無い無いづくしの基本計画

 中心市街地(商店街)活性化、基本計画の認定を得ている都市
は115カ所、計画は137に上るとのこと。
しかし、活性化に成功した、成功しつつある、というニュースは
未だに伝わって来ませんね。これはどうしたことでしょうか。

 各都市それぞれ全力を挙げ、調達可能な外部からの支援を受けて
作成、これを国が認定する、というプロセスを経て作成、推進
されている計画がなぜ成果を挙げられないのか?

 これから作成するところ、見直しの時期を迎えているところは、
この情況を真剣に総括しておかなければならない。
何しろ一つ残らず、ですからね。
見直し、作成にあたっては、従来の計画のレベルから隔絶した
レベルを目指さなければならない。

 端的に指摘しますと。
これまでに作られた基本計画は、本来作成の前提として当然
備えて
おかなければならない
①計画論
②商業論
③組織論
といった領域の基本となる知識を欠いたまま作られています。
このことが基本計画が機能しない最大の要因。

 さらに指摘すると、基本計画の作成には①~③領域の知識が
必要だ、という基本中の基本についての認識が無かった。
これは今に至るまでずうっと続いているわけです。

 計画を作るために不可欠の知識を欠いたまま、その必要性も
理解しないまま、「先行認定計画」をなぞって計画らしく見える
ものを作ってみた、ということで「ごっこ」の域を出ていない。
「ごっこ」を本物に見立てて事業に取り組んでも成果が挙がる
はずが無い。

 関連して危惧されるのが都市の「計画」一般に関する基礎教養の
欠落、これは当該計画に限らず、都市が企画立案するすべての
計画が共通して欠陥製品である可能性が高い。

 あなたは、「計画」一般についてどんな知識を持っていますか?

 計画とは所与の目的を達成するために動員可能な資源・時間を
活用するレイアウトであり、大きな目的、多数の時間や資源の
効果効率的な利用が必要な仕事では不可欠です。
計画は軍事や土木方面で先行作成されたのはこのためです。

 大規模な仕事には不可欠の計画ですが、反面、計画には
"今現在の知識で将来の行動を拘束する"
という性格を免れることが出来ません。
だからといって万全を期すため、細部にわたって正確を期すと
いつまで経っても出来上がりません。
不確定要素を含む「見切り発車」は、計画の常識です。

 だからといって計画は作ればよい、というものではありません。
不確定性を含むという基本性格を踏まえれば、自ずと計画作成の
マナー(基本要件)ともいうべきノウハウが析出されます。

 また、計画が実現を目指す目的・目標を取り巻く領域に関して
適切な知識をあらかじめ持っていること(しかもそれらは不断に
改善されることが保証されていること)が不可欠です。
所要の知識を欠いたまま、当てずっぽうで問題情況を理解し、
あいまいに目的を設定し、動員可能な資源の計算も行わず、
計画を
導く戦略も無いまま作った計画が所期の目的を達成できるはずが
無いのでありまして、既存の認定・中心市街地活性化基本計画

すべてはこのような事情に無自覚のまま作成されており、
故に、
100有余の都市が貴重な時間と費用を掛けて取り組みながら
一向に成果が挙がらない、という情況が我々の眼の前にあるわけ
です。

 関係各方面がそろいも揃って陥入しているこの情況をどうすれば
突破できるのか?
その方法と方向を見いだすのが計画の見直し、作成という行政課題を
担当している方が最優先で取り組まなければならない問題です。

 成功する計画を作るには、まずこれまで作られた計画はなぜ
例外なく目的を達成できないのか、その理由を突き止めることが
肝要、前車がひっくり返るのは後車の戒め、同じ轍を避ければ
その分、成功に近づきます。

 最後に基本計画の簡単なチェック法をば。
当該基本計画を読んで、計画・組織・商業・経済・都市計画など関係
領域に関してあなたがこれまでもっていなかった一般的な知識
(枠組みや施策以前の)がどれだけ増えるか?
言い換えれば、それらについてどれくらい専門知識が駆使されて
いるか、ということ。
一読、知識がほとんど増えないような計画では、前人未踏の活性化
を実現出来るはずなく、ものの役に立たないのは当然ですから、
ぜひそういう着眼でチェックしてください。

 さしあたり、「活性化」という言葉がどう定義されているか、
ということからスタート。

「核店舗創出」から「核グループの結成」へ

 真性(販促ではない)商店街活性化のエンジン部門=キラリ輝く
繁盛店づくりの新段階。

 キラリ店の創出に取り組み、キラリを実践中の店舗群が「盟約集団」
を形成、商店街活性化を理論的・実践的に牽引していく実践の先頭を
担う。

 今年度既に福岡市の3商店街で実践がスタート、今月中に大分県
でも発足、引き続き山梨県でも。
キラリ輝く繁盛店を作り出し、点から線、線から面へと拡大して
行くことで商店街活性化を牽引するという活性化戦略、その大きな
一歩が踏み出されようとしています。

盟約集団は、
①キラリに取り組み繁盛を実現してキラリ理論による商店街活性化
の可能性を実証する
②取り組みに参加する仲間を増やす
③商店街の事業活動の中核を担う
④商店街・中心市街地活性化に積極的に参加し、その方向性の共有に
努める
⑤関係各方面へのキラリ理論の普及
などに取り組みます。

 文字どおり、商店街―地域活性化の理論的・実践的核の一つとなる
グループを目指します。

 昨日訪問した福岡市の3商店街、具体的な問題状況はそれぞれ
異なりますが、今年度、揃って核グループの結成とスキルアップに
取り組みます。

 一方、これから前段階である「核店舗創出」に取り組む自治体・
商店街もあります。
今日は午後大分県庁において『魅力ある店づくり支援事業』

打ち合わせ、取り組まれる5商店街が行政、商工会議所(商工会)と
ともに参加、三者協働による事業運営について共有します。
特に今年度は、事業終了時点の目標として、従来の「繁盛実現」と
並行して「核グループの結成」を視野に入れた事業展開となります。

