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商業理論不在の深刻

現代商業を俯瞰的、客観的に理解する道具としての商業理論が作られていないことは、商学界(大学商学部等)では周知のことですが、学界以外ではほとんど知られていません。
これは商店街活性化にとって重大な事実であり、その意味するところをしっかり理解して対処することが必要です。

理論が作られていない、提出されていないということは、商店街活性化、商店街政策の検討などにおいて客観的な状況分析に基づき、商業集積として存続可能なポジションを発見し、現状からそこに至る道程を描き、計画を立てて推進する、というあるべき取組が行われていないことを意味します。

事業の指導支援に招聘された商学系の学識者が行う提言は、根拠となる商業理論に基づいた体系的、客観的なものでは無くて、大店法当時以来、繰り返し取り組まれている商店街全盛時代、同業種間競争、商店街間競争に効果のあった事業メニューの〈焼き直し〉の部類に属するもの。先行事例の紹介が多いことは周知のとおりです。

商学系有識者が理論を提供しない現場では「商店街活性化と商業理論は無関係」という暗黙の了解が商業者、行政、支援専門家等、関係各方面に浸透しています。
その結果、専門的知見・技術の提供を期待して招致されるシンクタンク、大手コンサルタント事務所、都市計画系の専門家も商業理論的知見を欠いており、しかもそのことを欠陥と感じていないという点で例外ではありません。
関係各方面で商店街活性化には商業理論が必要であることを提言するものは皆無であり、ほぼ半世紀に及ぶ商店街活性化事業が商業理論が不在だったために陥っているシナリオ無き同質僅差活性化事業の繰り返しに終始していることを指摘するものもいません。
商店街活性化関係の計画(中心市街地活性化基本計画等)の作成に招致される学経・専門家は、非商学系が多いのですが商業系の基本的な知見を持たなくともプラニングが出来るのだ、というセンスの人士が多い。
どうせみんな同じレベル、後は野となれ山となれ、業歴に計画の成否は無関係という「ニヒリズム」が蔓延しているわけです。

商店街活性化=商業集積としての再構築、街を一個のショッピングモールに見立てて再構築する、という計画のシナリオを商業理論無し、商業に関する基本的な知見・技術無しで描けるわけがありません。これまで作成される実施された計画の多くが「ハコ」としては竣工はしたものの〈商業施設〉としてはことごとく挫折していることの原因はここに有ります。
商業理論抜きでプランニングを請け負った専門家の責任は重大といわざるを得ません。
商学部では商業理論の基礎となる〈商学原論〉の不在が、商学、商学部のアイデンティティクライシス(存在意義の危機)といわれ、構築の必要が力説されていますが、前途遼遠、ポストコロナの取組には間に合いそうにもありません。
(当社の活性化論には必要な限りで独自に構築中の商業理論を活用しています。念のため)

ということで。
ポストコロナの小売業の再構築、特に地場小売商業多数が立地する商店街の取組は従来レベルから脱却、ホントに〈売れる売場〉への転換を目指さないと、ポストコロナに生き残れる商業集積への道をこじ開けることは出来ません。
このことはポストコロナの小売業、商業集積のすべてに共通する問題、〈理論武装〉をスルーした小売業、商業集積がポストコロナで持続可能なポジションを得ることは出来ません。
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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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