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中心市街地活性化を阻む5段階の不備

中心市街地活性化、「法」制定以来7年に渡り、全国で取り組まれているにもかかわらず、「成功事例」出てこない。
そもそも何をもって「成功」とするのか、ということさえ認識されていない、という状況があります。

ちなみに国も次のような総括を行っています。

『中心市街地の活性化に関する行政評価・監視』
〈評価・監視結果に基づく勧告〉  総務省 平成16年9月15日
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/pdf/040915_1_1.pdf
ちなみに、この勧告についての私の考察は
http://www.quolaid.com/cgi/tkf/wforum.cgi?no=104&reno=no&oya=104&mode=msgview&page=0
をご参照あれ。

さて、私は、最近、中心市街地活性化の実現を阻んでいるのは、取り組みの5つの局面それぞれに基本的な不備があるからだ、ということに思い至りました。
以下、まず5つの不備を指摘します。

第一の不備:「中心市街地活性化はなぜ必要か」目的の不備
第二の不備:「中心市街地活性化を実現する」目標の不備
第三の不備:「中心市街地活性化の目標を達成する」事業計画の不備
第四の不備:「中心市街地活性化を推進する」組織体制の不備
第五の不備:「中心市街地活性化について合意を形成し、取り組みを実体化する」理論の不備

如何でしょうか。
こうしてみると、中心市街地活性化を推進する、実現するために必要な要件がことごとく不備だった、ということですね。
これでは活性化が実現しないのも無理ありません。大変なことですね。

大変なことですが、ものは考えようでありまして。
たとえば、一から五まで、全部、完全に整備されており、それにも関わらず活性化が実現できなかった、というのならほんとうに大変ですが、不備があって出来なかったわけですから、不備を整備すれば活性化できる可能性があるということになる(笑
これは皆さん、喜ばしいことではないでしょうか(笑
ということで、以下、5つの不備をしっかり分析、課題を抽出、対処の方法を考えてみることにいたしましょう。

ところで。
万一、万々が一、このスレッドが何を問題にしているか良く理解できない、という人がおられたらこれは一大事です。
このスレッドがこれから取り組む問題の理解なくして中心市街地活性化は、まず実現できないのですから、さっさとあきらめるか、このスレッドと格闘して内容をわがものにするか二つに一つですからね。
聞くは一時の恥、どんどん質問してください。
何でしたら匿名で結構ですからね。

◎第一の不備:「中心市街地活性化はなぜ必要か」:目的の不備

Q1.中心市街地とはどこのことか?
 A 都市中心部に立地する商業機能が集積した街区のことである。
Q2.なぜそういえるか?
 A 「中心市街地の三要件」の2,趨勢要件を見よ
Q3 中心市街地の活性化とは何がどうなることか?
 A 中心市街地がその本来の機能である小売商業機能として再構成す   ることである。
Q4 中心市街地活性化の目的は何か?
 A その目的は多様である。後ほど詳しく説明するが待ちきれない人   は「サイト内検索」で適宜自修しましょう。
Q5 中心市街地の活性化はなぜ必要か
 A 必要な理由は山ほどある(笑 後ほど説明するが待ちきれない人   は「サイト内検索」で適宜自修しましょう。

如何ですか。
このあたりはしっかり押さえておかないと、
①取り組んでいる自分たち自身の仕事の価値が分からない、誇りが持て ない、知恵がでない・・、と、当事者としてははなはだ困ったことに なる。

②関係各方面、TMO体制を担う仲間、上司&部下・議会・市民・消費 者・中心市街地以外で活性化に取り組んでいる人などなど関係者を中 心市街地活性化の必要性について説得、合意を確保することが出来な い。

③これからどんどん出てくる類似課題との競合において、「中心市街地 活性化」の優先順位を確保できない。
(これは、競合する事業の成功を妨げることになる=例:コンパクトシティ)

広域合併以降の都市経営における中心市街地活性化の重要性、しっかり理論武装しておかないと放置されてしまうことになりかねません。
今のうちに、しっかり頭に入れてくださいね。
特に、行政関係の人は大変だと思います。他部局と議会が共同戦線を張ったりして(笑)


○前提条件
 取り組みがスタートして7年、多くの都市がおおむね5年間は取り組 んできたところですが、なかなか展望が開けません。

まず、基本計画レベルにおいて。
中心市街地活性化がなぜ必要か? ということがハッキリと理解されていない。ここが適切に理解されていないと、取り組み全体が致命的な方向ミスになると思います。

基本的な視点としては。
1.中心市街地を新しい事業活動の場として再生させる
◇新しくないと「事業活動」と言うほどのことはできない

2.新しい消費・生活ニーズの受け皿として商業機能を再構築する
◇郊外型商業とは「棲み分け」を目指す。真っ正面からぶつかっても勝 ち目はない。もし五分に渡り合っても将来が不安。