 事業の成果は事業終了後、事業の外に現れる。本事業が実現を
目指す成果と獲得のシナリオは完成しています。
特に「見える・化」の理論と技術は、昨年度事業終了後めざましい
発展を遂げており、昨年までよりいっそう理解しやすく、実践
しやすく、伝え安い内容になっています。
もちろん骨子は不変です。

 キラリ輝く繁盛店づくり、今年度~次年度にかけて取り組みを
検討したい方はメールでどうぞ。
実施可能性は不透明でも起案段階からの協働をお奨めします。

水戸市南二丁目商店街のチャレンジ

 既に当欄で報告しているところですが、昨年度、水戸市南二丁目商店
街振興組合が短期集中で取り組まれた「キラリ輝く繁盛店づくり」の
報告会の動画をアップしました。

 関係の皆さん、それぞれの立場でいろいろと得るところが多かった
取り組みでした。もちろん、当社も大いに学ぶところがあり、
さっそく新年度の取り組みに反映させることにしています。

 今日はこれから福岡市の2商店街に出かけて、事業スタートの
手順打ち合わせ、明日は大分県の皆さんと同じくスタートの
打ち合わせとなっています。

 動画の内容の説明は、本日帰社してから書きますが、まずは、
画期的な「グループ臨店」の効能効果について、参加者の感想を
確認してください。(2:08:30あたりから)

報告されたのは
ショスールブティックフタカワのオーナー荒川さんです。

新しい試みである「グループ臨店」の効能効果を報告していただき
ました。ご本人は、講義には参加されませんでしたが、事業の趣旨
をしっかり体得されています。

 本事業の成果を踏まえて、本年度はいよいよ点から線、線から
面へとキラリ輝く繁盛店が拡がっていきます。

商店街活性化 都道府県の役割



 まず、過去記事の紹介から:
今を去ること丁度10年、2003年5月の記事です。

引用スタート(長文)

『都道府県の役割』

 「中心市街地活性化法」のスキームでは、都道府県の役割が
はっきりしません。「基本計画」の提出は経産局経由で本省、
都道府県は確か計画者が送付されるだけだったような・・・。

「中心市街地活性法」が制定されるまで、商店街活性化といえば
都道府県~都道府県レベルの指導団体~組合という流れで取り
組まれていました。商店街活性化事業関係の蓄積がもっとも多い
のは都道府県ですね。それらの経験がきちんと整理され総括されて
いるか否かはともかくとして。

 現在、「中心市街地活性化法」のスキームが期待している、
TMO、行政、商店街が一致協力して商店街活性化に取り組む、
という体制を作っている都市はきわめて少ないと思います。元はといえば「ショッピングモールへの転換」という基盤整備&
商業活性化の両事業を一体的に推進して実現する目標が明確に
打ち出されていない、というところに原因があります。
つまり、行政.会議所・TMO・商店街組織・個店が役割分担
しながら活性化に取り組む、としながら①その理由が分からない、
②したがってTMO組織はそんなに気合いが入っていない、
③事業も基本的に補助事業だけということになってしまう、④そうすると個別補助事業の窓口&実施主体だけが活動し、
⑤他は開店休業という現状が出現するわけですね。

 もともと限られた経験しかない都市毎に単独で取り組む、という
スキームが不十分なのかも知れません。もちろん実際に活性化に
取り組むのは行政以下、地元勢でなければ出来ないことですが、
だからといって自力だけで取り組むにはなんと言っても経験が
不足しています。

 取り組みについての指導助言は当然あってしかるべきではない
でしょうか。

 都市内部だけの努力で「ショッピングモールへの転換」という
「中心市街地活性化法」のスキームに基づく取り組みが成功する
のは難しそうです。TMO=街を一個のショッピングモールに
見立てて整備し運営する組織、と定義すれば各都市ごとにそういう
スキルを持った職能集団が忽然と姿を現す、というわけにも行き
ますまい。

国では中小企業総合事業団に「タウンマネージャー」という都市
計画や商店街活性化の専門家を組織しており、要請に応じて派遣、
指導助言を行うことになっています。
しかし、ほとんどのタウンマネージャーは「中心市街活性化法」
制定以前の「点と線」の指導実績で選択されていると思われます。
それぞれ限られた領域の専門家であり、個別プロジェクトの支援
には卓越したスキルを持っておられても「タウンマネジメント」
全体について経験・ノウハウががあるかといえばこれは十分では
ないと思います。
何しろタウンマネジメント自体、TMOと同時に導入された概念
ですから。

 したがって、現在、タウンマネジメントといえるような経験が
蓄積されているのは、これまで管内各市町村の商店街活性化事業を
所管していた都道府県だけと言うことになります。
管内の各市町村・商店街で取り組まれてきた活性化事業の全体を
把握し、分析評価すれば、中心市街地活性化に活用できるノウハウ
がたくさん有ると思います。特に失敗事例については是非活用
したいものです。成功事例よりも失敗事例のほうが事例としては
役に立ちますからね。「前車の轍」を踏まなければそれだけ成功の
確率が高くなる(W

いずれにしても、全国津々浦々であまり効果の期待できない
事業を十年一日くり返すだけ、というのは感心できません。
年々歳々花は咲き、年々歳々人同じからず、です。時の流れは
一方通行、失敗したからといってやり直しが出来る条件は中心
市街地にはありません。 

