商学の大罪

商店街はなぜ活性化出来ないのか?
隠れた理由として我々が指摘したいのは、商学、商学部の先生たちの責任。

ご承知の通り、各種の事業には学識経験者として商学部の先生が構成に加わっています。
専門家、学識経験者としての知見を提供してもらい、取り組みを成功に導いてもらうことが期待されているわけですが、期待が叶えられることはほとんど無いと思います。
なぜそう言いきれるのか?
答えは簡単、大学の商学部には商店街活性化を導けるだけの内容を持った理論が存在しない、作られていないのです。

商店街活性化を指導出来る内容を持った商業理論は、学界から提供されていません。
商店ギアを活性化するには現代商業を理解することが不可欠。そのためには所要のレベルの商業理論が必要です。

これまでの取組が成功していないのは、実践を導く商業理論が提供されていなかったから。
中心市街地活性化基本計画が活性化を実現できず、二兆数千億円が消尽されたのは商業理論が無かったから、といったら過言でしょうかね。

大店法当時から半世紀近くにわたって商店街活性化に伴走してきた商学界の責任は重大だと思います。

方法論とは

 方法論とはいったい何のことか?

 分かる人には分かるが分からない人にはさっぱり、という言葉が良くあります。
専門用語でもないのですが、知っている人はしょっちゅう使うが知らない人はも ちろん使いません。
 そのうち、機会があってその言葉が飛び交う場面に遭遇すると、使われている文脈でなんとか解釈して理解する。知らず知らずのうちに自分もその言葉を使う グループ の一人になっている。ある時そのグループに新人が入ってきた。
 この人も見よう見まねというか聞きかじりというか、いつの間にかその言葉を使う仲間入り。

 というような経験はありませんか。

 例えば「活性化」あるいは「商店街活性化」などが典型的ですね。関係者の誰もが使っているが、あらためて考えてみると、はて、どういう意味だったっけ?

 「方法論」もそういう言葉の一つです。
 「ノウハウ」みたいな意味から「真理に至る方法」までいろんな意味で使われ ています。
 このコーナーは、「方法論」をテーマにしているわけですが、ぶっちゃけ、方 法論ってなぁ~に?というところから始めましょう。

●その前に「方法」について。方法って何でしょう?

 方法とは「やり方」ですね。何を? 何でもいい、とにかく何かをやるやり方、が方法です。さらに考えてみると、何かをやる、ということは多くの場合、本人にとってプラスと思われることを増やす、マイナスと思われることを減らす、と いったことであることが多いと思います。

 つまり、方法とは中身は何でも良い、「期待していることを実現するやり方」と考えましょう。
如何ですか。方法がいいと・・・・、悪いと・・・・、と考え ればこの定義で良さそうですね。
 使う場面もペンキを塗る技術、海外旅行の楽しみ方、恋愛、利殖・・・何でも ありです。
哲学などでいう「方法」ももちろん含みます。ちなみに哲学でいう「方法論」は「認識論」に近いのですが、もちろんこの場合の認識論は認知科学とは全然違い ます。このあたりのことはいずれまた。

●「方法とは期待していることを実現するやり方」である。
 この定義はしっかり頭のなかに入れておきましょう。

 「方法論」とは「方法について論じること」です。
 したがって、先ほどの定義を使ってこのコーナーを定義すると、「期待してい ることを実現するやり方」についてあれこれ論じる場、ということになります。

 ここの議論に加わると、方法についての知識が整理され、個別の問題で期待して いることを実現する能力がアップするかも知れません。

 「方法とは期待していることを実現するやり方」であり、「方法論とは方法につ いてあれこれ論じる」領域の話です。

 「科学方法論」とは科学の方法、すなわち「科学的な知識」についてその正格や科学と非科学の区分などについて論じる学問です。
 学問的に「方法論」といえばこの意味で使われることが多いようです。これは大 変面白い分野でありまして、「社会科学」の方法論、社会に関する多様多岐な知識のうち、科学的知識と非科学的知識を区分する基準は何か、というような問題があ ります。
 経済学が高等な数学を駆使していますが実際には全く有効な経済政策の提案に成 功していないのはなぜか、などということを考えてみると経済学って一体何だ?、
という疑問が湧いてきます。
 いずれそのあたりのことにも触れてみたいと思います。

 それではテーマを提案します。
●「方法論」は、方法を論じますが、「この方法でやれば成功する」という方法論が分野を問わず、存在するものでしょうか?

 「科学」の世界には「この方法でやれば間違いない結果が得られる」という方法はありません。ちょっと考えたらありそうに思えますけどね。

 話がずれました。
「この方法は成功するための方法だ」という方法があるか否か?
如何でしょう?

 これは有り得ません。
 したがって、「必ず成功する方法」らしいことを主張している人は、方法論が分かっていないレベルの人か、分かっていながら謀ろうとしている人か、どっちかだ ということになります。どちらにしても要注意です。

●さて、「必ず成功する方法」はどうして有り得ないと断言できるのか?

