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商店街・意識調査について

商店街活性化対策の一環として「商店街の実態調査』があり、その柱の一つとして「商店主の意識調査」があります。
中活法、地域商店街活性化法以前、ビジョンや計画作り事業でさんざんやってきたことですが、TMOを中心とする取組が停滞するなかで、「もう一度商店主の気持を聞いてみよう」ということで、「中心市街地活性化のための・商店主意識調査」などが起案され、取り組まれる事例が出ています。事業の折から、何となく時宜を得た取組のように思えて、そういえばこれまではあまりよく把握していなかった」と思い当たったりすると、「そうだ、その手があったか」と膝をたたいたりして・・。

結論から言っておきますが、「何をやったらいいか分からない」、「取組が全く進まない」という状況(つまり、現在直下の状況ですね)では、「意識調査はしない」、懇談会も開催しない、というのが正しい。

逆に言えば、意識調査や懇談会などは「やるべきこと」が明確になってやる仕事だということです

■何故? 何故ならば 
不用意に意識調査をやってはいけない理由、山ほど(W ありますがいくつか紹介しましょう。

1.調査する側に技術がない
 何を言うか、調査項目の10や20、100や200は右から左に出してみせる、という人もおいでかも知れませんが、調査の目的は何なの?ということですね。調査には目的があり、結果についての予測があり、調査は予測を確認するために行うわけですから、そういう趣旨の設計をしなければならない。何でもいいからたくさん聞けばいい、下手な鉄砲も・・・と言うわけには行きません。

2.被調査者側に準備が出来ていない
  1のような人に限って設問を「意見」聴取にしてしまう。意識と意見は違いますからね。「意見は聞くな意識を調査せよ」、調査から問題点を発見したかったら、調査にはこのようなスタンスが必要になります。
 商店主の立場で調査を考えてみれば、とても回答を真に受けることは出来ません。


■商店主の回答態度 
  意識調査、まじめに答えようが脚色しようが何がどうなるものでもないことは先刻お見通し。抜本的な支援策でもあるのなら別だが、なんにも期待できないとしたら、Q「業績はどうですか」A「前年並み」、借り手を斡旋するという話があるわけでもないからQ「これからの計画は」 A「このまま商売を続けたい」・・・。
とにかく、なにか的確な支援が約束されている訳でもないのに、「商売は苦しい」、「止めようと思っている」、「なんとかしてもらいたい」などなど、実状はそうであったとしてもそう書いたからと言ってなんかなりますか? なにもないんだったら「前年なみ」「今まで通り続ける」と書いておく。

将来の方針については「今まで通り続けたい」という回答が5割以上というのが通例。だからといって「何が何でも続ける」という決心のもとで答えているわけではありませんからね。先ほど同様、別に本音を書けばどうにかなると言うことではありませんし・・・。

本音だったりするとそれはそれで大問題です。
だって「これまで通り続けたい」と希望しても「これまで通り」では「続け」られない、というのが商店街のお店が直面している環境ですからね・・・。

この回答で分かること。
転換しないと生き残れないにも関わらず、「これまで通りの方法で商売を続けたい・続けられる」と考えている人が50%以上を占めているということ。すなわち、商店主達の意識は現実の課題からと~ってもずれまくっている、ということです。
しかし、こんなことは調査をするまでもなく分かりきっていることですからね・・。

アンケート調査の回答は、すべての回答の後に[・・・と回答者は答えた」と補足して読むべき。もちろん答えが真か偽かはまったく分かりません。こういう調査を真に受けて施策なんか考えるととんでもないことになりますからね。


■消費者の意見も聞いちゃ駄目
消費者についても全く同じことが言えます。

消費者アンケートとやらで「商店街に欲しいものは?」と聞く。
「駐車場」という回答が100%だったとします。

このことから何が分かるでしょう?


■わかること

もちろん、「駐車場」という回答が100%だった、ということ。
分かったことはそれ以上でも以下でもありません。

勘違いして、消費者は駐車場が欲しいと言っている-駐車場があれば買い物に来てくれるそうだ-駐車場を作ろう、といった短絡・省思考で行動しないこと。

消費者は、「自分の欲しいもの」を回答したわけではありません。
親切にも「この商店街には何が不足しているか」ということを考えてくれたわけですね。
私は別だけど、駐車場があればきっとお客が来るのかも、と何の根拠もなく考え・答えたわけです。

ウソだと思ったら、「あなたは駐車場があれば商店街に買い物に来てくれますか?」、「そのお店はどこですか」と聞いてみるべきですね


■意識調査の目的
いやしくもTMO体制を運用して活性化を推進しようと言うくらいのところなら、商業者の意識などは掌を指すように把握していることが大前提です。いちいち商業者に聞かなければ分からない・聞けば分かると思っているレベルでは事業担当者としてはなはだおぼつかない(W。

商業者の意識調査の目的は、関係者とりわけ商業者自身が「自分達の現状と繁盛店を再現するために必要な問題意識・能力とにあいだにある大きなギャップ」を確認するための手法です。
調査の結果として、活性化を実現するためには○○○が必要なのにみなさんは×××だと思っている、このままでは活性化できない」ということを実証し、行動変容を迫る訳ですね。
商店主のみなさんが「なるほど、考えが間違っていた、これでは活性化できるはずがない、勉強しなくちゃ」と意識する=行動変容の第一歩ということです。

