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活性化事業の「一体的推進」

今日は私の正面業務関連をば。

●『整備改善・活性化法(中心市街地活性化法)』の枠組みにおいて、最も重要なキーワードは、「一体的推進の目標」ですね。ご承知のとおり。

①市街地の整備改善のための事業 と ②商業等の活性化のための事業 を
一体的に推進することで中心市街地の活性化を実現する・目標です。
目標は、「これが達成されれば中心市街地は活性化される」という具体的なものでなければならないことはいうまでもありません。この「目標」に「文化と歴史を活かしたまちづくり」とか「中心市街地の通行量の増加」・「居住人口の増加」などを持ち出すのは、自分たちが取り組むべき問題を理解していないことを自白しているようなもの。
これからは「コンパクトシティ」を目標にところも出てきそうですね。
コンパクトシティについてはあらためて取り上げるつもりですが、これは「中心市街地活性化」よりも遙かに大きく重たい課題です。

さて、中心市街地の活性化は、上記①及び②という二方面の事業を「車の両輪」として取り組んでいくわけですが、もとより、事業内容は多岐に渡り、関係者も多い。
利害関係ということでは必ずしも共通していない各方面の関係者が「自分のこととして」中心市街地活性化に取り組むためには、「一体的推進の目標」に関係者の個別利害が反映されていなければならない。
「一体的推進の目標」の達成に貢献することが、そのまま関係者の利害追求・固有の目的追求になる、というあり方を実現しなければならない。

「一体的推進の目標」を適切に定め、その目標について関係者が合意することは、取り組みを一体的に推進するための不可欠の条件です。
「法」の枠組みでは、一体的推進の目標は中心市街地所在の商業機能の「ショッピングモールとしての再構築」とされています。
(この点、疑問がある人はその旨書き込まれたらあらためて説明します)
関係者の合意は、目標である「ショッピングモールとしての再構築」にむけて、必要な取り組みを適時適切に行っていく、「シナリオ」レベルまで含んだものでなければならない。

● 関係各方面による一体的推進。

行政、商工会議所、TMO、商店街連合組織、単位組織、立地する個店経営者のそれぞれが、固有の目的・利害を達成する方向・方法として「一体的推進の目標」を合意する。
「目標」を達成するための計画・ロードマップに基づいて、それぞれ持ち場・持ち場での役割をまっとうしていく。
 「一体的推進の目標」、整備改善事業と商業等の活性化のための事業のための目標であるということは、両事業を推進する関係各団体・組織、個人に共通する目標であり、一体的に推進しなければならない目標でもあるわけです。
 問題は、既成の「一体的推進の目標」がこのような位置づけのもとに掲げられており、関係各方面で合意・共有されている、ということ。
このような条件を確保している所はきわめて少ないと思います。

「商人塾」に取り組んでいる都市では、2年目になると「目標の共有」がきわめて重要であることが理解され、あらためて「商人塾」が取り組もうとしている方向・方法における合意・共有を実現することが課題になっており、積極的に取り組まれています。

●商店街全盛時代、通りに人があふれていたのは、中心市街地に人口が多かったからでも、物販以外の都市機能が集積していたからでもありません。
いつも申し上げていいるとおり、そこに立地・集積している商業機能が、「買い物の場」として評価されていたから、「にぎわい」があったのです。
全盛時代の商店街は、けして他力で繁盛していたわけではありません。
 もちろん、当時は今とは比較にならない「好条件」がそろっていました。
一言でいえば「未成熟」ということ。
①所得・余暇の増加傾向
②生活の「未成熟」・発展途上
③商業機能の未成熟
④消費購買行動の未熟
 中心商店街全盛時代の背景には以上のような事情があったわけですが、これから中心市街地を活性化するにあたっては、もちろん、このような条件はもはや雲散霧消しています。
中心商店街の活性化という課題を取り巻く環境は、
①所得・余暇の伸び悩み・減少傾向
②生活の成熟
③商業の競争激化
④消費購買行動の成熟
全盛時代とは全く異なる環境条件の下で取り組まなければならない。
まずはこのことについての覚悟をしっかり共有すること。
 環境の変化に対応するために必要なこちら側の条件について。
従来同様の能力の発揮ではとうてい目的を達成できないことはハッキリしており、個々の経営者の個別の努力だけでは、「個店の活性化」自体も難しい、というレベルで環境が変化していますから、個店の活性化に取り組む条件作り(能力の転換)には組織的な取り組みが必要になっています。
 もちろん、とおりの活性化は繁盛する個店が軒を連ねることではじめて実現されることですから、商店街組織にとって、合意した方向・方法による商店街活性化への取り組みとは、とりもなおさず、繁盛する個店の続出が目標になります。
その活動は、個店繁盛への条件づくりと集積として取り組む「モール」の条件づくり。