 都道府県は「TMO支援センター」とでもいうような各市町村が
取り組む中心市街地活性化、とりわけ中心商店街のモールへの転換
を強力に支援する組織を作るべきだと思われます。
これまでの自分たちの経験、あるいは他地区の経験を収集・加工・
分析して、とりあえず「TMOがやってはいけないこと」集を
作れば大変役に立つのではないでしょうか。

この話題はあらためて「批評と提言」欄で展開します。
また、当社は立場を弁えることなく(W、都道府県への提案を
行ってみたいと思っています。

****引用終わり****

 ちなみに引用に出て来る
中心市街地活性化法=整備改善活性化法、旧中活法です。
中小企業総合事業団=中小企業基盤整備機構。

 さて、標題について。
都市の中心市街地・商店街活性化推進を主導するのは当該市町村
であり、主役としての実働は商業者、中を取り持つ中間団体、
というのがあるべき推進体制(三者体制)ですが、遺憾なことに
10年が計画した今日においてもほとんど機能していません。

 推進体制が機能しないのに事業が着々と進展する、ということは
ありませんから、あれから10年、事業はほとんど前進していない
ということですね。

 活性化が「都市の持続可能性の再構築」というきわめて戦略的な
課題への取り組みに占める位置を理解出来るならば、これは大変
由々しいことでありまして、早急に体制を立て直さなければならない。

 しかし。
市町村の実状は、なかなかそういう条件が整っておりません。
そもそも課題事態が都市の持続可能性の再構築という上位課題に
おいてどのようなポジションにあるのか、ということさえ理解
されていないところが多い。この状況かを突破して行くことは
きわめて喫緊の課題ですが、市町村の自発的な取り組みに任せて
いたのでは、体制作りへの着手はいつになるか分かりません。

 そこで都道府県の出番です。
『商店街活性化を牽引するリーダーの育成』という課題に取り組み
そのプロセスで各市町村内関係各方面の「理論・問題意識の共有」
を図る。本来ならずっと前に各都市ごとに取り組んでおかなければ
ならなかった仕事ですが、出来ていませんし、これからも自発的に
取り組みが生まれて来るとは考えにくい。言い出しっぺになれる
人がおらず、生まれて来る条件がありません。

 という状況から、都道府県がその機会を設定する。
個別に取り組めば、それぞれの力量で企画を立てることになり、
たぶん、従来の取り組み+アルファ低度の企画になることは予測
されるところ。

 実効的なレベルで知識・技術を修得、早速の実践に役立てて行く
には相応のレベルの事業カリキュラムを用意することが肝要ですが
これを個々の都市ごとに実施するというのはできない相談です。

 ということで。
都道府県(政令都市も)が自立持続可能性の再構築という上位
課題から今すぐ取り組まなければならない商店街・中心市街地
活性化を推進していく上での課題は、「人材の確保・育成」だと
思われます。

 既に事業を設定、着々と実績を積み重ねている県・政令都市が
出現しています。

 今年度中の事業計画の運用で実現可能なところはぜひ取り組みを
検討されることをお奨めします。

 従来の取り組みの漫然とした継続で商店街・地場商業が活性化
出来ることはありません。皆さん既にご承知のとおり。
新しい、希望の持てる取り組みは、関係各方面の皆さんが問題
状況を確認し直し、取り組みの目標を「商業集積としての持続
可能性の再構築」と定義して所要の事業に取り組んで行く、本来
あるべき取り組みを可能にするため不可欠の「理路と技術の共有」
に基礎を置く実践を組織すること、取り組みを牽引していく人材を
関係各方面が一斉に確保すること。
こういう取り組みではないでしょうか。

 この取り組みを企画実行できるのは当道府県だけ、一日も早い
着手が望まれます。
とりあえず、先行事例を調査したい方は、大分県、山梨県、福岡市
などにどうぞ。

症状・診断・治療



 医薬業界由来の「効能効果」に引き続き、傷病からの治療回復
過程と施療について考えて見ましょう。
現状に不具合を感じて、お医者さんの診察を受ける、病気を特定
して、治療方針を立てる、治療を受けて回復する、という一連の
プロセスは問題解決過程そのものです。

 問題を発見する―状況を分析し問題を定義する―解決策を作成
する―実施して問題を解決する

 毎度のことながら、“問題解決過程”は問題が起きている分野を
問わず、よく似ています。「一般問題解決過程」といった学問
分野があってしかるべき、アメリカでは学問として確立して
いる
ようですが、我が国ではまだほとんど未開拓分野です。
 この分野が遅れると社会全域にわたってトンデモが起こる可能性
が高いと思います。

 さて本論。
ある朝目が覚めると頭が痛い、熱を測ってみると微熱がある、
というとき、人はどのような行動(問題解決のための)を取るで
しょうか。その人の日頃の状況によって対応は異なりますが、
状況を判断して対応を考える、というプロセスは一致しているはず
です。

 “微熱がある”という症状が何を意味しているか?
これはその人が日頃どのような日常生活を送っているかということ
で変わります。重篤な病棟に入院している人と、二日酔いから目が
覚めた人では自ずと意味するところが違うのが普通です。

 日常生活の場合は、常備の頭痛薬や風邪薬を服用して様子を
見ることになるかと思います。頭痛薬の効能は“鎮痛”ですから
これで痛みが軽快すれば結果オーライです。
薬効がない、だんだん深刻化する、となると大変です。病院に
出かけてお医者さんの診断を仰ぐことになる。
その結果、ただの風邪引き始めの微熱のつもりが、重大な病気の
予兆だった、ということもあり得ますね。
そうすると、病名がくだされ、しかるべき治療方針が立てられ、
体系的な治療が行われることになります。

