商店街活性化はなぜ必要か?

 税金を投入し、行政を始め外部の人材多数を参画させてまで、なぜ商店街を活性化しなければならないのか?
(※2012年5月の記事再掲)

 コミュニティ機能だから維持しなければならない、という最新版を始め、様々な視点からその必要性が唱えられていますが、今現在、当記事を読んでいらっしゃるあなたは、商店街活性化はなぜ必要か? 胸を張ってその必要性をきちんと説明できますか?
 その説明は、説明を受けた相手から“なるほど、そういうことなら商店街は是非活性化しなければならない”と心の底から確信してもらえる内容、競合する郊外型集積の関係者でも“それも一理あるな”と認めざるを得ない、そういうレベルで「商店街活性化の必要性」を構築することが必要です。

 言うまでもなく、「必要」かなければ、いくら取り組んでも「活性化の実現」という成果に結びつけることは出来ません。
 商店街はなぜ活性化しなければならないか?
今どき発せられるこの質問の意味するところは、“商店街を活性化するために何故税金を使うのか?”ということですからね。

 小売商業の機能=消費財を品ぞろえして消費者に提供する,ということなら商店街立地以外の商業者でも、(商店街以上に)上手にやっています。
市民の中には、“商店街が無くてもショッピング行き先には困らない”、という人も大勢います。

 税金を投入し、行政を始め、外部の人材多数を参画させてまで、なぜ商店街を活性化しなければならないのか?
 
 この問いに答えるには「商店街活性化の方法と方向」を正しく理解しておくことが必要です。方法と方向が理解されていないと、いくら税金を投入しても「リターン」が発生せず、リターンが発生しないと商店街か活性化した、とは言えません。
「リターン」とは何か?

第一に、地域住民が稼いだお金が域内を回流すること
第二に、商店街に新しい投資機会=信用創造が実現すること

 この二つが実現することで、小売商業が「地場産業」として地域の活性化を牽引する役割を担うことが出来ます。

 ご承知のとおり、『中心市街地活性化法』では、中心市街地活性化を定義して、
①(中心市街地所在の)都市機能の増進 及び
②経済活力の向上
としています。覚えていますか、皆さん(w

 全国都市の中心市街地にあまねく立地している「都市機能」は商店街、商店街=中小小売業の集積は、「経済機能」であることは言うまでもありません。『中心市街地活性化法』が期待する中心市街知の活性化においては“経済機能としての商店街”の活性化が極めて重要な位置を占めています。

 さて、言うまでもなく、都市の縁辺地域にはいわゆるショッピングモールをはじめ「郊外型商業」が蟠踞しています。商店街の空洞化にこれらの郊外型商業の進出が大きく影響していることはいうまでもないことです。
“ショッピングセンターがあれば商店街は必要ない”という人もいますし、中心市街地に住んでいる人達もたいていは郊外へショッピングに行っています。

 郊外型商業(チェーン小売業)は何を目的に進出しているのでしょうか?
広域の住民の生活に【消費財】を提供することで、【売上】を作り、【利益】を得ることですね。
問題は、この売上(そのもとになっているのは地域住民の所得(給与や所得)の行き先です。
チェーン小売業の売上は即日本部に回収されます。
本部から環流されるのは、店舗の経費だけ、利益部分は本部に収納されてしまい、二度と地域に戻されることはありません。
これがずうっと続くわけですね。
地元企業がいくら稼いでもそれが消費段階でチェーン店に向かうとあっという間に地域から消滅します。

一方、商店街立地の地場小売業の場合はどうでしょうか。

地場小売業、聞き慣れない言葉ですね。

takeoが最近思いついた言葉ですが、商店街・中心市街地活性化、さらには国産消費財流通全全般の活性化そしてもちろんわが国経済の将来を左右することになるであろう言葉です。

 地場企業=当該地域の企業者が起こし、当該地域を対象に営業する企業のこと。
地域住民による地域のために地域の資源を活用して営まれる営利事業です。
地域の経営資源を活用して営む企業ですから、その経営活動は域外から移入せざるを得ないものを除いて域内で調達します。人・もの・金。

 地域住民が経営する地域住民を対象にした事業はすべて地場企業です。
建築関係、個人向けサービス関係、住宅向けサービス業等など、枚挙にいとまがありません。もちろん、我が商店街に立地する地場中小小売商業もその仲間です。
これらの企業に共通しているのは、そこを通過するお金がすべて地元から入り、そして域外からの調達などを除く経営費用もすべて地元に出ていく、ということです。

