「加上」と「移行」

 繰返し注意を喚起しているように、「活性化」という言葉は定義
されないまま使われています。当社は、「中活法2条」の活性化が
必要な中心市街地の要件の一、「維持に支障が生じている」を援用
して、次のように定義しています。

 活性化とは、このままでは維持することが出来なくなる対象に
適切な施策を講じて持続可能性を取り戻すこと。

対象のあり方そのものを変革しなければならない、とする考え方。

いかがでしょうか。
このように定義すると活性化事業の目的・目標が明確になり、
事業が備えておかなければならない要件も検討しやすくなります。

さらにもう一つ大事なことがありまして。
活性化が必要な状況はなぜ起きているのか、を見極めること。
活性化が必要な状況はなぜ起きているのか?
原因をどうみるかによって事業に取り組む基本姿勢が決まり
ます。

 原因は大きく見て二つに区分されます。
「静態」と「動態」です。
前者は、対象が陥っている問題状況を「常態からの部分的・一時的
変化」と見なす立場。この場合、状況は修復可能であり、事業は
常態への「復帰」を目指すことになります。
商店街が衰退趨勢に陥っているのは、何か(通行量、イベント、
核施設など)が不足しているから、事業に取り組んで不足を補えば
商店街は活性化出来る、という考え方。
我々が「加上」と命名している方法です。

 取組の基本的な構え、もう一つは、
問題が起きているのは、環境に従来の(状態的な)あり方では対応
出来ない変化が起きているため、解決し持続可能にするには、
状況に対応可能なあり方を構想し、現状からその方向へ抜け出して
行かなければならない、とする立場。
われわれが「移行」を名づける姿勢です。

 加上と移行、どちらかが正しく片方は間違っているというのでは
ありません。問題が起きている状況によって復旧できるのか、それ
とも移行しなければならないのか、選択することになります。

 そこで、商店街・中心市街地・都市が直面している問題:活性化・
創生をあらためて考えて見ましょう。
目指すのは持続可能性の「復旧」か、それとも「再構築」か?

 ここで考えなければならないことが2つ。
1.問題は、商店街や都市の規模や特性に関わらず全国的に発生
している。
2.「復旧」についてはこれまで散々取り組んで来たが、ほとんど
成果が上がらなかった。
3.環境の変化はさらに深化し,状況は日増しに悪化している

 という状況で、もはや問題は不足を補って改善可能なものでは
無いことが明らかです。
商店街・中心市街地・都市は、環境変化の趨勢を見極め、「持続可能
なポジション」へ移行しなければならない。

 この時代において活性化とは「持続可能なポジションへの移行」
を意味します。もはや「加上」では現状維持すら出来ないことは
これまでの取組で十分経験してきました。

 地方創生も全く同様で。
総合戦略の策定にあたっては、基本方針を「加上(企業誘致、
集客施設整備など)」に置くのか、それとも「移行」を決意する
のか、内容が大きく変わります。いえ、内容というより取組の
姿勢と言った方が適切でしょう。
前者は、関係者の基礎体力や態度の変革は不要ですが、後者は
自力自助、自分たちの力で自分たちのあり方を変革していこうと
いう取組です。
変動する環境における取組の基本的な構えとしてどちらが適切か、
敢えて申し上げる必要は無いと思いますが、加上と移行、それぞれ
意味するところはきちんと把握しておいてください。

時機未成熟原理(再掲)



 20世紀初頭、英国の古典文献学者・コーンフォードという人が発明
した「原理」でおなじみオーシュマンさんのご紹介です。
(A・オーシュマン『反動のレトリック』 1997 法政大学出版局)。

 『時期未成熟原理」とは,
①提案されている「やるべきこと」は確かに正しいことであり、
②やるべきことであることに疑いの余地はない、が、しかし、
③現時点では時機が熟しておらず、
④「残念ながら」取り組むべきではない、という主張。

 この「原理」、我らが中心市街地、とりわけ商店街活性化の取組に
おいて、「個店の転換への街ぐるみの取組」などという前代未聞の
方針が提案されますと、必ず出てくる反対派のレトリック(論法)です。
「キラリ輝く繁盛店づくり」もメールなどでの知らせによれば、この原理
の前に、全国各地で幾度となく敗退しているようです。
もちろん、反対するのは商店街のお歴々だけでは無く、行政の担当者
から商工会議所、まちづくり会社の担当者まで意志決定に関わる人なら
誰でも“反対”の根拠として持ち出す可能性がある原理です。

