ファスト・ビジネス

 ファスト・フード、ファスト・ファッション、ファスト・ショッピング
と来て、とうとうファスト・ビジネスの登場です。

 ファストビジネスとは何か?
①一般に企業の存在は、全ての人が認めるべき「価値」である。
②企業の目的は短期利益の最大化である。
③企業がその目的を果たすために取る行動は、法令に反しない限り
何をしてもよい。

 というあたりを信じて経営されている企業のこと。
「最短で最大利益」がその行動基準。

 我が社が利益を挙げることは、世界的に見て「善」であり、
そういう我が社にとって、世界は「金儲けの機会」として存在する、
と理解して行動する。

 「個別と全体の矛盾」という言葉がありまして、個人にとっては
大変都合のいいことだが、同じことをみんながやれば、当初の期待
とはまったく相反する結果が生じることを言います。
「合成の誤謬」ですね。

 うちが儲かるためには、ということだけを優先して考え・行動
する、その結果、外部にどのような影響を与えるか、ということには
眼をつぶって考えれば、儲かる方法はいくらでもあるでしょう。
しかし、行動の結果が外部に及ぼす影響、それがやがては自分に
跳ね返ってくるであろうこと、それによって生じる逆効果などを
考え合わせれば、選択の幅は自ずと限られます。
「三方良し」という言葉がありますが、企業が儲かり、お客が満足し
世間(社会)の福祉が増進する。特に、「世間良し」はこれが維持
されてはじめて企業も顧客も将来にわたる存続が可能になること
から、社会秩序が維持されることは企業活動の大前提であり、
社会の仕組みを利用して企業の目的を実現していこうとする
企業に
とって、社会秩序の維持に注力することは当然の責任です。

 これはなにも難しいことではありません。
顧客の問題解決に貢献する、企業の利害関係者の利害に貢献する、
その過程で社会秩序の維持・改善に貢献する、ということを行動
規範にすること。

 もちろん、そんな「きれいごと」には一切お構いなし、企業は
営利が目的だから何よりも利益を挙げることが大事、「利益=
収益-経費」だから、売上最大・コスト最小の実現を際限なく
追求するのが企業の存在価値だと考える人もあるようで、「年収
100万円時代」などと何のこだわりも無く言い切るユニクロの社長
さんなどはその代表の一人ですね。

 この考え方がトンデモであることは少しでも自分のアタマで
考える習慣がある人にはたちどころに理解されるところ。
「年収100万円」は既に非正規社員・パート社員では実現済みの
水準でしょうが、この年収レベルが国内一般に普及すればその結果
自社の経営環境はどうなるか?
早い話、ファストファッションを愛顧しているお客さんの年収が、
揃ってファストビジネスのパートさんの年収レベルになるという
ことですから、さて、そうなったときに、お客が現在と同じ感覚、
同じ頻度でファストビジネスのお客であり続けられるだろうか、
ということです。

 資本主義は、スタート以来、人々が生活に必要な物資やサービス
を入手するための努力の過程を営利機会とすることで成立して
いますが、出現以来、経済の全体を占めるまでに成長する過程では
さまざまな葛藤・対立・調整などを経験、その積み重ねの上に今日
“国民経済”の仕組みとしての定着が出来たことは誰もが知って
いるとおり。

 この「国民経済としての仕組み」を取っ払って、むき出しの
資本主義というか、これまで一度も存在したことの無い、“世界を
一個の営利機会の塊として見る”立場に立つのがファストビジネス、
グローバリズム(世界一球資本主義)を標榜する企業ですね。

 ファストビジネスのファストとは自分の利益最優先、それも短期
利益の最大化の実現を理念とする企業のこと。
もっとお金を儲けたい、ということが経営の本願、「拝金主義」
がぴったり。
 で、なぜ拝金なのか、といえばその背後には何の理由も理屈も
ありません。だって、世間一般、お金が大事でしょ、という感じ。
ただ、お金は尊い、だからお金がもっと欲しい、というところに
行き着いているだけのことではないか。

 グローバリズム企業の拝金主義は、商店街活性化、繁盛店づくり
とは似ても似つかぬ思想です。
(続く)

安易な「販売促進」の末路

 商店街に立地する既存個店の多くは、ファサードにポスターや、
チラシを貼り付け、店頭には特価品のワゴンを並べ、日よけブラインドを
営業時間いっぱい降ろしたまま、のぼりを立てたり、のれんを掛けたり、
全盛期にはおよそ考えられなかった様相を呈しています。
なぜこういうことが起こっているのか?

 その理由は、端的に言えば、「販倍促進」に取り組んだ結果ですね。

 売り上げが落ちた。お客が入店してこない。何か目立つアピール
が必要だ、ということでポスターやチラシを張り巡らす。
効果が挙がらない、これでもか、とばかりにどんどん増やす、
何とか通行人の足を止めたいと、均一低価品を満載したワゴンを
店頭に出す、ノボリ、のれん、メーカーのキャラ等々・・。

 結局、この店はいったい何を考えて「店づくり」をしているのか、
誰にも分からない状態を「売りたい」一心で作っているのが
商店街立地・大方の個店の実態です。

 “お客が入ってこない・売れない”個店の現状は、“手軽な
販促で売り上げを作りたい”という各店主の思惑・取り組みの
結果として起きていることです。

 さらに、お客さんが勇気を振り絞って、店内に入って見ると
そこに現出している光景は・・・。

 “今どきのお客はセルフで無いと物を買わない”などという
いつかどこかで受けた「経営セミナー」を思い出し、狭い店内に
“セルフで買える売り場”を作ろうとした結果、回遊性より什器
優先、ショッピングの楽しさより在庫量優先の売場が出現して
います。売れないわけですから中には持ち越し・不良在庫も混じって
いる。

 ショッピングになれたひとならこういう店内の様子は、外から
見ただけでだいたい察しが付きますから、はじめから入店してみる
気など起きるはずがありません。

 そういうわけで、お金と時間を掛けて取り組む“イベント”も
終わってしまえば元の木阿弥、翌日からはまたいつもながらの
静寂な時間が流れ、売り上げは着実に落ちていくばかり・・・

