行政主導の商店街活性化

 なにぃ、商店街活性化は商業者の仕事だろうが、と思ったあなたは経験が足りない(笑

 そもそも。商店街がそこでお店を張っている商業者の企画立案・協働で活性化出来るくらいなら何も中活法のスキーム(その最大の特徴は自治体が商店街活性化の計画主体になること)は必要なかった訳です。

 なぜ自治体・行政が商店街活性化に乗り出さなければならないのか?
自治体が乗り出せば商店街は活性化出来るのか?
自治体が先導する商店街活性化の方法と方向は?

 といった疑問が生じる人がいるかも知れませんが、いうまでも無く、当サイトご愛顧いただいている皆さんには全て解決済みの疑問ばかりです。

 今年度の当社の仕事は、タイトルの通り、行政主導で推進される商店街活性化の支援が中心になっています。
従来のように商店街組織が取り組んでいる事業についても事業を推進しながら、極力、行政の協力を得る・協働体制を実現することを追求することを提案、実現を目指しています。

 商店街活性化の取り組みにおいては、行政・中間団体・商業者という関係三者による推進体制の構築が課題であり、特に中活法のスキームではこれをどう実現していくかというところが難所でした。
これを解決するのが自治体が仕掛ける「キラリ輝く繁盛店づくり」です。

 商店街活性化を実現しなければならない、と意慾旺盛な行政の担当者さんが一念発起、当社流「商人塾」や支援センター「個店経営研修事業」について情報を収集、「繁盛店づくり」の導入にこぎ着ける、という事例はここ数年の新しい傾向でしたが、本年度、各地で一斉に(といえば大げさですが)本格的な取り組みがスタートしました。
本格的とは、
①この事業を商店街活性化推進の柱の一つに位置づける
②必要な経費等については行政が確保する
③成果の伝播拡大を目指す
④取り組みを通じてノウハウの蓄積、関係各方面のスキルアップ・信頼醸成を実現する
といった、まあ、商店街活性化という上位目的からすれば当然と言えば当然、しかしこれまで殆ど顧みられることのなかった・取り組みの本気度を示す目標を自覚しての取り組みである、ということです。

 行政主導というのは、言い出しっぺである自治体が都市経営の戦略課題として商店街活性化を位置づけ、その実現に向けてシナリオを描き、所要の条件を整備し、主役である商業者をその気にさせる、必要な体制を作る、といった基幹業務に行政が知恵を出し汗を流して取り組む、ということです。
関係各方面において、この仕事を行政に代わってやるところ・やれるところはありません。

 すでに実践がスタートしているところでは、これまで経験したことの無い、新しい人と人との関係が始まっており、事業の適切さ、成功の可能性を予感させています。

 いよいよ押し迫ったセミナー、「そうかそうだったのか商店街活性化・中活法のスキームによる実現の方法と方向」の参加者は圧倒的に行政の担当者さん、それもグループでの参加が目立ちます。
行政主導の商店街活性化、スタートとなるのは「キラリ輝く繁盛店づくり」であり、これに行政主導で取り組むことが本気で取り組む商店街活性化の第一歩、そのスタートの切り方について提案します。
この事業を商業施策・中心市街地活性化の施策体系の骨幹に据える、という自治体はこれから着実に増えていくことと思います。
年度末には交流会が持てるといいですね。

 さて、いよいよ本格的な事業シーズン、2日のセミナーを皮切りに講義出張が目白押しになっています。
特に今年は、理論・実践両面で大きな進歩がありましたので、テキストの内容が大分変わります。
目下、テキスト編集作業中です。

小売業の立地理論

小売業にとって「立地」とは何か?
「立地」はなぜ「移動」するのか?