 創業資金・運転資金を地元金融機関から調達し、地元顧客を対象に売り上げを簡単にいえば、「粗利=付加価値」のほとんどすべてが地元に回っていく、というのが地場企業の、したがって地場中小小売業の経営活動の貨幣面の働きです。
地場でない、例えば郊外のショッピングセンターなどとの違いは明らかですね。
ショッピングセンターは、消費財の販売を通じて地元のお金を集金して本部に持っていく、という活動のために出店しています。
好むと好まざるとに関わらず、SCでの買い物に使われた地元のお金はその日のうちに本部に回収されるのです。
地元の「粗利」は本部の粗利、その使い道は本部が決定し、当該企業の優先順位にしたがって使われていきます。

 地元の中小小売業が一念発起、繁盛店への転換を決意し、見事「繁盛への道」を築いたとします。
お客がお店を信頼してくれたわけですね。
お店のお客に対する信頼は、お店の信用となり、経営の拡充に必要な資金調達が可能になります。ここがポイントです。

 経営活動によって作られた信用に対して地元金融機関が貸し出しを行います。
ここでいままで地元で使われたことのないお金が地元に生じます。このお金は商店から地元の建築業その他へ回っていきます。
地元の小売店が再投資をすることは、これまで地元に無かったお金が地元を回流する、その分だけ地元で流通するお金が増えることを意味します。

 ショッピングセンターの売り上げは、いくら売れてもこのような働きには関係ありません。ひたすら地元のお金を本部に持って行くばかりです。
地元資本の小売店が頑張ると地元を回るお金が増える、これは地域にとって経済がその分だけ成長する可能性が生まれること、すなわち、活性化することそのものです。

 まず、このことをしっかり理解しておきましょう。
ショッピングセンターで使われた一万円と商店街で使われる一万円、地域経済全体に及ぼす影響は全く違います。
ショッピングセンターで使われたお金はその分だけ地元から使えるお金が減ることを意味します。
商店街で使われるお金は「粗利」に相当する分は地元で回流します。
まず、
この違いをしっかり理解しておきましょう。

 こういう状況において考える“商店街活性化は何故必要か?”という問題、困っている商業者を助けるため、とか、せっかくの街への投資を無駄にしないため、とか、「中心」がないと街らしくない,コミュニティの担い手だから、などなど、経済や特に消費購買行動とはあまり関係のないことを並べても“なぜ必要か?”という問いの答えにはなりません。

 前にも書いたように、商店街は「中心市街地に立地する経済機能」ですから、その必要性は「経済的必要性」を中心に考えなければならない。

 いいんですよ、“物売りだけが商店街ではない”という主張があっても。
でもそこが商店街である以上、「物売り」機能は基本中の基本ですからね。“物売りだけが商店街ではない”と言いたかったら、ちゃんとものが売れるようになってからにしていただきたい。

 思わず脱線してしまいましたが。
この時期、本気で“商店街を活性化したい”と思うなら、まず“都市の経済機能としての小売業”の現状を観察し、そこに解決すべき問題を発見すること。
当該都市における栗商業の配置状況に“問題”を発見しなければならない。その現状に「問題」が見つからないとすれば、残念ながら、商店街活性化は不可能です。諦めなければならない。なぜそう言えるか?

 都市の小売業の配置に問題がない(商業機能は十分間になっている)とすれば、商店街を活性化する必要はありません。もちろん、そこに立地するここの商業者・組織にとっては大きな問題ですが、都市や市民にとっては“何が何でも”活性化しなければならない理由はありません。

 っしかし、もし“都市の小売業のあり方”に「問題」が見つかれば、その問題を解決する手段・機能として商店街を活用出来るのではないか? もちろんそのためには商店街が現状ままではだめ、機能を改革しなければならない、つまり、活性化しなければならない。
問題が見つかり、その解決策として「商店街活性化」を位置づけることが出来てはじめて、“商店街活性化は必要だ”という客観的な根拠が主張できます。

 “商店街が活性化しないと、何が・何故、いけないのか?”
特に「住民の福祉の向上」「地域経済の改善発達」などを目的に掲げている団体・組織に所属し、「商店街活性化」を担当している人は一度はしっかり考え、必要性及び実現の方法と方向について、ぶれることのない確信を持っていただきたいと思います。

