間違いだらけの商店街活性化4

通行量増大」という大まちがい

商店街活性化における通行量増大には(当事者には理解されていませんが)、
1.活性化を実現する手段としての通行量増大と、
2.商店街活性化の進捗状況を測る数値目標としての通行量増大
の二種があります。

 商店街活性化における通行量の測定は、一定の時間に商店街内にいくつも設置される測定場所を歩いて通過したすべての人数を対象にします。一人の来街者が複数の測定場所を通過すれば通過した回数だけ通行量として計上されるわけで、商店街活性化で問題となる通行量とは回遊者数のことですね。

 回遊とは、一人の来街者が複数の店舗を訪れるため街路を行き来すること。通常、回遊量が多いことは当該商店街の商業集積性が充実しているとをみなされる。通行量が活性化進捗状況を測る「目標数値」に措かれるのは、集積性の充実を目指す各種施策の総合としての成果が「回遊量の増加」として現れる、という仮説によるわけです。

 この意味での通行量増大については、
『試論「数値目標」と商店街活性化への道』
goo.gl/38Vkau
を参照してください。
以下、ここでは活性化の手法としての通行量増大(「2」の意味)について検討します。

 「間違った」通行量の増大とは、活性化の進捗を測定する数値として通行量の増大を掲げたとたん、「通行量を増やすこと」が自己目的化しているもの。
回遊を促す機能を充実する施策を講じるべきところが、来街者を増やす施策に短絡してしまい、目的不問、来街してもらいさえすれば良いという様に転倒しているものです。
集客イベント、集客施設の新設、街並み景観整備、マンション建設、等々。

 商店街活性化施策としての来街者増大施策の論理は、
1.来街者増大
2.個店入店・買物客増大
3.得意客増大
4.来街頻度増大
5.買い回り増大
もって
目標数値:「通行量の増大」を達成するというものですね。

 しかし1の実現が、即・2の実現につながるものでは無いことはこれまで縷々申し上げているところ、そうで無くても皆さん、経験からも良くご承知のとおりです。

 しかし、残念ながら現場の取り組みは「来街者の増大」を実現すれば、即、通行量の増大が実現すると短絡した発想に止まり、目的不問・来街者増大が目的化しています。
上記の「論理」では来街者を街なか回遊者に変える「ショッピング行き先として魅力を持った売り場」の存在が大前提になっていますが、空洞化している商店街に条件を満たす個店は少ないのはご承知のとおり。
来街訴求イベントなどで一過性の来街者を集めても、それがショッピング客~得意客~化勇者の増大につながることは厳しい状況ですね。
集客イベントの本当の目的は、イベント終了後、翌日から商店街にショッピング目的で来街するお客が増えることですが、現在の取り組みは集客イベントの内側に終始しています。

 来街者の増大を通行量の増大に帰結するには、ショッピング行き先として選ばれる条件を整えた売り場の存在が不可欠ですが、そのための実効的な施策は講じられないというのがほとんどの商店街の活性化事業の現状です。
基本計画などにも、個店の理論・技術改善向上のための事業は何一つ計画されていない、ことはご承知のとおり。

 その結果として、通行量増大施策は「空回り」に終始しているわけです。
「間違いだらけの商店街活性化」は、「街区内通行量の考え方・施策のあり方」に始まり・終わると言っても過言ではありません。
 こ商店街活性化=通行量の増大と取り組みが短絡する原因は、1970年代:大店法の制定当時に遡りますが、以来今日まで連綿と継続されている「効果なき活性化策」。
“組合の仕事は街に人を集めること、集めた人を買物客にするのは個店の仕事”とは組合のリーダーさんがよく言われるところですが、個店にそういう魅力が備わっていれば、商店街活性化・来街者増大施策も効果があったことでしょうが、残念ながらこてんに一見の来街者を自店のお客に転化する、衝動入店させる力はありません。

 このことが理解されていれば、集客イベントに先だって「売れる売り場の作り方」、「選ばれる売り場の作り方」の論理と技術の研修に取り組まなければならないのですが、ほとんど取り組まれることが無い。支援指導にあたっている学識経験者、コンサルタントも「個店売場の陳腐化、劣化」という問題には触れることが無い。

 商店街活性化にとって「個店・シャッターの内側」は不可蝕聖域扱い、だから活性化事業はキモである「売場の改革」について「問題ない」という立て前で、「店前通行量の増大」に専念することになる。
「集客事業と聖域」は、同じ問題というメダルの両面かも知れません。

 ガチで商店街を活性化したければ、「通行量の神話」から脱却せすること、そして仲間の神話信仰を破釈せよ、と言うことですね。
あらゆる施策が「通行量の増大」を目標に展開されているこんにち、これを「得意客の増大」に転換することが活性化実現の絶対条件だと思います。

次は、商店街活性化のいま一つの代名詞「販売促進」について。
はっきり言って、商店街が取り組む活性化施策としての「販売促進」=来街・来店訴求施策は間違っています
-
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