 中心市街地の空洞化⇔活性化を考えるに当たっては、小売業の立地について理解していることが大前提になります。
"商店街を活性化するには通行量を増やせばよい"という考えは、"小売業にとってよい立地とは通行量の多い場所である"という立地理論から導かれています。
この立地に関する経験則は、商店街全盛当時なら、誰でも自分の見聞として確認することが出来ました。
今となっては間違いだったということが“その気になって”観察すれば誰の目にも明らかなのですが、すでに脳内に装備している「立地理論」は適切な観察を妨げます。

 今日は、ちょうど10年前に考えていた小売業の立地についての私どもの理解を確認してみましょう。
当時発行していたメールマガジン『コンサルタンの眼』からの引用です。

「小売業の立地」

   小売業関係の皆さんと話していると、今でも時々「いい立地=人出の多いところ」という前提での話を聞くことがある。元はといえば我が国には、「小売商業論」とか、「小売業マーケティング」というレベルの学問が成立していない。実務でもつい先頃まで150坪クラスのスーパーマーケットの店舗運営技術をもって「小売業の原理原則」と称して結構商売にしている人たちがいたくらいである。

 この「学問」として成立していないというか、知識が学問のレベルまで体系化されていない、ということは我が国商業の発展、消費者の利害ひいては国民経済の発展ということに、とてつもないマイナス効果を及ぼしているのだが、今日はこのことにはふれない。いずれHPで詳しく考えてみたい。

 立地の話。お店の経営にはいうまでもなく経営側とお客側という二つの立場が大きく絡んでいる。お客の立場で考えてみれば、極端な話、自分に必要なお店はうちの近く、思いついたらとりあえず、さっさといけるところにあるというのが一番いい立地である。これはいわゆる最寄り店であろうが買い回り店であろうが変わりはない。そうでしょ?

 ところが出店する側はそうはいかない、それなりの売上げを確保するために必要な客数などを考えながら出店場所を決めることになる。このとき昔は、人通りの多いところ=好立地という「理論」が成立していた。何故かと言えば、その当時は全国規模でのもの不足、人がいさえすれば、人=ものが欲しい人という等式が成り立つという時代だから、人通りが多いということは、いろんなものが欲しい人が集まっているということであり、そこに店を出せば他のところに出すよりも絶対有利、すなわち好立地、ということが成立した。

 人通りの多いところというのは第一に、近くに来訪目的になる施設などがある、ということであり、第二に、交通アクセスがそれなりに整えられている、ということである。中心商店街などは、①駅やバスセンターに近く、②観光・宗教・行政その他の来訪目的になる施設が周囲に点在している というような条件がそろっているうえに成り立っているところが多い。事実そういう場所は、軒を連ねている小売店がそろって繁盛し、他の街の同業者などからうらやましがられたものである。かくて、人出の多いところ=小売業にとって好立地という通説というか理論が作り上げられた。

 このようなかっての常識が成り立つ大前提が崩れ去る変化が起こった。
 
 変化とは何か?第一に、買い物行き先の多角化。昔だと、近隣型商店街、地域型商店街、広域型商店街などといって、ある特定の地域に住んでいる人たちのそれぞれの買い物目的に応じた行き先というのはほぼ決まっていた。車社会の到来は、このような一住宅地:一買い物行き先というこれまでのあり方を大きく変えてしまった。自分の気に入ったお店まで行きたいときに行ける、という状態が出来上がっている。
 
 第二に、業態店(*)の出現である。業態の出現は、店の数が多い=買い物目的を達成出来る可能性が高い、というこれまでの常識を大きくうち破った。近い・遠い、店数の多少よりも、そこに行けば必ず買い物目的を達成できる、という店づくりが圧倒的に優先されることになったのである。それはそうであろう。われわれが買い物に行くのは行くことが目的ではなく、買い物目的である
生活材料を入手することなのだから。業態の出現で全ての小売業は顧客の来店目的達成という課題に店づくりのトータルで勝負しなければならなくなったのである。

 小売業はとりあえずどこに立地するかということよりも前に、どんなお客のどういう購買行動をビジネスチャンスに選ぶかということを決定し、品揃えをはじめ来店目的となる条件を整備する、というトータルでの店づくりを考えなければならなくなっている。立地は、①商圏内の潜在顧客にわかりやすく、②潜在顧客の移動手段で来店できる、ということが必要条件である。ひと頃、ひと通りが多い=好立地という前提から、車立地=車両通行量の多い幹線というおばかな考えがまかり通っていたが、大間違い。まあ、分かりやすいということではOKですが、大渋滞とか帰りに右折できないとかいうデメリットもあって立地ではないということが定着してきたようだ。
 こんなことも立地についての原則論を理解していればラクショーでクリアだったんだけどね。