 では、未成熟と判断する根拠は何か、いつになれば時機は成熟する
のか、どうやって成熟に持っていくのか、という話になると、とたんに
うやむや、もちろん対案などは絶対に出てきません。

 最後には提案自体が「無かったこと」にされていつも通りの日々に
戻ってしまいます。
こういうレトリックを駆使する人は、本人が本当に時機が来ていないと
判断しているのか、単にやりたくない口実にしているのか、いずれに
しても活性化の取組に水を掛けているわけで、結果として本人さえ
望まない事態を迎えることになることだけは確実です。
しかし、きっとご本人は自分の言動の結果とは絶対に気づきません。
幸せな人たち。

 もう少し踏み込んでみますと。

 「下」からの新しい事業の提案は、現在の方針、ひいては執行部への
批判と受け取られやすく、若造が何をこしゃくな・「時期尚早」と勢いで
なってしまうということもありそうです。
そして、全体の空気はといえば、しかるべき人が「時機未成熟原理」を
発動させたとたん、論議は打ち切り、ということになりかねません。

 時機未成熟原理、変化への行動を望まない・現状維持を願う気持ちの
現れであることが多いようですが、商店街の場合、現状維持を目指すと
現状さえ維持できない、というところに問題があるわけで、したがって、
この「原理」には何としても立ち向かわなければならない。
向こうがレトリックで来るならこっちだって、と行きたいところですが、
こちらは正論、何処が悪い&当たって砕けろ派が多そうですから、苦戦が
予想されます。
何回か衝突すると“もう止めた”と組合活動から手を引いてしまう。

 そういう商店街の雰囲気はよく分かりますから、たとえ空店舗活用で
新規開店があったとしても組合には入りたくない、ということで街で
商売はするが組合には入らない、という人が増えてくる。
時機成熟どころか組織は確実に衰退していきます。

☆やる気があれば消える障碍

大事なことは、「時機未成熟」というのはレトリック(論法)であって、実状とは
無関係だということです。「時機未成熟」を指摘する人は、「未成熟だから取組
に当たっては〈未成熟からのスタート〉であることを勘案しよう」と考えている訳
ではありません。
そもそも提案に反対であり、その根拠として未成熟論を持ち出しているのです。

こちらとしては、未成熟という現状を前提に事業を組み立てているわけですが、
いったん「未成熟」を指摘する発言が公に行われた後で説明しても弁解にしか
ならない、しかも相手の立場を否定することになりますからね。
そもそも、未成熟を指摘する、という相手の動機を考えると会議の席で論破する
というのは得策ではありません。何しろ、これからもずっと同じ組織で「革新」に
取り組んで行かなければならない「仲間」です。

 大事なことは、「意志決定のための会議」において「時機未成熟」
発言が出ないようにあらかじめ手を打っておくこと。
つまり、根回しをしておくこと。
根回しで未成熟原理が発動する根拠をあらかじめ封じてしまう。

 企画を説明に行くと,前もって「反対」という立場ですから、その場で
「未成熟原理」が発動する。発動してからでは遅いので、企画説明段階で
「未成熟からのスタート」であることを強調、事業に取り組む過程で
成長していくのだ、ということをしっかり説明する。
「未成熟だからこそこの事業が必要だ」という方向で説得です。

この段階、なるべく少数で行う。1対1がベスト。
とにかくこちらが向こうより人数的に少ないときびしいかも、です。

 大切なことは「意欲」、「気概」を見せること。
口には出しませんが、「あんたや組織が反対するなら有志だけでも取り組む」
という気概でその場を支配すること。
「やる気」を認めさせ、「やる気が実るよう」力を貸してください、
というのがいいですね、ホントのことですから。
会議では前向き、見守り発言を取り付ける、最低限、反対発言は絶対に
しない、と約束してもらう。
これが根回し。

 成功するか否かはこちら側のやる気の程度に掛かっていると思います。
反対しても進める、何が何でも前進する、という気概をハッキリ示し、
「時機未成熟」原理が「反対の論法」であることを理解すれば、組織内の
「思慮深い」反対論には対処できますね。

☆『反動のレトリック』は、社会改革の主張を検討批判するもの、もうすこし
紹介しておきます。

 フランス革命=急進的改革については当時から今日に至るまで根強い
批判があることは周知のところですが,オーシュマンさんによれば,
反対派のレトリックが3パターンありまして,

1.逆転テーゼ:
 試みは一連の意図しない結果を招き,目的とは全く逆のものを生み出す
という論法.「生活保護」が人間を怠惰にしてしまい,結果的に人を
助けるどころかさらに立ち直れないところへ追いやってしまう,など.

