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商店街活性化は誰の仕事か

 以下の記事は、7月19日から23日にかけてツィッターで断続的に書き込んだ「商店街活性化は誰の仕事とか」と題する連続ツィートをまとめたものです。
つないで適宜改行しただけ、読みにくいかも知れませんが多謝。

 最後に《収穫》という一文で、「活性化」と「経済活力」という中心市街地活性化のパラダイムにおけるキーワードの定義を試みました。
こういう形で二つの言葉の意味を明らかにしたのは(たぶん)takeoがはじめてでは無いでしょうか。
それがどうした、と言われればどうもしませんけど。
事業の中核に位置する用語の意味が共有されていなければ、“船頭多くして船山に上る”かと。

 当サイトへのアクセス、「中心市街地活性化の必要性」、「なぜ商店街が必要か」の検索経由の人があるようです。
今日の記事、一読されると“なぜ必要か”、“誰の仕事か”ヒントになるかも知れません。

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      『商店街活性化は誰の仕事か』

第一には、都市経営に責任を持つ都市行政の仕事だ。自治体がその気にならないと今どき商店街を市域を越えた商圏を持つ「ショッピングゾーン」として再生することは出来ない。空洞化著しい商業街区の再生という課題は、商業者が取り組んだことも問題を自覚したことも無い仕事なのだから。
 都市にとって商業街区のショッピングゾーンとしての再生はなぜ必要か? 
当然課題として関係者に共有されるべき“都市経営上の必要性・戦略課題性”は、これまで的確に定義されたことが無い。
定義すれば“何をなすべきか”明らかに出来る。“誰の仕事か”も明らかになる。

 以下の話では、前提として“商店街活性化とは商店街を商業街区(小売店が軒を連ねるショッピングゾーン)として再生すること”という定義を了解していただきたく。活性化=活性化という冠のついたソフト・ハードの事業に取り組むこと、と理解し行動する人たちには無縁の話。
 前提条件さらに。
商店街とはどこのことか? 中活法第二条(中心市街地)に定められた要件に該当する街区。(注意)同法における中心市街地とは、“都市の中心の市街地であって”三要件に該当するものを指す。都市機能(行政・文教・医療など)が立地する市街地では無い。

 法二条の要件は“法定中心市街地とは都市の中心部の商業街区のことである”と読まないと中活法のスキームをを使いこなすことは出来ない。疑うものは、支援施策の体系を見よ。“商業街区活性化の取り組みを支援する”支援のオンパレードだ。
さらに、当該商業街区に集積している小売商業の大半は、中小小売商業者であり、これは中心市街地の定義からして相当の蓋然性をもって当該中心市街地に本店を構える“独立自営中小小売商業者”である。以下、我々はこれを“地場小売商業”と呼びたい。

 中活法に基づく商店街活性化の取り組みは当該街区内の取り組みであるが、地場小売商業の活性化という取り組みの成果は、中心市街地以外の商店街立地に立地する地場小売商業者の活性化に転用ないし応用可能なはず。法二条要件三参照。

 都市経営にとって小売商業の活性化という課題は、市内に立地する小売商業・商店街立地の地場小売商業・中心市街地立地の地場小売商業の活性化という階層性を見ておかねばならない。SCを誘致して雇用と固定資産税を稼ぐのが小売商業政策だ、などというのはトンデモな話、果たして政策の名に値するものか、いずれ分かる。

 本論に戻って、「都市経営における中心市街地活性化の必要性」を“中心市街地商業街区活性化の必要性”“主に地場小売業者が集積する商店街活性化の必要性”と考えないと“活性化はなぜ必要か”は出てこない。“ショッピング行き先? ジャスコがあるじゃん、コンビニがあるじゃん”別に商店街は無くても不自由は感じないという意見と「物別れ」に終わり、活性化の大義名分は出てこない。

 中活法第一条に“中心市街地が地域の経済および社会の発展に果たす役割の重要性に鑑み・・”とあるのはご承知のとおり。果たして本当か。
中心市街地が衰退すると“地域の経済および社会の発展”に大きな支障を及ぼす、故に活性化が必要だ、活性化しなければならないという文脈だが、中心市街地・商業街区が、“地域の経済および社会の発展に果たす役割”とは何か、あらためて確認しておこう。これを理解しないと、中心市街地活性化=中心市街地における都市機能の増進および経済活力の向上(法一条)の施策を講じることは不可能だ。
 地場小売商業が担う都市機能とは何か。経済機能としての地場小売商業が担う都市機能とは何か? それはジャスコやコンビニが担う小売商業とどう異なるのか、このあたりを理解しないと商店街の活性化が“経済活力の向上”につながることが理解できないはず。ジャスコの誘致=経済活力の向上ではないことも。

 中活法中心市街地活性化の定義に“都市機能”及び“経済活力”という言葉が用いられている。これらをどう理解するかに活性化の成否がかかっていると言って過言では無い。都市機能については、まず、都市そのものを「機能」として理解することが不可欠だろう。それを踏まえて、都市を機能させる(存続発達)要件として“経済活力”が理解され、そのようなものとして向上が目指されることになる。