 この一連の流れを商店街活性化に当てはめてみましょう。

①現 状:売り上げが落ちている、通行量が減っている、空き店舗
が増えている(自覚症状) 
②対 策:A イベントで来街・来店を訴求する(自家対症療法)
     B 状況を分析し、原因を確定し、対策を考える
      (本格的な活性化への道の選択)
③結 果:A 一時的な集客は可能だが“衰退傾向”の歯止めには
       ならない。  
B 的確な診断に基づいて適切な手法を組み合わせて実施
すれば、街は活性化する。

 ということで。
客が減った、それ、集客イベントだ、というのは、熱が出た、
それ、熱さまシートだ、というレベルの話。健常者の熱発の場合は
それで済むこともあるでしょうが、長く続いたり、他にも症状が
出ている場合はそうはいきません。

 衰退傾向に陥っている商店街が、通行量が減っているという
現象面だけを見て、通行量を増やさなくては、とイベント企画に
赴くのは大間違い、熱が出たら解熱剤を服用すればよい、というの
は健常者限りの話。衰退傾向に陥り、廃業者が続出している商店街
の活性化策にはなりません。

 一般に販売促進とは、日頃健康な人が疲労回復のために一服する
ドリンク剤のようなもの、即効性はありますが、長続きは期待でき
ません。まして疲れが慢性的、蓄積傾向にある場合、他に自覚症状
がある場合などは手遅れにならないうちにさっさとお医者さんの
診断を仰ぐべき。

 商店街の場合、①診断を受ける決意をする ②適切なお医者さんを
確保する という二つのプロセスを経て「活性化への道」へと
向かうことになります。

 この過程を商業者の自覚に待つ、というのは、病人に病気との
対応を任せるようなもの、これまで散々繰り返して来たように、
手近にあるドリンク剤や貼り薬の類いを濫用しながら、病状は
悪化の一途をたどる、ということになります。

 商店街、早く現状から脱却させたかったら、活性化=地域経済の
振興に責任を持つ行政が主体的に働きかけていくことが必要です。
商店街がかかっている陳腐化―空洞化という症状として現れている
宿痾は、商業者の自覚に待っていたのではて手遅れになること
間違いありません。

 とりあえず、ドリンク剤や熱さまシート的事業をもって“活性化
への道”と信じているお手軽療法には引導を渡さなければならない。

 商店街活性化はなぜ必要か?
○地場中小商業者の事業機会の再構築
○地域住民の生活堪能を保証するショッピングの場の提供
○域内所得循環の再構築
○地産・県産・国産消費財の流通経路の再生
〇国内消費財産業の活性化
〇国内機械産業の活性化

 今や国を挙げて路線論争が行われている「経済成長」の方向と
方法は、商店街活性化を除外しては考えられません。
(このことに気づいている人は極めて少ないのですが)

 縁あって「商店街活性化―キラリ輝く繁盛店づくり」という
方法と方向に逢着された皆さんは、是非とも、活性化の取り組みが
陥っている蒙昧路線からの脱出に知恵を出し、汗を流していただき
路線の充実拡大に向け、とりわけ御地商店街における試行のスタート
について、ご尽力されますよう衷心より期待します。

 当社ご承知のとおり大病院ではありませんが、こと商店街活性化
に関する限り、支援に必要な知識・技術・経験を備え、特化した
専門支援組織を自負しています。
ご用の節は何ごとによらずお気軽にメールでどうぞ。

事業の効能効果とは

 当サイトでは【効能効果】という言葉をよく使います。
一般にはあまり目にすることはありませんが、医療業界では
よく用いられています。
ただし、専門用語の常として定義が不十分です。

 あらためて検討してみましょう。
【効能】:効き目。“○○という薬には□□の効能がある”と
言います。
【効果】:実際に実践した結果生じたこと。
【効能効果】:“効き目とその結果”のこと
“どうも身体の具合がおかしい、□□かも知れないと思い、□□に
効能があると聞く〇〇を使ってみたらすぐ効果があった”という
ことですね。

 さて、毎度のことながら活性化に関する事業について。
取り組まれる事業には当然ながら
「効能”があることが分かっており、商店街の現状において
この
事業に取り組めば(効能が発揮されれば)、効果が得られる=
事業の目的が達成される、という十分な可能性を確認した上で
取り組まれなければならない。
ところが、現場ではそういう手続きはほとんど行わないまま、
あたかも“効能効果は実証済み”であるかのように、〇〇、□□と
いった“活性化事業”が取り組まれています。

 そもそも「効能効果」を期待するについては、その前に“何とか
したい”“何とか手を打たないと大変だ”という状況が起きており、
何とかするために採用されるのが“効能効果”が期待される薬、
治療、事業ということになります。
そうすると、効能効果を云々する前に、まず“大変な状況”に
ついてよく観察・診断しなければならない。
症状が表見よく似ていても、「原因」が異なることは病気に限らず
よくあること、まずは「状況を的確に把握すること」が最優先。

 状況を把握し、その原因を確定し、状況から抜け出すために
施策を考える、商店街の場合“活性化策”がこれにあたります。

  したがって、活性化策に取り組む前に、
①商店街の現状はどうなっているか
②現状は何によってもたらされ、維持されているのか
③現状から脱出には何を為すべきか
という「3点セット」の“診断”を行い、その結果即ち“何を為す
べきか”決定した後に、取り組む事業を考えることになります。

 このプロセスを省いて、活性化に効能効果が期待出来るといつか
どこかで聞いた事業に飛びつくのは、病人が自分で自分の病気を
診断、勝手に治療方法を決めて実行するようなもの、この場合、
肩書きはコンサルタントその他何であれ、専門家として活性化の
指導支援に当たっている方々も、同じようなプロセスで実状と
事業の効能効果の検討をサボって事業を進めるなら、それは素人
療法、あるいは“診断に基づいて治療する=期待する結果を実現
するのに最適の効能を持つ薬、治療法を選択する”という当然の
ことを理解していない極めつけの「藪医者」ということになります。