 “活性化”の取り組みが必要になっている商店街の現状は、
けして手を拱いていた結果では無く、それぞれの店主さんが何とか
業績を好転させたい、という努力の結果として起きているのだ、
ということを直視しなければならない。

 大型店が出店するたびに着実に奪われていったお客を奪還する
以外に繁盛を実現する方法はありませんが、どうすれば奪還できる
のか、どうすれば一度離れていったお客が帰ってきてくれるのか、
問題はここにあるのですから、あらためて、今どきのお客は生活に
ショッピングに何を期待しているのだろうか、ということをしっかり
勉強し、お客の期待に応えられる店・売り場を作って行くことを
決意しないと、繁盛再現は出来ません。

 これまでの“来街者を増やせば入店客が増え売り上げが上がる”
という何十年も取り組んで来た嘘八百からきれいさっぱり足を
洗って、お客が“ショッピングに行かずにはおられない”店づくり
に街ぐるみで取り組むべき。

 なにも難しいことではありません。
既に取り組んで成果を挙げている個店・商店街が着実に増えて
います。

 論より証拠。
当ブログの下方にリンクしている各地のキラリ輝く繁盛店づくり
「成果報告会」の動画を視聴すれば一目瞭然です。
報告されている各店主の楽しそうな表情が全てを物語っています。

 商店街の現状は、誤った努力の結果であり、もはや商店街・
個店の現状は“販売促進”を打つことで挽回できる状況にはあり
ません。
“活性化”とは、販売促進などでは業績を維持できなくなっている
商店街が取り組む起死回生の挑戦でなければならない。

 それは、来街(店)訴求、購買訴求の手練手管を駆使すること
では無く、愚直に、お客の生活に無くてはならないショッピング
行き先、行くたびに楽しいショッピングの場・時間を提供する、
という売場づくりに励む以外に方法はありません。

 「販売促進」と“売れる店づくり=活性化”はまったく違う
話です。
 どこがどう違うのか、しっかり理解しないと繁盛店づくり、
繁盛する店が軒を連ねる商店街づくり=商店街活性化はいつまで
経っても“言ってみただけ”に終わります。

 販売促進から活性化へ、本当に成果を上げたい商店街活動は、
今すぐ“大転換”をしなければならない。

活性化と販売促進

 専門的な知識が不足している専門家が指導する中心市街地・商店街
活性化では、「活性化」と「販売促進」がほぼ同じ意味で使われます。
『地域商店街活性化法』で「活性化事業」と定義され列挙されている
取り組みは、その機能からから考えれば全て「販売促進事業」です。
活性化と販売促進、どう違うのか?
あらためて考えて見たいと思います。専門的にその違いを明らかにします
から、今後はそのつもりできちんと使い分けてください。

まず「販売促進」について
 小売業の販売促進は、大別して二つ。
一は、来店(街)訴求、二は購買促進。

 前者は、商圏内の顧客層に対して来店動機となる催しを企画、
訴求して来店を促すもの。
従来から取り組まれている街を舞台にした多種多様な催しの他、
個店の店内で行われる一店逸品、百縁商店街、まちゼミなども。
基本的な狙いは、来店(街)さえしてくれたら、買ってもらえる
自信がある、ということが前提になる取り組みだが、実際には、
とにかく、何でもいいから店(街)に来たもらいたい、という
気持ちが先に立ち、売り上げ―顧客満足―固定客創出には結び
つかず、結局、一過性に終わっている。

後者の購買促進は、来店したお客に対して特定の商品の購買を
訴求するもの。訴求するのは「お値打ち」だが、前提となるのは、
日頃のショッピング行き先に使われているかどうか、ということ。
購買促進を来店訴求の材料に用いるのは、繁盛している店の特権
である。

 販売促進は、お客がしっかり付いており、繁盛しているお店が
展開する集客・販売促進戦術であり、業容(品揃え・提供方法・
環境)については、お客の支持・評価を得ていることが前提に
なる。したがって、、何らかの理由で客数が持続的に減少している
店舗、商店街が取り組んでも成果が挙がることは無い。


「活性化」とは。
“現状のまま推移すれば、小売商業集積としての存続が困難である
と判断される商店街が、環境の変化に対応して商業集積として
持続可能な条件を構築すること。

 もともと“活性化”という言葉は、衰退趨勢に陥っている対象に
対して適切な施策を施すことで本来の機能を賦活させること、
を意味します。これを商店街、商業集積関係で用いると、上述の
様な使い方になります。
 
 活性化の場合、取り組みの基本は、存在理由=来街目的を再構築
するという仕事、即ち、多種多様な商業集積が商圏内に展開して
いる状況において、あらためて商業集積としてのポジションを
確立するという大仕事が“活性化”です。
個店レベルでは“業容の転換”=品揃え・提供方法(接客)・
店内環境の改革改善、商店街レベルでは集積としての存在意義を
明確に打ち出した業種揃え・店揃えの最適化、サービスミックスの
改革、街区機能の整備改善などに一体的に取り組みます。

 販売促進が恒常的な業務の一環として取り組まれるルーティーン
の企画であるのに対して、活性化は、このままでは衰退の一途を
たどるほか無い状況に陥っている商店街が、起死回生、商業集積
としての存続を賭けて取り組む“持続可能な繁盛を実現する道”、
各種の事業を展開、成果を蓄積しながら「集積としての再生」を
目指す、息の長い取り組みです。

 ご理解いただいたことと思いますが、販売促進と活性化は、
その意味するところ、目的が大きく異なり、したがって、取り組む
べき事業も自ずと異なります。販売促進の積み重ねで街の活性化を
実現することは出来ません。

 従来の商店街活性化の取り組みは、活性化と販売促進の違いを
識別しないまま、専ら、販売促進を繰り返すことで活性化が実現
出来る、という誤った前提のもと、「効果効率的な把捉」が模索
されて来ました。その結果、個別事業の成功・失敗とは別の次元で
商店街の商業集積としての機能は、陳腐化―劣化―空洞化という
負のスパイラルを沈降していく一方という状況が改善どころか
さらに悪化していくという状況が全国の都市で起こっているわけ
です。