 日本一の利用客数を誇るJR新宿駅の東口に立地しているカメラのたしかさくらやかヨドバシカメラ、どっちかだったと思うが、ひと頃は坪当たり売上げ全国ナンバー1だった。さすが東口といわれたものだが、別に日ごろここを通る人たちが対象層顧客だったわけではない。①潜在顧客にわかりやすく、②手持ちの移動手段でアクセスできる、という新しい立地論で言えば、潜在顧客は関東一円に分布しているわけで、この人達が共通してわかりやすく・アクセスしやすい=東口ということで好立地だったわけ。

【2】用 語◆*「業態」について

 業態についてはとんでもない誤解・偏見がまかり通っているので要注意。
 コンサルタントでも業態=購買頻度別品揃えなどと、一店でも業態店を見ればたちまち嘘だと分かるデタラメを平気で書く人がいる。
 業態とは、お客の生活をいくつかに切り分けてそのうち特定の分野についてワンビジット(1回の来店)で必要な全ての買い物・用事が済ませられるような商品構成・サービスを作り上げている店のこと。

 例:スーパーマーケット:主婦(の役割を果たす人)の献立材料の調達とそのときに一緒に済ませた方が合理的な買い物の対象(家庭用消耗品など)を品揃えしてワンストップ(1回のレジで会計が終わる)で提供する。

 ホームセンター:住宅をセルフで維持・改善する、というニーズをテーマに道具、材料、資材を品揃えして、ノウハウなども合わせて提供する。

 どちらも品揃えは、生活局面対応であり、購買頻度ではないことを確認していただきたい。
   
引用終わり*********************************

当時はPOP理論なども開発しておらず、今読み返してみるとほほえましい限りですが、それでも。当時この程度の立地についての理解があれば、「通行量の増大」が中核課題・数値目標に掲げられることは無かったはずですね。

 立地はなぜ移動するか?

 今や答はハッキリしておりまして、旧POPから新POPへお客が移動するから。
お客はなぜ移動するか?
新の方が旧よりも買い物行き先としてベターであると評価するから、ですね。

 ちなみに旧立地理論(通行量)では、立地移動は説明できません。

“意識変エルナ 店変エヨ”

 知ってる人は知っているW、当社流商人塾・キラリ輝く繁盛店づくりの申し合わせ事項の一つです。

 中心市街地・商店街活性化界隈には業界の常として多くのジャーゴン(業界用語)が流通しています。もちろん、当サイトもお世話になっていますが、その中には、地の文にはほとんど使用しない用語がいくつもあります。合意形成とか意識改革などがその代表格です。

 関係の会議では参加者から頻用されますが、その意味するところについて発言者が立ち入って検討した形跡はありません。
"意識改革が必要だ"という発言は、課題についての"合意形成"では無く、"会議のシメ"の挨拶の常套句だったりする。

 あらためて考えますと、意識改革が課題だとする諸君が、"数値目標"の段になると改革とはほとんど関係のなさそうな「店前通行量の増加」を挙げているのも面妖、したり顔で語られる意識改革の必要性ですが、"本気度"が疑われます。そんなに「意識改革」が必要ならしかるべき施策を講じ、その進捗状況を示す指標を数値目標に掲げたらどうか。

 さて、標題について。
何かと言えば“意思改革が必要だ”と言いながら、そのためには何が必要か、ということは何一つ言えない・考えたことも無い諸君とは異なり、私どもは、問題解決に取り組むことで“能力と資質の向上”を目指します。

 塾を修了した人からは、“繁盛を再生できたこともさることながら、一番うれしかったのは、地方都市の商人としてのプライドを取り戻したことだ”という手紙をいただいたことがあります。
繁盛を再現することは、お客(地域社会)との信頼関係を再構築することであり、お客に喜んでもらうことが自分の喜びとなり、その喜びが“プライド”となる。
商人塾に参加された皆さんが、その家族・スタッフを含めて一様に明るく朗らかになるのは、自覚されているかどうかは別として“プライドの再構築”が出来たからだと思います。