 商業者でも〇〇事業の第一人者などという肩書きをもって
“治療”
に回っている人がたまにいますが、“自分の病気に効能効果があった”
治療法を万人に適合する、と称して売っていることになりませんか。
“自分の病気”もちゃんと診断すればとてもこの人がいう処方では
効能効果が期待できない、ということも少なくありません。
効能効果を期待しているうちに見えない部分で症状はさらに悪化し
続けている、ということになりかねません。

 事業を採用するにあたっては、事業に期待している、事業が
終わった後に現れる“効果”をきちんと定義、この効果を実現する
にはどういう効能を持った取り組みが必要か、ということをきちんと
検討すること。

 これまでの取り組みがいくら取り組んでも効能効果を発揮出来
なかったのは、商店街が陥っている状況を脱却するために取り組んだ
事業群が、活性化を実現するために必要な効能効果を持たない
事業ばかりだった、ということ。
“販売促進”に効能効果を発揮する事業が、活性化に同じように
役立つことはありません。
活性化実現に必要な効能効果は、“販売促進”のそれとはまったく
違うからです。

愚行からの脱却は蒙昧語の一掃から

【愚 行】:問題のとらえ方を間違えた結果、本来ならまずあり得ない
行動だが「正しい」と信じて行われること。
例:“商店街が衰退している・活性化が必要だ”“衰退したのは通行量が
減ったからだ・通行量を増やせば街は活性化する”という誤った判断に
基づいて取り組まれる“通行量を増やすための事業”

【蒙昧語】:辞書には「知識が低く道理に暗いこと」などとありますが、
takeo的には、“ものの見方・考え方の整理が不十分なため、他人の
言説の受け売りや脈絡抜きの思いつきをそのまま結論として用いる、
という習慣が「蒙昧」です。
したがって、
①豊富な知識を自慢している人にも
②専門家として通用している人でも
こういう習慣を持っている人はいらっしゃる可能性がありまして、
専門家の支援が必要な分野にあっては“専門家を見極める”ことは、
スタート時点の重要課題です。もちろん、見極めるについてはそれなりの
「眼力」が必要なことはいうまでもありません。
ちゃんとした専門家なら自分の言説が「仮説」であり、弱いところ、
不十分なところなど積極的に開示しますが、蒙昧分子は真逆、如何に
自分の言説が優れているか、「事例」を上げて説明に代えようとします。
理論で説明しなければならないことを事例紹介で済ませるのは蒙昧専門家
の常套手段です。

 蒙昧専門家が特に目立つのが中心市街地、商店街活性化界隈で
活躍するプランナー、コンサルタントさん達のあいだ。

 一皮めくると「無知蒙昧」としか言えないレベルの言説がいかにも
専門家がその名に恥じない「職業理念」のもと、専門的な知識・技術を
駆使して到達した、今現在では最高最強の理論である、といった粉飾が
そのまま通用するのがこの業界です。

 ちなみに、商業者や行政マンでも上記のような言説を振りまいて
取り組みを蒙昧路線に導こうとする人は少なくありません。
こういう人たちも自ら進んで【無知蒙昧】の仲間入りをしている
ことになります。彼らが本当に商店街の現状を的確に認識し、
現状から脱却する事業として「効能効果」を基準に事業を模索
したなら、「無知蒙昧」に入り込むことはありません。
かれらはどこかの時点で“自分のアタマで考える”ことを放棄、
蒙昧路線を採用しています。

 【無知蒙昧】とは、本来持っているべき基礎知識・体力を備えてない
専門家が、おのれの力量を自覚しないまま、人の受け売りや脈絡抜きの
思いつきを自家製の専門的知見として振りまくのが専門家の仕事だ、
と思っており・その通りに行動する人たち。

商店街界隈で流通している「専門用語」のほとんどは、蒙昧語です。
例えば、活性化、賑わい、コミニュティ、コンパクトシティ、
通行量、テナントミックス、イベントンなどなど

 商店街・中心市街地界隈、流通している用語のほとんどが蒙昧語
ばかり、蒙昧語では無い言葉を見つけるのが難しいくらい。

蒙昧語を用いて“考え”たり、“協議”をしても、的確な効能効果
を持つ事業を考え出すことは出来ません。

 まずは、日頃何の気なしに使っている“専門用語”の再検討が
必要です。それぞれについて“どういう意味で使っているか

あらためてしっかり吟味すること。


2.気をつけたいこと

 文字情報は、ややもすると発信者が「決定稿」としたもののように
受け取られますが、けしてそうではありません。

 殆どの場合、言説は「ただいまの段階ではこう考えている、
ということで、自ずと限界があります。もちろん、この限界は
多くの場合、言説者が自覚しているところです。
情報を受け取る側も同様であり、限定付き、括弧付きで対応する、
自分でしっかり「吟味」することが求められます。
以上は暗黙のお約束です。

 しかし、というか、公共場面において言説を行う以上、発信者が
どのような条件下にあるとしてもその言説は、それが対象にして
いる問題について「妥当な言説である」ということを主張している
ことになり、したがって、その妥当性を他から厳しい詮議に晒される
ことを覚悟して提案されているわけです。
(中にはこのことを覚悟していない言説もあるかもしれませんが)

 いくら自分のお気に入りの言説があったとしても、それを
「妥当性の吟味」の必要がない、いわば「真理」のようなものだと
思いこんで利用することはよろしくないわけですね。
そういう人が多くなると、当の言説が一人歩きをすることになったり
します。中心市街地、商店街などで多く見られるとおり。

 特に、発信者よりもそれを受け取り、賛同した人にありがちな
ことですが、自分が妥当だと信じている言説が、あたかも批判的な
吟味を免れる特権を持っているかのように、なんの留保もせずに
振り回す・・・。
さらに、こういう人が多ければ多いほどもともとの言説には施されて
いたかもしれない留保などを無視して、唯一の正解であるかのように
流布していく・・・。