 新年度は、まず、販売促進と活性化の違いをしっかり銘記した
上で、“活性化への道”を構想するというテーマを掲げ、活性化
実現の方法と方向を確立する、という業務方針を立てることが
必要です。

 これまでの取り組みはなぜ商店街を活性化出来なかったか?
という直面している疑問に的確に答えること無く活性化を実現する
ことは出来ません。

 ちなみに、販売促進と活性化を区別することは、商店街活性化
の指導者なら当然弁えておかなければならない、イロハですが、
商店街のリーダー、外部の専門家を問わず、二つの専門用語の
区別が出来ていない人が多いのが実状です。
皆さんの周囲ではどうでしょうか。
状況によっては、活性化への第一歩は、二つの用語の区別を確立、
関係者が共有することから始まることもあり得ます。

中心市街地の活性化に関する総務省勧告



 新年度も早や一ヶ月、新に関係部署に赴任された各位もそろそろ業務
環境の問題状況の把握に向かっておられることと思います。
当サイトにへのアクセスにもそのような傾向が見られます。

 そこで、問題状況把握の一助となることを期待しつつ、当サイトの
過去記事を一つ紹介します。

 『総務省の勧告に関する考察』


 考察の対象は、総務省『中心市街地の活性化に関する行政評価・
監視』(H16.9.15 )
というファイル。
現行中活法(H18年改正)以前の文書ですが、一読、改正がこの勧告の
ラインに沿っていることは明らかだと思います。

 なお、次の文書もどうぞ。
総務省『・・・・勧告に伴う改善措置状況の概要』


②内閣府地域活性化推進室『中心市街地活性化基本計画の取組状況に
関する平成23年度中間フォローアップ報告』(H24.6.29)



①と②の問題状況の異同についてよく確認されると、直面する
課題の一端が見えてくると思います。

「専門性」への疑惑

 中心市街地・商店街活性化が上手くいかないのは、ハッキリした
理由があり、事業に関わる人たち ―「学識経験者」から諸団体の
担当者、個店の経営者に至るまで―が、専門家として当然持って
いるべき知識・技術をもっていない、ということです。

 特に学識経験者層の知識・技術の不足は重大で、本来ならばこの
人達は当該中心市街地活性化に取り組む人たちが活性化を実現する
ため必要な知識や経験が不足していることを理解し、自らがもって
いる専門的な知識技術を持ってそれを補う・支援するという役割
ですが、現実は役割を果たすために必要な「学識経験」を持たない
まま、かつ、そのことを自覚しないまま、現場に来ており、しかも
それで良いのだと思っているように見受けられます。

 このことを指摘しているのは私だけでは無く、たとえば:

藤井総『プラグマティズムの作法』㈱技術評論社2012年5月

 経済学・経営・まちづくりなど関連部門の専門家の目的―手段の
関連についての知識や経験、態度にまで厳しく批判されています。

 とはいえ、藤井さんも述べている、目的―目標の連鎖を知識・
技術を駆使して論理的に組み立てることの重要性を自覚し、実践
する人はまだ極めて限られています。
この重要性を自覚し、計画として練り上げる力を持っているのが
専門家のはずですが・・・。

 中心市街地・商店街活性化の支援に登場する専門家の場合、
不足しているのは、まずは専門分野における学識・経験です。
経済学、経営学等の専門分野の知識だけでは、現在の問題状況を
理解するための枠組みとしてあまりに不十分、これまで積み重ねて
きた学識経験では、直面している問題を的確に理解し、解決策を
講じることは難しい、ということが理解出来るかどうか、という
問題以前の問題、メタの問題があります。

 学識経験を期待されて現場に入っている「学識経験者」に共通
する第一の欠陥は、自分を専門家たらしめている・駆使する専門
用語を定義してない、ということです。
現場で始終飛び交う「活性化」、「賑わい」、「コミュニティ」、
「コンパクトシティ」、「コンセプト」等々は「専門用語」のはず
ですがそれぞれの言葉が指し示しているのは何か、定義している
専門家は殆どいません。
専門用語は定義せずに使って良いのだ、というのがこれらの専門家
のレベルだということです。

 したがって、彼らの指導のもとで作られた『基本計画』やその
下位の『事業計画』にちりばめられている専門用語は全て定義
されていない・専門用語とは名ばかりの疑似・専門用語であり、
こういう言葉を使って物事を考えても、具体的な目的・目標実現に
つながる取り組みは導き出すことが出来ません。
 具体的な取り組みは、専門用語とは関係の無い、昔ながらの販促
事業になってしまうのはそのためです。

 そこで・
専門家としての肩書きを持って中心市街地・商店街に現れる学識
経験者の真偽の見分け方:

 名刺交換が終わったらさっそく質問して見ること。

“全国全都市で取り組まれている中心市街地・商店街活性化はなぜ
成功しないのか?、先生は何が原因だと思われますか?”

 どういう返事が返ってくるかによってその人の専門性のレベルが
分かります。

 成功しない理由について、“専門家の至らなさ”を挙げる人なら
見所があります。自分はそういうレベルでは無い、という自覚が
無いと言えないことですし、きちんと“活性化への道”を描いて
いないと出来ない返事です。

 皆さんの街に出没する専門家、果たしてどんな回答をするのか、
機会があったらぜひ質問してみてください。

承前・経済活力の向上とは



 多くの基本計画が中活法の枠組みを無視、住む人来る人を増やせば
街は活性化するとか、賑わい創出とか、根拠も無いことを好き勝手に
並べ立てているのが基本計画、こんなレベルの取り組みでは活性化
なんか出来るはずが無い。
というのが昨日の結論でした。

 昨日の続きで「経済活力の向上」についてさらに考え、起死回生
の中心市街地活性化への道を探っていきましょう。

「経済活力」という言葉が登場するのは中活法第2条(中心市街地)
において。
その二 趨勢要件
当該市街地の土地利用及び商業活動の状況等からみて、機能的な
都市活動の確保または経済活力の維持に支障を生じ、または、
生じるおそれがあると認められる市街地であること。