3.再構築は中心市街地既存の商業者の自助努力を中心とする
◇他に中心市街地に出かけてきて活性化を引っ張ってくれる業種・業態・企業がありますか?
ということが前提になります。

以上を踏まえて「中心市街地活性化の必要性」=「中心市街地を活性化しなければならない理由」を10ばかり挙げてみましょう(笑

1.御市を中心にした広域圏に居住する人たちの「生活を充実させる」 ニーズの受け皿としての事業機会を確保する。
◇新しいニーズ:「自分の所得の範囲で生活を自分らしく演出して堪能 する」。郊外のセルフサービス主体の売り場では満足させられないニ ーズ。詳しくはサイト内検索=「ラグジュアリィ」

2.担税率の高い/相対的にインフラの整備された街区の効果・効率的 な利用・再構築
◇固定資産税等、高額負担に見合う効果・効率的な土地利用が津勇断し ていることは、都市経営上のマイナスであり、かつ、土地利用者にと って相対的に加重負担を生じている。

3.方向と方法を明示することによる、既存商業者の活性化への努力の 集約化
◇多くの既存商業者が自店の活性化、魅力ある個店づくりに取り組まな ければならない情況にある。単独、単発の取り組みで活性化を実現す ることは難しい。商業者の経営確信の努力を集中・集約すること、取 り組みを支援することが求められている。

4.商業施策の有効化、成果の蓄積・相乗効果の発揮
 単発的な商業施策では効果が出ない、シャッターの内側の取り組みを 連動しないと効果がない、という情況を突破する方向は街ぐるみでの 転換しかあり得ない。

5.郊外型商業が対応できないラグジュアリィニーズ対応商業集積の構 築による都市間競争における優位の確保
◇周辺各都市に先駆けて「ラグジュアリィモールとしての再構築」を実 現することで広域からの集客が期待される。中心市街地が名実ともに 広域の中心、「顔」として再生する。

6.中心街区の景観整備の推進
◇事業の進展で老朽店舗の更新、空き店舗を利用した新規出店が始まる ことで、景観整備事業の効果が生まれる

7.実務担当者の都市経営能力の向上
◇計画作成~実施能力、関係者を「その気にさせる能力」など、都市経 営に必要な能力を開発・修得する。

8.活性化推進ノウハウの他地域/事業への伝搬
◇この事業で開発・修得した地域活性化の推進に必要な知識・ノウハウ などを市内他地域の取り組みに活用することが可能になる。

9.地場産業・国内消費財産業の流通経路の再構築
◇郊外で売られているのは輸入品主体、国内産品は小売部門の空洞化に より、疲弊している。中心市街地が新しい商業集積として再生するこ とで、国産消費財の流通経路が生まれ、産地・地場産業の活性化をも たらす。

10・等々の成果を総合した「都市経営」の進歩向上
◇自助努力による都市経営が課題となっているこんにち、中心市街地活 性化への取り組みに成果があがれば何よりの自信となる。

如何ですか?
まだまだあると思いますが、とりあえず。
各項の内容は、これ以上説明の要はないかと思いますが、議会対策その他、詳細に確認したい人は、サイト内検索または直接当社にメールをどうぞ。


○見直し実務の体制
基本計画について

1.基本事項
(1)中心市街地(商店街)活性化は、商業者の救済策ではない。
(2)新しく生まれている生活消費ニーズに対応する、新しい商業機能   が求められている=新しい事業機会がある。
(3)新しい事業機会は郊外型商業では対応できない。
※この新しい事業機会を「ものにする」ことが中心市街地活性化の「成 功への道」・方向である。
(4)新しい事業機会は、中心市街地の既存集積(個店群)を利用して作り 上げる・・・これが活性化の方法である。
(5)中心市街地に作り上げる商業集積とは「ショッピングモール」であ  り、既存の商業機能を転換・再構築することで実現する。

2.事業期間:
(1)3~5年程度・・・ただちに取り組み、方向・方法を軌道に乗せるま での期間

3.事業体系
(1)「モールとしての再構築」を推進するために必要な事業群の計画=  (事業ミックスの作成)
(2)年度、分野別へのブレイクダウン

4.実施体制について
(1)TMO、商業者を中心とした推進組織の結成・運用
(2)TMO推進協議会等広範な組織の結集によるバックアップ

5.留意事項
(1)既存商業者の取り組みを中核とする
(2)上位計画、先行計画等に記載されている事業の確認、再配置

※ということで、見直しの実務は、実務担当者(行政、TMO、商業者」三者プラス専門家によって実施する、というのが適切。
特に専門家の選定が事業全体の成否を左右する、ということをしっかり覚悟して選定することが大切だと思います。

