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テナントミックスかタウンマネジメントか

2004年のブログ記事。
中活法―TMOの「タウンマネジメント」のあるべきだったところ。
この方向で作成され取り組まれた基本計画は一個も無かったわけですが、振り返ってみると、こういうことを検討する下地がどこにも無かった、ということですね。
改正中活法になると、単に言葉だけが残って使う側の恣意で使われているだけ。

テナントミックスと空店舗活用が〈ちゃんぽん〉化されて、上位目標の無い「テナントミックスサポート事業」が取り組まれ、聖子いう事例として喧伝されたり。

引用スタート**********************************
原語で略称にすれば、どちらもTM。
先進的なTMOではこれらの計画作りに取り組んでおられるところもあるかと思います。
経産省では昨年度「中心市街地活性化におけるテナントミックスの手法に関する調査研究」に取り組まれたようで、その結果が『実践行動マニュアル』ですね。

テナントミックスとタウンマネジメント、中心市街地活性化を推進するうえでより正しいアプローチはどちらでしょうか。

タウンマネジメント有理

テナントミックスは、タウンマネジメントの下位概念で、販売促進、人材育成、サービスシステム、景観整備などなどと同列の運営実務の一分野です。

なお、次の各項に留意。

1.テナントミックスを誇大評価するのは、「ショッピングモール」がきちんと理解されていないから。

2.モデルにされている郊外型SCのテナントミックスとは、「元気のいい」、「シュンの店」、「集客力のある店」を如何に集めるかということに終始している。

もちろん、こんな業務をテナントミックスと呼ぶのは我が国のほんの一部のギョーカイだけです。

「中心市街地活性化」において、「テナントミックス」という言葉が出てきたのは、、『TMOマニュアル』で「活性化の手法の一つ」、「たとえば」ということで例示されたのがいつのまにか肥大化、活性化といえばテナントミックスのこと、というような短絡的な発想もまかり通っています。

※「テナントミックス」に限らず、声を大にしていっておきたいことは、『中活法』~『マニュアル』は、「これさえあれば中心に市街地活性化」はOK、などと考えないこと。
※テナントミックス=「業種構成・店舗配置」を考える前に、「一体的推進の目標」を確立すること。

※さらに。
①そもそも、既存個店群の活性化には取り組むのか・取り組まないのか?取り組むとすればどんな手法が考えられるか?
②「既存個店」はテナントミックスの中に入れるつもりか? 既存店をどう「テナント」に転換させるつもりか?
③そういう「転換」を推進するには、個店に対する指導・支援が不可欠だが、だれが担当するのか?
④自ずとTMOも能力の向上錬磨が求められる

などなど、考えていると、ことは「テナントミックス」に限定されるものではないことがはっきりします。

そうそう、このところハヤリコトバになってきた、「個店の活性化」、「魅力ある個店づくり」ですが、字面だけ真に受けて飛びつくとまたもや大失敗をやらかすことになるのでくれぐれもご注意あれ。


テナントミックスのポジション

テナントミックス

1.一般論
商業集積のコンセプト(=デスティネーション=お客の買い物=品揃え・売り場揃え)を実現するための、売場揃えのことです。
ちなみに、コンセプト抜きで店舗が集合しているのは、テナントミックスとは言いません。自然にお店が集合して出来上がっている商店街の場合、「通行量が多く・好立地」と判断したお店の出店が相次いだ結果、(集合としては)自然発生したものであり、コンセプト主導の商業集積とは集合の意図が違います。もちろん、「テナントミックス」という概念とは無関係です。

「テナントミックス」とは、大型商業集積が標的客相の購買目的=来訪目的に対応するために使う、品揃え・売り場揃えの手法のこと。

手法は次の通り。
①収益全体で対応しようとする購買動機・行動(コンセプト)を決定する
(例:コンビニエンスニーズ、コストコンシャスニーズ、ラグジュアリィニーズ)
②コンセプトを充足させるために必要な品揃え(品種・品目)構成を決定する
③品揃えを実現するための売り場揃えを決定する
④売り場を分担するショップ構成を決定する
⑤ショップ構成を担う、実在のショップを選定・交渉・入店させる

狭義のテナントミックスとは④のことです。
こうしてみると、テナントミックスは商業集積のコンセプトあっての下位概念。集積のコンセプト抜きでの「欠業種リクルート」や「空き店舗活用」などはテナントミックスとは呼べない、呼んでも無意味だということがよくわかりますね。