つまり、現状を放置していたら都市活動の確保、経済活力の維持に
支障を生じるので、“施策を講じて「持続可能性」を再構築する”
のが中心市街地活性化の本旨です。
ちなみに法には、コンパクトシティとか、賑わいつくりとか、
コミュニティの担い手といった情緒的な文言はありませんね。
法のスキームにおける中心市街地とは、都市の中心部に位置する
商業街区のことですから、商業街区の活性化(持続可能性の確保)
を図る枠組みでコンパクトシティを目指すという一部で見られる
傾向は、とんでもない間違いですね。こういうとんでもない錯誤を
犯すようでは、コンパクトシティはもちろんのこと、商業街区の
活性化も実現出来ません。
この点、コンパクトシティ論者も反対派もスキームの理解では
同じような錯誤に陥っています。
以上については、あらためて関連条項を一読、しっかり確認して
おきましょう。

さて、経済活力について。
経済活力とは何のことか?
あらためて考えると分かっていそうですぐには答が出てこない
のではないか。

「経済活力の向上」は、中活法第二条(中心市街地)に出てきます。
ここでは中心市街地とはどこのことか、都市が中活法のスキームで
活性化のために施策を講じる街区の要件を定めています。

第二条 まるまる引用しておきますね。

(中心市街地)
第二条 この法律による措置は、都市の中の市街地であって、
次に掲げる要件に該当するもの(以下「中心市街地」)について
講じられるものとする。

 一 当該市街地に、相当数の小売商業者が集積し、及び都市
機能が相当程度集積し、その存在している市町村の中心としての
役割を果たしている市街地であること。(集積要件)

二 当該市街地の土地利用及び商業活動の状況等からみて、機能的な
都市活動の確保または経済活力の維持に支障を生じ、または生ずる
恐れがあると認められる市街地であること。(趨勢要件)

三 当該市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を
一体的に推進することが、当該市外地の存在する市町村及びその
周辺の地域の発展にとって有効かつ適切であると認められること。
(効果要件)

 この三つの要件が揃っているところが「中心市街地」であり、
このままでは維持存続に支障を来す「趨勢」を押しとどめ、“市町村及びその周辺の地域の
発展に有効”となるレベルで活性化を実現することが中活法の
取り組みの本旨です。

第一条で中心市街地活性化が“中心市街地における都市機能の増進
及び経済活力の向上”と定義されていますが、内容はここまで
深く理解しておかないと都市全体の活性化を牽引する中心市街地
活性化にはなり得ず、そもそも他の地域に“プラス”効果を波及
出来ないような取り組みでは、そもそも中心市街地の活性化も
難しいのです。

 さて、本論に戻って、「経済活力の向上」について。
二号要件に“経済活力の維持に支障を生じ・・”とあることから
経済活力は維持されなければならないことが自明のこととされて
います。
自明のことになっていますが、その内容は何か、経済活力の向上と
いってもどれくらい向上させれば良いのか、いろいろ明らかに
しなければならない。
このあたりは、当然、経済や都市経営などを専門にしている学者の
守備範囲だと思いますが、ほとんど手つかずです。
計画作成に参加した人たちも。

 “維持に支障が生じるおそれがある”状況を改善することに
なるわけですから、経済活力を“維持可能にする”ことが目的、
維持に支障を生じる趨勢に陥っている経済活力に措置を講じる
ことで維持可能なレベルまで向上させる”ことが経済活力の向上
です。
では向上させるべき「経済活力」とはなんでしょうか。
端的に言えば、都市における経済活動の目的である“付加価値”
を産み出す能力のことです。付加価値は、商業で言えば粗利=
売上総利益にあたります。
中心市街地の一号要件を踏まえれば、中心市街地における経済活力
の向上とは、
①メインになるのは、小売業の付加価値確保能力の活性化
②その到達目標は、当該市街地の小売業が将来にわたって存続
可能な付加価値を実現し続ける
能力を産み出す、ということです。

如何ですか。
ぼんやり、「経済活力の向上」と考えているのと“維持に支障が
生じている小売業をメインとする付加価値創造力を活性化する”
では取り組む内容の具体性で月とすっぽんほど違います。
もちろん、住む人来る人を増やせば良い、非物販の集客施設
設置
すれば良い、そうすれば中心市街地は活性化する、といった漠然
とした世間一般に通用している方向がまったく中活法の狙いから
ずれていることが分かりますね。
そうすると、こういうズレまくりの知識に基づいて作られる基本
計画が役に立つはずがないし、たぶん、こういう知識のレベルで
動く人は、間違いに気づくこともないのではないか、ということさえ
心配されるのであります。

 経済活力の向上とは付加価値創造力の活性化である、と理解
すれば、課題は“進駐組からお客を奪還すること”だということで、
これはもちろん、商業者にとって“やりたい気持ちは山々だが、
とても勝ち目は無い”という思い込みから表面化されなかった
中心市街地活性化の根本課題です。

 都市によっては、中活法のスキームでコンパクトシティを目指す、
というトンデモ路線を採用している例もあるようですが、出来ない
相談、中活法をきちんと読めば分かることです。

いろいろ書きましたが、中活法で一番大切なことは、取り組みの
目的である「経済活力の向上」とは“維持に支障が生じている”
小売商業者の“付加価値創造力(=粗利を稼ぎ出す力)”の活性化
だということ、目標は進駐組からお客を奪還することすなわち、
地域内の所得―消費―所得循環を再構築することであり、この実現
こそが、維持成長に支障を生じている都市全体の経済活力の向上
を牽引する中心商店街の“都市機能の増進”です。

以下余談
当ブログの特徴は、読者が読めば読むほどアタマが良くなること。
自分でそのことを実感出来ること、ですね。
アタマの良さはどこから来るのかと言えば、もちろん、あなたの
アタマの中から現れて来るものであって、他から与えられるもの
ではありません。
アタマはちゃんと使えば“どんどん良くなる”もの、アタマが
ちゃんと働かないと“付加価値創造”は出来ません。
アタマがちゃんと働けば“粗利をちゃんと稼げる仕組み”を作る
のはそんなに難しいことではありません。
「キラリ輝く繁盛店づくり」に参加されている人は実感されている
とおり。
“アタマが良くなると生活が楽しくなる”ことも実感中ですね。