 “お客さんが喜んでくれたら私もうれしくなる”、“結局のところ、商売を通してお客さんと元気のやりとりをするのが私たちの仕事”という発言が行き交うのが商人塾の日常です。“意識改革の必要性”など参加者の頭の中には欠片もありません。

 今年度の商人塾は市や県の事業として取り組まれているものがほとんどですが、もちろん事業の成果を測る目安として“数値目標”を設定して取り組みます。

 当社が提案する商店街活性化推進のための数値目標:
9月2日のセミナーで説明します。“コロンブスの卵”です。

 中心市街地・商店街活性化において、日頃“意識改革”の必要性を口にされる皆さんは、是非、“意識改革の進展度合い”を測定する指標を“目標数値”の一つに掲げるべきです。
もちろん、その前提として「意識を改革するための事業」を案出、推進することになりますが、さて、どういう事業メニューがあり得るのでしょうか。

商店街・起死回生はセミナーへの参加から

中心市街地活性化基本計画(中活法)、商店街活性化事業計画(地域商店街活性化法)。

 ご承知のとおり、両者とも国が用意した二つの法律ースキームに基づいて作られた商店街の活性化を目指す計画ですが、これまたご承知のとおり、取り組んでも取り組んでもなかなか“成果が挙がってきた、このまま行けば中心市街地・商業街区の復活間違いなし”と胸を張れる都市は少ないようです。

 それもそのはず、殆どの取り組みには共通して「致命的」といってもけして過言ではない欠陥がありまして、毎度おなじみ、“商業理論を装備していない”ということですね。

 商店街・商業街区の活性化に取り組むための計画が商業理論の裏打ちなしで作られている? 
業界外の人が聞けば“まさかそんなことが!”と目をむいて驚くに違いありませんが、関係者には疑う余地のない事実です。あなたの計画も裏打ちなしで出来てるでしょ。

 「商業理論」とは何か?
ここではかいつまんで“小売商業を理解するため体系的・客観的に整備されている知識”としておきます。
①小売業を理解する:小売商業の範疇にあるビジネスなら
 全部、業種・業態・集積の区分について客観的に説明
 出来る。
②体系的:いくつかの原理を立て、原理と初期条件の展開
 で説明する。
③客観的:原理を前提にすれば誰でも体系全体を理解する
 ことが出来る(特別の“信心”を必要としない)

というような要件を備えた知識の集合・体系が商業理論です。

 商業理論を装備していないと、

①百貨店とコンビニエンスストアの説明が出来ない(区別
 がつかない)。
②商店街とショッピングセンターの違いが分からない。
 地域経済において果たしている機能が分からない。
③そもそも“小売業”を成立させている下位機能が分から
 ない

 という“無い無いづくし”ですからこのような状態で、
“ショッピングセンター&ビッグボックス全盛時代に商店街をショッピングゾーンとして再構築する”
という活性化の方法と方向が分かるはずがありません。

 商業理論の欠落は、商業活性化に関する計画立案の専門家として招聘されたプランナーさん達にも共通しています。
本来なら当然装備しておくべきところ、どういうわけか商業理論を“全く”装備していない自称・他称のプランナーさんに商店街活性化の計画を指導してもらう,というのが商店街活性化の現場,これまでの実態です。

 プランナーさん達が商業理論を装備していない証拠:彼らが作った活性化計画には“商業理論”という言葉はただの一度も登場せず、“商業理論を装備する”という不可欠の条件を整備するための取り組みは全く計画されておりません。

 どうしてこういうことが起きているのか?
それは彼らが商業理論を装備しておらず、装備してなくとも商店街を活性化する計画は作れるし、装備してなくとも活性化は実現出来ると考えているから、ですね。
百貨店がのたうち回り、ショッピングセンターの前途に黄信号が点滅する時代にどうしてこういうトンデモなことになるのか?

