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■ 数値目標:「通行量の増大」についてのあれこれ

 商店街活性化のメルクマール(到達指標)として取り上げられる「通行量の増大」について、あらためて考えてみます。

 折しも最近公募された『平成24年度中小商業活力向上事業の1次募集について』では、
※社会課題に対応した補助事業であり、事業を実施した結果、補助事業実施前に比べ、補助事業終了後において当該商店街等の集客力向上及び売上増加の効果が認められることが必要です。
※今回の募集より、集客力向上に加えて売上増加を指標とすることを必須としておりますので、十分ご留意ください。

とされており、さらに『募集要項』 では

〔売上増加について〕
①商店街の売上高の実数値若しくは増減率を改善することが必要です。
②売上高の数値目標の把握方法については、商店街を構成する過半数以上の店舗(組合加入の有無は
問いません)の売上高を把握することが必要です。
③以下のような売上高の数値目標の設定については設定不可とします。
(例)
・商店街を構成する一部の組合員による売上のみ
・アンテナショップの売上のみ
・個別イベントの売上のみ等

 となっており、先に当コーナーで紹介した「数値目標の変更」がいよいよ実施の運びとなりました。

 『新法』の表面的な理解に基づいて「数値目標=通行量の増加」と設定してきた商店街は今日、
①通行量は増加しない
②商店街は活性化しない
空洞化が進むばかり、という状況に陥っています。
どうしてこういうことが起きているのか?
しっかり理解し、取り組みを抜本的に変えない限り、新年度の事業で求められている「売上の増大」と新法の「通行量の増大」を一体的に理解し、実現していくことは出来ません。

 まず“通行量の増大”について。
これは、“商店街の通行量が年間を通じて増大する”という意味であり、けして
①イベントを実施したらその期間だけ通行量が増えた とか
②集客施設を設置したらその施設だけ来訪者が増えた ということを意味するものではありません。
事業が目指す商店街の通行量増大とは、商店街が組織的に休業する定休日以外は、一年365日、商店街来訪者が増え.結果としてて通行量が増加する、ということです。これが『新法』にいう“通行量の増大”の定義であり、これが実現するからこそ“商店街の通行量増大を目指す事業”を総称して「商店街活性化事業」と括られているわけです。

 一年365日、商店街の来訪通行量を増大するには何が必要か?

 という問いを立て、真剣に解答を考えるというプロセスを省略して、通行量を増やす?
1.住む人来る人を増やす
(1)住む人を増やす・・マンションの建設
(2)来る人を増やす・・図書館やコミュニティ施設の建設
2.イベント
(1)地域資源を活かしたイベントの開催
(2)個店を活用するイベントの開催
3.環境の整備改善
(1)歩行環境の改善
(2)景観整備 
などが計画され、支援を受けて取り組まれていますが、成果が挙がりません。

 新年度事業の数値目標として掲げられた“集客力の向上&売上の増大”はこれまでも各種事業の数値目標として例示されて今したが、今回、ハッキリ達成目標として明示されてのはなぜか?

 これは、従来の通行量増加策は、これまで中心市街地活性化基本計画にも掲げられてきたものがほとんど、かつ、こんんちに至るまでほとんど成果が挙がっていないことは周知の事実です。
にもかかわらず、新法の“通行量の増大”を旧態依然・従来の施策で達成可能と何の根拠も無く考え、計画したが案の定成功しなかった、という事態を受けてあらためて“通行量の増加”では無く、“売上の増大”を目指すことが求められたわけです。

 街ぐるみの売上増大の取り組み、その成果として一年365日商店街の通行量が今とは比較にならない増加を見る、ということになります。
全ての事業が通行量の増大を目指して取り組まれる、というのが新法のポジションですが、各事業の成果が一年365日の通行量の増加を実現するには“買い物行き先としての魅力の画期的な向上”が不可欠、これを実現し“売上の増大”が達成され留、というプロセスが不可欠です。

 新年度の数値目標の変更が意味するところはそういう意味でありまして、以上でも以下でもありません。
これまで“キラリ”に取り組んで来た皆さんは、これまで通り、繁盛店を続出することで点から線~面へと増やして行くことで繁盛店が軒を連ねる商店街を目指せば、その結果として“通行量の増大”は必ず実現します。

 他方、表面的な“通行量の増大”を掲げて事業に取り組んで来た商店街は、売上の増大=繁盛店づくりといういまだかって経験したことの無い課題への取り組みが求められることになります。
「通行量の増大」を目指す作文作りが上手だった商店街には手も足も出ない課題、さて、どうすれば“売上の増大”を目指す事業が計画できるのか・・・・?

 ちなみに、“売上の増大”は“ポイントカードの取扱金額の増大”などではダメ、商店街に立地する各個店の売上を集計して判断することが必要です。
笑店街リーダーさん達の腕の見せ所ですが、これまで“カリスマリーダー”などと自称・他称してきたカリスマ・リーダーさん達の手に負える課題では無いことだけはハッキリしています。

 中心市街地活性化を担当する人達にとって瞬時も忘れることの出来ない:『中心市街地活性化基本計画の平成22年度フォローアップに関する報告』平成23年6月17日内閣府地域活性化推進室では
“通行量は他の目標指標に関する取組の効果全般の影響を受けるところ”と認識されています(7ページ)。

 いずれにせよ、「商店街の通行量の増大」とは、“一年365日、定休日を除き、商店街が買い物客で賑わっている”という情景の実現を目指して取り組まれるもの、そのつもりで今日ただいまから“買い物客の増大”を目指さなければならない。買い物客の増大はとりもなおさず売上の増大ですからね。
これまでの“住む人来る人を増やして通行量を増加する”という既に失敗事例続出の取り組みを続けるのか、“買い物客を増やして通行量を増加する”のか、究極の選択の時が始まっています。
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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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