中心市街地活性化の真実

 中心市街地活性化法 第一条:中心市街地活性化とは、当該街区に
おける都市機能の増進と経済活力の向上。

その目標はどのあたりに設定すべきか?
第二条
中心市街地の要件から。
一号=集積、二号=趨勢、三号=波及効果。二号要件に注目。
"経済活力の維持に支障が生じ、または生じるおそれがあること。"

 活性化の目標は、経済活力の維持に支障が生じ”ている状態=
衰退趨勢からの脱却、すなわち持続可能性の再構築です。
この目標は、他で代替することは出来ません。
この目標を的確に理解していないと、全ての取り組みは目的を
達成することは出来ません。やがて経済活力を維持することが
出来なくなり中心市街地は都市の中心では無くなります。
中心部がになっている都市機能が衰退すると都市全体の経済活力を
維持することが難しくなります。(資金循環の崩壊)

中心市街地活性化の目標は、衰退趨勢から脱却、持続可能性を構築
すること。分かり易い目標ですね。

次に、中心市街地・商業街区(商店街)の活性化について。
こちらも活性化=「都市機能の増進と経済活力の向上」ときちんと、
一点の曇りも無く、押さえておくこと。

商業街区の活性化=衰退趨勢から脱却、持続可能性の再構築。
中核となる都市機能は小売商業だから、衰退趨勢にある小売商業
機能を活性化=持続可能性を再構築する。
経済活力の向上=小売商業機能の活性化。

というあたりが中心市街地=都市中心の商業街区の活性化の中身、
法律をちゃんと読めば何の紛れもありませんね。

数値目標もこの流れで設定します。
「一体的推進の目標」に合致する数値化できる目標を組み立て
られればの話ですが。

実際の基本計画ではどのような目標が設定されているか?
ぜひ、手近の計画をチェックしてみましょう。
"持続可能性の回復"などとはまったく関係の無い文言が踊って
いるはずです。
総じて都市経営という領域における問題解決のスキルは極めて
低いレベルにあるようです。
ポスト工業社会という人類が経験したことの無い環境に一番先頭で
直面している我が国の経済・社会をどう維持していくのか、という
大きな課題の中核に位置する都市経営―中心市街地活性化ですが
全国的な迷走ぶりを見ますと、一日も早く「成功モデル」を実現
することが喫緊の課題であることがひしひしと感じられるのでは
ないでしょうか。

イオンモールとは何者であるか

 商店街を活性化しなくては、と思ったとたん、まず考えなければ
ならないことは、「郊外のショッピングセンターをどう見るべきか」
ということです。一口にショッピングセンターといっても、その業容は
多種多様、それぞれ標的にしている消費購買行動も異なります。
商店街の活性化に取り組む、とは郊外に多種多様に展開する各種の
小売商業類型の狙いをきちんと把握し、それらとの営業上の位置関係を
しっかり考えた上で施策を講じることになります。
たとえば、このところ流行している一店逸品、百縁商店街、まちゼミ
などの販売促進に取り組むことが郊外の諸集積にどのような影響を
与えることが出来るのか? 百縁商店街などは百均が繁盛しているのを
見て、商店街の核として誘致したいが来てくれそうも無い、それなら
自分たちで代替品を創ろう、というのりで始まったのだそうですが、
その前にやるべきだったのは、なぜ百均は商売として成立するのか?
ちゃんと勉強してみることでした。言うまでも無く、百均の皮相的な
物まねと百均の業容とは月とすっぽんほど違います。
これを無視して、百縁は販促効果があるから、とどんどん開催回数を
増やしたらどうなるか、考えて見たら分かりますね。

 今どき効果的な販売促進をやりたかったら、郊外型商業の業容を
理解し、その販促手口が業容から導き出されていることを理解し、
自分たちの商売には関係の無い、やろうとしても出来ない・やっても
効果の挙がらない手法だということを理解しなければならない。

 いささか本論からずれました。
商店街活性化の課題、その第一は郊外型小売業の正体を見極めること。
ここではその代表として“ショッピングモール”を取り上げます。
我が業界に於いては、ショッピングモールは「蒙昧語」でありまして、
業界でも学会でも(当社を除き)定義されておりません。
ここで定義を説明してもいいのですが、手間が掛かりすぎるので、
ショッピングモール=御地の近くにある「イオンモール」だと理解
すること。
イオンモールとは何であるか=ショッピングモールとはなんであるか、
ですね。以下の言説にについては、ぜひ、あなたの生活圏内に立地して
いる「イオンモール」を思い浮かべながら検討してください。

 商業集積を観察するときに重要なことは、視点を定めること。
商業集積を見る場合は、あたかもそれが一個の小売店舗であるかのように
観察すること。一個の規模がとてつもなく大きな小売店という視点で
その業容すなわち、品揃え(テナントミックス)、サービス(販売・
購買促進)・空間環境をチェックする。チェックの視点は、もちろん
「標的客相」ですが、今日は客相関係は割愛します。
興味のある人は過去記事を探索してください。

〇イオンモールのテナントミックス(店揃え)の特徴
 中小個店の「品揃え」は、集積でとらえれば「集積に参加している
個々の店舗の品揃えの総体」です。イオンモールのテナントミックス=
モール全体の品揃え、です。これを把握するとモールがターゲットに
している「客相」が分かります。たぶんイオンはこの「客相」を自覚して
いないのですが。

以下の考察は:
掲示板【理論創発】で続けます。興味のある方はどうぞ。

コミュニティ活動としての商店街活性化

 ご承知のとおり、当サイトはいわゆる“コミュニティの担い手
としての商店街を活性化する”という、近年よく言われる取り組み
については趣旨がよく分かりません。第一、そういう位置づけに
基づく取り組み(コミュニティ機能の向上など)で商店街の買い物
の場としての機能が活性化するとは思われません。

 主張している皆さんがコミュニティとは何か、定義している
例は、私どもが知る限りほとんどありませんね。
定義と言えば、コミュニティ同様に専門語として流通している
コンセプトやコンパクトシティなども定義されていません。
いやしくも専門家が専門用語として用いるならきちんと定義して
おくべきところ、定義していない専門語を平気で使う人は専門家
というより疑似専門家といった方が実態に近いと思います。