 その原因はプランナーが(そして関係者の殆どが)“通行量を増やせば商店街は活性化する”という何の根拠もない「ご託宣」を信心しているから、ということ以外に考えられません。商店街活性化とは“信心の世界”なんですね。

 基本計画、活性化事業計画ともに「見なおし」の取り組みが聞こえるようになりました。いろいろと不具合が自覚されてきたのでしょう。

 特に活性化事業計画は、単位商店街が・自分達の繁盛実現を目的に・自分たちが行動するために・自分たちで作った・はずの計画ですが、所期の目的を達成するにはほど遠い結果となっているところが多いようです。
スキームのスタートから3年足らず,既に計画~実践の結末は見えてきたのではないでしょうか。
自分たちの商売繁盛のために自分たちで作った計画、という触れ込みですが、高率の補助金に目がくらみ?、算盤抜き,後先の考えなしで取り組んだ結果です。

 日々の商いに直結しているはずの「活性化計画」ですが、実状は"通行量が増えれば街は繁盛する"という信心のもと、イベントの開催や非物販施設の取得といった従来中心市街地全体で取り組んできた事業を単位商店街に下ろしただけにになっているのではないかと思われる事業ばかり、基本計画の教訓は全く活かされていない、ということです。

 それもこれももとはといえば商店街活性化のための取り組みであるにもかかわらず、関係者が商業理論を装備していなかった,誰もその必要を感じていなかった、という恐るべき事情が根本原因です。

 商業についての知識を欠いたまま取り組まれる商店街活性化。

 ショッピングセンターとビッグボックス群に席巻され、「消費購買」レベルで経済循環を破壊されている地方都市において、陳腐化ー劣化ー空洞化のスパイラルに陥っている商店街を「ショッピングの場として再構築する」というとてつもない課題、これまで誰も成功していない課題に理論抜きで挑戦する、というのが大方の都市の取り組みの実態。
成功するわけがない。これで成功するなら相次ぐ百貨店の撤退は失敗だった、ショッピングセンターの低迷は“通行量を増やさなかったから”ということになりますからね。

 ついでに言っておきますと欠落しているのは商業理論だけではありません。都市経営論、組織論、プランニング理論などなど、活性化の計画を立てるためには不可欠の理論・知識一式がほとんど装備されておらず、しかも"それで全然OK"という認識で取り組まれてきたのがこれまでの中心市街地・商店街活性化です。
この状況をしっかり認識しないとこれからも(見直し、二次計画とも)“死に至る病”と二人三脚することになります。

 以上について、"腹が立つが本当だから仕方がない"と思った人には起死回生の可能性があります。
このところ連日宣伝中のセミナー 『そうかそうだったのか,商店街活性化』 目下参加申込み漸増中です。

 参加される方の特徴としては、県や市の担当者さんが主流であること。(案内したのが主に行政関係)
都市経営、地域経営上の商店街の戦略的ポジションを理解すれば、商店街活性化は行政のメイン課題の一つ、商業理論の装備はまず行政が率先して、という姿勢が見えています。
 中には行政・会議所・まちづくり会社のそろい踏みや、活性化協議会のトップと事務局がともに参加されるというケースもありまして、当社もいつもに増して気合いが入っています。

 遠隔地の皆さんには相済みませんが,年度内、他地区での開催は考えておりませんので、万障お繰り合わせの上是非ご参加くださいませ。

※会場は福岡空港から30分、JR博多駅から10分、全国殆どの都市から日帰り可能な日程です。
※予算措置が難しい時は有給休暇を利用するという手も無いでは無いw

商店街活性化 問題はニーズと対応のミスマッチ

 任意の都市の『中心市街地活性化基本計画』を見ますと、中心市街地・商店街に対する地域住民の要望として“魅力ある店舗の集積や品揃えの充実”が上位にランクされています。また、商店主に対するアンケートにおける「商店街の課題」についても同じことが上位に入っています。
 つまり、消費者も商店主も商店街の問題点として“魅力のある店舗が少ない”、“品揃えが充実していない”ことを挙げているわけで、両者の問題意識にズレはありません。

 また、たびたび紹介しているように、中活法に基づいて作成された閣議決定『中心市街地の活性化に関する基本的な方針』では、“中小小売商業の競争力の根幹”として“業種揃え・店揃えの最適化”が提唱されており、すなわち、問題意識としては消費者、商店主、スキームの三者がぴったり合致しているわけです。