2.郊外型SCの場合
これは、いつも申しあげているとおり、量販できるものなら何でも売りたい・量販百貨店を核とする「量販センター」ですから、上記の意味でのテナントミックスは存在しません。量販センターには、センターを構成する各店舗は自店が設定するコンセプト(顧客の買い物目的)に対応する品揃えを実現していますが、センター全体としてのコンセプトは不在ということになります。
量販センターに「大量に買いたい」と言う目的意識(コンセプト)で出掛ける人は少ないでしょう。

量販センターの「たくさん売れるものなら何でも売る」というコンセプトは、お客の購買目的と対応させると「人並みでかまわない分野のショッピング」に対応した品揃え・店揃えということです。
ショップに共通する特徴は、「量販できる品揃え」。
ちなみに、センターのコンセプトを逸脱、「こだわり」・「堪能」などをコンセプトにしたショップを出すとはじき出されることになりますね。

3.中心市街地の場合

 中心市街地活性化の手法としてテナントミックスということがクローズアップされています。といっても時差いの取り組みは「テナントミックスビジョン」などを作成している「先進的」なTMOに限られていますが。

中心市街地商業活性化=中心商店街活性化の場合、テナントミックスが問題になるのは、「一体的推進の目標」が実現を目指す商業集積としての性格というレベルで確定されている場合にかぎられます。

さらに手法としては、既存個店の転換ということがメインになります。まず第一にコンセプトが示す方向に既存個店が転換(品揃え・サービス・店内環境など)し、活性化の可能性を実証することからスタートしないと、テナントミックスは夢のまた夢ですね。

「テナントミックス手法」で述べたように、テナントミックスは、「ショッピングセンター」を作りあげる品揃え・売り場揃えを実現する手法であり、全体のフローを抜きにしたテナントリクルートや空き店舗活用とは全く違います。

4.まとめ
以上、簡単に検討したように、商業集積としてのコンセプトを設定しないテナントミックスというのはあり得ません。
中心市街地の場合、まず取り組むことは「一体的推進の目標」に中心商店街(あるいは「中心市街地に立地する商業集積群」)がまちぐるみ転換・実現を目指すべき商業集積としてのコンセプトを設定することです。

ちなみに。

マニュアルでは「中心市街地の商業集積群を一個のショッピングモールと見たて」たアプローチを推奨していますが、ショッピングモールについて、「中心市街地立地で成立するあたらしいタイプのショッピングセンター」という指向が明確でないため、
①既存個店の転換という課題の把握が不十分
②事業全体における個店の意欲的な取り組みの必要性の認識が不十分
となっており、

その結果テナントミックスは、中心市街地の大型店活性化、空き店舗対策が中心になっているような感があります。
これは順序が逆だと思います。


大型店の活性化・空き店舗活用

1.大型店の活性化
いうは易く、実現は大変難しい。
都市によっては、大型店の活性化による集客力の向上-その結果中心市街地に顧客の回遊が生まれる-既存個店への買い物客が増えるというシナリオを描いているところも有るようですが、これは全くの「トンデモ」です。

第一に、大型店の活性化は大変難しい。これまで成功した事例はない。
第二に、大型店の活性化が成功したとして、来店客は大型店の魅力にひかれて来店するのだから、店外の中心市街地に出ていかなければならない理由は無い。
第三に、とおりに出掛けたとして、繁盛していない(つまり誰からみても買い物行き先になっていない)店に入って買い物する理由などさらさらない。

という「三無トンデモ路線」ですね。
こういう路線にのっているところでは、中心市街地のテナントミックスのはずが大型店のテナントミックスに化けていたりします。

もちろん、大型店の活性化は喫緊の課題ですが、それは第一に大型店自体の経営を維持するため、と考えることが必要です。
街全体のため、などといった甘い発想では業績転換は不可能ですね。

大型店の活性化~街全体への波及などという取り組み、中小店舗はそれまで待て、という多くの「基本計画」が陰に陽に想定しているシナリオは文字通り「絵に描いた餅」、妄想・妄念レベルです。

2.次に空き店舗の活用

 商売不振で閑古鳥が鳴いている商店街の空き店舗を利用して店開き・繁盛店を作りあげるには、「お客は自店で作る」という覚悟が必要です。お客に買い物動機が発生したとき、真っ先に思い浮かべられる自信を持てる店舗企画が無い「空き店舗活用」は活用ではなく無謀です。