 さて、コミュニティについて。
商店街界隈で流通する定義抜きの疑似専門用語は勘弁してもらうと
して、商店街とコミュニティを結びつけて考えると、どうなるか、
ふとひらめきましたので考えて見ました。

□コミュニティとは:(wikipediaによれば)
同じ地域に居住して利害を共にし、政治・経済・風俗などに
おいて深く結びついている人々の集まり(社会)のこと、とあり
ます。
①同一地域に居住し
②利害を共にする
ということでしょうか。
“ともにする”利害の内容もいろいろあるそうです。

 世帯が集まって暮らしている地域で“ともにする利害”とはどの
ような利害なのか?
“商店街はコミュニティの担い手”という場合、商店街が担って
いるコミュニティとはどのような集団を指しているのか、その
成員に共通する利害とは何か?
今ひとつピンと来ませんね。

 生活は、家族ごとに営まれていますから、地域社会における
利害の最小単位は、対外的に家族は利害の共同体になります。

 同一地域に住む家族群に共通する“利害”とはどのようなもの
でしょうか。
西部劇などでおなじみ、西部開拓期の町は、
①生活単位としての家族の利害が根底にあって
②①を維持存続するために必要な地域社会の機能を維持する
という
共通の利害がありました。教会、学校などをみんなで建てて、
維持する、という仕事があり応分のお金を出し合い、仕事を分担
していたことが映画ではよく描かれています。
個別の利害は個々に追求し実現しながら、その条件を維持する
ために必要な仕事には協同で取り組む、これがコミュニティです。

このように考えれば、“商店街=コミュニティの担い手”という
時、そのコミュニティに所属しているのは誰か?
商店街及び商店街の周りに住んでいる人たち?
そうするとそのコミュニティの組織は公民館とか自治会という
ことになります。特段、商店街はコミュニティをになっている、
だから商店街を支援しなければならない、という主張の根拠には
ならないと思いますが・・・。

 というあたりはさておきまして。
商店街というコミュニティについて考えてみましょう。

まず、商店街はコミュニティたり得るか? 
あらためてコミュニティの定義をもとに考えてみますと。
コミュニティとは、
①同一地域に居住し
②利害をともにする
という特性を持つ社会集団のことです。

商店街を形成しているのは、物販という営利事業を個別に営む
小売商業・サービス業者となります。
この人達の共通の利害とは何か?
商店街がショッピング行き先として商圏で確固としたポジションを
占めること、ですね。そのために商業者は“自分のことと”として
商店街の共同事業に取り組みます。

 如何ですか。
このように考えますと、
①商店街とはコミュニティ組織そのものであり
②商業者は商店街を存続するために必要な共同事業に取り組む
ということですね。

劣化スパイラルに陥っている商店街の存続可能性を再構築する=
共同で取り組む商店街活性化事業こそコミュニティ活動そのもの
だというわけです。

 問題は、共同事業としての活性化の取り組みが、参加者個々の
個別利害の維持拡大という期待に応えているかどうか。
昔ながらの販売促進事業でお茶を濁している商店街のコミュニティ
活動は、参加店の利害の維持拡大につながらないとその趣旨を
全うしていないことになります。

 この点、これから商店街活性化のメインとなっていかなければ
ならない“キラリ会”は、共同での取り組みの内容がそのまま
参加個店の繁盛=持続可能性の再構築に直結している、業績の
向上が実現すれば、それがそのまま商店街全体の活性化の実現
そのものであるという、まさに画に描いたような“コミュニティ
活動”です。

 商店街はそこに立地する商業・サービス業者のコミュニティ
であり、個別利害を実現していく.街の持続可能性を再構築する
商店街活性化事業は、コミュニティ活動そのもの、その成否は
参加個店の繁盛を実現出来るかどうか、によって判断しなければ
ならない。
そういう意味で、キラリ会は商店街というコミュニティのなかで
飛び抜けた「コミュニティの担い手」だということになります。

 コミュニティの定義からすると、「コミュニティの担い手」 
とはこういう趣旨で使うことのようですが、如何でしょうか。

地域商店街活性化助成@補正予算

全国商店街振興組合連合会が国からの補助金(平成24年度補正
予算)を受けて資金を作り、商店街組織の活動を助成するもの。
ご承知のとおりですが念のため。
http://www.syoutengai.or.jp/chiiki/

 事業の成果は事業終了後・事業の外に現れなければならない、
特に商店街の現状を踏まえれば、その企画は“個店の経常的な
業績の向上”を実現する内容であることが望まれます。
望まれるというか、内部的には「必須」ですね。

 事業を企画するに当たって肝心なことは、その事業によって
生じる条件を活性化につなげていくために必要な能力(基礎体力)
を組織、個店が備えているかどうか、あらかじめ見極めておく
ことです。どんないい事業を企画しても、その効果を各個店の
繁盛実現に活用出来る基礎体力を持っていなければ、画に描いた
餅に終わりますからね。
このことは、商店街活性化事業を企画するに当たって、当然、
第一に考えなければならないことですが、皆さんの街では如何
ですか。ここで、“これまでの反省を踏まえて基礎体力の向上を
図る”という声が帰ってこなければ、これまでの「不毛の堆積」
として終わっている事業群をこれからも続けていこうとしている
ことになるのですが・・・。

 商店街活性化の目的は、商店街における消費の増大を実現し、
それを通じて「地域に入ってきたお金が域内循環する」システム
を作ることです。お金の域内循環の実現に貢献できなければ、
特段、商店街の活性化に他の商業施設に優先して取り組む理由は
ありませんからね。

 活性化の取り組みは、「所得の域内循環」を実現する方向へ
商店街・個店が確実に変わっていく、という結果が生まれる内容で
取り組まなければ、個店の繁盛も実現出来ません。
個店が繁盛できなければ、結局、どんな大義名分の立派な事業に
取り組んでも商店街の持続可能性を強化向上することは出来ず、
街はやがて“買い物の場”としての機能を失ってしまいます。
活性化事業に取り組んでいるうちに“買い物の場”では無くなった
という悲喜劇に陥らないためには、事業に解決を期待する課題を
ハッキリさせた上でその目的を達成するために適切な事業を企画
することが必要です。