2.無益テーゼ:
改革は社会の「深層構造」にまでは及ぶことが出来ず,表面的・外見的な
ことに過ぎず,幻想に過ぎない.多大な努力は結局無益に終わる,という論法.

3.危険性テーゼ:
提案されている改革は,例えそれ自体は望ましいものであったとしても,
それを行おうとすると,別の領域でくだんの改革とは比べものにならない
災厄を結果する可能性が高い,やめとかんかい,という論法。

 こういうお定まりの論法は,あたかも特定の提案について真摯に考慮
した結果として発言されるものである,という形を取っていますが,
ご覧の通り,「はじめに反対ありき」「とにかく反対」ということが
先にあって,反対を理論化するための道具としてこれらのレトリックが
駆使される、というわけです.

 「反動派のレトリック」というタイトルになっていますが、この論法、
問題解決よりもイデオロギー的対立が優先している人たちに左右を問わず
よく見かけられる議論のパターン、議論というより断定・決めつけですね。
この論法、分かってしまえば対処の方法は見えてくるでしょう。

直接関係はありませんが、最近の政治家のレトリックもなかなかのもの、
開いた口がふさがる暇がありません。
これをとっちめられない野党・メディア、我が言論の府&論壇における
レトリックは極めつけの不毛のようですね。

レトリックは思考の武器、倦むことなく研鑽に励みましょう。

『地方創生ビジョン』

 「地方創生」、ひと・まち・しごと創生総合戦略の作成、目星はついて
いるでしょうか。

 都市が直面している課題を一括し、対応の方向を示して施策を準備
する、という我が国の都市政策は、バブル崩壊以来、活性化、再生、
改革、創生とめまぐるしく改称しながら進められています。
その結果はといいますと、ご承知のとおり、ほとんど所期の成果を挙げ
られていない、それどころか、国債の脅威的な増加に明らかなように
事態はなおいっそう悪化するばかりです。
何が原因でしょうか?

 その一因は、国の施策方針そのものにあると言わなければならない
ではないか。活性化、再生、構造改革、創生と前向きのスローガンは
掲げられるものの、その内容というか、どの方向に向かって推進して
行くのか、という国、都市が目指すべき方向・ビジョンが確立されて
おらず、改革・活性化の取組が目指す方向が分からない。

 このことは、中心市街地活性化の現状に明らかです。
中心市街地を活性化しなければならない、という課題は国―都市―民間
関係者に共有されていますが、活性化を実現しようとする取組が目指す
べき「方向と方法」が示されていない。

 このことについては、これまで国の方針は「方向と方法」の選択は
都市に任せる、という立場と認識していました。
その上で「活性化への道」を提案していたわけです。

 われわれが提案している中心市街地活性化への道は、
□方 向:「時間堪能ニーズ」の受け皿として地場商業者が集積する
      中心商店街を再構築する、
□方 法:キラリ輝く繁盛店づくり・活性化への5つの階段
というもの。
この「方向と方法」は、郊外に盤踞するチェーン型商業からの顧客奪還を
目指すもので、中心商店街のみならず都市内外の地場商業者全体の再生
への道となるものです。
皆さん既に十分ご承知のところですね。
地場小売業が繁盛を再現すれば、都市経営上最大の課題である域内資金
循環が再起動します。地方金融機関も助かります。

 地場小売業とチェーン小売業双方の特性から、この「奪還」は国内
消費財産業の流通チャネルの活性化をもたらします。
商店街の繁盛が川上に波及し、日本列島の消費財産業再生への期待が
生まれて来る。
「時間堪能型ニーズ」が新しい事業機会だと認知されれば、それに対応
する新しい事業に挑戦する個人・企業が簇生する。
文字どおりの「革新」です。