空き店舗活用も大切な手法ですが、必要によりチャレンジショップ
や創業塾などとミックスさせた都心開業システムといった仕組みを作ることも考えないと、補助金があるから開業してみるか、といったノリでやられると、テナントミックスどころか取り組みのお荷物になりかねない。

というように、巷間(W,考えられているようなレベルで安易にテナントミックスを云々していると、目標・課題を見失います。というか、テナントミックスを云々することそれ自体が中心市街地活性化の目標・課題をすっかり忘れた「目標無き事業」だと言った方がより適切かも知れません。

結局、中心市街地活性化=ショッピングモールへの転換というスキームが存在してはじめてテナントミックスという手法の採否の検討が可能になるのですが、では、ショッピングモールへの転換は、テナントミックス手法でOKでしょうか?


「商業施設再配置」など

テナントミックスの一手法とかで、業種ごとのゾーニングなどを構想する向きもあるようですが、おやめになった方がよろしい。

繁盛店の創出=個店の転換も思うようにいかないのに、衰退過程に入っている店舗を集団化したり、炭火を火箸でいじるようにあちこち動かしたからといって何がどうなるものでもありませんでしょ。

上位計画がある場合はいざ知らず、お店を動かすというのはエネルギーを要しますからね。第一、計画しただけで活性化の運動そのものから脱落するお店が出ることになりかねません。そう言うお店はたいてい繁盛店だったりなんかする(W

いっときますが、店舗再配置はもう少し違った視点・スパンで取り組むべき。今すぐどうのという話ではありません。
まして、TMOの主要業務=テナントミックスマネジメント=店舗再配置などと早とちりすると、結局、TMO自身がな~んにも出来ずに開店休業に追い込まれたりすることになりかねない。


タウンマネジメントの領域

「ショッピングモールへの転換」のフロー

1.コンセプトの設定
2.品揃え・サービス・環境の構想・・・実現への取り組み

(品揃え)
3.品揃え-売り場揃え-店揃えの構想(テナントミックスビジョン)
4.テナントミックスの実現
(1)既存個店の転換
(2)既存売り場(大型店)の転換
(3)空き店舗・空地への出店誘致

一般のテナントミックス業務と異なって、中心市街地の場合、「既存店舗・売り場の上位コンセプト主導による転換」取り組みがあります。ここが通常のテナントミックス業務と大きく異なるところです。

「転換」を推進するためには、店舗内外・経営内外で様々な取り組み及びその支援が必要です。

経営者~店頭担当者の能力の転換、取引先開拓、販売促進、新たなサービスシステムの開発、店舗内外・街区の環境整備等々。
さて、これらの業務のすべてを「テナントミックス」一括することが出来るでしょうか?

たとえば、能力開発システムの一環として「販売士制度」を採用したとします。これもテナントミックス業務の一環ですか?
コトバの問題として整理、何でもありのテナントミックス計画ならそれでもいいでしょうが、活性化計画を「テナントミックス」レベルでとらえている都市で、「転換業務」の全体、サービスや販促業務までを含めて計画する力量は無いでしょうね。

もしあるとすれば、その計画は「テナントミックス計画」ではなく、「タウンマネジメント計画」になっているはずですから。

中心市街地のタウンマネジメント

この「タウンマネジメント」は、もちろん、ショッピングセンターのルーティーンワークのマネジメントではありません。

次の新着投稿を参照あれ
http://www.quolaid.com/cgi2/sunbbs/index.html
(1月26日の記事)
タイトル : マネジメントとは
投稿日 : 2004/02/01(Sun) 11:34
ドラッカーさんによれば、「言葉を実現する」ことだそうです。

所与の言葉(目的・目標)を実体化するのがマネジメントの役割。
テナントミックスかタウンマネジメントか、というのは「単なる言葉の問題」という人もあるいはおいでかも知れませんが、上記の通り、マネジメントとは言葉の問題、一字一句ゆるがせにしない、というのが基本姿勢です。

だって、「実現」を目指すのがテナントミックスかタウンマネジメントか、ハッキリさせておかないと後々の作業に次第に影響が出てくる、最後は行き詰まる、ということになりかねません。
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  • Author:売れる売場づくり本舗
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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