 ところが活性化のための施策という段階になると、この共通する問題意識はいつの間にか全く問題にされなくなり、代わって、“通行量の増加”などが取り上げられ、その増加量が数値目標として掲げられています。

 是非皆さんに自問自答していただきたい。
商店街の通行量が増えれば、“魅力ある個店の集積”や“品揃えの充実”が実現に向かうでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。
通行量増加に取り組んだ結果如何に関わらず、商店街に魅力ある個店が増えたり、品揃えが充実したりすることはありませんから、結局、消費者の商店街に対する要望は実現されず、その結果、商店街が買い物客を呼び戻す、商業集積としての繁盛を再生するという課題はいっこうに解決されません。解決されないどころか、多くの商店街では施策に取り組んでいる間も着実に劣化~空洞化が進んでいます。

 通行量が増えると街は活性化する、佐世保市・四ヶ町商店街を訪れてその通行量の多さに驚いた藻谷浩介氏が主張したことで有名になった“理論”ですが、もちろん、理論としての根拠はありません。常日頃「データ」参照が得意な藻谷氏ですが、通行量の増大と活性化の関係については、何一つデータを示していないことはよく知られています。
後は、商店街を花にたとえて、商店街は街の花、花が咲くためには根である居住人口、茎である就労人口、葉である来街人口が増えなければならない、という「商業はまちの花・論」があるだけです。
もちろん、この説に比喩の他に根拠が示されているわけでもありません。

 ということで、どうして課題としての“魅力ある個店の集積”や“品揃えの充実”が目標としての通行量の問題にすり替わったのか、確たる理由は分かりません。謎です。
ただ、一つ言えることは、魅力ある個店の集積や品揃えの充実のような個々の店舗のシャッターの内側の改革改善を必須とする取り組みよりも“通行量の増加”の方が、取り組みとしてはずうっと楽だ、ということです。
通行量が選ばれたのは,もしかすると“楽そうに見えたから”かも知れません。

 しかし、実際に取り組んでみると「通行量の増加」は大変難しい目標です。商店街がイベントなど特別の日では無い、普通の日の通行量を増やすには、街の魅力を向上させる以外にありません。商店街の魅力とは“魅力ある個店の集積や品揃えの充実”が本命です。

 こうして見ると、通行量の増加という目標は、魅力あるまちづくりに取り組んだ結果として実現されることだ、ということになります。
このことは内閣府による基本計画フォローアップの報告に指摘されている“通行量という数値は、様々な取り組みの成果として実現するものだ”とも符合します。
通行量を増やせば街が活性化するのでは無く、“街の(買い物行き先としての)魅力が向上すればそれにつれて来街者が増え、通行量が増える”のです。

 皆さんの基本計画あるいは商店街活性化事業計画において、通行量と街の魅力との関係はどう考えられているでしょうか。
この際、あらためて確認してみられることをおすすめします。
ついでに、住民の商店街に対する期待や商業者の問題意識も確認してください。そして商店街活性化の取り組みが実現すべき目標が「魅力ある個店の集積や品揃えの充実」すなわち、“買い物の場としての魅力の充実”であることを確認してください。

 新しい目標の達成は難しく感じられるでしょうが、しかし、これを目指さない限り、街にお客が戻ってくることはありません。
まっすぐ“買い物行き先としての魅力づくり”の取り組みに大きく舵を切り替えるべき時です。

 9月2日開催のセミナーでは、商店街の現状ありのままからスタートして最長3年の取り組みで“魅力ある個店の集積・品揃えの充実”を実現する軌道を構築する方法と方向を提案します。
これまでの活性化の取り組みに疑問を感じておられる人は是非ご参考まで、受講されることをおすすめします。
 
通行量増加策から買い物行き先としての街の魅力へ、抜本的な方向転換をしない限り、商店街が買い物の場として再生されることは無いのだと言うことを肝に銘じてください。

 しかし、ぶっちゃけ、誰か本気で通行量が増えれば商店街は活性化する、と信じてその実現に取り組んでいる人がいるのでしょうか?
いないような気がしますよね。

商店街は自発・自力主体で活性化出来るか?