 われわれが実践する「キラリ輝く繁盛店づくり」は、“時間堪能型社会
への緩やかな移行”というビジョンのもと、「ラグジュアリィ=堪能ニーズ」
の受け皿として個店―商店街を再構築するというものです。
 国が『TMOマニュアル』で提起している“ショッピングモールとしての
再構築”は、実は
□形 式:ショッピングモール
□内 容:時間堪能型ニーズ対応
という方向で、郊外型モールと異なる機能を担いながら、モールを始め
チェーン型小売業から顧客を奪還する、という戦略を持たないと、モール
の物まねに終わります。物まねでは本物に対して勝ち目がない。

 われわれが提唱する「キラリ」は、時間堪能型社会への緩やかな移行
という社会全体が実現すべきビジョンと共にあることをあらためて確認
していただきたい。ビジョンあっての繁盛実現。
業種業態、立地・規模,経験など一切不問で所期以上の客数・客単価
業績の好転を実現する個店が輩出しています。

 中心市街地活性化について、国がビジョンを示していないことを奇貨
として「キラリ」があるわけですが、同じことが「地方創生」に置いても
採用出来るかと言えば、どうでしょうか。
状況のいっそうの深刻化とキラリの普及スピードを考え合わせるととても
同じ戦略は取れません。

 国が、地方創生のビジョンを示さなければならない。
現在のスキームでは、
1.国が地方創生総合戦略を策定する
2.1を踏まえて都道府県が都道府県版の地方創生総合戦略を策定する
3.2を踏まえて都市がその地方創生総合戦略を策定する
という段取りが示されています。

 戦略を決定するにあたっては、それが目指す方向、ビジョンが確定
されていなければならない。戦略とは目指す方向に進んでいくための
シナリオですから、方向・ビジョン・目標が確定していないと建てることが
出来ません。

 国の総合戦略=ビジョン提示はまだこれからですが、これまでの経過を
見ると、ビジョン―どこに向かって進むべきか―が示されるかどうか、
疑問を持たざるを得ない状況です。

 県・市ではさっそく総合戦略作成の準備が始まっていると思いますが、
1.どこに向かって進めば創生が可能か
2.そのためには何にどう取り組むべきか
あらかじめ「方向と方法」を定めないまま、事業を羅列すると中心市街地
活性化と同じ轍を踏みます。

 計画や戦略を作成するにあたっては、実現を目指すビジョンや目標を
決めておくこと。
計画についての常識ですが、いつも申し上げているとおり、我が国には
『計画原論』という「学問分野が未発達のため、これまでずっと「計画
まがい「や、「戦略まがい」しかありませんでした。

 “事業あってビジョン無き地方創生”とならないように。
国―都道府県―都市に共通する戦略課題は、地場商業の活性化、
地場商業が集積する商店街―中心市街地の活性化であることは、
当サイト常連のみなさんいは常識だと思いますが、全体の趨勢は
如何でしょうか。国がこれまでに出している文書には「地場商業」、
「中心市街地活性化」の文言は見当たらないようですが、これを
外して“域内経済循環”のシナリオは描けませんからね。

当欄では引き続き地方創生が目指すべき「方向と方法」関係の論考を
発表していきたいと思います。
状況が極めて厳しい折柄、全知全能を傾けないと『地方創生総合戦略』
をものにすることは出来ません。
これまで以上に気合いを入れて取り組みましょう。

「計画原論」領域の問題状況

「計画原論」領域の問題状況

 一般論とも言います。
計画とは何か、なんのために作るのか、ということから始まって
計画が具備しておくべき要件
計画作成に必要な知識・技術
等々についての体系的な知識のこと。

 我が国には、計画一般についての知識がほとんど蓄積されて
おらず、研究者も極めて少なく、多くの計画は理論無し・先行事例の
見よう見まね+“差別化”で作られています。
もちろん、『中心市街地活性化基本計画』も例外ではありません。

 全国中小都市が取り組んでいる中心市街地・商店街活性化が
上手くいかない、所期の成果を挙げることが出来ないまま低迷して
いるのは「計画」を所要の知識理論を持たないまま、見よう見まねで
作成したからですね。
作成を支援した学識経験者、受託したシンクタンクの専門家も表見、
計画と銘打った書類は作れますが、活性化の実現という目的との
整合性を備えた計画を作るために必要な基礎体力は果たして備えて
いるのか、心配されます。