 商店街活性化の失敗、その原因は“愚行の積み重ね”にあることは
いうまでもありません。愚行はなぜ積み重ねられるのか?
もちろん、本人達が愚行とは思っていないから、ですね。
なぜ、愚行と気づかないのか?
世の中には“愚行”というものがあり、それは無知蒙昧に起因する
ことが多い、という常識が問題状況において機能しないから。

 無知が栄えたためしは無い、といいますが。
自分が無知である=知識が不十分だということを自覚し、適切な
知識を装備する努力をする人は無知ではありません。
無知とは、“自分が信じている知識には無条件に信じるわけには
行かない性格がある”ことに無知な人のこと。

「商店街活性化」の上位枠組み

 今日は憲法記念日。
自民党は、「悲願」である自主憲法制定への好機が訪れていると判断
したのか、にわかに憲法改正論議が高まっています。
ちなみに、憲法の制定と改正はその意味するところがまったく異なり
ますから、注意が必要です。改正=憲法内部の条項の加除改正、制定=
憲法全体の書き直し。明治憲法から現憲法への“改正”は、旧憲法の
改正手続きに即して行われましたが、その実態は「新憲法制定」でした。

 さて、標題について。
このところ、事業と目的の関係さらにはそれらを手段とする上位目的との
関係などについて考えることが多いのですが、「憲法記念日」という
ことで今日は、「商店街活性化」の上位目的はどこまで遡るのか、考えて
みたいと思います。

 制度として明文化されているのは日本国憲法の第13条が最高位だと
思います。
日本国第13条(個人の尊重と公共の福祉)
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する
国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の
国政の
上で、最大の尊重を必要とする。

“幸福追求権”については、学会で言われている内容ではけしてその主旨が
つくされているとは思えませんが、ここでは次のことだけ指摘します。

①安全、安心と“幸福追求”は異なる。
②安全とは、自然災害や社会的事故から生命財産を守ること
③安心とは、将来の生活について不安が無いこと、生活の持続可能性が
実感できること。
④幸福とは、②、③を含みつつ、さらにこの二つを基礎に“自分らしい”
自分が“価値”と信じることを実現していくこと。
安全・安心の内容は共通ですが、“幸福”については、人によって価値観
によって異なりますが、人はそれぞれ自分の掲げる幸福を追求する努力を
認め、その機会を保障する、というのが13条の幸福追求権です。
具体的な内容については、基本的なことが14条以降に掲げられていますが、
基本的な主旨は、上述のとおり。大事なことは、各個人がおのれの信じる
“幸福”を追求する権利がある、ということ。
ただし、枠が定められておりまして“公共の福祉に反しない限り”
と。
公共の福祉、ここでは“他人の幸福追求権の尊重”としておきます。
これは、“公共の秩序”ではありませんから念のため。

 国民が安全・安心という基礎が十分みたされていると、“幸福追求”が
大きな課題になります。仮題の追求には問題解決が不可欠、即ち、事業機会
が発生します。幸福追求が多様であればあるほど、事業機会が多様に
なることはいうまでもありません。
※参照:マズロー『欲求5段階論』

2.自治体の使命
第二条(地方公共団体の法人格及び事務)
③事務の例示
一 地方公共の秩序を維持し、住民及び滞在者の安全・健康及び福祉を
保持すること。

安全・安心、幸福追求の基礎の保持が“事務”のトップにあります。
“安全”=生活環境の整備充実
“安心”=所得機会を維持確保するための条件の整備

3.中心市街地活性化法

第一条(目的)
(前略)中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上
(以下「中心市街地の活性化」という)を総合的かつ一体的に
推進するため(中略)地域の振興及び秩序ある整備を図り、国民生活
の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

 はい、中心市街地活性化の趣旨(目的)は、中心市街地における
都市機能の増進及び経済活力の向上であり、その上位目的は、
住民及び滞在者の安全・安心の確保、福祉の保持であり、さらに
憲法段階まで遡及すれば第13条「幸福追求権」までたどれます。

 商業者は、このような日本国の国是、国民生活の向上という
上位目的の実現を目指す国を挙げての取り組みにおいて、
①住民の「幸福追求」の手段を提供する、という事業機会を担当、
その遂行を通じて、
②自分の安心・安全及び幸福追求の基礎を獲得する。
さらにその過程を通じて
③都市経営に関わるとともに、広く国民経済の発展向上に貢献する
という役割を担っています。

 商店街活性化の取り組みは、このような上位目的(結局は国民の
生活福祉の増進)を達成する広範な努力の一環として位置づける
ことが重要です。「貢献」が実現してはじめて事業としての維持
存続が可能になるのですから、活性化の取り組みでは常に上位目的
が「導き」といて参照され、整合性の維持が確保されるように
心がけなければならない。

 キラリの報告会ではよく「地方都市で小規模な商売をやっている
ことに誇りが持てるようになった」という報告が聞かれますが、
誇りが持てるということは、「幸福」のおぉいきな柱ですね。
誇りの根源は、「貢献」を実感するところにあります。

 商店街活性化、商業者をはじめ参加する関係各方面の皆さんが
取り組みに「誇り」が持てる、取り組みが「楽しい」と実感出来る
内容を持ち、「その気になって」取り組めるもので無いと、上位
目的につながらず、したがって、事業本来の個別目的も達成出来ず
ただダラダラと「活性化」と標題を付けた販売促進に取り組むだけ、
ということに終始してしまいます。

 新年度はぜひこのあたりに思いをはせて、現前の事業を見つめ
直していただきたいものです。

 「活性化事業」と銘打って取り組まれている販促事業の数々、
目的は何か、その目的が達成されれば上位目的の達成が大きく前進
する、という目的整合性はちゃんと保持されているか、
あらためてシビアに検討してみられることをお奨めします。

目的と手段の連鎖

 皆さん既にご承知のとおり、ある事業が達成を目指す目的は、その
一段上に位置する目的から見れば「手段」の一つになります。
さらにその上位目的ももっと上位の目的にとっては「手段」ということに
なります。これを“目的と手段の連鎖”と呼ぶことにします。
ちなみに、目的と手段の関係は、どんどん遡及していきますが、
究極の目的、これが最終目的、ここから上はありません、という
目的とは何でしょうか?

