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集客力の数値目標

 商店街活性化に関する計画作成にあたって、商店街・商業者の基礎体力を見積もり、並行して競合関係にある郊外・広域の商業集積を分析評価、これらを基礎に“商店街活性化への道”を構想するという手順を踏んでいる都市、商店街は殆どありません。
その結果は連戦連敗、手を変え品を変えて活性化事業に取り組むものの、施策を据えるべき基礎となる作業が出来ていませんから、砂上の楼閣、お金と時間は着実に費消しますが結果は残りません。

 総務省は、行政評価で中心市街地活性化の取組が思うように成果を挙げられない原因は“数値目標の不在”だとして、適切な数値目標を設定することを勧告しました。
あいかし、この勧告も上述の基礎体力の秤量、競合の調査分析の必要については沈黙しています。

 活性化策の作成が要件を備えていないという情況が意味しているのは、ひとえに問題解決能力の劣化ということ。その結果、商店街や中心市街地に限らず、日本全体が直面している情況に適切な対応することが出来ない、ということではないかと危ぶまれます。

 さて、標記について。
集客力向上は、今年度の商店街活性化の目標の一つとされていますが、集客力の向上の実現を数値に設定して追求するというのはすこぶる結構なことですが、問題は、集客力の向上はどうすれば実現出来るのか、その実現を目指すには何をどう数値化すれば良いのか、ということです。くれぐれも集客力が向上すれば通行量が増える、通行量を増やすことが集客力の向上だ、という本末転倒はしないこと。通行量増加はこれまでさんざん取り組んで来て
成果の得られなかった手法です。

 集客力とは何か 話はここからはじめなければならない。
こんにち、お客を集めるということは、とりもなおさず、他の商業集積へ向かっている消費購買行動にあらためて商店街を指向させる、ということですね。今どき、お客を増やしたかったら基本的に郊外のショッピングセンターから引きはがしてくる以外に方法はありません。どうすれば良いか。
集積間競争に勝利すること、これ以外にありません。
ちなみに集積間競争は物量的な話ではありません。競争は、“どの集積が私のショッピング行き先として適しているか”をテーマに個々の消費購買客相のアタマの中で行われます。

 この競争の決め手は、『基本方針(*)』に言われている“業種揃え・店揃えの最適化”にあります。
 商業集積の競争力とは、面積や店舗数では無く、当該集積がターゲットに想定している“特定の”消費購買行動の受け皿としてどれだけ条件(品ぞろえ・サービス揃え・ショッピング環境)を整えているかということであり、商業集積の競争力とは商圏内の競合集積と比較してどのような水準にあるか、ということで決まります。

 集客力=競争力=広域住民の消費購買行動を当該集積に向かわせる力。
上記の『基本方針』にはこのことが次のように書かれています。
“中小小売商業の競争力の根幹は業種揃え・店揃えの最適化”であると。
皆さん、『基本方針』はちゃんと読んでいますか? いつも手元においていますか、特に行政方面の皆さんは自家薬籠中のものにしないといけませんがしてますか?

 さて、集客力とは競争力のことであり、その根幹は業種委揃え・店揃えですから、集客力向上に本気で取り組むなら、「業種揃え店揃えの最適化」の実現を真っ正面に据えた取組になります。如何に取り組むか?

 手順を示しますね。
1.商店街が広域で分担する消費購買行動の受け皿としての役割を決定する。

2.役割を全うするために必要な「業種揃え・店揃え」、サービスミックス、環境整備を構想する。

3.実現可能な条件から順次整えていく

 ということになりますが、最優先の取組は「繁盛店を実現する」こと。キラリ輝く繁盛店づくりです。
キラリ輝く繁盛店とは、耳にたこが出来ているかと思いますが、商店街が広域で担う商業機能(商店街のコンセプト)を踏まえ、これを分担する方向で“店づくりの転換”に取組、繁盛を実現していく店舗、ですね。

 ここまで来ると推して知るべし、集客力の向上とは商店街の競争力の根幹である「業種揃え・店揃え」に究明し、取り組む店舗=「キラリ輝く繁盛店づくり」に取り組む店を増やすこと、その結果として繁盛を実現する店がどれだけ増えているか、によって評価することになります。個店が目指す繁盛は単に繁盛すれば良いのでは無く、商店街の集積としてのコンセプトを分担具現する店づくりの結果としての繁盛でなければならない。そうしないと集積間競争のさなかでお客を増やすことができません。

 キラリ輝く繁盛店が増えれば増えるほど集積としての集客力が増強されていくわけです。

 集客力向上を目指す取組が掲げるべき数値目標としては:
1.商店街の商業集積としての目指すべき方向を定め
2.その方向実現を分担実現する方向で繁盛を実現する
3.取組を計画し、実践する
という取組において、
〇事業に参加する店舗数
〇繁盛を実現している店舗数
を挙げることになると思います。

 当面の目標は商店街の店舗数の2割を「キラリ」化したい。そのためには3割の店舗に「繁盛店づくり」に参加させたい。

 というあたりが集客力向上の「数値目標」になるのですが、ちゃんと勉強していないとこの数値目標は出てきませんし、達成する方法も分からないはずです。
繰り返しますが、「通行量の増加」は見当違いです。

(*)『基本方針』=『中心市街地の活性化に関する基本的な方針』のこと。中活法第八条に基づいて平成18年9月閣議決定された。取り上げている個所は、p11 「 (1)中小小売商偉業高度化事業、①趣旨」にある。
ちなみに基本方針を実務の導きとして活用するには商業理論を装備していることが前提になる。
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