※計画の見直しプロセスを「理論的に指導出来る」能力のある専門家でなければ、中心市街地活性化を支援する専門家とは言えませんからね。また、招聘する専門家は、事業期間を通じて密接に支援を受けることを前提にしておくこと。
単年度契約あるいは単一事業ごとの契約でことが進められると思ったら大間違いです。
(この点はとくに強調しておきます。

全体のマネジメントはTMOの仕事、専門家は部分的に必要に応じて支援を受ける、という方針を出してものの見事に失敗したTMOの事例が一カ所ならずあります。前者の轍を踏みたくなかったら、このことはくれぐれも御注意あれ。
確かに、タウンマネジメントはTMOの仕事ですが、「ショッピングモールへの転換」という当面の事業を推進していく能力を各都市のTMOは何時・どのような方法で修得したのか? ということを考えてみれば思い半ばを過ぎる話です。

※いずれにしろ。
実務担当者は、計画見直しのプロセスで計画を推進するために必要な能力のうち、不足しているものをこの事業に取り組むプロセスで修得しなければならない。その能力修得は計画作成プロセスを通じて、支援する専門家の仕事です。


◎第二の不備:「中心市街地活性化を実現する」目標の不備

中心市街地とはどこのことか、そこの何を活性化するのか?
ここが判然としていないと、「これを実現することが中心市街地活性化である」という「目標」を設定することが出来ません。

国は、中心市街地活性化を推進するにあたっては、「車の両輪」である、市街地の整備改善の事業と商業等の活性化の事業を「一体的に推進することにより実現を目指す目標」を設定することを求めていますが、
中心市街地活性化は、これを実現すれば達成される、という具体的な「一体的推進の目標」を掲げている都市はきわめて少ないでしょう。

一体的推進の目標、これが適切に設定されていないと、実施する各種事業の方向、内容、時期などが適切か否か、判断する基準がありません。それでは目標達成は難しい。


◎第三の不備:「中心市街地活性化の目標を達成する」事業計画の不備

中心市街地活性化という
①相当広い範囲の街区について
②市街地の整備及び商業等の活性化という両目に渡る事業を駆使して
③相当の期間を掛けて取り組む
というのがこの事業の特性です。

したがって、取り組むにあたっては、
事業種別、事業期間別、事業主体別などなどさまざまに区分される多様な事業を逐次展開していくことが必要です。
言ってみればオーケストラが演奏を行うようなものです。

オーケストラの演奏に楽譜が必要なように、中心市街地活性化の取り組みには「計画」が必要です。
ここの事業の実施計画はもちろん、中心市街地活性化という大事業における個別事業の位置づけ、他の事業との関係・条件などが計画されて初めて、ここの事業が全体の一翼を担うことになり、全体の進展が担保されます。

中心市街地活性化には事業期間中の骨格となる計画・運行表が作られていません。


◎ 第四の不備:「中心市街地活性化を推進する」組織体制の不備

市街地の整備改善及び商業等の活性化、両事業を車の両輪として進められる中心市街地活性化の取り組みは、それぞれ立場や役割のことなるさまざまな組織、個人によって推進されます。

立場、仕事の内容、実施する場所・時間、などがさまざまな事業の基準を定めたり、実施時期を調整するという重要な機能が必要です。
TMOがそれに充てられるわけですが、事業を効果的に進めていくためには、TMOを中心に関係者がさまざまな企画調整や協働を組み立てられる体制を作ることが必要です。

『基本計画』には行政内部における体制づくり、経営機能あるいは企画調整機能としてのTMOの設置はうたってありますが、事業を推進する「体制」の組織化については計画されておらず、計画されていたとしても実践レベルを担う商業者の位置づけなどの重要課題が未着手のままのはずです。
 
◎第五の不備:「中心市街地活性化について合意を形成し、取り組みを実体化する」理論の不備

もっとも根本的な不備、実はここにあります。
第一から第四までの不備は、「中心市街地活性化について合意を形成し、取り組みを実体化する」理論を備えておれば、ちゃんと取り組み・実現したことばかりです。

常々申し上げているように、中心市街地活性化という仕事に『整備改善・活性化法』の枠組みを用いて取り組もうとするならば、枠組みを駆使して対応しようとする「問題状況」の把握が不可欠です。

大きく変化する今日のような時代における「問題情況の把握」は静態的な経験・知識ではなく、変化を説明しうる理論を装備し、理論に基づいて行うことが大前提です。

理論の不備とは、すなわち、大前提の不備。
言ってみれば「親亀」がこけたわけですから、子亀、孫亀・・、みんなこけるのも無理はありません。

※第一の不備については、やや詳しく、二以下については簡単に書いてみました。
詳しく知りたい人は。
http://www.quolaid.com/cgi/tmo/wforum.cgi?no=984&reno=no&oya=984&mode=msgview&page=0
以下のスレッドをどうぞ。

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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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