多くの都市の中心市街地活性化基本計画の出来映えは、とても計画
作成の専門家(プランナーさんですね)の指導の下に作成されたとは
考えられないレベル。

 「計画原論」「計画一般論」といった学問領域が未発達、そのために、
計画作成に関する常識を備えていない人たちが作成に参画、結果と
して活性化を実現できない計画が出来上がり、それに基づいて達成
出来ない取組に終始した、というのが中心市街地界隈の状況の根本
原因です。

 「一般計画論」や「計画原論」で検索して見ると、我が国の関係方面
に一般論レベルの知識(計画作成上必要な理論的知識)が整備されて
いない、しかも誰もそのことを問題にしていないことが一目瞭然です。

 我が国では計画原論関係の業績は、
加納治郎『計画の科学』経済往来社昭和38年)
が一冊あるだけです。
他は翻訳物がいくらかあるくらい。

加納さんは,東京帝大工学部を卒業、内務省に入り、農林省などを
経て経済企画庁総合計画局計画官の席にあった人です。

 計画と言えば土木や軍事方面が先行していますが、加納さんの
業績は継承されていないようです。
都市計画などは「計画に関する一般的な知識」「常識」抜きでは
話にならないと思いますが・・・。

 折しも「地方創生・総合戦略」の作成が喫緊の課題ですが、
「中心市街地活性化基本計画」 を失敗した力量でその上位計画に
当たる実効的な地方創生戦略を作れるわけが無いのでありまして。

 戦略作成に参画する人で、言われてみればそのとおりだ、と
思った人は、迷わず当社の支援を受けられることをお奨めします。
特に、創生戦略の中核となるべき中心市街地―商店街活性化の
戦略についてはご承知のとおり、唯一当社だけが「5つの階段」
という戦略を提唱しています。
他に選択肢は誰からも示されていません。
これを提示出来るかどうかは、プランニング一般について所要の
能力を持っているか否かを見極める格好の試金石です。

 「中心市街地活性化基本計画」挫折の轍を繰り返すのか、都市
の持続可能性の再構築という上位目的に整合した実効的な総合
戦略を作るのか、都市の命運が定まる分岐点にさしかかっています。

福岡市主催 セミナー『キラリ輝く繁盛店づくり』 終了

 かねて当社サイトでも案内していましたセミナー、無事終了しました。

 福岡市「商店街活性化核店舗創出事業」(キラリ輝く繁盛店づくり)
次年度の事業説明会として開催されたものです。

 事業の目的と取組の内容を説明、先行事例の紹介、これまでに
取り組まれた福岡市内の商店街(延べ9商店街)の状況などを説明
しました。

 5年目を迎える次年度の取組は、従来の商店街を事業主体とする
取組と新しく、市内商店街組織の会員であれば個人で参加出来る
商店街の枠を越えた取組の2種類。後者は、取り組んでみたいが
組織としての意志決定が間に合わない場合に対応するもの、個店
参加でキラリを実証して組織の取組につなげていく、というネライ
です。

 事業は、
1.オリエンテーション
2,講義(商業理論・経営技術、タウンマネジメントなど)
  @2時間×8回
3.参加店会議@0.5時間×8回
3.臨店指導@1時間×4回
5.報告会(リハーサルも)
というカリキュラムです。
期間:6ヶ月
各個店の参加費用:千円
参加者の中から「全課程で千円ですか」と確認の質問が出ていました。
破格の条件ですが、商店街活性化(さらには都市経営)における
この事業の重要性から設定されたものです。

 取組は参加個店の繁盛実現にとどまらず、
1.商店街立地の既存個店の
2.業種業態や規模、現在の業績などを問わず
3.繁盛可能性を実証し
4.繁盛店が軒を連ねる商店街を再構築する,
即ち商店街活性化実現の第一歩として取り組まれるもの、参加する
有志の皆さんは、自店の将来をこの事業に賭けて活性化の第一陣を
担うわけですから、破格の条件は当然です。

 次年度の事業実施を検討する商店街・個店にはこれから
1.商店街単位での「キラリ試行版」
2.個店の場合は、「お試し臨店指導」
という機会が準備されており、今年度中に事業の全体像特に臨店
指導の実際を確認した上で次年度正式に応募するという段階的な
取組が用意されているわけです。
事前体験の持つ重要性,効能効果は事業スタート時点で現れます。