 “都市中心部に位置する商店街の活性化は誰の仕事か”の解明は、都市の機能についての理解へ遡及しなければならない。“商店街活性化は商業者の仕事”という理解では活性化を実現することは出来ない。都市の下位機能としての商業街区・商店街が担う都市機能を理解しないと、その活性化が商業者やその組織の仕事であるばかりでは無く、むしろ、都市が行政を中心に持てる能力を集中して取り組むべき戦略的な課題である、という問題理解にたどり着くことは出来ない。

 以上を踏まえてはじめて、地場小売業者が集積する商店街の活性化が“都市機能の増進及び経済活力の向上”という都市が存続するために不可欠の“成長課題”への取り組みにおいて占めるポジションが理解される。と言うことで、誰の仕事か、の究明は都市機能の考察へと遡及しなければならない。

 論じるには中活法の定義=都市機能の増進及び経済活力の向上を一瞥しておかなければならない。さらには都市そのものについても。大風呂敷を広げると当面の課題に支障を来すので、とりあえず必要な限りで。都市については参照 http://t.co/ZCPnVjM 

 中活法において、中心市街地活性化は、中心市街地(=都市中心部に位置する商業街区)における都市機能の増進及び経済活力の向上と定義されている。基本計画は、これを目的に事業を立案、推進するものだが、既存の基本計画は、この目的を踏まえること無く作成された。特に重要なことは、“経済活力の向上”について、まったく理解していないこと。これはもちろん売上げアップと同義では無いし、また、通行量の増加などで実現するものでも無い。“中心市街地における経済活力の向上”とは何を意味するのか? これを読み解け中心市街地活性化は大きく前進する。

 経済活力とは経済活動の拡大再生産に向かう意欲と活用可能な経営資源を意味する。投資意欲と実現可能性。中心市街地の経済活力とは繁盛を実現し、業容のいっそうの拡充を目指す地場小売商業者固有の機能である。思えば、地域経済の衰微は商店街の空洞化と並行して進んできたが、この間の事情は、中心市街地の空洞化(消費購買行動の郊外へのシフト)~地域の裁量所得の域外流出~域内企業の経済活動の衰微~投資機会の漸減というプロセスを見れば明白だ。中心市街地の活性化=経済活力の向上は都市経営上の戦略課題であり、“なぜ必要か”“誰の仕事か”という問いへの答えはここにある。

 経緯的には問題発生以来、商店街組織によって担われ、整備改善活性化法の制定から自治体が計画主体=中心市街地・商店街活性化に責任を持つことになった。このことの意義は十分確認されているとはいいがたい。中には“計画は作ってやったから後は商店街ががんばれ”という担当者もいた。出来上がった計画は、活性化基金事業で単位商店街が作成した『商店街活性化構想』と大差ない内容であり、これでがんばれるなら、とっくにがんばれたのだ。
 
 中活法制定以降、商店街活性化は都市を挙げて取り組むべき課題に(少なくとも形式的には)なっているのだが、なぜ、たかが商店街の活性化程度に、前代未聞、自治体を事業主体とする計画を作って取り組まなければならないのか、その根拠を展開している都市は無い。だから取り組みが結実しないkのだ。
都市経営にとって工業団地開設~企業誘致と中心市街地活性化、どちらが優先順位が高いと心得ているか。

 中活法第二条(中心市街地)要件三:“当該市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を一体的に推進することが、当該市街地の存在する市町村及びその周辺の地域の発展に取って有効かつ適切であると認められること。”
これに照らせば以上の議論が法の趣旨に即していることは明白である。

 と言うことで。中心市街地=都市中心部商業街区の活性化は、行政以下、都市が持つ所要の能力を集中し、かつ、外部からの支援を得ながら取り組むべき、“みんなの仕事”だということを整理してみた。既にこのような視点に立った試行が始まっている。基本計画の見直しという課題に直面している人は、総括の視点として検討されては如何。
本格提案は(有)クオールエイド主催のセミナー『そうか・そうだったのか商店街活性化』で。http://t.co/XSHWtij 御市における関係各方面、“問題意識の共有”という差し迫った必要への選択肢として。

《収穫》
 この間、断続的に続けた作業の結果、「活性化」と「経済活力」というジャーゴンを定義することが出来た。

活性化:“施策に取り組んだ結果「経済活力」が生み出されること。またそれを意図する取り組み”。
経済活力:“経済活動の拡大再生産に向かう意欲と基礎体力と活用可能な経営資源”の三点セット。
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ツイッター140字限定の断続投稿という形式で「論理」を形成するという、新しい作業方法を開発したようです。
次は「中小小売商業高度化事業」にトライしています。ご承知のとおり、これは中活法のスキームにおける商業活性化のための手法の筆頭に挙げられていますが、その“使い方”は、まだ解明されていません。
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  • Author:進化する売場研究会
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    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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