 世間では、一応出来る、ということを前提にあれこれの応援策が提供されていますが、さて、ぶっちゃけたところ、標題のような疑問があるわけでありまして、これはもう、ことここに至れば、どなたも一度はまじめに考えてみるべき問題では無いか。
如何でしょうか。

 活性化出来るだろうか? と問うにあたってはその前にまず、“そもそも「商店街が活性化する」とは商店街がどうなることを意味するのか”ということを定義しておかなければならない。
“商店街活性化とは何か?”このことを定義せずに出来るとか出来ないとか論じることは出来ません。
商店街活性化とは何を意味するのか? 
商店街にどんな情景が生まれたら活性化されたといえるのか?

 この問題には、集積間競争が厳しい中で商店街が商業集積としての存続を目指すなら何を実現しなければならないか?という視点から考えることが一般的だと思いますが、そのためには実践的な商業理論を装備していることが前提になります。
装備していない皆さんを相手に商業理論を講釈するというのはさしあたり、当欄の役目ではありませんから、ここでは別のアプローチを取ってみましょう。

 ご承知のとおり、現在、商店街活性化のもっとも上位のスキームは『中心市街地活性化法(以下単に『法』という)です。
法では中心市街地活性化を“中心市街地における都市機能の増進と経済活力の向上”と定義しています(『法』第一条)。
この定義を「商店街活性化」に応用してみましょう。

そうすると商店街活性化とは:
“商店街における都市機能の増進と経済活力の向上”ということになります。
この定義を標題に代入すると:
商店街組織は、“自発・自力主体で商店街における都市機能の増進と経済活力の向上”を実現出来るか?
という問いになります。
果たして商店街組織にその能力があるでしょうか。

 シビアに検討するにはさらに定義しなければならない用語があります。
その一 商店街における“都市機能の増進”とは何か?
その二 商店街における“経済活力の向上”とは何か?
 いかがですか。これまで何気なく読み飛ばしてきた二つの言葉、質問の解をえるためにはあらかじめきちんと定義しておかなければならない。

 以下、当社これまでの研究の到達点は次のとおり。
1.商店街における“都市機能の増進”とは、中心機能である“小売商業集積としての機能 を①地域住民の生活及び消費購買行動の変化、②競争環境の変化 ③商店街内部の変化
 を分析評価し、将来にわたって広域商圏で生き残ることが出来るポジションを発見し、
 現状からそのポジションへ移行することである。

2.商店街における経済活力の向上とは、“都市機能の増進”を実現する取り組みのプロセ スで各個店の繁盛を実現し、新しい事業機会を確保するための投資を可能にする事業意慾 と投資能力(信用)を拡大することである。(新規及び設備更新投資)

 商店街活性化とは、現在~将来にわたって商業集積として存続可能なポジションを発見し、 商店街の現状からあるべきポジションに向かって移行すること、.業種揃え・店揃え、サービスミックス、ショッピングゾーンとしての街区の整備に計画的に取り組むこと、さらにそのプロセスで新規投資の可能性を持つ繁盛店を輩出させていくこと、です。
これが、中活法のスキームにおける“商店街活性化”の定義だということを、『法』及び『』基本的な方針』を熟読、確認してください。

 その上で本論。
商店街(組織)は、自らの発案と主体的な取り組みで商店街を活性化する能力を持っているだろうか?
という問いを考えてみてください。
持っているだろう、持っているはずだ、と思った人に質問。
商店街は、いつ、どのようにしてその能力を入手したとお考えですか?
もし、能力を持っているとしたら、現在、その能力はなぜ使われていないのでしょうか?