 「必ず成功させる」方法とは、「必ず成功する計画」を立てる方法を意味します。
 もちろん、計画などはどうでも良い、この方法さえとらばどんな計画だろうと必ず成功する、という主張も有り得ます。「祈祷」などがその一例です。
 「こうすれば必ず成功する」という方法を客観的に(誰が試してもその通りの結 果が生じる)証明することだが出来ないことは当たり前ですが、だからといってこ ういう方法が無い、ということを証明することも実は出来ません。無いと思うがひょっとしたらあるかも知れない、ということです。
 こういう「方法」については敬意を表して近づかないことにします。

 ここで有無を論じるのは、合理的な思考を重ねていくことでそういう方法に辿り着くことが出来るだろうか、
 成功を目指す計画には計画を推進していく将来の環境の変化を予測し織り込んで おきます。不測の変化に対応する予備の能力も必要です。成功するためには計画を立てるにあたって、将来の変化の予測がきちんと出来る、ということが第一の条件になります。
 立案能力がどんなに優れていても、前提となる環境変化の予測が間違っていれば計画は実状にそぐわなくなり成功はおぼつかなくなります。

 このように考えると、「必ず成功する方法」がもしあるとすれば、それは「将来を予測する力」に大きく依存していることが分かります。

●それでは「将来を確実に予測する方法」はあり得るでしょうか?
未来を正しく予測する、ということは難しいですよ。

 「正しく予測する」=「あることが起こると予測する」ことは「他のことが絶対起こらないと約束する」ということですからね。これはちょっと出来ないでしょ。
 これをやろうと思ったら、いろんなことについて「絶対起こらない」ことを証明し なければいけない。これは事実上無理。だから正しい将来予測は出来ない。

 正しい将来予測の方法がないということは、「この方法で計画を作れば正しい計画が出来る」という方法が無い、ということですね。

●それでは「良い計画の作り方はどうでしょうか?

 これはどんな理論を持ってきても同じことです。
 現時点ではいろいろな明日が可能なように見えていても、実現する明日は唯一これ だ、なぜならばこれこの通り、他の道は禁止されている、ということを証明しなけれ ばならない、ということですからね。

 予測は、過去に正しく予測が出来た、とか、○○の方法を応用した、などというこ とは一切関係有りません。「他の可能性は全て不可能である、なぜならば・・・」と いう形の証明が必要です。

 噴飯的なものとしては、宇宙の法則、人間の心理・行動の原則等々から明日を予測するというアプローチがあります。これはマンガですね。  宇宙の法則から明日の予測までの間には、我々が認識・処理不可能な無数の階梯があります。それらを無視して、「法則がこうだから」、「明日はこうなる」と予言するのは、下駄をけ飛ばしてひっくり返ったから「明日は雨だ」というのと似ていま
す。
 もちろんたちが悪いのは「法則」のほうですね。

商店街組織、今そこにある課題

商店街組織(以下「組合」)の喫緊の課題は、組合員(以下「個店」)の販売不振に陥っている売り場を「売れる売り場」に変えること。これを実現しないと折角取り組む各種の活性化事業の成果が「売上の増加・得意客の増加」として結実しない。

 個店の業績はオーナーの責任、と言えばそれはそのとおりだが、それでは組合、商店街が保たない。個店が現在進行中の環境変化に対応する知識と技術を入手し、活用するというのは不可能だ。全組合員に共通するこの問題に組合が対応しなければ協同の名が泣くというもの。

 個店ごとに適切な知識・技術を入手しそれを売り場に応用するというのはあり得ない話。個店ごとにコンサルタントを確保すルトか出来るわけが無い。第一適切な理論・技術・指導者をどこで確保するのか?
以上を考えれば、通行量をお客に転化するのは個店の仕事とはけして言えないことが了解されよう。

 組合が一丸となって推進しなければならない、商店街活性化の核心となる「売れる売り場づくり」、これは「小売業のプロ」の集団である商店街・個店群の自力だけではまず実現出来ない。繁盛している店舗のノウハウを他店に回す、というのは言った見ただけに終わること必定。

 「ポスト・基本計画」時代の商店街活性化、もはや個店売場のあり方・動きが変わらない施策ではいくら取り組んでも蓄積すべき成果が得られないことはハッキリしているはず。この上従来の事業をくりかえすというのは、そら、組織の目的、現状に照らしてあってはならないことのような。

 とはいうものの、これまで理論と技術の欠如にまったく手を打ってこなかった組合がポスト基本計画という問題状況の変化を自覚し、対応策として「売れる売り場づくり」を打ち出し必要な事業に取り組めるかどうか。
これは自覚しないと国も自治体も専門家も言ってくれませんからね。
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有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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