 キラリ、これからの採用を検討されているところは、「お試し」を
用意されると、いっそう効果を期待することが出来ます。
本番事業のスタート時点における参加者の意気込みが違います
からね。

 福岡市の新しい「お試し」の取組、節目ごとに当欄で報告します。

都市経営という上位使命

 商店街―中心市街地活性化の取組が進展しないなかで、地域創生という
スキームが示されました。目下、その取り扱いを巡る検討が行われている
ことと思います。

 このような状況がなぜ起きているのか?
院本的な理由は、従来の社会・経済のシステムの行き詰まりというか、
システムで対応出来ない問題が様々な分野で起きていることです。

 したがって、個々に起きている問題を個別に捉えて、従来の手法で
解決しようとしても、問題の発生理由が異なりますからうまく解決する
ことが出来ません。このことは商店街―中心市街地で起きている問題と
解決手法とのミスマッチに明らかです。

 もちろん、実際に起きている問題については、個別具体的な解決が
必要ですが、解決策を考える段階では、問題状況を大きく捉えることが
適切な解決方法を得るための秘訣です。
つまり、直面している問題をなぜ、何のために解決するのか、上位目的を
をしっかり考えた上で、解決の方向と方法を検討する、という取組方が
必要です。

 商店街活性化、地方創生という問題は、直面している状況において、
都市の持続性を維持・強化するという「都市経営」の一環として取組ます。

 都市経営の目標は、
①住民の生活環境・条件の維持・拡充と
②所得機会の確保です。

 言うまでも無く商店街活性化は、
①住民のための買い物行き先・選択肢の充実
②地場商業者の事業機会の確保
③域内資金循環の強化・再構築
という上位目的を実現するために取り組まれます。
 上位目的を追求する方向で取り組んでも活性化を実現することは
難しい。

 地方創生は、商店街―中心市街地活性化を含むもっと広い概念です。
地方創生=都市創生、様変わりしている環境において、都市がその使命を
果たしていくために向かうべき方向を定め、進んで行くための方法を
決定する、という重要な仕事になります。
これ方の都市経営のあり方、向かうべき方向と実現して行く方法を決定する
のが「地方創生総合戦略」の任務です。

 総合戦略を成功させるには、上位目的である「現在~将来の都市経営」
の基本目的―目標をどう定めているか、ということが重要です。
戦略とは、環境において目的―目標を実現していくシナリオですから。
上位目的が確立されていないと、戦略を立てることは出来ません。
見よう見まねで戦略めいたものを作ることは出来ますが、「行き先」が
定まっていないために、折角取り組む事業が成果を挙げることが出来ない。
商店街―中心市街地活性化が上手くいかなかったのは、上位目的―目標が
適切に設定されていなかったことが最大の原因ですからね。

上位目的が無いところで、個別の問題に個別に取り組んでも本当の問題解決
にはならなのだ、ということがこれまでの商店街活性化の教訓ですが、
ほとんど共有化されていないと思います。

 そうした中で取り組まれる地方創生総合戦略の作成、これまでと同じ轍を
踏まないためには、先輩達が取り組んで来たこれまでの計画作成とは
全く異なる手法を採用しなければならない。
先輩達の使命を受け継ぐということはそういうことですが、果たして
出来るかどうか。心配です。

 とりあえず、従来、計画作成を支援してきた「専門家」にはこれまで作成した
計画類の総括をキッチリしてもらわないといけません。
地方創生が必要な問題状況に直面しているのは、従来の地域活性化関係の
計画―実践の至らなかったことが大きな要因となっているのですから。
商店街―中心市街地活性化が軌道に乗っているところ以外は、要注意です。

 あらためて、グローバリズムが席巻する時代に都市の持続可能性を
維持・強化。再構築するために進むべき方向と方法を想定する、という
作業の緊要性を確認してください。

 当コーナーでは引き続きこの課題へ取り組む皆さんへの提案などを
行って参ります。

地方創生のメインテーマ(目的)は何か?