 これは中心市街地・商店街活性化に限ったことではなく、都市の活性化、地域の活性化という上位課題についても同じことが言えるのでありまして、もちろん、その「必要性&可能性」についても共有することが必要です。

 先日、茅野市で開催された個店経営研修事業の成果報告会に臨席された柳平市長さんは“事業の成果を市の産業振興ビジョンに反映させる”とおっしゃいました。
 今求められているのは“地域経済の活性化を牽引する商店街活性化”であり、必要とされているのは“地域経済活性化の担い手としての商店街の再構築”です。

 皆さんが取り組んでおられる「商店街活性化事業」は果たしてこのような方向を目指しているでしょうか?
3年後、5年後、御地の商店街はどうなっているでしょうか?

 「物売り(お客から見ればショッピング)機能」が再構築され、その結果、“ショッピングを堪能する”人たちで街が賑わう、というあるべき方向への歩みが始まっているでしょうか?

 経済機能としての商店街は何故活性化しなければならないか?
 どうしたら都市機能としての再構築が可能か?

 いくら商店街の現状を見ても答えは出てきません。

続きは:掲示板【都市経営】で。

売れる売り場づくりと中心市街地活性化基本計画

あなたは『中心市街地活性化基本計画』を読まれたことがありますか?
『〇〇市中心市街地活性化基本計画』で検索すると、すぐ入手出来ます。
未見の人は、あなたの個店経営に直接関わる計画、時々チェックして下さい。

チェックするのは「第七章中小小売商業高度化事業を始め・・・・・経済活力の向上のための事業及び措置」としてどのような事業及び措置が計画されているか。
ポイントは、計画されている事業及び措置が推進されると自分の経営にどう影響するのか、計画では商店街―自店はどのように動くことが期待されているか、ハッキリわかる計画になっているかどうか。

さらに計画は、「ショッピングモール時代に、我が中心商店街に期待する役割」をハッキリ示しているか?
計画されている事業に取り組めば、役割を担うために必要な体制が作られるのか?
計画されている事業に取り組むことが「自店の繁盛への道」になるのかどうか?

答になるようなことはほとんど書かれていないと思います。

総務省のレビューで指摘された「ほとんどの基本計画が効果が発現していない」根本原因は、中心商店街という既存の商業集積をどう再構築するのか、という中心市街地の根本問題がハッキリ把握されていない。
そのために『ショッピングモールとの棲み分け』、「売れる売り場づくり」など活性化実現の根幹に関わる課題への取組が全く計画されていない。
これは御市の計画だけでは無く全国ほとんどの都市の計画に共通する明かな「欠陥」です。

基本計画には商業集積としての在り方を再構築する、ための下位計画が立てられていないので、基本計画から中心商店街が進むべき道、進むために必要な事業を引き出すことはできません。
個店経営の持続可能性を確立する方向も示されていない。
自分たちで考え、構築しなければならない。

そのための取組が「売れる売り場づくり、キラリ輝く繁盛店づくり」です。
その効能は
1,取り組めば売上げがアップする
2.「売れる売り場」を作り維持する「あたま」が作れる
3.運命を共有出来る仲間が増える
4.商店街の商業集積としてめざすべき方向と方法が分かる
等々。
正しい方向を選択すると,複雑に入り組んでいる様々な問題が“霧が晴れたかのように”ハッキリ見えて、解決出来るようになります。凄いですね。

商店街の皆さんが今すぐ着手すべきことは「うれる売り場づくり」。
この事業に着手し、その効果を確認することが、次の取組への展望を切り開いて行きます。
繁盛可能性を実証してみせる相手は、商店街の中だけでは無く、基本計画を作り、推進している自治体の首長さん以下関係各方面も含まれます。

個店経営は、自店が繁盛すればお客さんの生活堪能を実現し、商店街活性化の実現につながり、さらに市民所得の市内循環も拡大するという都市にとって不可欠の存在、誇りと自信を持って商売繁盛に邁進しましょう。

もちろん邁進するのは「売れる売り場づくり・キラリ輝く繁盛店づくり」。
他の選択肢はどこからも提案されていません。現状路線を辿るのか、キラリを採用するか,二つにひとつ(^_^)

 昨日、ネット上でメールアドレスを入手している商店街にはメール添付で講習会【売れる売り場の作り方】の開催をお奨めするDMを発送しました。あなたの商店街には届いているでしょうか。

案内の入手は こちら
有限会社クオールエイド
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  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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