 という問題は結構重要なのですが、いずれまた考えることとして
まずは、「目的と手段の連鎖」について考えて見たいと思います。
目的と手段についての知識は、効果的な事業を計画するにあたって
必ず備えておかなければならない大事な要件ですが、何ごとでも
前例をマネしてものごとを進めるという方法が広く行き渡っている
我が国では、こういう「一般論」は軽視されることが多く、手段と
目的の関係はどうあるべきか、といった抽象的な論議はあまり
行われません。「計画」に関する理論的な研究もほとんど手つかず
という有様です。
(このことはアタマの片隅に入れておいてください。)

 その結果、何が起きているかといますと、全国で作られている
『中心市街地活性化基本計画』がそもそもの目的である当該中心
市街地の“都市機能の増進と経済活力の向上(中心市街地活性化の
定義)”という目的を達成出来ないレベルで作られている、
全国・
全都市の『基本計画』がそのレベルに集中している、その結果、
取り組んでも、計画を見直してさらに取り組んでも、期待は実現
出来ず、状況は悪化するばかり、という恐るべき事態が起きてい
るわけです。

 眼を転じれば、第一福島原子力発電所の事故も、関係各方面が
「目的と手段の連鎖」について十分な知識を有し、それが個別
計画作成の基礎に据えられていれば、状況はまったく異なって
いたと思われます。

 事業に先行して目的をしっかり立てる、その場合、重要なこと:
①上位目的の実現に(当該分野・時期において)過不足無く貢献
すること。
②調達可能な資材・時間で実現出来ること
③目的と手段が釣り合っていること
④分野以外に支障が生じないこと
などを十分考慮した目的を設定すること。

 逆に言えば、こういう課題の検討を導くことが出来る具体性を
備えた目的を設定することが必要だということです。

 上位計画との整合性

 事業の目的は上位目的を実現するための手段ですから、上位
計画ときちんと整合していることが不可欠です。整合していて
はじめて当該事業の目的が達成に値することが主張できます。

 こうして見てきますと“事業計画を立てる”という作業に先行
して装備しておかなければならない要件がいろいろあることが
分かりますね。

①上位計画・関連計画等を体系的に把握しておくこと
②事業を取り巻く問題状況全般の確認
③取り組みに使用可能な資材の算定
④計画期間
⑤当該事業と並行して取り組まれる関係の事業の目的と内容
⑥上位目的を達成するために、当該事業の成果を踏まえて取り組む
ことが予定される事業
などについて、きちんと把握しておかないと目的と手段の連鎖を
うまくつないでいくことが出来ません。

 中心市街地、商店街活性化という目的を達成するための事業計画
を作るにあたって必要な前準備としてどのどんなことが必要か、
あらためて思考実験として考えて見るのは如何でしょうか。

 商店街・中心市街地活性化の取り組みをめぐる問題状況、その
もっとも根底にあるのは、問題解決―計画作成に関するスキル=
“基礎体力”が絶望的に不足していること。

なにしろ、専門家(経済・経営・商業・土木建築・都市計画等々
の専門家、大学の先生まで)を動員して取り組んだ結果が現前の
状況であり、さらに関係者の多くが眼前直下の状況を“これまでの
取り組みの総破産”と認識出来ず、今後も同レベルの取り組みを
ずうっと継続していくつもりですから、とんでもないこと、誰かが
“王様は裸ですよ”と口火を切らなければならない。

 現在取り組まれている、商店街活性化こと販売促進事業のメニュー
群は、“裸の王様の行列”ですからね。

商店街活性化事業と「事業」一般の基本原則

「事業」には共通する目的がありまして、それは、事業の外に事業に
先立って存在する目的の実現に貢献する、ということです。
つまり事業には必ず「上位目的」があり、事業はその目的実現に貢献する
ことを目的に企画され、取り組まれる訳です。

 「事業の最終目的は事業の外に事業に先立って存在し、事業の成果は、
事業が終わった後、事業の外に上位目的の要請を達成し得たか否かで
評価される。」

 事業と上位目的との関係は、事業にとって「宿命」とも言うべきもの、
個別事業は常に上位目的を念頭に、その実現にもっとも効果・効率的に
貢献することを目指して取り組まれることが必要です。ところが。

 商店街活性化の場合、個別事業と上位目的である「商店街活性化」
との関係はどのように理解され、組み立てられているでしょうか?
あらためて考えて見ますと、心細い限りです。

 商店街活性化は、長年にわたって全国においてさまざまの事業が取り
組まれていますが、それらの事業は取り組みの基本である「上位目的
達成の手段」として適切に位置づけられているでしょうか?
たとえば、「通行量増大のための事業」はどうでしょうか。
「コミュニティ施設の整備事業」はどうでしょうか。
「商店街活性化3点セット」はどうでしょうか。

 これらの事業は明らかに「商店街活性化」の実現を目的に取り組まれて
いるわけですが、それぞれの事業は、それが目的としている成果を挙げる
ことで本当に商店街活性化の実現に貢献するのかどうか、果たして単独
個別事業が「成功」すれば、着実に商店街活性化の実現に近づいて行く
ものかどうか、あるいは、事業の結果を商店街活性化に結びつけるために
当該事業と前後して取り組まなければならない事業はないのか、ある
とすればそれはどう取り組んで行くべきか、といったことはあらかじめ
きちんと検討した上で事業が推進されているのかどうか?