 これまで幾度となく申し上げてきたとおり、 “わがまちの持続可能性の
維持・再構築” ですね。しかし、これだけでは不十分です。目的を実現
して行くには二つの目標を直視、達成していかなければならない。
一は、生活条件の維持・改善であり、地方創生総合戦略は、“グローバル
化するなかで市町の持続可能性をどう再構築するか?” という課題への
解=行動の方向と方法を示すものでなければならない。

 あなたの市町がどうなろうとも、とりあえず、経済のグローバル化は
着実に進展します。激動のなかで市町はどう持続可能性を再構築するのか?

 もう一つは、所得機会の維持・確保。とくに後者については、これまでは
民間主体で確保してきましたが、今後は行政・民間一体で取り組まないと
目標を達成することが出来ません。なぜそう言えるか? 目的である「持続
可能性の再構築」に取り組む環境が 「グローバル化する列島~世界」だから。
 地方創生というスローガンで取り組む課題は、少子高齢化の進行という
内部条件を抱えつつ、グローバル化する環境においてどうすれば持続可能性
を維持・再構築出来るか? ということ、どうすれば進行する少子高齢化に
対応出来るか?ではありませんので要注意。
問題を間違うといくらがんばっても所期の目的を達成することが出来ません。

 卑近な例は,現に取り組まれている商店街活性化。通行量が減少する
なかで取り組まれる商店街の活性化とは、商業集積としての持続可能性の
再構築であり、環境の変化を踏まえて自分たちのポジションを決定し、
そこへ向かって移行することです。“減少した通行量を復旧する”
ではありません。

地方創生総合戦略の作成、いよいよはじまるわけですが、間違っても
『中心市街地活性化基本計画』が陥った轍を踏まないこと。
「計画の作り方」についての知識を持たずにスタートすると取り返しが
つかない結果に至ります。この時期に作成する『総合戦略』の失敗は
『基本結核』の失敗以上の災厄をもたらします。
基本計画で失敗した市町(ほとんどのところですね)は、このことをしっかり
肝に銘じて取り組くこと。
なぜそうしなければならないか?、
まず、この疑問を解くことからスタートすることになるかも知れませんが、
他に選択肢はありません。

商店街活性化と商業理論

衰退趨勢に陥っている商店街が活性化する(=商業集積としての将来に
わたる持続可能性を再構築する)ためには、
1.商圏内で確保可能なポジションを発見する
2.商店街の自助努力主体でそのポジションへ移行する
という取組が必要です。
この「移行」こそが商店街活性化と呼ぶにふさわしい取組であり、
中心市街地活性化法ー基本計画で実現を目指す「一体的推進の目標」
は、この「移行」の内容でないと目的を果たすことができません。

移行の「方向と方法」を決定するためには、
1.広域商圏に存在する多様な商業施設の特性を理解する
2.消費購買行動を理解する
3.自分たちの持てる能力を把握する
という作業が不可欠です。
本来なら基本計画を作成する段階で行うべき作業ですが
スルーされているため、多くの商店街の取組が所期の目的を達成
出来ないことはご承知のとおりです。

 作業を行うには、商業全般を理解する「理論」を持っていることが
前提になります。
特に「商業理論」を装備していないと、上述の状況分析ができません。
商店街活性化に取り組むには、活性化実現の方向と方法を決定する
作業を導く「商業理論」を装備していることが不可欠です。

ところが、現在流通している「商業理論」は、状況分析や方向と
方法を決定する仕事を導く内容をもっていません。
いくら勉強しても「商店街を活性化するには何どう取り組むべきか」
教えてくれる内容を持った商業理論は存在しないのです。
大変なことですね。

さらに言えば、商店街―中心市街地活性化のための計画を作りに
当たって招聘される専門家の多くは、都市計画系のコンサルタント、
学識経験者が多いのですが、商業系のコンサルタント、学識経験者が
持っていない商業理論をこの人達が装備しているはずも無く、
「商業理論無き商業活性化」という内容の伴わない計画―実践が
横行しています。
商業者がこれまで取り組んで来た各種の「販売促進事業」や「施設
整備事業」が目白押しに企画されていますが、それらの事業に
取り組めば街がどう変わり、結果として商店街の持続可能性が
再構築されるのか、という肝心のことは見えません。