 これまでの経験でハッキリしていることは、
“シャッターの外側でいくら事業に取り組んでもシャッターの
内側(=買い物の場)の活性化にはつながらない、ということ。
商店街の現状は、シャッターの外側限りの活性化事業に何十年も
取り組んで来た結果であることを考えればこのことは否定しよう
のない事実ですからね。直視しないといけません。

 今、取り組まなければならないことは、その事業に取り組む
ことを通じて組合員の基礎体力が確実に強化向上出来る、という
事業に限定して企画・実施すること。その他の事業にいくら
取り組んでも商店街の衰退趨勢を押しとどめ、反転して繁盛に
向かう効果を挙げることは絶対に出来ません。

 出来るかも、という人は“出来るかも”と考える根拠を自分の
頭できちんと考え、納得してからにすべきでしょう。

 事業の成果として「基礎体力の向上」を念頭に置いていない
「活性化事業」は、活性化とは名ばかり、貴重なお金と時間を
浪費しながら、街も個店も疲弊させていくことになります。
どうして断言できるか?
だってこれまでやってきたことですもん、普通に考えれば誰でも
予測できるんじゃないですか。

 さて、上限400万円という自己負担無しの活性化助成金、
上限いっぱい、400万円使い切る事業を企画したとして、その
成果として商店街にどれだけのリターン(売り上げ・粗利)を
見込んでいるのか? これまでのパターンですと「ゼロ」ですね。

売り上げアップ見込みゼロの事業が「販売促進事業」で通用する
のはあまた商業施設があるなかで商店街のそれもリーダーさん達の
間でだけでは無いでしょうか。進駐組の店長なら即刻お役ご免に
なるレベルかと。

 大枚400万円という公費を使って事業に取り組んだ結果、
商店街にどれだけのリターンが発生するのでしょうか。
まあ、使い切ることに意義があるという考えが“常識”になって
いる従来的な執行部ですと、はなから全く期待できないことに
なりますが・・・。

 消耗品の調達くらいは商店街内でやるべきところ、経費節減などと
称して郊外に買いに行く程度の気構え・基礎体力ではいくらお金を
使っても街の活性化はとてもとても。

 事業の取り組む皆さんは、取り組もうとしている事業に取り
組んだあと、商店街と個店シャッターの内側に於いてどのような
変化が起こることが期待出来るか、あらためて考えて見るべき。
どのような種類の事業でも、その気になれば事業が終わった後に
効果が現れる、シャッターの内側にも効果が残る、そういう企画に
することが出来るはず、残された時間は本当に少ないのですから
そのつもりでしっかりがんばるべき。助成金の使い方は、注視
されていることをお忘れ無きよう。

商店街はなぜ活性化出来ないか

 新年度、心ならずもW 新しく当業界に参入された方も多いと
思います。商店街はいつまで経ってもなぜ活性化出来ないのか、
至極当然、かつ、ある意味新鮮な問題意識を抱いてWebを探索中に、
当サイトに逢着された方もおいでになると思います。

 業界新規参入の皆さんに、これから業界をわたっていくための
基本となる知識を提供するのがこの記事の目的です。

 もちろん、長年業界に棲息しながら「なぜなのか?」考えた
ことの無い人や、考えても答が出てこない人wにもあらためて
確認したい知識のはず、ぜひ批判的に検討してください。

 「活性化」という言葉は、ご承知のとおり、地域、都市、各種
組織などさまざまな対象、分野において頻用されています。
使用される文脈からすると、「術語」「専門用語」なのですが、
どこの分野でもこれまでほとんど定義されずに使われています。

 文脈からすると、"何か手を打たないと、このままではまずい"
状況に陥っていると認識された状況を打開するための取り組みが
「活性化」ですが、定義が共有されていないために、活性化とは
「活性化という冠のついた事業」に取り組むこと、というのが
一般的な状況です。

 「活性化に取り組んでいる各現場及び支援に当たる研究企画
部門において活性化という専門用語がきちんと定義されていない」
ということです。

 活性化に取り組まれている現場では、「活性化」について、
ほとんどその意味を共有する作業を行わないまま、「活性化」
事業を起案し、推進するという傾向が大勢を占めています。
(まさかと思う人は、Web上で「活性化の定義」を検索して見よ)

 これは大変なことでありまして、主観的には当該組織などが
直面する問題状況を打開するための事業に取り組んでいるはずが、
実際には状況の打開にはまったく関係の無い作業に終始している
というケースも少なくありません。

 この点、本論の対象である「商店街活性化」もまったく同様で
あり、取り組みの長さからいえば、昭和40年代から活性化の
冠を付せられた事業が多種多様にわたること、成果がほとんど
挙がらないばかりか、取り組んでいる間も商店街の「活性化
(の取り組み)が必要な状況」はさらにどんどん悪化している、
ということでは「活性化」を定義しないまま活性化に取り組むと
録なことにはならない、状況悪化スパイラルに陥るという
「モデル」にもなろうかという存在です。

 商店街はなぜ活性化出来ないか?
その最も根本的な原因は「商店街活性化とは商店街がどうなる
ことか」が関係者に共有されていない、「商店街活性化」が適切に
定義されていないところにあります。

 以下ではまず、当欄の過去記事から「活性化」「商店街活性化」
の定義を紹介した上で、あらためて「商店街活性化」の取り組みの
現状を分析し、なぜ活性化出来ないのか、その原因を明らかに
した上でこれから向かうべき方向への初期作業を提案します。

 まず、当欄2月20日の記事の冒頭を引用します。

※引用スタート * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

まず「活性化」とは:

 対象である地域、街区、組織などが何らかの理由で存続が困難な
情況に陥っている、もしくは陥る可能性が高くなっている場合に
適切な対策を講じることで、存続可能な条件を作り上げること。
※引用終わり* * * * * * * * * * * * * *

これが当社が考える「活性化」の定義,
キーワードは「存続可能性」、活性化=「存続可能性の再構築」
です。
➀このままではいずれ存続が難しくなるので、
➁適切な施策を講じて存続可能な条件を作り出すこと

