当初はそろえてみますが長続きしません。次第に淘汰され、「元気のいい店」すなわちどこのSCにでもあるショップだけにいつの間にかなってしまう・・・。
 ちなみに、「淘汰」されるとは、SC内部の競合で落ちこぼれていく、ということだけではありません。
「お客がいない」業容つまり、SC向きでないショップはたちまち「敗退」ですからね。

②「元気のいい店」を集めると類型化する
「元気のいい店」には2種ありまして、
まず、自他社を問わず、SCテナントとして繁盛している業容を確立しているショップ。
もう一つは、新しくオープンする地域の商店街で繁盛している店

 差別化戦略一辺倒のデベロッパーとしては両方そろえたい気持ち山々だと思います。ところが、前述のとおり、地元繁盛店は「SCという商売」を理解していません(あっと驚く、SC側もひょっとしたら自分の業容をきちんと把握していないかも知れません)。
うちの地域じゃうちが一番店だし、SCが広域から集客してくれれば、その分うちのお客が増える、なぁんて架空の算盤を弾いて出店してみると見事に空振り・・・。
結局、「元気のいい店」はどのSCにも出店している「SC業容」のショップばかり、ということになる。

 かくして。
先行SCと差別化する/先行SCを陳腐化するには。
先行SCのテナントミックスをそっくり再現した上、さらに。
先行SCが(規模その他の関係で)編制に入れていない「元気のいい店」を引っ張ってこなければならない。
そうしますと。
売り場面積を先行SCよりも広くすることが戦略課題になる。
さらに。
後続参入を防ぐには、思いっきりでっかく、「元気のいい店」をありったけ収容できる規模のハコを作る。
ということになりますね。行くつくところ。

 とりあえずこの話はここまで。
SCの行く手に何が待っているか、対処の着眼などについては改めてアップします。

◎SCテナントの業容
 さて業容理論的には、お店は既述のとおり、「三点セット」のバランスで誘客し、売り上げを作っていくわけですが、上記のようなさまざまなショップで構成されるSCですが、量販百貨店をキーとしてうまく「ミックス」されているのでしょうか?
 SCのテナントミックス、キーストア以下を見ますと、一見、ねらっている客相はさまざま、したがって店づくり・業容も多様ですが、共通していることが一つあります。
それは、
販売方法が「セルフ」主体である、ということです。
つまり業容3点セット
①品揃え
②サービス
③演出
のうち、②サービス がセルフである、ということです。

 そうしますと。
品揃え、演出も「セルフ」とバランスの取れたセットでないと売れない=元気のいい店になれない、ということですね。
SCのキーテナントの定義を思い出しましょう。
「その集積における買い物の「相」テナントミックスを方向付ける力を持つ店舗」でしたね。この定義からすると。
キーがもっぱらセルフ販売を主力とする量販百貨店であるということは、SCの業容は、サービスのあり方=「セルフ」だということになります。そんな馬鹿な、SC内には多様な業容のショップが成立するだろう、と思うのは当然ですが成立いたしません。ダメなのです。

○なぜか?
 その前に御地のSCを思い出して見ましょう。
すべてのショップがセルフ業容のはずです。
スタート時点では「目玉」だったかも知れない、地域一番店・接客販売のブティックなどはすでに撤退しています。
SC風に「セルフ」を目指しましたが、ダメでした。

差別化を目指して編入した接客型のショップはことごとく敗退しました。敗退とはもちろん業績不振。
どうして業績が不振だったかといえば・・・。

「業績不振の3大要因」、
①お客がいない
②お客が知らない
③もっといい店がある
のうち、どれに該当したのでしょう?

 SCの場合、お客から「私には関係のない店」と判断されることが、業績不振の唯一の原因。
「関係のない店」は淘汰され、後に残ったのは「元気のいい店」ばかり、お客から見て「買い物行き先」と評価される店ばかり。  
 で、この「元気のいい店」の「提供方法」がほとんど「セルフ」であるということがSC業容の特徴でありまして、
どうしてそうなるのか?

○self mede manというアプローチ
 本来の意味は「たたき上げ」といいましょうか、手助け無しで成功した人、というような意味ですね。
独学で勉強した人も self made man 、さしずめtakeoなどはself made consultantということになる(笑

 これをライフスタイルに援用してみますと。
self mede man:生活のある部分について、独力で作り上げる人。
もちろん、交換経済の現段階において生活局面に必要な材料を独力で作り上げることが出来る人はそうそうはありません。
この場合、self made とは、購買過程において自力で選択して生活を作る、という意味になります。
奇しくも販売側ではself service などといっております。
self service 販売で求められるものは、self made life の材料ということになる。
 ではself service という販売方法を離礁してself mede される生活とはどのような生活か?

※self madeな生活
 大きく二つに分けることが出来ます。
その1:
 その生活分野全体を熟知しており、self抜きで自分のビジョン通りの生活を作り上げることが出来る、という場合の買い物。
たとえば、主婦相の献立材料調達など。おなじく、家家族用下着、「実用衣料」などの買い物とか。
当社の購買行動の四象限で「当 用」とされている領域ですね。

その2:
 その生活に余り「こだわり」がなく、適当な商品が適当な価格で提供されていればそこからピックアップすればよい、という場合の買い物。
こちらは少々凝っていまして。
好みよりも他の側面を重視した買い物。
あっと驚く、流行に追随するヤングの購買などもこの部類でしょう。
何を買うかは、自分の好みよりも流行優先、一シーズンで着倒しが原則ですから低価格。となれば限りなくself service という業容のお店に向かうことになる。

 ということで、もはや説明は無用、ショッピングセンターのテナントミックスは、self shop のオンパレード、ターゲットにしている客相は、self mede person ということになるわけです。

◎業容の淘汰
 やっと結論に到達しました。
つまり、SCの客相は「self made person」だということです。
customaized servics など受ける必要がない、ウザイ、苦手という購買局面&客相でくくられているのがSCのテナントミックス。
これは、もちろん、デベロッパーさんが構想・設計したものではありませんで、競合SCとの差別化を目指し、いろんな業容のお店を集めて編制したものの、客相により淘汰された結果、self shopping center に落ち着いた、というわけです。新しく招聘されるテナント=元気のいい店ももちろんのこと、selfのショップということになります。

 こうして、郊外型SCのテナントミックス、みんな同業他SCとの差別化を目指しているはずなのに、どうして金太郎飴になってしまうのか?
全業界人が抱いている疑問(笑 に答えてみました。如何でしょうか。

 さて、ここで問題(笑、ここで述べた業容理論を踏まえて新しく展開できる郊外型SC起死回生の戦略があります。
どういう方向&方法でしょうか、考えてみてください。

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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