したがって、調査票の設問もこのあたりのギャップがはっきり出てくるものにしなければならない。

いくつか例を挙げてみましょう。


■たとえば
その前に、意識調査を商店主の皆さんの立場で考えてみると、

1.売り上げ激減、先行き真っ暗な時に
2.何の見返り(つまり活性化施策)の準備もせずに
3.人の気持ちを逆なでするような調査をしやっがて

ということですから、テキトーに書いとこ、となるのは当然といえば当然。設問を見るといろいろうるさそうだから「前年並み」を基調に答えよう、ということになる(W
つまり、全問作為した解答が寄せられる。調査主体はそんなことは百も承知、その上で調査結果を活用する、という方策がないと調査しても意味がない。いや、意味がないどころか「また暇つぶしにつきあわされた」ということにもなりかねません。
今時「前年並み」と言う回答が出てきたら、上のような心理状態での回答だと考えて間違いない(W

とにかく、相手が困っているとき、その気になってないときは調査をしてはならない、というのはこういう調査の場合の基本常識ですからね。

その気にさせるには、調査結果の用途がはっきりしていること。
抽象的に「今後の施策に反映させる」などではダメ、「問題点を見つけて対処する」と言うべき。もちろん問題点は調査対象である商店主の回答に現れます。

現れるような調査を設計するのが調査の根幹です。

個店の増税対応と商店街活性化の一体的推進

■暗中撫象的取組からの脱却。
通行量が減った、空店舗が増えた、駐車場が無い、アーケードの設置or撤去、魅力的な店が少ない、設備施設の老朽化等々、商店街実態調査の結果としてで公開される商店街の問題意識は(調査設計の不備もあり)、眼に見える通り景観の変化の指摘レベル。
状況は指摘の通りだが問題はそこから先。

 これらの指摘がそのまま「解決すべき問題、対応すれば商店街が衰退趨勢から脱却出来る課題」と受け取られ、施策が講じられ取り組まれる、ということ。
時間とお金を投じて取り組まれるがほとんど効果無し。

なぜか?
理由は明白、これらの現象の多くは商店街が広域において激化する商業集積間競争に適切に対応することが出来ずに顧客離れが生じた結果として発現しているものであり、対症的に弥縫しようとしても効果は得られない。
全国ほとんどの商店街の取組で実証されているとおり。

商業集積としての持続を望む商店街は、あらためて広域に於いて担う商業集積としての機能を定義、再構築を目指さなければならない。
折からの消費増税は街区既存の個店群を直撃しているが、対応する能力は極めて限られている。本来協働で課題に当たるべき組合は上述の通り弥縫策に終始指摘したため、タウンマネジメントとしてこの問題に対応する能力をほとんど持っていない。

■商業理論と経営技術の取得が課題
この問題状況を的確に把握し、取り組むべき問題を定義し、解決策を構想実践するには、状況判断―仮説設定―試行(実践)を一貫して導く〈商業理論〉を装備していうことが前提になることは言うまでも無い。問題は理論の必要が関係者に理解されず装備されていないこと。このため、活性化の取組は、 いつまで経っても暗中撫象的問題設定―効果無き対症弥縫の繰り返しという惨憺たる状況を呈している。

この状況の原因は、関係者の頭の中にあり、コペルニクス的転換が必要だが周知のとおり、信念化している慣行的問題解決手法を否定し、革新することは一般に難しい(らしい)。
これまで〈経験と勘〉で取り組んで来た経営を商業理論と技術に基づく「仮説―試行」に置き換えることには抵抗がある。

これまで学識経験者やコンサルタントによる指導助言は、他商店街の事例紹介がほとんど、環境の理解、問題の定義、実効的な活性化の方向と方法などについての提案はほとんど得られていない。
状況の理解・判断と対応策の構築には理論と技術が非通用だという提案が行われたことは無い。

このような状況で施行された消費増税。
その影響についてはこれまで述べてきているので省略するが、結果としての〈買い控え・店離れ〉は着実に始まっており、これにどう対応するか、ということが個Tンいとっての喫緊の課題になっている。
対応出来なければ廃業、組合からの離脱が続き、組織・商店街の存続に赤信号が点滅する事態も。

この状況にこれまでの活性化事業はまったく役に立たない。
通行量や空店舗問題は、商店街音創業集積としての機能が陳腐化した結果として起きていることであり、個々の現象に一体一的、対症療法的に対応しても、その現象が起こっている原因を解消することはできない。

取り組むべき問題と取り組まれている対策のミスマッチ。これが半世紀にわたって取り組まれている商店街活性化が一向に成功しない根本原因である。
このミスマッチを改善しない限り商店街が活性化され得ることはあり得ないが、取組が改善されることは難しい。

■閉塞状態に登場した千載一遇、起死回生の機会が消費増税。
長期衰退趨勢を加速する消費購買行動の激変と広域における異業態間・集積間競争の激化は、商店街立地の各個店の〈客数・客単価〉の激減として眼に見える形で影響が生じている。逓減傾向には止まる契機が無い。

各個店にはこの状況に適切に対応するための知識・技術が装備されておらず、持続可能性を維持することは難しい。
組合が拱手傍観すれば集積の不可逆的崩壊への幕開けとなる可能性が否定できない。
この危機を乗り越えるには直接個店群の業績の回復、それも即効かつ永続する施策に組織として取り組むことが必要になっている。施策は、当然、個店の業績改善に止まらず、持続可能性―再投資可能性の確保につながる増収増益性の再構築を実現しなければならない。

言うまでも無く、これは商店街の商業集積としての再構築と相即的に推進すべき課題であり、ここに、商店街活性化実現の戦略―商業集積としての再構築と各個店群の業績好転という二つの課題に一体的に取り組んでいく問題設定が〈消費増税〉を契機に可能になった、ということ。
すなわち、消費増税は個店の繁昌、商店街の活性化を一体的に推進するという取組を構築する絶好の機会を出現している。
ショックドクトリン=増税便乗型商店街活性化のスタート。これは最終便、乗り遅れると後がない
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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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