 商店街活性化は、いつも申し上げているとおり、商圏内に多様な
商業施設が立地し、激しい競争を繰り広げている中に、あらためて
商店街が持続可能―再投資可能な条件を創り出そうと言うこと
ですから、小売商業全体について適切な理解を持っていることが
前提になります。理論無しで「商店街活性化への道」を構想する
ことは出来ません。
理論に基づいていない活性化策は、活性化では無く「販売促進」
に止まりますが、販売促進策は売れている店が取り組んではじめて
効果があるもの、売れない店が最優先で取組むのは「売れなく
なった原因」を探求、確定して取り組むことですが、理論が無いと
この作業が出来ない、さらに言えば、「販促では誇負かが出ない」
ことさえ分からない。
(コンサルタントや学識経験者でこのことを指摘するものはいない
ことが「理論不在」を雄弁に物語っています)

 なによりも問題なのは、当社以外に「活性化には理論が不可欠
なのに理論が装備されていない」という現状に警告を発する専門家
学識経験者がほとんどいないこと。

 皆さんの市町が頼りにしている学識経験者、コンサルタント
あるいはタウンマネージャー等々の各位は、商業理論が必要だ、
と主張していますか?
もちろん指導者たるもの、それだけでは不十分、“これが必要な
商業理論ですよ”と提案できてはじめて専門家の名に値すると
思いますが如何でしょうか?

 商店街はなぜ活性化出来ないか?
根本原因は、活性化への道を導く“商業理論”の不在、そして
誰もそのことを指摘しないことです。

 このまま行けば、新に取り組まれる「地方創生」も全く同じ
轍を踏むことになります。
商店街活性化と地方創生、問題の構造は全く同じですから、どちらも
適切な理論を装備しないまま取り組めば同じ轍を踏むことは確実。

 まずは商店街―中心市街地活性化を導く力を持った商業理論を
確保すること。
今現在入手可能なのは、当社が提供している『商店街活性化への
5つの階段』だけだと思います。
内容を確認していただくと、理論の必要性、「5つの階段」の
適格性が理解されると思います。
確認したいひとはメールでどうぞ。

計画作成能力

 我が国には計画についての一般論を研究する人が少なく、計画作成に
不可欠の常識が著しく不足しています。
多くの都市が作成した『中心市街地活性化基本計画』が所期の成果を
挙げていないのは、作られた基本計画が計画なら当然備えておかなければ
ならない条件を備えていなかったことに大きな原因があります。
興味のある人は、掲示板『都市経営入門』でいろいろな視点から論じて
いますのでお暇な折にどうぞ。

 今年は、『地方創生総合戦略』の作成という重要な仕事があります。
作成の前に“計画の作り方”を確認して置かれることをお奨めします。
目下、takeoのツイッターでいろいろ書いています。
#地方創生 からどうぞ。

ツイッターと言えば、堂免信義先生の本を紹介したところ、リピート
していただきました。
堂免先生の経済学は、地方創生、中心市街地・商店街活性化の導きとなる
大切な教科書だと思います。
みなさんも是非揃えてください。

堂免信義先生著作:

あけましておめでとうございます

清々しく新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。

新年は「地方創生総合戦略」の作成が始まる自治体が多いかと思います。

あらためて【都市経営入門】で取り上げたいと思いますが、いよいよ
来るところまで来た、という感じがしております。
この機会を逃したら都市の持続可能性再構築という課題への取組は遂に
本格化しないまま、衰退趨勢から脱却出来ないまま・・・、ということに
なりかねないと思います。

 一方、都市内部を見ますと、新しいスキームの提供を機会として起死回生
の方向転換に取り組む準備が遅れています。
中心市街地活性化が順調に進展していれば、その経験を活かした都市創生
に打って出ることが出来たのですが・・・。

 地方創生成功のカギの一つは、商店街活性化です。
環境激変、衰退趨勢にある商店街を活性化出来れば、その方向と方法は
地方創生=都市の持続可能性の再構築の戦略作成に大きく寄与します。
特に、【商店街活性化への5つの階段】は、都市が喫緊に確保しなければ
ならない新しい「都市マーケティング」の構築に大きく貢献するもの、
段階的・計画的・一体的に推進しなければならない「都市創生総合戦略」
の中核として全体を牽引することが期待されます。

都市創生を牽引する戦略事業としての「5つの階段」、この機会に是非
採用を検討してください。

お問い合わせはメールでどうぞ。
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  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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