個店と商店街、「一体的推進の目標」を達成するためには、一体的な取り組みが不可欠です。

◆一体的推進の目標は、「ショッピングモールとしての再構築」
『基本計画』でもっとも重要なことは、「一体的推進の目標」をどう設定するか、ということです。
このことは、これまで当社サイトで何度も説明してきましたが、もう一度簡単に。

『基本計画』では、中心市街地活性化を推進するための取り組みを大別して、
①市街地の整備改善のための事業
②商業等の活性化のための事業
を計画することになっています。
「一体的推進の目標」とは、この2大事業を一体的に推進することで、中心市街地活性化を実現する目標のことです。
つまり、これを実現することができれば、即・中心市街地は活性化できる、というのが「一体的推進の目標」です。
この「一体的推進の目標」が「ショッピングモールとしての再構築」であることは、『TMOマニュアル』(参照 12年版 P49 A69)に示されているとおりです。

●漸進的推進
 「一体的推進の目標」は、ある特定の事業に取り組み、成功することで忽然と達成される、というものではありません。
もの余り・店あまりという今日、中心市街地の活性化=商業集積としての再生は、取り組みに対する居住者・潜在顧客の支持が増えることによってはじめて達成されます。商業者側の試行・提案とお客の側のお試し・評価とが一致していく、一致の進行とともに「買い物の場」が形成されていくわけです。
したがって、その形成は「漸進的」にならざるを得ません。
 ちなみに当社が提唱する「商人塾」は、この「買い物の場としての漸進的な再生」を担っていく「戦略事業」です。
http://www.quolaid.com/seminar/syouninjuku05.htm
 「ショッピングモールとしての再構築」という一体的推進の目標を達成するために必要な「個店の店づくり技術の転換」という課題に共鳴する個店経営者が参加して、「理論・技術の修得」と「自店の業容転換」に取り組む。
漸進的に成果を挙げることで、業績の向上を実現するとともに、とおりの集積としての魅力の増大に寄与する。
この実績を評価した仲間が次年度の「商人塾」に参加し、繁盛を実現するとともにそのプロセスでとおりの魅力がさらにアップする・・・・、という次第です。

●「一体的推進」は、漸進的であり、かつ、事業の進展に即応してその成果が誰の目にも明らかになる、という条件を備えた・「方向と方法」のセットで作り、提案することが必要でしょう。
なかなか理屈っぽい話ですが、ことは郊外型SCを開設する以上の難事業ですからね。
「理屈っぽい」などという前に、この程度の理屈で「活性化実現の見込みが立つ」というこにを感心しなければならない(笑

◆失敗事例
 中心市街地の人口は減っておらず、とおりに人があふれていても、商店街は空洞化している・・・。
中心市街地に人口が増え、通りに人があふれても、商店街が活性化しない・・・・。

こういうところの問題点は、
①関係者の取り組みが収斂する「一体的推進の目標」が、「買い物の場としての再生」として具体的・実践的に設定されていない。
②個々の事業が「上位目的=買い物の場としての再生」からのトップダウンで計画されていないため、再生という目標実現への効果が期待できない。
③事業が一過性となり、相乗効果、成果の積み上げという集積づくりに不可欠の結果を生むことができない。などなど。
これではいつまで経っても「集積としての活性化」を実現しつつある、と実感することはできません。
いきおい、取り組みはだんだん細くなっていく。

●取り組みの再構築
 多くの都市・中心市街地活性化の取り組みが直面している課題は、あれこれの事業企画を推進することではなく、
①それらの事業がその一翼を担っているはずの、中心市街地活性化への取り組みのシナリオはどうなっているか?
②シナリオが不備だとすれば、どういう手順でシナリオを再構築するのか?
というところにあります。
 場合によっては現在の取り組みをいったん休止する、その後、場合によっては方向を変更する、ということになる可能性もあり得ます。
これは大変気の重くなる仕事であり、特に、「先輩の仕事を批判するような言動は慎む」という組織文化が確立していますからねぇ・・・・。
中心市街地活性化に限ったことではありませんが。
 前例のない環境状況における前例のない取り組みですから、これまでの延長上でなんとかしようというのはあまりにも無理な話、従来の組織文化との格闘も場合によってはあり得ます。

●すでに各地で「一体的推進の目標」を「ショッピングモールとしての再構築」と定めた新しい取り組みがスタートしています。個店~商店街~中心市街地を貫く取り組みの中核を当社が支援する「商人塾」事業がになっています。
具体的な事例は:
http://15kai.quolaid.com/index.htm

機会があれば事例を視察されるのもいいと思います。
現段階の一押しは、高知県四万十市の取り組み。
http://www.40010tmo.com/index.php
昨年度からTMO主催で取り組まれている「商人塾」、今年は第二期を開講するとともに平行して具体的に「商店街単位でのモールとしての再構築」に取り組む計画です。

●あなたのまちの「一体的推進の目標」果たしてどのように設定されているでしょうか?あなたはご存じですか? もしご存じでないとすると・・・・
その程度の「目標」が設定されていることになる。
あらためて確認してみられることをお勧めします。

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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