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アベノミクス:「三本の矢」には『的』が無い!

 アベノミクス」:①公共投資 ②金融緩和 ③成長戦略を三本の矢として新たな経済成長の構造を作ろうというのですが、「三本の矢」をどこをめがけて射放てば見事所期の目的を果たすことが出来るのか?

 と思ってどんな『的』に向けて矢を放とうとしているのか、確かめてみますと・・・?
3番目に“成長分野”と喧伝される産業分野が掲げられているだけ、ここに向けて続けざまに、あるいは段階的に矢を放つことで目的を達成するのだ、という『的』が定められておりません。三本の矢をどのようなシナリオに基づいて放っていくのか、という戦略が無いのです。
この点、小泉政権の「構造改革」とよく似ていまして、もちろん、国内経済の好転、持続的成長を可能にする経済構造の再構築にいたる道筋はまったく描かれておりません。

 このあたり、先人はどう論じられているか。

※シュンペーター的経済発展:
1.新商品・サービスの開発
2.生産方式の革新
3.新販路の開拓
4.原料、半製品の革新、調達法の革新
5.新組織の創出
(『経済発展の理論』上 p101)

 もちろん、これらは既存の競合を駆逐するレベル(質・量)で実現可能であること、所要の投資は不可欠です。

※清成忠男的「(地域における)産業振興の方向」:
1.移入代替
2.移出代替
3.移出財の再移入阻止
4.既存産業の見直し
5.新産業の創出
(『80年代の地域振興』p15)

 「新成長」を実現するために放つ“三本の矢”の標的はどこに定めるべきか?
国の基本戦略ですから当然、全国津々浦々において取組可能であり、かつ、均霑(トリクルダウン)、循環(投資―貯蓄、消費―所得)が見込まれる分野、課題にフォーカスすることが必要です。この不可欠の“的”が定められていないのがアベノミクスの現在の水準です。(これから化ける可能性も皆無では無いですけど。)

 さて、先人の教導および我田引水を心がけつつ(笑、当社なりに“日本国経済の持続可能性を再構築する”という上位目的の達成に戦略的に貢献するという使命を帯びた「三本の矢」が射貫くべき『的』の条件を考えて見ますと。

一の矢:公共投資・・・(全国・全都市)当該地域における所得―消費循環の再構築
二の矢:金融緩和・・・(全国・全都市)当該地域における投資機会の発見と誘発
三の矢:成長分野・・・製造―流通―小売 全段階の成長に直結すること

 という条件がないと、たとえ一時的にGDPがアップしても上位目的を達成する持続的に成長していく経済構造の再構築は不可能です。

 そこで注目されるのが、国内消費財産業(製造-卸売-小売=製―流―販)の総体としての活性化を実現するという課題。

①について、都市中心市街地に生活堪能・ラグジュアリーニーズ対応の商業集積を再構築する(商店街活性化)
②について ①の進展で国内消費財産業(製-流-販)の構造革新・投資需要の拡大
③成長分野:国民生活における“時間堪能ニーズ”に対する商品・サービスの拡充で、“生活を楽しむ”ニーズへの対応という新しい成長分野が生まれる。

 「三本の矢」は生活堪能というまだ意識的な開発が進んでいない生活ニーズをターゲットに、国内消費財産業(製・流・販)の一体的活性化を目指すことで成果をあげることができる。そのスタートが「商店街活性化―中心市街地活性化」ですね。

 アベノミクス、的が定まっていない三本の矢は方向が定まら無いまま施行段階に入っていますが、このままではもちろん、グローバル化の後押しに終始します。グローバル化とは製―流―販のグローバル化、その進展は国民が営々として築いてきた国内経済循環のいっそうの、急激な、再生不能な破壊をもたらします。それはもちろん、国民生活の根底からの破壊に直結します。

 経済政策は、持続可能な都市経営の再構築という全国共通の課題への取組と一日も早く直結させなければならない。適切な“的”を設定しないまま放たれる三本の矢は、こと志と異なって、地方都市衰退を後押ししてしまうことになりかねません。

 われわれとしては、「持続可能な都市経営~中心市街地・商店街活性化」との関連でしかアベノミクスを評価することは出来ないわけで、“新成長戦略”の中身に“持続可能な都市経営”の進展に効果的な施策が、いつ・どのように講じられるのか、注視したいと思います。
三本の矢、的をハッキリ掲げないと三本が四本、五本になっても効果が挙がりません。

 “加上”ではダメだ、ということはこれまでの経験でイヤというほど確認しましたからね。
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