商店街の逆襲

 これまで進駐小売業による広域商圏の蹂躙になすすべも無く,もっぱら〈加上〉に終始してきた商店街ですが、ついに逆襲が始まりました。
商店街の逆襲です。

 キラリ輝く繁盛店づくり―お客に見える店づくり―見える・化に取り組む有志個店が結集してキラリの点から面、面から線への展開を目指すキラリ会が各地で結成され、及び結成に向けた準備が始まっています。
合い言葉は大型店からの顧客の奪還、文字通り商店街の逆襲です。

 キラリ会は自治体及び商工団体との密接な連携のもとで発足するのが一般的ですから商店街の逆襲は,都市の逆襲と見ることも出来ます。
合い言葉は、都市内経済循環の再構築です。

 具体的な取組の先陣を切っているのは山梨県韮崎市の「にらさきキラリ会」。一昨年発足して中心市街地を中心に自店の繁盛と仲間の拡大、キラリの普及に取り組んでおられます。月一回の例会はメンバーの店を持ち回りで,当番店舗の改善に取組、最近は、新規参加者の取組の手ほどきも自分たちで行われているそうです。ここの活動を視察して商店街活動を抜本的に変えた商店街もあります。目下、「山梨県商店街人材育成事業」において先進的事業として取り上げられています。
 
 他にキラリ会の結成に向けて準備中の都市:福岡市(3商店街)、岡崎市など。新にキラリの取組を準備中のところは、準備段階からキfラリ会の結成を視野に入れておられます。

 取組が広がれば、各都市・商店街活性化の進展と併せて、「キラリ輝く繁盛店づくり」の質的向上。普及拡大につながります。

 逆襲する商店街、その進撃が始まりました。
志をともにするみなさん、後れをとられることが無いように。

〈加上〉施策を売り歩く人々

 昨日は「商店街再生の罠」というトンデモ本を紹介しましたが、これを踏まえてまず、トンデモ本の見分け方から。

トンデモ本には、
①商店街活性化という問題に取り組むためには不可欠である「商業理論」について、一言も言えない。
②商店街活性化の定義・必要性・可能性(以上、商店街活性化の論理)及び活性化実現のシナリオ(同・戦略)を示せない。
という共通の欠陥があります。活性化関係の書籍を吟味するときは、この2点についてどのような見解、方法と方向を示しているか、ということを審査巣なければならない。
言うまでも無く、①、②について口を閉ざしている提案ではものの役には立ちません。

 こんにち、書店に並べられている関連本のほとんどが、上記の①及び②について、まったく問題意識を持たない人たちが書いたものです。
書いた人は、
①商店街活性化という問題を理解するために必要な商業理論を持っていない。
②商店街活性化の「論理と戦略」を構築していない。
人たちで、しかも、商店街活性化を論じるのに①や②は持っていなくてもよい、と考えている人たちです。
多種多様な商業集積が熾烈に競争する環境において、一度衰退傾向に陥った商店街を再生させる、という課題に向かうにあたって、商業理論は不必要、取組の論理も戦略も不要、というか、そもそもそんなことは脳裏に浮かんだことも無い、という人が理論無し、戦略無しの活性化策を提案(売り歩くこと)できる、ということですね。

 その提案たるや、①「失敗事例」を貶すことと②「成功事例」を褒めそやすことが中心、それも「現象面」での成否を論じるだけですから、ほとんど参考になりません。
成功事例は地元では失敗だった、と総括されていたり、「失敗事例」は“よし,このまま進めば大丈夫”と判断されていたりする。
気になる事例があったら、、ご当地に出かけて取り組んでいる個店の話を聞いてみること、その取組が商店街全体の活性化実現につながる取組であることを確認してみること。

 さて、商店街活性化を論じている人々が商業を理論的に理解(たとえば、コンビニエンスストアと百貨店の違いを理論的に説明出来る)いないことは、日頃当サイトが注意を喚起しているところですが、世間に流通している商学、商業学の教科書などの内容も商店街活性化に取り組む皆さんのお役に立つようなものではありません。このあたりにも〈加上〉施策を打って歩く人たちが蔓延する理由があるのかも知れません。

 我々としては、活性化に有効な言説と無縁な言説とを明確に分別する基準を堅持して、至らぬ加上流などに貴重な時間をとられことが無いよう心がけたいものです。

 久繁流による昭和の町と豆田町への悪口は、今日以降、当コーナーで断続的に反論します。お楽しみに。

※ところで。
一部で「商店街活性化・三種の神器」などと持ち上げられている一店逸品、百円(縁)商店街、まちなかゼミナールに共通するのは、
①売上げ不振は、知名度が不足しているから
②知名度を上げれば売上げがアップする
という「販売促進」であり、典型的な「加上」ですよね。
何を今さら、という人が多いと思いますが念のため。
これらの事業に共通するのは、施策に取り組んで〈成功〉した人が全国に広めようと日夜努力していることですが、効果のほどを掛け値無しで知りたい人は現地に赴き、実際に取り組んでいるお店を訪問してみれば一目瞭然。

『商店街再生の罠』というトンデモ本

 久繁哲之介『商店街再生の罠―売りたいモノから顧客がしたいことへ』ちくま新書 23013年8月

 一読しました。

 商店街活性化関係の本を書いている人のほとんどは、
①商店街を理解するために必要な商業理論を持っていない
②商店街を活性化するための論理と戦略を持っていない
上に、さらに
③商業理論や「論理と戦略」を持たなくても商店街活性化を論じることが出来ると信じている
という3拍子揃った人たちです。

 特に問題は③でありまして、思いついたことを事実と照合することも前後左右について思いを巡らすことも無く、しゃあしゃあと書き散らかす。
当ホームページではこれまで藻谷浩介、新雅史といった3拍子揃った論者を批判してきました。

 この本を書いた久繁哲之介という人も両者に優るとも劣らぬ強者でありまして、ますはその一端をば。

 同書冒頭も冒頭「はじめに」の第一行。(P 011)
引用スタート****************
"商店街が衰退した理由として、よく言われる「大型店等にお客を奪われた」論は幻想です。真実は、商店街が観光地化に走るなど地域密着の努力を怠った結果「地元客は自らのニーズに応えてくれる大型店を選んだ」のです。
引用エンド**************

まんま著者によれば:
①商店街が衰退したのは大型店などに客を奪われたからではない
②観光地化に走るなど地域密着の努力を怠った結果、お客は大型店を選んだ
というのが久繁流「商店街衰退の原因」。

 おいおい、「観光地化」など見向きもしなかった商店街も衰退してるんだが。

 ということで。
上に書いた「3拍子」のうち、特に③的状態にある人が書いた文章は、後先のつじつまなどまるきり無視、ひたすら思いつきを書き連ねるだけですから、まともに対処しようとすると馬鹿を見ます。

 ということで、ばかばかしいので「書評」は中止します。

 ただし、同書には大分県豊後高田市昭和の町と同じく日田市豆田町について、デタラメを書き連ねているので、その分は両町の皆さんのためにきちんと訂正したいと思います
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