 さらに、そもそも上位計画である「商店街活性化」とは商店街にどの
ような状況が生まれることを想定しているのか、商店街活性化はどう
定義されているのか?
という大問題がありまして、上位目的を適切に定義しておかないと、
それを達成するために必要な手段としての事業を適切に企画・推進する
ことは出来ません。

 といった、事業と上位目的との関係という、いわばほんの初歩的な
基本原則を踏まえて商店街の活性化のための事業を吟味してみますと、
「商店街活性化」とは街がどうなることか、きちんと定義したうえで、
それを上位目的において個別事業に取り組む、という原則を実行している
商店街は殆どありません。これは個別商店街だけでは無く『中心市街地
活性化基本計画』においてもまったく同様です。

 上位目的が定かで無いにもかかわらず、取り組まれる活性化のための事業とは?

 上位目的が無いと言うことは、それがどんな内容の事業であれ、
それだけ孤立していることになります。
事業の目的は何か?どこに見いだせるのか?
どこにも見いだせません。

かくして、取り組まれる事業は、それ自体が目的であり、かつ、
商店街にとって意味のある事業ということになりますが、上位
目的設定の必要性さえ自覚できない関係者が活性化が必要な商店街
が取り組むべき「単独事業」を思いつけるわけが無い。
このような理由から商店街が個別に取り組む活性化策は、その昔、
商店街が繁盛していた当時、取り組んで成果の挙がっていた「販売
促進事業」の焼き直し、ということになるわけです。
もちろん、やっているご本人達はこの間の経緯についてまったく
自覚していないのですが。

 したがって、取り組まれる事業は、取り組むこと自体が自己目的
化した、取り組むことに意義がある、やらないよりやった方がいい
という恐るべき弁解付き。
もちろんこんな事業ならやらない方がよっぽどましですね。

(続く)

推奨図書

 2冊紹介します。

1.エドワード・リード『経験のための戦い』
  ㈱新洋社(2010.3)

前にも一度紹介したと思います.
著者は“経験”の側に立って誰と戦っているのかと言いますと、
「大衆」及び「エリート」、両者の複合体と戦っています。
著者が擁護する「経験」とは何か?

 これは“日常生活そのもの”ですね。生活が大衆とエリートの
連合軍によってめちゃくちゃにされている、というのが著者の
立場です。

参考①:ホセ・オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』
  ②:クリストファー・ラッシュ『エリートの反逆』

 著者が拠って立つのはプラグマティズム、即ち、日常生活

価値を置く、という思想的立場、全ての行動を生活に引きつけ、
生活にどのような結果をもたらすか、という視点で判断すると
いうまあ、当たり前の視点ですが、実際はなかなかそうはなって
いません。商店街活性化だって、アナタ、「コミュニティの担い手
などという、商業者個々の店舗経営・生活から逸脱した抽象的な
スローガンに乗っかってますし。

 著者については、あらためて詳しく紹介したいと思いますが、商店街活性化もこれからはどういう思想的立場に立つのか、
ということが極めて大切になります。
当サイトはもちろん、ものが売れなければ商店街では無い、
儲から
なければ商売人では無い、という“生活密着”の立場です。


2.藤井総『プラグマティズムのための作法』
  ㈱技術評論社(2012.5)

 ご両人とも「社会的実践」のあり方について、“具体的な生活を
重視した取り組み”、“生活に立脚した実践”を強調しています。

 従来の取り組みが、漠然として抽象的な「目標」を掲げ、したがって、
実践も抽象的なレベルに終始しているのに対して、取り組み全体の
目的を
明確に確立し、目的から目標に、目標から手段へとブレイクダウン
が出来る、そういう性格の・生活や日常の営業活動にしっかり
基礎を据えた計画を作り、効果的な事業を企画することが可能に
なる、「方法論」レベルの立場です。

 特に藤井さんの本は、京都大学大学院工学科の先生で、土木
計画から「まちづくり」まで、研究者、学識経験者として関わら
れた実際の経験の総括に立って書かれていますので、非常に教わる
ことが多いと思います。
ぜひ、ご一読ください。

 「目的・目標」を持つこと。
 中心市街地・商店街活性化の取り組みがいくら取り組んでも成果
が挙がらない根本の原因は、取り組みが自分の仕事、自店の繁盛
実現のための仕事という位置づけが出来ていないこと、位置づけ
が出来るところまで事業の目的・目標が明確になっていないことに
あります。

 自分の仕事、自分のこととしての活性化の取り組み、となる
ように取り組み全体を見直すことが必要です。
これはひとり商業者に限ったことではなく、立場や所属を問わず、
関係者全てに共通する課題です。

注・藤井先生は、『列島強靱化論』などが評価されたのでしょうか、
現在、内閣官房参与の重職にあられます。

 先生の持論「列島強靱化」は、果たして我が国の全体としての
「持続可能性」を再構築できる質をもっているかと言えば、それは
疑問です。これだけでは地域経済の循環性再構築という問題意識が
欠落しているのではないか。

 国が借金して土木工事中心に地域にばらまく、が、元請けが
ピンハネ、地元に残ったなけなしの所得もチェーンストア経由で
回収する、ということなら、国土強靱化は高度成長路線と軌を一
にするものでは無いか? というあたりについては、あらためて
考えるとして、
今日は、「日々の生活に根ざした実践」、日々その成果が生活上に
実感出来る実践を不可欠とする中心市街地・商店街活性化関係の
各方面の皆さんにぜひ、「プラグマティズム」の導入を期待して
ご紹介するものです。
有限会社クオールエイド
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有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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