 ということで、中活法のスキームで考えられる商店街活性化は、既存商店街(組織と個店)のこれまでの経験とは全く関係の無い目標であり、これを実現したかったら、関係各方面は主体=商店街(組織),周辺事業=関係団体というこれまでの常識に基づく役割分担から決別、これまでにない推進体制を構築することが必要です。
もちろん、新しい推進体制が実践する活性化への道、その方法と方向については、新しい推進体制によって構築しなければならない。
もちろん、新しい活性化への道を切り開いて商業集積としての再構築に取り組んで行くのは“儲かってナンボ”の商業者各位。この人達をその気にさせ、スキルアップを実現し・・・、というのがご存じ“キラリ輝く繁盛店づくり”新しい実践は既に始まっています。

 以上について、“なるほどそのとおりだ”、とか“うーむ、そうかも知れない”と思った人のための新規まき直しのための第一歩:
クオールエイド提供“そうかそうだったのか、商店街活性化”『再チャレンジ・中活法のスキームによる商店街活性化への道』に是非ご参加あれ。


 当社は、認定基本計画の有無を問わず、商店街活性化にはこの道しか無いと確信しています。
他に類似趣旨・内容のセミナーはありません。次の機会は不明です。
迷わず,何でしたら有給を取ってでも参加すべき、と当社はおすすめします。

商店街振興組合の窮状打開

 中心市街地活性化基本計画に基づき、高度化事業を利用してアーケードや立体駐車場などの設備を行った組合の中には、他にも様々な事業に取り組んでいるにもかかわらず、組合員個店の業績は低迷の一途、ついに当初の償還計画の遂行に困難を来すに至っているところが散見されます。
当社がおつきあいしているところにはありませんが。

 中には償還計画の変更を余儀なくされている組合があることも伝わってきます。状況的に3~5年といったスパンで考えても経営環境が好転するなどと言うことは期待出来ませんから、これから先その命運はどうなっていくのか。
組合員の転廃業などによる収入の漸減もあり、活動費の確保もままならないなかで、肝心要の活性化の実現=商売再繁盛への道がまったく描かれていないことは容易に推測されるところです。

 このような状況に陥っている組合にとって今すぐ取り組むべきことは、取り組めば直ちに組合員の業績回復を実現できる事業に着手すること、これ以外にありません。幸い、当社流商人塾や支援センターの個店経営研修事業などの取り組みによって、“商店街立地に繁盛店を再生する”手法はほぼ確立されています。
“キラリ輝く繁盛店づくり”略して“キラリ運動”ですね。(他にもあるかも知れません。当サイトでは個店の繁盛再生からスタートする商店街活性化の取り組みを総称してキラリ運動と呼ぶことにしたいと思います。)

 窮状にある商店街組織は、一日、一刻も早く「キラリ運動」を導入しなければならない。
しかし、上記のような窮状に陥っている商店街の中には、商店街振興組合とは名ばかり、執行部も名ばかり、という状態に陥っている街の噂も伝わってきます。徐々に増えているのではないか。

 活性化を目指して取り組んだ事業が成果を挙げられず、組織も壊滅の危機に瀕している。

 これが“空洞化が進む商店街”の内実であり、状況はもはや各種の施策を準備して組合による選択活用を期待する、というこれまでの支援の方法では間に合わないところまで来ていると判断しなければならないのではないかと思われます。
もちろん、これは高度化資金の償還に行き詰まっている一部の商店街のことではなく、業績低迷、空洞化の趨勢に歯止めが掛からない全国の商店街がやがて陥っていく道かも知れません。
そうなれば、『循環型地域経済の再構築』という都市経営の基本理念は宙に浮いてしまうことになりかねません。

 関係各方面、状況を直視すれば画期的な施策の採用が喫緊の課題であることは明らかだと思います。
まずは、9月2日のセミナー に参加、中活法のスキームによる商店街活性化の道を理解することから。

 活性化実現の可能性を腹の底から理解しない限り、実効ある取り組みは出来ません。
当面、このセミナー以外に上記のような問題情況を突破していく手助けとなる企画は提供されていないと思います。この点、是非確認してみてください、

※ “中活法のスキームによる商店街活性化”は、中心市街地活性化基本計画を作成している都市だけに該当する方法と方向ではありません。このセミナーで提案する活性化の方法と方向および具体的な施策は、活性化への取り組みが必要なすべての商店街で採用できるものです。

 商店街活性化の取り組み、いよいよ佳境を迎えました。
有限会社クオールエイド
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こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
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有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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