 活性化とは"存続が危ぶまれる"という状況認識のもとで取り
組まれる持続可能性を構築する戦略的施策のこと。
状況的にイケイケという局面で取り組まれる拡大・成長施策
(たとえば"販売促進")と活性化とは主体内外の状況認識が
まったく違います。
このことを理解せずに取り組まれる"活性化"は失敗する可能性が
極めて高い。

※引用スタート * * * * * * * * * * * * * * * *

 商店街活性化とは:

商業集積としての存続が危ぶまれる情況に陥っている、もしくは、
陥る可能性が高い商店街に、適切な施策群を講じることで持続
可能性を再構築すること。
将来にわたって、商業集積として持続可能な条件を構築すること

※引用終わり * * * * * * * * * * * * * *

 「活性化」の定義を商店街活性化に援用すればこうなります。
ここから「活性化」の課題は、環境が大きく変化しているなかで
あらためて商店街を存続させるにはどのような施策が必要か"
という問題が立てられることになります。
さらに遡って、当該商店街が活性化が必要な状況に陥った原因も
明らかにしなければならない。
原因が分からなければ対策は考えられない、当然ですね。

さて、「商店街活性化」を定義しないまま、「活性化事業」と
銘打って取り組まれている事業は多種多様ですが、その実体は
「販売促進」のための事業がほとんどです。

販売促進とは何か?

※引用スタート * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 一方、販売促進とは:

小売業、商業集積が現在直下の販売実績を上げるために取り組む
手法のこと。
販売促進は、現在の業容を前提に、すなわち、品揃え・提供方法・
提供環境などに基本的に問題が無いとき、もっぱら目先の売上げ
を確保、アップするために使われるノウハウです。

※引用終わり * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

販売促進とは、
1.来店する動機が起きていないお客に来店を訴求する、
2.(特定のアイテムに対して)購買意欲が起きていない
お客に購買意欲を喚起する
ために駆使されるノウハウです。

 販売促進が成立する条件は、
1.来店動機を持ったお客が来店すれば必ず満足する
2.販促を掛けている商品を吟味するお客は必ず満足する
ということ。
これが満たされないと、販売促進の目的は達成されません。
販売促進の目的は売り上げを実現することですから当然ですね。
お客が来店さえしてくれれば、必ず売れる・売ってみせる・
そのための準備は万全、という前提で取り組まれるのが販売促進
です。
逆に言えば、お客が“買わずにはおれなくなる”ような準備・
仕掛けが施されて無ければ販売促進は効果が得られない、
ということですね。

 さて、“商店街はなぜ活性化出来ないか”という標題のもと、
長々と「販売促進」について述べてきたのは他でもありません。
商店街が“活性化”を目的に掲げて取り組んでいる活性化事業の
ほとんどが“販売促進”のための事業に他ならないこと、
したがって、いくら事業に取り組んでも活性化の実現には
一歩も近づけないことを明らかにするためです。
いくら上手に“販売促進”と組み立てても、その結果が街の
商業集積としての活性化=持続可能性の再構築にはなりません。

 さらにもう一つトンデモないことがありまして。
〇間違って「活性化策」として取り組まれる「販売促進」では
販売を促進することが出来ない、ということが起こります。

つまり、活性化策として花火促進事業に取り組んでも活性化は
出来ず、それどころか、販売促進=一時的な売り上げ確保も
実現出来ない、ということです。

 さらにもっと悪いことには.
上手に来店促進イベントを仕掛ければ、おイベント目当ての
お客がたくさん来てくれることでしょう。
しかし、この人達に“購買”を促す仕掛けが出来ていなければ、
売り上げは発生せず、―もちろん、商業集積としての持続可能性
の再構築にはもともと無縁― 期待していることは何一つ実現
出来ないばかりか、来街したお客に“イベント以外で来街する
必要は無い”ことを確認させるだけに終わります。
結局、時間とお金を掛けて“街の開門行き先としての至らなさ”
を広く告知していることになります。

 活性化策のつもりで販売促進に取り組むと、活性化が出来ない
ばかりか当面の販売アップも実現できず、事業に取り組んでいる
間も街のショッピング空間としての陳腐化・劣化・空洞化は
容赦なく進むばかり・・・。

 というのが活性化=ショッピング行き先としての再構築に
取り組むべき時に、間違って販売促進(たった今の売り上げを
確保する)に取り組んでいる商店街の現状です。

 商店街はなぜ活性化出来ないか?
もはや答は明白ですね。
 
 “活性化に取り組むべき時に、販促に取り組んでいるから”
これが答です。

 ちなみに、一店逸品、百縁商店街、まちゼミという一部で
「商店街活性化三種の神器」などとふざけられているのは、
全部“この企画でお客を呼べばプロパーの商品が売れる”という
“風が吹けば桶屋が儲かる”発想、活性化とは縁もゆかりも無い
販売促進です。

 以上、縷々書いてきましたが、新年度幸か不幸かW 商店街
活性化を担当することになった各位におかれては、昭和40年
代以来連綿として取り組まれて来た“活性化”が関係各方面の
努力もむなしくなぜ実現出来なかったのか、しっかり総括して
から執務に臨んでいただきたいと思います。

 あらためて“何を為すべきか”についても、当サイトで
しっかり提案していますので、勝負してください。

 折から、補正予算を原資に“賑わいを創出して商店街を活性化
しよう”という企画が処々方々で立てられているようですが、
あらためて、“活性化と販促は根本的に目的が違う”ことを
銘記した上で、本当に街の活性化を実現していくためには、
何に取り組むべきか、しっかり考えていただきたい。

 ちなみに。
日本経済の将来を左右する地場小売商業の活性化、その集積
する商店街の活性化が、活性化と販促の区別もつかない理事長
さん達の手に握られている、というのが現下我が国喫緊の課題
である「経済成長」が陥っている現状だということはほとんど
理解されていません。
そうした中で、「キラリ」に取り組み繁盛実現に精を出して
いる商業者有志と彼らと手を携えて商店街活性化を推進する
ごく少数の関係者だけが ―目下のところ― 我が国経済活性化
実現の希望だということはいうまでもありません。
有限会社クオールエイド
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有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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