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商店街空洞化のメカニズム

「商店街活性化」を一言で表現すると、「来街目的の再構築」です。
商店街、来街目的のメインは当然「ショッピング」ですが、活性化が必要な状況に立ち至っている場合、街区全体で作り上げている「ショッピング目的の行き先」としてのあり方が「陳腐化―劣化―空洞化スパイラル」に陥っている可能性が高い。

 陳腐化というのは、恐ろしいですよ。当方は一所懸命、売場を経営しているのに、突然【競合】が登場すると状況が一変します。

 うちのお得意さんは当然【競合】に「お試しショッピング」に出かけます。行ってみるとわざわざ出店してくるだけのことはある、と思わせる店づくり。
お試しで来たつもりが、すっかり気に入って【競合】の「ご贔屓」になってしまう人があらわれる(2割もいたら大変なことになりますね)。そういう人から見ると、いままで何の不都合も感じていなかった商店街の行きつけの店がにわかに色あせて見える・・・。

 これが「陳腐化」です。陳腐化というのは個店経営が手抜きをしたことが原因で起きるのではなく、後発の【競合】との比較対象の結果ですから、とりあえず効果的な「打つ手」はありません。販売促進を始めいろいろ対策を打ってもほとんど効果が上がらないと思います。
そうすると何が起こるか?
お店が、売場が、劣化します。劣化は売場で起こります。
そのメカニズムは次のとおり。

 陳腐化は一挙に起こるのでは無く、徐々にしかし着実に進行します。陳腐化=向こうの店の方が自分に合っている、という人によるこっちに対する評価です。そう人が出て売上が一割減ったらどうでしょうか?商品の回転が鈍り、売場の鮮度が落ちる、粗利率が低下し、売場の魅力が劣化します。
 粗利率が低下すると経費削減ですね。人を減らし販促を減らし設備更新を延期し、売場は明らかに劣化します。陳腐化は向こうへ移動した人限りのことでしたが、劣化は誰の目にも見える売場の変化です。劣化が進むにつれてお客が減っていく。これが街全体で起こるわけです。当然通行量も漸減します。

 もちろん事態の進展に手を拱いている人はいません。減る一方の客数をカバーするには新規のお客が必要です。店前通行量が激減しているなか、どうやって確保するか?
【加上】が登場します。少ない通行量に確実に自店を視認してもらうには、店をなるべく目立たせなくては。のぼり、看板、ポスター等々
 さらに通行人の足を止める、と称して低価品のワゴンを店頭に繰り出す。
店頭部分だけみると、一体この店は誰に何を提供している店なのか、分からなくなってしまう。正体不明の店に飛び込む勇気のある(暇のある)一見さんは少ないでしょうから新規のお客さんなどとてもとても。
 さらに悪いことが売場で起こる・・・・。
のぼり、看板、ポスターで中の様子が見えないということは、同時に店内から外が見えないと言うこと。新規のお客が入ってこない不可視の売場で何が起こるか?
レイアウト、ディスプレイの劣化、商品管理の不徹底。たまに入ってきた一見さんが立ちすくんで「入らなきゃよかった」と悔やむ売場の出現。

 このプロセスを商店街単位でみれば、「競合」がショッピングセンターだった場合、個店がたどる陳腐化―劣化というプロセスは、そのまま商業集積としての商店街が辿る道です。個店の来店目的が陳腐化・劣化していくと、商店街全体が作っていた「来街目的」が陳腐化・劣化します。その先にあるのが空洞化です。

 先に進む前にここまでのおさらいをしておきます。競合の出現で個店が陳腐化―劣化のプロセスに入ると、商店街全体が陳腐化―劣化します。見て来たとおり。このプロセスを拒み、劣化しない方法があったでしょうか?これはよほど特別の条件がある場合に限られます。多くの商店街は効果的な対応策を講じることが出来ないまま、劣化スパイラルが進んだということですね。

 やがて、体力に問題のある個店から廃業するものが現れます。一般医商店街に廃業者は付き物ですが、いつもは個別経営の問題による廃業、しかしこのたびは違います。集積間競争の結果としての廃業ですから、いわば街なかに多くの廃業予備軍が予想されるなかで発生した空店舗ですから、従来の様に右から左へ借り手が付くというわけにはいかず、空店舗のまま固定化します。廃業圧力は強まりこそすれ衰えることはありませんから空店舗は増える一方。空店舗率10%,20%とアップする・・・。
これが商店街空洞化のプロセスです。

 あらためてこうして空洞化のプロセスを確認すると、陳腐化、劣化、空洞化は、実は物理的な・可視化出来る以前に、個店の来店目的、商店街の来街目的の陳腐化烈火空洞化という形で進行したのだ、ということですね。しかもそれは一般的、客観的な基準があってのことでは無く、商店街の得意客さんたちの主観的、経験的な買物行き先の選択行動の結果でした。

 これが「商店街空洞化」の実像です。
空洞化の要因として、中心部の人口減とか、都市機能の郊外移転などがあげられますが、けして主因では無い。空洞化の主因は集積間競争であり、そして商店街にはこの競争に勝つ方策はありませんでした。
 集積間競争は、来街目的の優劣を巡ってお客の頭の中で争われます。競争への敗北は商店街がかって提供していた「来街目的」が陳腐化―劣化―空洞した結果ですね。
自生的商業集積である商店街と計画的商業集積としてのショッピングモール等との「来訪目的」のレベルの差違などということもありつつ、長きにわたって取り組まれている「商店街活性化」のと取組、行論的には当然「来街目的の再構築」として取り組まれるべきところ、実際に取り組まれているのは、何を・なぜ:目的に掲げた取組になっているのか、その結果、活性化の取組は活性化の実現に向かって進んでいるのか、はたまた進んでいないのか?
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