商業施設の陳腐化

ちんぷか【陳腐化】ありふれており、古くさくなること。

 商店街、商業施設などにとって「陳腐化」することは、即「空洞化」に直結していく恐ろしい状況です。
商店街の陳腐化はどうして起こるか?

大別すると二つの原因が考えられます。
1.商店街、立地する個店の怠慢
2.革新的な業容を持つ競合の登場
ですね。もちろん、多くの場合は両者が複合的に作用して陳腐化します。

 もう少し説明しますと。
1は、
(1)お客の生活ニーズ、消費購買行動が変化しているにも関わらず、変化に対応する努力をしない結果、お客に「買い物行き先として不適」とレッテルを貼られ、別の商業施設へ乗り換えられる
(2)努力はしているが、その方向が適切でないために客離れを防ぐことが出来ない、ということもあります。
さらに適応努力が必要ですが、思いつきません。

2は、
 消費購買行動の変化にシステムとして対応する新しい業容の商業の登場
①古くは、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど。
③ショッピングモール、カテゴリーキラーなど。
②通信販売、インターネットなど。

 いずれの場合も、既存の商業施設は従来どおりの業容・運営を続けていたのでは、陳腐化していると評価されてしまいます。
陳腐化するのは、出来上がって長い時間が経っているからではありません。今どきのニーズに応えることが出来なくなっていることがその原因です。

□商店街の空洞化
 空洞化の原因としては“住む人・来る人が減少した”ことがよく指摘され、商店街関係者の多くがこれを信じていますが、明らかな誤解です。
もともと、商店街が「買い物の場」として賑わっていた当時、お客は商店街&周辺に住んでいる人、商店街&周辺を訪れる人に限られていたのではありません。全盛期の商店街は、広い範囲からお客を集めていたのであり、商圏内の住民にとって商店街は“わざわざ買い物のために出掛ける行き先”だったのです。そうですよね。
特に都市の中心商店街を思い浮かべればこのことは明らかです。
たかだか中心市街地の住民、中心市街地に用件で出向いて来る人を対象に出来上がっている商業集積ではないことは明らか、都市及びその周辺という広域から買い物客を吸引していたのが中心商店街でした。
このことを忘れて、“商店街が空洞化したのは「住む人・来る人」が減ったから。「住む人・来る人」を増やせば商店街は活性化する”と信じ、主張し、施策に取り組んでいる専門家や商業者が少なくありませんが、これは真っ赤なウソですから、いくら取り組んでも成果は得られません。

 商店街の空洞化は、商圏内の人々から“商店街は買い物行き先としてつまらない”と判断され、お客としての足が遠のくことで起こります。
なぜ陳腐化したのか?
一言で言えば、お客の消費購買ニーズが変化を求めているにもかかわらず、商店街及びそこに立地する個店群がそのニーズに対応する「変化」を提供できなかったから。

もう一つ、決定的な理由は、消費購買ニーズの変化に対応する新しい商業が同一商圏内に登場したことです。
消費購買ニーズが既存の商業施設に「陳腐さ」を感じても、それに代わる革新的な買い物行き先が提供されなければ、従来の商業施設を利用する以外に選択肢はありません。
しかし、あらためて言うまでもなく、商店街が空洞化して行くプロセスは、最初は商店街内部への新業容の登場から始まって、今日でははるか車立地の郊外まで新しい業容の商業施設がひっきりなしに登場するプロセスでした。
 変化に乏しい商店街に「陳腐」さを感じるようになっていた消費購買ニーズにとって、これら新業容の相次ぐ登場は、“自分の基準で買い物行き先を選択する”ことが出来る条件が提供されたことを意味しますから、買い物客の商店街離れを加速させました。
さらに、新業容の登場は、これまで商店街的買い物の場にさして不都合を感じていなかった客相にもあらためて比較対照して判断する機会が出来たことになり、比較した結果、新しい商業施設を選択する、という行動が圧倒的に増加したわけです。
 それも当然でありまして、新たに登場する商業施設は、既存の商業からお客を引き剥がすことを事業機会にするわけですから、新旧比較すれば新しい商業施設の方が“買い物行き先として優れている”と判断される可能性が高くなります。

新たに登場する商業施設は、商圏内の競合相手である既存の商業施設を一挙に陳腐化することで自らの事業機会を確保します。これは「差別化」などといった甘ったるいものではありません。

○スーパーマーケット:食料品店を陳腐化
○コンビニエンスストア:よろず雑貨店を陳腐化
という例を考えれば納得されると思います。

 商店街の空洞化は、そこに立地する個店群が陳腐化し、その集合としての商店街そのものが買い物行き先として陳腐化してしまったから起こっていることです。
中心市街地の都市機能が拡散せず、居住人口も減少していないにも関わらず、商店街だけが著しく空洞化している、という都市は珍しくありません。これは「人口論」では説明できない状況です。
また、通行量増大に取り組んだ結果、通行量は復旧したが商店街の活性化=繁盛店への回復は実現できなかった、という例も少なくありません。
こちらも「人口・通行量論」では説明できないことです。

 商店街の空洞化は、商業施設としての陳腐化から始まります。空洞化のスパイラルに陥っている商店街が活性化を目指すには、陳腐化からの脱出・新しい商業施設・「買い物行き先」としての再構築を目指さなければならない。

 ということで、いつもながらの結論です。

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