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商店街活性化 不毛の遠因

 商店街活性化とは商店街がどうなることか?
根本的な定義が行われないまま数十年にわたって“加上原理”に基づく取組が繰り広げられているわけですが、現場にはちゃんと理由がありまして、高度成長という「時流」に乗って繁盛を実現してきた皆さんが、
①これまで繁盛していたのに売れなくなった
②競合に比べて何かが不足しているからだ(特に大型店と比較して)
という発想のもと、
③不足しているものを加上する
ことで活性化を実現しようとなったのは無理もないことです。

 しかし、本当の問題は“加上”では無く、お客に選ばれる買い物の場として作り直す、ことですから努力が報われなかった―今に至るまで―のは当然です。
活性化を実現するには加上原理に代わる商店街活性化への道を理論的に構築しなければならない。

 しかし、「加上原理からの脱却」という課題を日々の商売に専念しなければならない商業者が発見し、それに代わる方法と方向を構築する、というのは大変難しい。第一商業者には時間が作れないでしょう。
誰の仕事かと言えば、当然、指導支援に当たる専門家、それも「商学」を専門分野とする専業学者の皆さん。

数十年にわたって混迷する活性化の実状を俯瞰すれば、加上原理では商店街活性化は不可能だ、という結論が出されても良いと思うのですが、でも、皆さん、もっぱら“加上原理”を唱道したり、追随したりするばかり、誰一人としてそういう仕事はしていませんね。
どうしてこういうことになっているのか?

 三家英治という商業学専攻の学者がおられます。
当欄では大分前に『現代日本小売経営戦略史(杲洋書房 1985)』を紹介しました。商店街活性化関係者にお奨め、大変参考になります。

 理論としての商業学の構築を目指しておられますが、この先生曰く。

“商業に関する学問は、日本では江戸時代から発達し始めめており、経済学や経営学のルーツにもなっている。しかし、その後の学問的発展は,残念ながらお粗末としか言いようのないレベルに留まっている。”(三家英治『要説 商業とは何か(杲洋書房 1994)』p22)
と喝破しています。「商業学」についてさらに。
①商学部でも軽視されてきた学問
②若手学者はマーケティングを研究し、商学を研究しない
③マーケティング学者が片手間に商学を教えている
④ただただ古いイメージで、忘れ去られた学問になりつつある
という状態にあり、この衰退の原因は商業への社会的偏見から 
①商学理論の供給側=才能ある学者が商学を避ける→立派な理論や研究が少ない。
②商学理論の需要側=商業の業界に優秀な人材が集まらない、商業者は商売と学問は違うと考えている→理論を学習しないし、本も読まない 

 という状況にあると言っています。
このあたりが「商店街活性化」のあるべき方法と方向について一向に対案が提出されず、もっぱら現場サイドの加上原理を超克できない遠因ということが出来るかも知れません。

 試みに商学方面の学者が書いた商店街活性化への提案などを見ますと、加上原理を超えるものはありません。そもそも「なぜ商店街は活性化出来ないのか」という問題意識すらありません。

 小売商業とは何か?
①消費財を
②他から調達もしくは自ら製造して
③最終消費者に提供する
ことを機会とする営利事業です。

 最終消費者すなわち、自分の生活を作り挙げるために消費財を購入する消費購買行動の「受け皿」を自らリスクを張って構築するのが商業者です。現代においては、“商業無くして生活は成立せず、商業の繁盛無くして経済の発展も無い”のでありまして、さらに、商業が地場事業者によって担われることが都市経営の基礎体力となる「域内資金循環」再構築のカナメであることを考え合わせると、商店街活性化を導く力を持った「商業学」の再構築は喫緊の課題、もっぱら加上原理をに追随して怪しむことの無い人たちに任せておくわけにはいかないと思いますが、さて、新しい商業学、商店街活性化に間に合うように登場するものかどうか。
商業学の存在価値が問われています。
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  • Author:進化する売場研究会
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    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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